この記事では、Excel VBAを使用して「倉庫別在庫状況報告書」の自動作成を行う方法について詳しく解説します。初心者でも理解しやすいように、具体的なコード例、その詳細解説、さらに応用例を含めて紹介します。
目次
基本的な自動作成プロセス
Excel VBAを使用して「倉庫別在庫状況報告書」を自動作成する基本的なプロセスは以下の通りです。
1. 入力データの取得
2. データの加工
3. 報告書の形式に合わせた出力
コードの基本形
以下はその基本形となるVBAのコードです。
Sub 報告書作成()
Dim wsInput As Worksheet
Dim wsReport As Worksheet
Dim LastRow As Long
' ワークシートの設定
Set wsInput = ThisWorkbook.Sheets("入力データ")
Set wsReport = ThisWorkbook.Sheets("報告書")
' 最後の行を取得
LastRow = wsInput.Cells(wsInput.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
' データの加工と出力処理
For i = 2 To LastRow
' ここにデータの加工と出力処理を記述
Next i
End Sub
コードの詳細解説
上記の基本形について、各部分の詳細を解説していきます。
ワークシートの設定
入力データと報告書を別のワークシートで管理するため、それぞれのワークシートを変数に設定しています。
最後の行の取得
入力データの行数が変わる可能性があるため、動的に最後の行を取得しています。
データの加工と出力処理
For文を使用して、入力データの各行を読み込みながら、データの加工と報告書への出力を行います。
応用例
ここでは、倉庫別在庫状況報告書の自動作成をさらに発展させるための応用例を3つ紹介します。
応用例1: 各倉庫の総在庫数を計算する
倉庫ごとに総在庫数を計算して、報告書の特定のセルに出力する例です。
Sub 総在庫数計算()
' 前述の基本形のコードに追加する形で実装
Dim TotalStock As Long
For i = 2 To LastRow
TotalStock = TotalStock + wsInput.Cells(i, 3).Value '3列目が在庫数と仮定
Next i
wsReport.Cells(10, 5).Value = TotalStock '報告書のE10セルに総在庫数を出力
End Sub
応用例2: 品目ごとの在庫数を分類して出力する
品目ごとの在庫数を計算して、報告書にテーブル形式で出力する例です。
Sub 品目別在庫数()
' 前述の基本形のコードに追加する形で実装
Dim ItemDict As Object
Set ItemDict = CreateObject("Scripting.Dictionary")
For i = 2 To LastRow
ItemName = wsInput.Cells(i, 2).Value
Stock = wsInput.Cells(i, 3).Value
If Not ItemDict.exists(ItemName) Then
ItemDict(ItemName) = Stock
Else
ItemDict(ItemName) = ItemDict(ItemName) + Stock
End If
Next i
' 報告書への出力
Dim j As Integer
j = 5 '報告書の出力開始行を設定
For Each Key In ItemDict.keys
wsReport.Cells(j, 4).Value = Key
wsReport.Cells(j, 5).Value = ItemDict(Key)
j = j + 1
Next Key
End Sub
応用例3: 在庫数が閾値未満の品目を警告する
在庫数が特定の閾値未満の品目を警告として報告書に出力する例です。
Sub 在庫警告()
' 前述の基本形のコードに追加する形で実装
Dim Threshold As Long
Threshold = 50 '閾値を50と仮定
For i = 2 To LastRow
Stock = wsInput.Cells(i, 3).Value
If Stock < Threshold Then
wsReport.Cells(i, 6).Value = "警告: 在庫不足"
End If
Next i
End Sub
まとめ
Excel VBAを使用して「倉庫別在庫状況報告書」の自動作成を行う方法について解説しました。基本的な自動作成プロセスから、さまざまな応用
例まで、VBAの魅力を最大限に引き出す方法を紹介しました。これを機に、自動化の範囲を拡大して、業務効率をさらに向上させてみてはいかがでしょうか。
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