この記事では、Excel VBAを使用して、オンラインの求人応募や履歴書提出フォームへの自動入力について解説します。この技術は、繰り返し同じフォームに入力する必要がある場合や、大量のデータを短時間で入力する必要がある場合に非常に役立ちます。具体的なコード例と詳細な解説、さらには応用例を複数取り上げて、VBAの強力な自動化のポテンシャルを探求します。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

基本の自動入力の仕組み
Excel VBAを使用してWebのフォームへの自動入力を行う際の基本的な仕組みは、Internet Explorerのオブジェクトを操作することになります。これにより、Webページ上の特定の要素を検出し、値を設定することができます。
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Dim IE As Object Set IE = CreateObject("InternetExplorer.Application") IE.Visible = True IE.Navigate "http://www.example.com/form" Do While IE.Busy Or IE.readyState <> 4 DoEvents Loop IE.Document.getElementById("name").Value = "山田太郎" IE.Document.getElementById("email").Value = "example@example.com" |
コードの解説
上記のコードは、特定のWebページ(ここでは”http://www.example.com/form”)を開き、IDが”name”と”email”の2つのテキストボックスにそれぞれ値を入力するものです。
1. Internet Explorerのオブジェクトを生成します。
2. ブラウザを表示状態にします(IE.Visible = True)。
3. 指定したURLを開きます。
4. ページが完全に読み込まれるまで待機します。
5. getElementByIdメソッドを使用して特定の要素を取得し、Valueプロパティを使って値を設定します。
応用例
1. 複数のデータを入力
もし、Excelのシートに複数行のデータがあり、それを一つずつWebフォームに入力する場合は、以下のようにループ処理を追加します。
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Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1") For i = 2 To ws.Cells(ws.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row IE.Document.getElementById("name").Value = ws.Cells(i, 1).Value IE.Document.getElementById("email").Value = ws.Cells(i, 2).Value ' 提出ボタンのクリック処理等を追加 ' ~ ' 次のデータの入力まで待機 Application.Wait (Now + TimeValue("0:00:02")) Next i |
2. 画像や添付ファイルのアップロード
Webフォームで画像や添付ファイルのアップロードが必要な場合、SendKeysメソッドを利用してファイルのパスを送信し、アップロードボタンをクリックします。
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IE.Document.getElementById("fileInput").Click Application.Wait (Now + TimeValue("0:00:02")) SendKeys "C:\path\to\file.jpg" SendKeys "{ENTER}" |
3. ドロップダウンリストの選択
ドロップダウンリストから特定の項目を選択するには、以下のようなコードを使用します。
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IE.Document.getElementById("dropdown").Value = "desired_option_value" |
まとめ
Excel VBAを使用すると、手動での入力が煩雑なWebフォームへのデータ入力作業を効率的に自動化することができます。しかし、使用する際はWebページの構造の変更やセキュリティ上の制限に注意が必要です。これらの基本的なテクニックをマスターすることで、日常の業務効率を大幅に向上させることが期待できます。
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