この記事では、Excel VBAを利用してMATLABスクリプトを実行する方法について詳しく解説します。具体的なコード例とその詳細解説、さらに実際の応用例を3つ取り上げ、どのようにExcelとMATLABを連携させることができるのかを学ぶことができます。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
基本的な方法
MATLABはCOMオブジェクトをサポートしているため、Excel VBAから簡単にMATLABを呼び出してスクリプトを実行することができます。以下はその基本的な方法です。
Dim Matlab As Object
Set Matlab = CreateObject("Matlab.Application")
Matlab.Execute ("disp('Hello from MATLAB!')")
上記のコードは、MATLABを起動し、MATLABのコマンドウィンドウに”Hello from MATLAB!”と表示するものです。
コードの詳細解説
1. `Dim Matlab As Object`:MATLABオブジェクトを参照するための変数を宣言します。
2. `Set Matlab = CreateObject(“Matlab.Application”)`:MATLABのアプリケーションオブジェクトを作成し、それを変数に割り当てます。
3. `Matlab.Execute (“disp(‘Hello from MATLAB!’)”)`:MATLAB内で`disp(‘Hello from MATLAB!’)`コマンドを実行します。これにより、MATLABのコマンドウィンドウに指定したメッセージが表示されます。
応用例
応用例1: Excelデータの処理
ExcelのデータをMATLABに送り、簡単な計算を行った結果をExcelに返す例です。
Dim Matlab As Object
Dim Result As Variant
Set Matlab = CreateObject("Matlab.Application")
' ExcelデータをMATLABに送る
Matlab.PutWorkspaceData "data", "base", Range("A1:A10").Value
' MATLABでの計算
Matlab.Execute ("result = mean(data);")
' 結果をExcelに取得
Result = Matlab.GetWorkspaceData("result", "base")
Range("B1").Value = Result
応用例2: MATLABでのグラフ作成
ExcelデータをMATLABに送り、グラフを作成し表示する例です。
Dim Matlab As Object
Set Matlab = CreateObject("Matlab.Application")
' ExcelデータをMATLABに送る
Matlab.PutWorkspaceData "x", "base", Range("A1:A10").Value
Matlab.PutWorkspaceData "y", "base", Range("B1:B10").Value
' MATLABでのグラフ作成
Matlab.Execute ("plot(x,y);")
応用例3: MATLABスクリプトファイルの実行
既存のMATLABスクリプトファイル(例: “myscript.m”)をVBAから実行する方法です。
Dim Matlab As Object
Set Matlab = CreateObject("Matlab.Application")
' MATLABスクリプトファイルを実行
Matlab.Execute ("run('C:\path\to\myscript.m')")
まとめ
Excel VBAからMATLABスクリプトを実行する方法について学びました。これにより、Excelのデータ処理や解析の可能性が飛躍的に広がります。MATLABの強力なデータ処理能力とExcelの使いやすさを組み合わせることで、より高度な分析や処理が可能になります。
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