Windows 10のPCで、XBOXアプリを使ってお気に入りのゲームをダウンロードしようとしたときに「0x80070005」のエラーが出てしまうと、本来の楽しみが大きく損なわれてしまいます。とくにシステムドライブとは異なるセカンダリドライブを利用する場合に頻発しがちなこのトラブルを解消し、快適にゲームをインストールして遊べるようになるための方法を、分かりやすくご紹介します。
エラーコード「0x80070005」が示すものとは?
「0x80070005」は、Windowsシステムでアクセス権限に関連する問題が発生したときに表示されるエラーコードです。XBOXアプリやMicrosoft Storeからゲームをインストールする際に、システム的な権限が十分に与えられていないドライブへデータを書き込もうとすると起こりやすい傾向があります。とくにWindows 10のPC環境では、セキュリティレベルが高く設定されていることもあり、意図せずアクセス拒否状態になってしまうケースも少なくありません。
エラーが発生しやすいケース
- システムドライブとは別のドライブ(セカンダリドライブなど)を指定してゲームをダウンロードしようとするとき
- ドライブのフォルダやファイルに対してアクセス権が適切に設定されていないとき
- WpSystemフォルダやAUInstallAgentフォルダなど、Windowsのストアアプリ関連フォルダが何らかの理由で破損しているとき
- ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、インストールプロセスを不正と誤認してブロックしているとき
こうした原因が組み合わさると、ゲームのダウンロードやアップデートが中断され、「0x80070005」のエラーによってインストール作業が先に進まなくなります。次のセクションからは、具体的な解決策を詳細に解説していきます。
解決策1:セカンダリドライブの権限を確認する
ゲームをインストールしたいドライブに対して、十分な読み書き権限が付与されていない場合、エラーが発生する確率が高まります。まずは以下の手順で権限設定をチェックしましょう。
ドライブのセキュリティ設定を変更する手順
- エクスプローラーを開く
タスクバーやスタートメニューなどからエクスプローラーを起動します。 - 対象ドライブを右クリックし「プロパティ」を選択
プロパティを開くと、複数のタブが表示されます。 - 「セキュリティ」タブを開く
ユーザーアカウントの一覧が表示されるので、現在使用しているアカウントに注目します。 - 「編集」ボタンからアクセス許可を変更
フルコントロールが無効になっている場合は、フルコントロールにチェックを入れてアクセス許可を付与します。
アクセス権の設定における注意点
- フルコントロールを付与すると、そのユーザーが該当ドライブ上のすべてのフォルダやファイルを制御できるようになります。セキュリティ面を考慮し、信頼できる自分自身のアカウントか管理者アカウントだけに設定してください。
- システムファイルや隠しフォルダへのアクセスを誤って変更すると、別のトラブルを引き起こすおそれがあるため、設定変更後は慎重に動作を確認しましょう。
解決策2:WpSystemフォルダの所有権を変更、またはリネーム・削除
セカンダリドライブ上のWpSystemフォルダは、Windowsストアアプリのインストール時に作成されるフォルダです。何らかの理由でファイル破損や権限エラーが起きていると、エラーコード「0x80070005」が表示される場合があります。
WpSystemフォルダの所有権を自分のアカウントに変更する手順
- セカンダリドライブをエクスプローラーで開く
- 「WpSystem」フォルダを右クリックし、「プロパティ」を選択
- 「セキュリティ」タブから「詳細設定」をクリック
- 「所有者」の項目を現在のユーザーに変更
「所有者を変更する」画面が出るので、利用しているアカウントを選択し、「サブコンテナとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れます。 - 権限の継承を有効にする
所有者変更後、必要に応じて「継承の有効化」や「子オブジェクトのアクセス許可すべてを…」といったオプションを有効にし、フォルダ内部のすべてのファイルにも変更が適用されるようにします。
フォルダをリネームまたは削除する方法
所有権を取得しても状況が改善しない場合は、WpSystemフォルダをリネームもしくは削除し、再度ゲームをダウンロードしてみるのも一案です。
- リネーム例:「WpSystem」を「WpSystem.old」といった分かりやすい名前に変更
- 削除する場合:所有者を変更したうえでフォルダを削除し、念のためPCを再起動してからダウンロードを試す
WpSystemフォルダが自動的に再生成されることで、破損していたファイルがクリアされ、正常にインストールできる可能性が高まります。
解決策3:Windowsの更新状況やアプリのアクセス許可を確認
ゲームインストール関連の不具合は、Windowsのバージョンやアップデート状態によっても左右されます。まずはシステムを最新の状態に保つことを心がけ、Microsoft StoreやXBOXアプリにもきちんとアクセス許可があるかどうかをチェックしましょう。
Windows Updateを実施する
- スタートメニュー > 設定 > 更新とセキュリティ > Windows Update
- 最新の累積アップデートがあれば適用し、再起動を行う
アプリのアクセス許可を確認する
- スタートメニュー > 設定 > プライバシー
- 左ペインにある「アプリのアクセス許可」欄を順番に確認し、必要に応じてストレージ・ファイルシステム・その他の項目がXBOXアプリに許可されているかを見る
ウイルス対策ソフトやファイアウォールの影響をチェック
セキュリティソフトはシステムを守ってくれる一方、正当なアプリやゲームのインストールを誤ってブロックすることがあります。特定のウイルス対策ソフトやネットワーク保護機能が原因で「0x80070005」エラーが出ている場合、以下の手順を試してみてください。
- ウイルス対策ソフトの一時無効化
設定画面から一時的に保護機能を停止し、インストールが進むかどうかを確認。 - ファイアウォールの例外ルールを作成
XBOXアプリやMicrosoft Storeがインターネットアクセスできるよう、ファイアウォールの設定に例外を追加する。 - 問題が解消したら有効に戻す
セキュリティを保つために、一時停止した機能はゲームのインストール完了後に忘れずに元に戻します。
解決策4:AUInstallAgentフォルダを再作成する
セカンダリドライブで発生するアクセス権問題とは別に、Windowsフォルダ内の「AUInstallAgent」フォルダが原因となるケースも報告されています。下記手順でフォルダの存在を確認し、新規作成すると改善するかもしれません。
AUInstallAgentフォルダを再作成する手順
- 「Win + R」キーで「ファイル名を指定して実行」を開く
"%windir%"
と入力して「OK」ボタンをクリック
これで「C:\Windows」などのWindowsフォルダが開きます。- AUInstallAgentフォルダを探す
フォルダが存在しない場合は、右クリックから新規フォルダを作成し、名前を「AUInstallAgent」にします。 - PCを再起動して再度ダウンロードを試す
フォルダが正しく作成されることで、ストアアプリのアップデートやインストールプロセスがリセットされる場合があります。
解決策5:Windows Store(Microsoft Store)のキャッシュをリセット
Microsoft Storeの動作不良やキャッシュ破損によって、正しいインストール手続きが妨げられているケースも多いです。そのような場合、キャッシュをリセットすることで改善が期待できます。
キャッシュをリセットする方法
- 「Win + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
wsreset.exe
と入力してEnterキーを押す
コマンドプロンプトのようなウィンドウが一時的に表示され、しばらくすると自動的に閉じます。- Storeアプリが再起動する
キャッシュがリセットされた状態になるので、もう一度XBOXアプリやMicrosoft Storeからゲームをインストールしてみてください。
解決策6:クリーンブートでのインストール確認
クリーンブートとは、Windowsを必要最小限のサービスやドライバだけで起動する方法です。普段起動している常駐ソフトや不要なプログラムが原因でエラーが発生している場合、クリーンブートで問題が解消されることがあります。
クリーンブートの大まかな手順
- 「Win + R」キーで「ファイル名を指定して実行」を開く
msconfig
と入力し、「システム構成」ウィンドウを起動する- 「サービス」タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックし、「すべて無効」を選択
- 「スタートアップ」タブで「タスクマネージャーを開く」をクリックし、不要なスタートアップを無効化
- PCを再起動
この状態でXBOXアプリのインストールを試し、エラーが発生するかどうか検証します。
クリーンブート状態でエラーが起こらなければ、通常起動に戻したうえで、どの常駐ソフトやサービスが干渉していたかを一つずつ絞り込んでいくと原因究明に役立ちます。
補足:その他の対策とテクニック
上記で紹介した6つの対策を行っても改善しない場合、次のような追加対策を検討してみることもおすすめです。
ドライブの物理チェックとエラーチェック
セカンダリドライブそのものにハードウェア障害やファイルシステムの不良セクタがあると、アクセス拒否のエラーが発生しやすくなります。
- ドライブのエラーチェック:エクスプローラーでドライブを右クリック →「プロパティ」 →「ツール」タブ →「チェック」を選択
- S.M.A.R.T.情報の確認:ツールを使ってハードディスクやSSDの健康状態を確認
SFCやDISMを利用したシステム修復
Windowsのシステムファイルが破損していると、ストアアプリの動作にも悪影響が及ぶことがあります。コマンドプロンプト(管理者権限)を使い、以下のコマンドでファイルの整合性を確認しましょう。
sfc /scannow
上記コマンドによりシステムファイルをスキャンし、破損が見つかった場合は自動的に修復します。さらに必要に応じて、以下のコマンドを実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
これにより、コンポーネントストアの不整合を修復し、Windows Updateから不足ファイルを取得して問題を解決することが可能です。
具体的な対策の比較表
以下の表は、主な対策の概要とそのメリット・デメリットをまとめたものです。状況に合わせて優先度をつけながら取り組んでみてください。
対策 | 手順の難易度 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
セカンダリドライブの権限設定の確認 | 低 | 権限問題によるエラーを解消しやすい | 権限変更を誤るとセキュリティ上のリスクが生じる場合あり |
WpSystemフォルダの所有権・リネーム | 中 | フォルダ破損が原因のトラブルを短時間で解消可能 | 所有権設定の操作ミスに注意が必要 |
Windows Update & アプリのアクセス許可 | 低 | システム全体を最新状態に保ち、最新の機能を利用できる | 更新作業に時間がかかる場合がある |
AUInstallAgentフォルダの再作成 | 低 | インストール関連の構成情報が再生成され、破損がリセットされる | Windowsフォルダへの誤操作に注意が必要 |
Storeキャッシュのリセット (wsreset) | 低 | キャッシュ破損が原因の不具合を即座にリフレッシュできる | まれにリセット後の再起動を行わないと効果が出ない場合がある |
クリーンブート | 中 | 不要なプログラムや常駐ソフトによる干渉を排除できる | 原因特定には何度か試行錯誤が必要 |
SFC / DISM でのシステム修復 | 中~高 | システムファイルの深刻な破損を自動的に修復 | コマンド操作に慣れていないと間違いが起こりやすい |
ドライブのエラーチェック | 低~中 | 物理障害やファイルシステム破損の有無を特定 | 大容量ドライブの場合は時間がかかる |
まとめ:原因を特定してから最適な対策を実施しよう
「0x80070005」のエラーは、一見すると単純なアクセス拒否の問題に見えますが、実はドライブのアクセス権やフォルダの破損、ウイルス対策ソフトの誤判定、Windowsシステムの不整合など、多岐にわたる原因が潜んでいるケースがほとんどです。最初に簡単な対策(セカンダリドライブの権限確認やStoreのキャッシュリセット、WpSystemフォルダのリネームなど)から順番に試し、改善しなければ段階的に高度な手法(SFC / DISM、クリーンブートなど)を試すのがおすすめです。
必要に応じて専門サポートやPCメーカーのサポートに相談しながら進めると、複雑なケースでも安全に問題解決が行えます。エラーを解消して、思う存分にゲームやアプリを楽しめる快適なWindows環境を手に入れてください。
コメント