XboxアプリやGame Barがうまく動作せず、フレンドリストが表示されない、ゲーミングサービスを再インストールできないなどのエラーにお困りではありませんか。これらのトラブルはWindows 10環境で起こりやすいものですが、実は原因と対処法をしっかり理解すれば解決できるケースが多いです。本記事では、エラーコード「0x80073CF9」への対処を含め、具体的な解決策をわかりやすく解説します。
Xboxアプリとゲーミングサービスの不具合が起こる背景
Windows 10でXboxアプリやゲーミングサービスを利用していると、突然エラーが発生したり、Game Barが機能しなくなったりすることがあります。こうしたトラブルの背景としては、以下のような原因が考えられます。
アプリのインストールや更新時の不具合
Xboxアプリやゲーミングサービスなどのストアアプリは、Windowsストア(現在はMicrosoft Storeと呼ばれています)を通じて管理・配信されています。ストアのキャッシュや更新が正常に行われないと、アプリのインストールや更新でエラーが発生することがあります。
ユーザープロファイルの破損や権限不足
ユーザーアカウントに何らかの破損や権限の問題がある場合、アプリの再インストールができずにエラーが表示されることがあります。特に管理者権限が正しく設定されていない場合、ゲーミングサービスを含むシステム系アプリの再インストールがブロックされるケースもあります。
システムファイルの破損
Windowsシステムファイルが破損していると、XboxアプリやGame Barに限らずさまざまな機能に悪影響を及ぼします。Windows Updateの適用ミスやドライバとの競合などが原因で、システムファイルが破損している可能性があります。
セキュリティソフトやファイアウォールの干渉
セキュリティソフトやファイアウォールの設定によっては、ネットワーク通信やインストールプロセスがブロックされ、Xboxアプリが正しく動作できなくなるケースがあります。
主なトラブルの症状一覧
以下のような症状が見られる場合、Xboxアプリやゲーミングサービスの不具合を疑ってみてください。
症状 | 具体的な例 |
---|---|
Game Barの機能停止 | フレンドリストやパーティ設定などのタブが表示されない |
アプリの起動エラー | Xboxアプリを起動しようとしても、すぐにクラッシュまたは真っ白な画面になる |
再インストール失敗 | ゲーミングサービスを再インストールする際に「0x80073CF9」エラーが表示される |
ストアアプリのアップデート不良 | Microsoft Storeの更新でXbox関連アプリのみ失敗する |
対処法1:PowerShellを用いたアプリの再登録
最初に試していただきたいのが、Windows PowerShellを使ったアプリの再登録です。これはシステムにプリインストールされているXboxアプリやMicrosoft Storeアプリなどを再度登録し直す方法で、下記の手順で行います。
手順
- Windowsキーを押して「Windows PowerShell」と入力します。
- 表示されたアイコンを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
(または「Ctrl + Shift + Enter」で管理者権限のPowerShellを起動できます) - 以下のコマンドをコピーし、PowerShellの画面上で貼り付けてEnterキーを押します。
Get-AppxPackage -AllUsers | Foreach {
Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml"
}
このコマンドは、WindowsにインストールされているすべてのUWPアプリ(ストアアプリ)を再登録します。実行すると、多数のアプリについて登録処理が走るため、完了まで少し待ってください。完了後、Windowsを再起動してからXboxアプリやGame Barの動作を確認します。
再登録で解消されやすい事例
- Microsoft Storeのキャッシュ破損に起因するインストールエラー
- 部分的にアンインストールされたストアアプリが再度有効化される
- ユーザープロファイルに残る古いアプリ情報のリセット
対処法2:ゲーミングサービス修復ツールの活用
もしPowerShellでのアプリ再登録でも問題が解決しない場合、Microsoft公式が提供している「Gaming Services Repair Tool」を利用してみましょう。これはゲーミングサービスに関連するインストール情報を修復するための専用ツールで、Microsoft StoreやXboxサポートページから入手可能です。
ツールの実行手順
- 公式サイトから「Gaming Services Repair Tool」をダウンロードします。
- ツールを起動し、表示される指示に従って修復を開始します。
- 修復が完了したら、Xboxアプリやゲーミングサービスを再度インストールまたは起動して動作確認を行います。
修復ツールが有効になるケース
- ストアアプリの更新が断続的に失敗している場合
- 既存のゲーミングサービスのデータが破損している場合
- Windows Updateが中途半端に適用され、ゲーミングサービス関連だけ更新漏れがある場合
Gaming Services Repair Toolを使うことで、ストアに残った古いインストール情報をリセットし、再インストールできない原因を取り除く効果が期待できます。
対処法3:新しいローカル管理者アカウントでのインストール
ユーザープロファイルが破損している場合、システム的にXboxアプリやゲーミングサービスがうまく再インストールできないことがあります。この問題を回避するためには、新しくローカルの管理者アカウントを作成し、そのアカウントでインストールを試すという方法が有効です。
ローカル管理者アカウントの作成例(コマンドプロンプト)
- Windowsキー + Rを押し、「cmd」と入力してEnterキーを押します。
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動します(スタートメニューから「コマンドプロンプト(管理者)」を選択してもOK)。
- 以下のコマンドを入力して新しいアカウントを作成します。
net user newuser 123456 /add
上記の例では「newuser」という名前のユーザーを作成し、パスワードを「123456」としています。実際には任意の名前やパスワードを指定してください。
- 次に管理者グループに追加します。
net localgroup administrators newuser /add
- Windowsキー + Lを押してサインアウト(または画面ロック)した後、新しく作成したアカウントでサインインします。
- サインイン後、そのアカウント上でMicrosoft StoreやXboxアプリ、ゲーミングサービスをインストールし直し、正常に動作するか確認します。
アカウントを切り替えるメリット
- 既存のユーザープロファイル破損の影響を受けない
- 権限の問題でブロックされていた処理が解除される
- クリーンなプロファイル環境でXboxアプリを再登録できる
その他のトラブルシューティング
上記3つの対処法で解決しない場合、さらに確認すべきことがあります。
Windows Updateの最新化
Xboxアプリやゲーミングサービスと連動するシステムファイルが古い場合、思わぬ不具合が起こる可能性があります。Windows Updateを実行し、重要な更新プログラムだけでなくオプションの更新プログラムまで適用してみましょう。
セキュリティソフト・ファイアウォールの設定確認
オンライン機能を利用するXboxアプリは、セキュリティソフトやファイアウォールのルールによって通信がブロックされると正常動作しなくなります。以下の点をチェックしてみてください。
- セキュリティソフトがMicrosoft StoreやXboxアプリをブロックしていないか
- Windows Defender以外に別のセキュリティソフトを導入している場合は二重設定になっていないか
- ファイアウォールでポートが閉じられていないか
SFC・DISMでのシステムファイル修復
Windowsシステムファイルが破損している場合、Xbox関連のエラー以外にも様々な不具合が発生しやすいです。以下のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプト(またはPowerShell)で実行し、システムの整合性をチェックしてみてください。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
これらのコマンドにより、破損ファイルが修復されることがあります。修復完了後は再起動を行い、Xboxアプリやゲーミングサービスのインストール・動作を改めて確認してください。
Windowsストアのキャッシュリセット
Microsoft Storeのキャッシュが破損していると、アプリの更新やインストールが進まない場合があります。以下のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行すると、ストアのキャッシュをリセットできます。
wsreset.exe
実行するとMicrosoft Storeが自動で起動し、キャッシュがリセットされた状態になります。このリセット後にXboxアプリやゲーミングサービスのインストールを試してみましょう。
よくある質問と解決のヒント
Q1. エラーコード「0x80073CF9」が出る原因は?
A1. Windowsストア関連のインストールに問題が起きた際に表示されるエラーコードです。ストアアプリの更新失敗や、ゲーミングサービスのアップデートに必要なフォルダや権限が不足している場合に発生します。上記で紹介したPowerShellによるアプリ再登録や、Gaming Services Repair Tool、新規ローカルアカウントの作成などが効果的です。
Q2. どうしても再インストールできない場合、クリーンインストールしかない?
A2. Windowsを初期化してしまう方法もありますが、それは最終手段と考えましょう。まずはシステムファイル修復、Windows Update、ユーザーアカウントの切り替え、セキュリティソフトやファイアウォールの設定見直しなど、あらゆる方法を試してからでも遅くありません。
Q3. Game Bar以外でも影響はあるのか?
A3. ゲーミングサービスはXboxアプリだけでなく、PCゲームやマルチプレイなどの要素にも関わっています。Game Barが動かない場合、バックグラウンドで起動しているゲーミングサービスが正常動作していない可能性が高いです。修復することで他のアプリやゲームの不具合が解決するケースもあります。
Q4. 「ゲームモード」自体は影響がある?
A4. Windows 10には「ゲームモード」という機能がありますが、これとゲーミングサービスは直接的に連動しているわけではありません。ただ、Xboxアプリの環境が乱れているとゲームモードに一部影響が出ることもあるため、ゲームモードを一度オフにしてから様子を見るのも一つの手です。
より快適にXboxアプリを使うためのアドバイス
定期的なストアアプリのアップデート確認
XboxアプリやMicrosoft Storeのアップデートは、自動で行われる場合もあれば手動で行う必要がある場合もあります。定期的にストアを起動し、更新プログラムがあるかどうかチェックすることで、予防的にトラブルを避けられます。
不要なアプリの整理
ストアアプリが増えすぎると、更新やキャッシュの管理に時間がかかり、不具合の原因になることがあります。使っていないアプリをアンインストールすることで、システム全体の負荷やトラブルリスクを下げることができます。
イベントビューアでのログ確認
高度なトラブルシューティングを行う場合、イベントビューア(Windowsログの閲覧ツール)を活用すると原因が特定できることがあります。ゲーミングサービスに関連するエラーや警告が出ていないか、ApplicationやSystemログを確認してみましょう。
クリーンブートでの検証
サードパーティ製ソフトウェアの干渉が疑われる場合、クリーンブート(Windowsを最低限のサービスだけで起動するモード)を試すことで、問題の切り分けができます。システム構成(msconfig)を使用して、スタートアップやサービスを最小限に抑え、XboxアプリやGame Barを起動してみるのも有効です。
まとめ
Xboxアプリやゲーミングサービスのエラーは、一見複雑に思えてもポイントさえ押さえれば対応が可能です。特に「PowerShellを使ったアプリの再登録」「Gaming Services Repair Toolの利用」「新規ローカル管理者アカウントでのインストール」などは、多くのケースで効果的な手段となります。さらに、Windows Updateをこまめに行ったり、セキュリティソフトやファイアウォールの設定を最適化したりすることで、長期的にもトラブルを予防できるでしょう。
もしこれらの方法でも完全に解決しない場合は、Windowsシステム全体に深刻なエラーが生じている可能性があります。最終手段としてOSのリフレッシュやクリーンインストールを検討する前に、SFCやDISMによる修復、ストアキャッシュのリセット、不要アプリの整理などを徹底的に試してみることをおすすめします。適切な手順を踏むことで、これらのトラブルから解放され、より快適なゲームライフを楽しむことができるはずです。
コメント