XboxワイヤレスコントローラーをWindows 10で複数使いたいとき、デバイスマネージャーや設定画面で同じ名称が並び、どれがどれか分からなくなった経験はありませんか?今回はその名称を変更する方法や回避策をご紹介します。Microsoft公式の設定だけでは実現が難しい部分もありますが、いくつかのツールや工夫を凝らすことで、自分だけの快適なゲーム環境を整えることができます。ぜひ活用してみてください。本記事ではSteamやサードパーティーソフトを活用する方法から、物理的な工夫まで、多角的に取り上げます。
Xboxワイヤレスコントローラーの名称を変更したい理由
ゲームを快適に楽しむうえで、コントローラーの識別が曖昧だとストレスを感じることが多いものです。特にWindows 10では、同じ型番のXboxワイヤレスコントローラーを複数台接続していると、デバイス名が「Xbox One Wireless Controller」のように一律で表示されてしまいます。これは同時に複数人でプレイするときや、プロファイルを使い分けたいときなどに混乱のもととなるでしょう。
実際、ゲームごとにボタン割り当てを変えたり、スティックの感度を微調整したりする場合、どのコントローラーをどの設定に紐づけるかを把握できないと作業効率が落ちてしまいます。こうした不便を解消するためには、コントローラーごとにわかりやすい名前を付けたいと考えるのは自然なことです。
しかし、残念ながらWindows 10の標準機能では、コントロールパネルやデバイスマネージャーを通じて任意のデバイス名に変更するといった操作はサポートされていません。Xbox本体側ではコントローラーに名前を付けられる機能が一部実装されていますが、PC接続時にはそれが反映されないのが現状です。
それでは、まったく方法がないのかというとそうではありません。Steamのコントローラ設定機能やサードパーティーソフトを使うことで、少なくとも「識別しやすくする」ことは可能になります。また、物理的な工夫やBluetooth接続時の設定を活用するケースもあります。本記事では、それぞれの方法と注意点を詳しく見ていきます。
Windows標準機能では名称変更ができない理由
Windows 10では、コントローラーなどの入力デバイスに対して、OSレベルで個別の名前を付ける機能が提供されていません。デバイスマネージャーを開いてみると、多くの場合「Xbox One Wireless Controller」や「Xbox Wireless Controller」というように、同一の名称で表示されるだけです。
一部のデバイスでは、レジストリを直接編集することで表示名を変えられるケースもありますが、Xboxコントローラーの場合は単純にレジストリを変更するだけではシステム全体に反映されない可能性が高いのです。さらに、Windows Updateでドライバが更新された場合や、再接続のタイミングで元に戻ってしまうことも珍しくありません。
また、Microsoft公式としては、XboxコントローラーはWindowsで動作する際に「標準ドライバ」で認識させることを想定しており、そのうえで特定のソフトウェアを使って詳細設定を行ってもらう方針のようです。標準機能が未実装である理由は明示されていませんが、安定した動作を重視している結果、名称変更のようなカスタマイズ機能が後回しになっているのではないかと推測できます。
Steam Big Pictureモードでコントローラーを識別する方法
コントローラ設定画面の概要
Steamには「Big Pictureモード」と呼ばれる、テレビ画面やコントローラー操作を念頭に置いたフルスクリーンインターフェイスがあります。このモード内の設定を使えば、接続されたコントローラーを個別に認識させることが可能です。名称そのものを自由に入力できるわけではありませんが、コントローラーごとに固有の識別番号やプロファイルを割り当てることができます。
具体的には、Steamクライアントを起動してBig Pictureモードに入り、「設定」→「コントローラ設定」→「検出されたコントローラ」から各コントローラーを選択することで設定画面が開きます。ここでコントローラーのレイアウトの変更や、ボタン配置、感度調整、さらには「ラベル」のようなものを設定できる場合があります。
メリットと注意点
メリットとしては、以下の点が挙げられます。
- コントローラーの振動強度やスティック感度を個別に調整可能
- 同じ型番でも内部的なIDで区別されるため、どれがどの設定かを把握しやすい
- Steamのライブラリで遊ぶ多くのゲームに対して、設定を適用しやすい
一方で注意点としては、以下のような点があるでしょう。
- 名前そのものをユーザーが自由に変更できるわけではない
- Steamを通して起動しないゲームや、Epic Games Store、Microsoft Storeのゲームなどでは設定が反映されない可能性がある
- コントローラーごとの個別設定がエクスポート・インポートされない場合がある
サードパーティーソフトを活用した名称管理
X360ceでの例
「X360ce」は、Xbox 360やXbox Oneのコントローラーをエミュレートするためのサードパーティーソフトです。本来は、非公式コントローラーをXboxコントローラーとして認識させる目的で使われることが多いのですが、複数のXboxコントローラーを区別する際に役立つ機能も備えています。
設定ファイル(iniファイルなど)を用いてコントローラーの割り当てや名称を管理することが可能で、特にゲームごとに異なる設定を適用したい場合に重宝します。ただし、設定がやや複雑で、初期導入のハードルが高い点には注意が必要です。
具体的な手順としては、まずX360ceの公式サイトから最新版をダウンロードし、各ゲームの実行ファイルがあるフォルダに「x360ce.exe」を配置します。初回起動時にコントローラーをスキャンし、設定ファイルを自動生成してくれますが、その後に手動で各コントローラーのボタン割り当てや名称を入力することになります。
reWASDなどの有償ソフト
「reWASD」は有償のコントローラーリマッピングツールで、非常に高度なカスタマイズが可能です。ボタン割り当てはもちろん、マクロ機能や、複数のコントローラーを一つにまとめる機能などもあり、プレイスタイルに合わせて多彩な設定を行えます。
こちらも名称そのものをシステムに反映させるのは難しい場合がありますが、ソフト内で独自にプロファイル名を付けて管理ができるため、複数のコントローラーを扱う際の混乱を大きく軽減できます。ただし、有償であるうえに英語がメインのインターフェイスとなるため、導入に少し抵抗があるかもしれません。
物理的な目印をつけるシンプルな方法
いくらソフトウェア上で識別しやすくしても、実際に手に取るときにどのコントローラーがどの設定なのかが分からないと意味がありません。特に複数人で同時プレイをする場面では、ソフト上の名前よりも視覚的な区別のほうが重要になる場合も多いのです。
そこで最も簡単な対策となるのが、物理的な目印をつけるという方法です。例えば、コントローラー本体に小さなステッカーを貼ったり、スティック部分にカラーゴムやシリコンカバーをつけたりすることで、ひと目でどれが誰のコントローラーかを区別できます。
また最近では、コントローラー用のスキンシールやカラーバリエーションの豊富なフェイスプレートも市販されています。自分の好みに合わせてデザインを変えながら、かつ識別も容易になるというメリットがあるでしょう。
Bluetooth接続での名称変更は可能か
一部のXboxワイヤレスコントローラーは、Xbox Wireless専用のアダプタを介さずにBluetooth接続に対応しているモデルがあります。Bluetoothで接続した場合、Windowsの「Bluetoothとその他のデバイス」設定画面でデバイス名を編集できる場合があります。
ただし、これもすべての環境で確実に反映されるわけではなく、ドライバやコントローラーのファームウェアのバージョンによっては名前を変更できなかったり、変更してもシステム上で正しく表示されなかったりすることがあります。
さらに、仮に名称を変更できたとしても、Steamやゲーム自体でその名称が使われるかどうかは別問題です。多くのタイトルでは、OS側のデバイス名ではなく、コントローラーの固有情報から名称を取得している場合があるためです。結果として、名前を変えてもゲーム内では相変わらず「Xbox One Wireless Controller」のまま、といったケースも考えられます。
レジストリを直接編集する裏技的アプローチ
Windowsのデバイス名を変更する際、レジストリエディタでキーや値を直接書き換えるという方法があります。ただし、これは推奨される方法ではありません。誤った編集はシステム不具合を引き起こす可能性があるため、十分な注意が必要です。
特定のハードウェアIDやドライバ情報が格納されたレジストリキーを探し出し、そこに紐づくデバイス名を編集することで、一時的に名称を変更できる場合があります。しかし、Xboxコントローラーの場合、起動のたびにドライバが再読み込みされる関係で元の名称に戻ってしまう、あるいはデバイス名が正しく認識されない、最悪の場合はコントローラーが使えなくなるリスクもあります。
さらに、Windows Updateやドライバのアップデートによって、レジストリ書き換えが上書きされるケースも多いため、長期的に維持するのは難しいと考えられます。どうしても試してみたい方は、必ずバックアップを取ったうえで、自己責任で行うようにしましょう。トラブル時にはシステムの復元や再インストールが必要になる可能性もあります。
今後の展望とMicrosoftの対応予定
これまでの経緯から、MicrosoftがWindows標準の機能としてXboxコントローラーの名前変更を実装する可能性は十分に考えられます。実際、ユーザーフィードバックをもとに機能追加が行われることは過去にもありました。たとえば、Xbox本体とPC間でのワイヤレスアダプタの互換性が拡大されたのも、多くのユーザーの要望があったからです。
しかし、現段階では公式から「いつ実装される」「どのような形で対応される」というアナウンスは出ていません。Windows Insider Programなどでプレビュー版を試しているユーザーの間でも、名称変更に関する具体的な機能アップデートは確認されていないようです。
他社製のジョイスティックやホイールコントローラーなどでも同様の要望があるため、実装されるとしてもXboxコントローラーだけに限った機能ではなく、汎用的なデバイス名変更機能として提供される可能性があります。今後のアップデート情報には注目しておくとよいでしょう。
主な対策方法の比較表
下表では、前述した対策を簡単に比較しています。自分のプレイスタイルや環境に合わせて、最も適切な方法を選択してみてください。
対策 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Steam Big Picture | Steam内でコントローラIDや設定を管理 | Steamゲームとの相性が良い。コントローラ設定画面で細かい調整が可能。 | OS全体のデバイス名を変えられるわけではない。非Steamゲームでは効果が薄い。 |
X360ce | 非公式コントローラのエミュレーションや設定ファイル管理 | ゲームごとの設定が細かく可能。無償で使える。 | 導入や設定が複雑。英語ドキュメントが多い。 |
reWASD | 有償の高機能リマッピングツール | マクロや複数同時使用など高度な機能。プロファイル管理が充実。 | 費用がかかる。英語表記が中心。 |
物理的な目印 | ステッカーやカラーゴム、フェイスプレートなどで区別 | 即効性があり、視覚的にわかりやすい。コストが低く、導入が簡単。 | ソフト上の名称問題はそのまま。見た目以上の区別はできない。 |
Bluetooth接続時の名称 | 特定のBluetooth対応Xboxコントローラーのみが対象 | Windows設定で一部名称を変更できる場合がある。 | 変更がシステムやゲーム内で反映されないことも多い。すべてのモデルで使えるわけではない。 |
まとめとベストプラクティス
以上のように、Windows 10でXboxワイヤレスコントローラーの名称を直接変更することは、現状では容易ではありません。OS標準の機能として実装されていない以上、代替的なアプローチを取るしかないのが実情です。
最もシンプルな方法はやはり「物理的にコントローラーを区別」することですが、Steamをよく使うならBig Pictureモードの設定もあわせて活用するのがおすすめです。ゲームごとに細かいボタン設定やスティック感度を割り当てるなら、X360ceやreWASDなどのサードパーティーソフトが有用でしょう。
Bluetooth接続で一部名称を変えられる可能性もありますが、確実性は低いのが現状です。今後、Microsoftが標準で名称変更をサポートしてくれるようになれば、よりシンプルで公式な対応が可能になるはずです。それまでは、ここで紹介した回避策を組み合わせて、各コントローラーを効率よく管理してみてください。
コメント