ここでは、Windows 10の更新プログラム適用時に発生しやすいエラー0x80070643について、具体的な対処法をわかりやすくご紹介します。実際に私もアップデートに苦労した経験があり、パーティションを調整することでようやく成功しました。皆さんの環境でもぜひお役立てください。
Windows 10 更新プログラムのエラーとは
0x80070643エラーの概要
Windows 10の更新プログラムを適用しようとすると、まれに0x80070643というエラーコードが表示されることがあります。更新がダウンロードされても途中で失敗してしまったり、再試行を促すメッセージが出たりして、なかなか最後まで完了しないのが特徴です。実際、私も特定のアップデートをインストールしようとすると、このエラーコードに何度も阻まれました。
原因
0x80070643エラーにはいくつかの原因が挙げられますが、その中でも多くのユーザーが直面しているのがリカバリ環境用のWinREパーティション容量不足です。Windowsのアップデートには必要な領域が設定されているのですが、インストール時の環境によっては初期設定が小さく、アップデートに要求される容量を満たせないケースがあります。
既知の症状
エラーが出るだけでなく、下記のような症状も報告されています。
– パーティション再構築の手順を実行したのにうまくパーティションが作成されない
– Recoveryパーティションを削除できずに先へ進めない
– OSパーティションの縮小操作が失敗する
– WinREの再有効化が完了せずにアップデートも進まない
私自身もパーティション操作中にどれを選んでいいか迷ったり、ディスク管理ツールを使っても予期せぬエラーに遭遇したりと、かなり苦労した経験があります。
具体的な対処方法
WinREパーティションの重要性
Windowsの修復やリカバリに使われるWinREパーティションは、OSが起動しなくなった場合などの非常時に欠かせない存在です。これがアップデート時に適切な容量を持っていないと、更新プログラムの展開でファイルが書き込めず、エラーが発生する仕組みです。
既存の容量不足が引き起こす問題
標準インストールの状態では500MB程度しかないWinREパーティションが多く見受けられます。KB5028997など一部の更新プログラムは、より大きな容量を要求するため、500MBの領域では不十分となりがちです。この不足が、アップデートが失敗する根本原因にもなっています。
広めの容量確保がおすすめ
報告例では750MB程度まで増やしたけれどもまだ不足していた、というケースもありました。実際に1GBほど確保することでエラーが解消できたとの声が多く、余裕を持たせた容量設定がトラブル回避のポイントになります。私の場合も、最終的に1GB少し超えるくらいの領域を確保して問題を解消できました。
コマンドラインによる手順
ここからは、Microsoftのサポート記事を参考にしながら手順を整理していきます。実際には以下の操作をコマンドプロンプト(管理者権限)から実行します。パーティション操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があるため、事前に大切なデータのバックアップを取ってから作業することを強く推奨します。
reagentc /disable
WinREパーティションをいったん無効化することで、リカバリ環境を操作しやすくします。まずコマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下を入力します。
reagentc /info
reagentc /disable
reagentc /info で現在のリカバリ環境の状態を確認し、reagentc /disable で無効化します。
diskpartコマンド
次に、パーティション編集を行うためにdiskpartを使います。管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行してください。
diskpart
list disk
select disk [OSが格納されているディスク番号]
list partition
これにより、ディスクとパーティションの一覧が表示されます。どれがOSパーティションなのか、リカバリ用パーティションなのかをあらかじめ把握しておくのが大切です。
OSパーティションの縮小
WinREパーティションを拡張するには、OSがインストールされているパーティションを少し縮小して空き領域を作ります。たとえばOSパーティションが「partition 2」だった場合、以下のように入力します。
select partition 2
shrink desired=250 minimum=250
ここでは250MBを例にしていますが、環境によっては一度の縮小では足りないこともあります。合計1GB程度の空き領域が必要になる場合もあるので、複数回に分けて縮小するのも手です。
Recoveryパーティションの削除と作成
現在のRecoveryパーティション(WinREパーティション)がある場合は、まずこれを削除してから再作成します。削除するには以下を入力します。
select partition [リカバリ領域の番号]
delete partition override
削除に成功したら、先ほどの未割り当て領域を利用して新しいパーティションを作成します。
create partition primary id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
gpt attributes=0x8000000000000001
format quick fs=ntfs label="Windows RE tools"
このとき、Windows RE用のUUID(id=…)を間違えないようにしてください。一部の環境では別のUUIDを使うケースも報告されていますが、基本的には上記で問題ないはずです。
reagentc /enable
無事に新しいパーティションができたら、diskpartを終了し、再びコマンドでWinREを有効にします。
reagentc /enable
reagentc /info
reagentc /infoを実行し、WinREが有効かつ正しいパーティションに割り当てられているか確認してください。ここまで完了すれば、Windows Updateの適用を再試行してみましょう。多くのケースでは、エラーが解消されてアップデートが成功するようになります。
サードパーティツールを使った対処
MiniToolなどの概要
コマンドライン操作に自信がない方や、パーティション番号を選ぶのが難しく感じる方もいるかと思います。その場合はMiniTool Partition Wizardなどのサードパーティ製ツールを利用して、パーティションのサイズ調整や移動を可視化しながら進める方法があります。
メリット
実際に私も、diskpartに慣れるまで混乱してしまい、見当違いのパーティションを選びそうになりました。ツールを使うことで誤操作を少なくできるという安心感があります。
注意点
こうしたツールは便利な一方で、いざトラブルが起きたときにすぐに対処できない場合もあります。必ず重要データのバックアップを行い、公式ドキュメントやチュートリアルを一通り読んでから操作に取り掛かるのがおすすめです。
トラブルシューティング
chkdsk /Fの実行
パーティション操作を行う前に、ファイルシステムのエラーがないかチェックしておくと安心です。特に長年使っているPCだと、些細なエラーが積み重なっていることがあります。コマンドプロンプト(管理者権限)で以下を実行します。
chkdsk /F C:
エラーがあった場合は修復し、再起動を行ってからパーティションの操作を続行しましょう。
セキュリティソフトの影響確認
ウイルス対策ソフトがパーティション操作をブロックしてしまうケースもあります。ESETやMalwarebytesなど、リアルタイム保護が強力なソフトをお使いの場合、一時的に保護機能を停止するなどの方法で干渉を回避できることがあります。
再起動の必要性
diskpartやreagentcでパーティション操作をしたあと、すぐに設定が反映されていないように見える場合は、一度PCを再起動してみてください。再起動後に改めてreagentc /infoなどで状態を確認すると、正しい表示になっていることがあります。
サイズが反映されない時の対処
OSパーティションの縮小を行ったはずなのに、いざWinREパーティションを作成してみるとサイズが思うように確保されていないときがあります。この場合は、diskpartで改めて「list partition」「select partition」で未割り当て領域をしっかり確認し、どこに空きがあるかを見極めてから「create partition」コマンドを実行するのが大切です。
事例・体験談
500MBではうまくいかなかったケース
私が最初に挑戦したときは、WinREパーティションを500MBに設定していましたが、結果的にアップデートが失敗しました。再び拡張を行って750MBに増やしたところ、もう少し先に進んだように見えましたが、やはり途中でエラーが発生しました。やむを得ず最終的には1GB強まで確保することでようやく成功したというのが私の体験談です。
1GB確保で成功したケース
周囲に相談してみると、500MB程度でうまくいったという人もいれば、1GBないとダメだったという人もいて意見はさまざまでした。結論としては、余裕を持って1GB近い領域を作っておけば、将来的なアップデートにも対応しやすく安心だと感じました。

私自身はバックアップを取るのが面倒で何度かやり直しをしてしまい、結果的により時間がかかってしまいました。最初からしっかりパーティションを拡張していればスムーズだったかもしれません。
実際の操作画面がわかりやすかったサードパーティツール
ネット上のレビューや動画を参考にしてMiniTool Partition Wizardを使ってみたところ、グラフィカルな画面でパーティションの位置関係を簡単に把握できました。どの領域を削除し、どの領域を拡張するかが目で見てわかるので、コマンド操作に不安のある方には便利だと思います。
コマンドに慣れなくてもできた実例
知人にツールを紹介したところ、普段コマンドラインに慣れていない方でも簡単にWinREパーティションを拡張できたとのことです。ただ、一歩間違うとOSが起動不能になるリスクはあるので、操作前のバックアップは十分にとっておきましょう。
よくある質問(FAQ)
なぜ1GB以上必要なのか
アップデート時に使用するファイルの展開先として、従来よりも大きなファイルサイズが確保されるケースが増えています。特に大規模なWindows 10の累積更新や、機能更新プログラムではテンポラリ領域としてのWinREパーティションの拡張が必須になりがちです。
Windows 11へのアップグレードの際には
Windows 11へアップグレードする際も同様に、WinREパーティションの容量が不足しているとエラーになりやすいといわれています。もし今後Windows 11を視野に入れているのであれば、1GB以上の確保が無難でしょう。
操作を誤った時の復元方法
パーティション操作に失敗してしまうと、OSが正常に起動しなくなる可能性があります。そうなるとWindowsの回復機能や、あらかじめ作成しておいた回復ドライブを使う必要があります。また、システムイメージのバックアップを作っておけば、ディスク全体をまるごと元に戻せるので安心です。
表で見るパーティションサイズの目安
ここで、参考程度にパーティションサイズの目安をまとめた表を載せておきます。環境や更新プログラムによって必要な容量は変わりますが、ひとつの目安としてご覧ください。
WinREパーティションサイズ | 成功/失敗事例 | 推奨度 |
500MB | 失敗例多数 | 低 |
750MB | 途中で失敗の報告あり | やや低 |
1GB | 成功報告多い | 高 |
1GB以上 | 余裕があり安心 | 最もおすすめ |
まとめ
パーティションの再構築で特に大切なのは、必要な領域をしっかり確保し、WinREを正しく作り直すことです。diskpartのコマンド操作はやや敷居が高いと感じるかもしれませんが、公式の手順を丁寧にこなすことでエラーを解消できる可能性が高まります。サードパーティツールを使う場合でも、操作前のバックアップやツールの使い方の確認は必須です。最終的に1GB程度のWinREパーティションを確保してアップデートが成功したとの事例が数多く報告されているので、ぜひ参考にしてみてください。
もしアップデート後に再度エラーが発生してしまう場合は、あらためてchkdsk /Fやセキュリティソフトの設定確認などの基本的なトラブルシューティングを実行し、問題がないかを確認してみるとよいでしょう。



私自身、正直最初は諦めかけましたが、パーティション再構築後はウソのようにアップデートが成功するようになり、長らく悩まされたエラーから解放されました。少し手間と時間がかかりますが、やる価値は大いにあると実感しています。
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