Windows 10を使っていると、Xboxアプリやゲームバーでサインインがうまくいかず、いつまでも「ようこそ」の画面から進まないことがあります。いざゲームを始めようとしてもサインインできないとストレスが溜まりますよね。そこで、ここでは考えられる原因や具体的な解決策をご紹介していきます。
Xboxアプリやゲームバーでサインインができない原因
Windows 10(バージョン22H2)環境で、Xboxアプリやゲームバーのサインイン画面がループしてしまう現象が一部のユーザーに発生しています。Microsoft Storeには正しくサインインしているのに、Xbox関連アプリだけサインインできない場合は下記のような原因が考えられます。
- Windows Updateの不具合や未適用の更新プログラム
- Gaming Servicesの不調やインストールエラー
- Xboxアプリやゲームバーのキャッシュや認証トークンの破損
- ネットワークやDNS設定周りの問題
- 第三者アプリ(例:バトルネットなど)インストール後の競合
- Microsoft自体が既知問題として把握している不具合
上記の中でも特に多いのは、Gaming Servicesの動作不調やWindows Updateが正常に完了しないことでエラーコード「0x80070643」が表示されるパターンです。今回の記事では、こうした問題を解決するための手順を複数ご紹介します。
Gaming Servicesの再起動で対応する
暫定的な対処方法
Xboxアプリやゲームバーのサインイン不具合は、Gaming Servicesを再起動するだけで一時的に解決することがあります。これは非常にシンプルな方法で、Microsoft公式フォーラムでも紹介されている対処法のひとつです。
コマンドプロンプトから再起動する手順
- 「スタート」メニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンド プロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 下記のコマンドを順番に入力し、Enterキーを押してください。
sc stop GamingServices
sc start GamingServices
- 正常に終了したら、Xboxアプリやゲームバーを再度起動してサインインを試してみましょう。
この再起動はあくまで「暫定的な対処」となるため、PCを再起動したりスリープから復帰したりすると、再度同じ操作を行う必要が出てくる可能性があります。
Windows Updateの最新状態を確認する
更新プログラムの適用状況をチェック
Windows 10でシステムを最新の状態に保つことは非常に重要です。特に今回のようにXbox関連のアプリがうまく動かない場合、Microsoftから配布される修正パッチによって問題が解決する可能性が高いです。Windows Updateの状況を確認し、未適用の更新プログラムがあればインストールしておきましょう。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開く
- 「更新プログラムのチェック」をクリックする
- 見つかった更新プログラムをすべてインストールする
ただし、エラーコード「0x80070643」が表示されて適用に失敗するケースもあるため、その場合はネットワークの安定化、ウイルス対策ソフトの一時停止、Windows Updateのトラブルシューティングツールなどを活用して再試行してみてください。
Windows Updateのトラブルシューティングツールの使い方
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング」と進みます。
- 「Windows Update」を選択し「トラブルシューティングの実行」をクリックします。
- 指示に従ってトラブルシューティングを完了させ、問題が検出された場合は修復を行ってください。
修復後に改めてWindows Updateを試行すると、うまくアップデートが進む可能性があります。
Microsoft Storeのキャッシュをクリアする
Storeアプリの動作をリフレッシュ
Microsoft Storeで異常が起きているわけではなくても、StoreのキャッシュをクリアすることによってXbox関連アプリの認証情報などがリフレッシュされる場合があります。
実行手順
- 「Windowsキー + R」で「ファイル名を指定して実行」を開きます。
wsreset.exe
と入力しEnterキーを押します。- コマンド実行後、しばらく待つとMicrosoft Storeアプリが自動的に起動します。
この操作を行うと、Microsoft Storeに関連する一時ファイルやキャッシュをクリアできます。ただし、サインイン情報などは通常保持されるため、再度ログインが必要になるケースは少ないです。
DNSキャッシュやXbox関連データのクリア
ネットワークトラブルやトークンの破損を疑う
Xboxアプリやゲームバーのサインイン不具合には、ネットワーク環境の不安定さも影響を及ぼすことがあります。特にDNSのキャッシュが不正な状態になっていると、認証サーバーへの接続に問題が発生する可能性があります。
DNSキャッシュのフラッシュ方法
- 再び「コマンドプロンプト」を管理者権限で起動します。
- 以下のコマンドを入力しEnterキーを押します。
ipconfig /flushdns
- 実行後、完了メッセージが出たらコマンドプロンプトを閉じます。
Xbox IDのトークン関連ファイル削除
Xbox関連の認証トークンが破損したり古いまま残っていると、正しいサインイン情報を取得できずにループする可能性があります。以下のフォルダ内にある「TokenBroker」サブフォルダを削除してみてください。
%userprofile%\AppData\Local\Packages\Microsoft.XboxIdentityProvider_8wekyb3d8bbwe\AC\TokenBroker
フォルダを削除した後はPCを再起動し、再度Xboxアプリにサインインしてみてください。
Xboxアプリ内のGaming Services Repair Toolの活用
アプリ内の修復ツールを試してみる
Xboxアプリには「Gaming Services Repair Tool」というトラブルシューティング用のツールが組み込まれている場合があります。これを利用するとGaming Servicesの再インストールや修復が簡単に行えます。
操作手順
- Xboxアプリを起動して、右上のプロフィールアイコンをクリックします。
- 「サポート」または「ヘルプ」的なメニューから「Gaming Services Repair Tool」を選択します。
- 指示に従って修復作業を完了させ、完了後にサインインし直してみてください。
もしRepair Toolが見当たらない場合や、修復に失敗する場合は手動でGaming Servicesを再インストールする方法も試せます。PowerShellを利用した再インストールも効果的ですので、必要であれば以下のような方法を検討してみてください。
Get-AppxPackage *gamingservices* | remove-AppxPackage -allusers
Get-AppxPackage *xboxgamingoverlay* | remove-AppxPackage -allusers
上記のコマンドで一度アンインストールした後、Microsoft StoreからGaming Servicesを再インストールし、Xboxアプリやゲームバーを起動してみると改善するケースがあります。
バトルネットなどの競合アプリに注意
第三者アプリが原因になる可能性
質問者の事例でも指摘されているように、バトルネットアプリのインストール後にエラーが発生し始めたというケースがあります。これまで正常に動いていたXboxアプリやゲームバーが、何らかのサービスやドライバと競合してしまうことも考えられます。
競合を疑う場合の対処
- 競合が疑われるアプリ(バトルネットなど)を一度アンインストールしてみる
- 競合を起こしやすい常駐アプリや不要なバックグラウンドサービスを停止する
- Windowsのクリーンブートで問題が再現するかどうか確認する
クリーンブートの状態で問題が再現しない場合は、スタートアップやサービスで読み込まれるアプリのどれかが不具合を起こしている可能性があります。該当アプリを特定し、最新版にアップデートしたり設定を変更することで改善する場合があります。
今後の公式アップデートを待つ
Microsoft側の既知問題として報告されているケース
現在、Microsoftの公式フォーラムなどでも本件は報告されており、修正パッチの配信を予定しているとの情報があります。恒久的な修正が行われるまで、どうしても一時的な対処法に依存せざるを得ない状況が続くかもしれません。
現状のまとめ
- Gaming Servicesの再起動や修復ツールで一時的に改善する
- Windows Updateを最新の状態に保ち、関連パッチを適用する
- Microsoft StoreやDNSキャッシュのクリアで環境をリセットする
- バトルネットなど競合アプリによる影響をチェックする
- 根本的な修正パッチ配信を待ちつつ暫定対応を繰り返す
どうしても改善されない場合は、修正パッチが公開されるのを待つことが無難です。また、最終手段としてはWindowsのリセットや再インストールを検討することも選択肢に含まれるでしょう。ただし、リセットや再インストールは環境構築に手間がかかるため、他の方法で改善が見込めない場合に限ることをおすすめします。
追加のトラブルシューティング:システムファイル修復やイベントビューアの活用
システムファイル修復(SFCとDISM)
Windows OS自体のシステムファイルが壊れている可能性がある場合、SFC(System File Checker)やDISMツールで修復を試みるのも一つの方法です。
実行手順
- 管理者権限のコマンドプロンプトを開く。
- 以下のコマンドを実行して、システムファイルをチェック・修復する。
sfc /scannow
- 修復が完了したら再起動し、問題が解決したか確認する。
- さらに必要に応じて、以下のDISMコマンドでコンポーネントストアを修復する。
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
こうしたシステムレベルの修復作業によって、Xboxアプリやゲームバーの不具合が改善されることもあります。
イベントビューアでエラーを確認する
Windowsのイベントビューアを利用すると、エラーが発生したタイミングでどのようなログが記録されているか調べることができます。特定のモジュールやサービスが原因でエラーが起きている場合、イベントログにIDや詳細情報が記録されていることがあるので、対処のヒントを得られるかもしれません。
よくあるエラーコードと対処例の一覧
下記はXboxアプリやゲームバー周辺でよく報告されるエラーコードと、一般的な対処例をまとめた表です。参考にしてみてください。
エラーコード | 原因の概要 | 対処例 |
---|---|---|
0x80070643 | Windows Updateのインストール失敗 | ネットワークの安定化、ウイルス対策ソフトの一時停止、トラブルシューティングツールの実行 |
0x80070424 | Gaming ServicesまたはWindows Update関連サービスが停止 | コマンドプロンプトでGaming Servicesの再起動、サービスの手動起動 |
0x000001F7 | Microsoft Storeサーバー側の一時的な障害 | 時間をおいて再試行、DNSキャッシュのフラッシュ |
0x00000194 | Xboxアプリの不完全インストール | 再インストール、PowerShellでのAppxPackage削除と再追加 |
最終的な判断:再インストールやリセットの検討
すべての対処を行っても問題が解決しない場合は、思い切ってWindowsそのもののリセットや再インストールを検討するのもひとつの方法です。ただし、再インストールを行うと環境構築に大きな手間がかかるだけでなく、ファイルのバックアップやライセンス再認証などの作業も必要になります。
リセット・再インストールのメリットとデメリット
- メリット:問題の切り分けが確実に行える、システムを初期状態に戻せる
- デメリット:作業時間がかかる、データ移行や再設定の手間がかかる
もしXboxアプリやゲームバー以外にも多数の不具合が発生しているのであれば、システムリセットを行うことで広範囲の問題が一度に解消する可能性があります。その一方で、単一のアプリ不具合だけのためにリセットするのは大掛かりすぎる場合もあるので、慎重に判断しましょう。
まとめ:暫定対処を行いつつ公式アップデートを待つ
Xboxアプリやゲームバーのサインインループ問題は、Gaming Servicesの再起動、Windows Updateの適用、DNSキャッシュやXbox関連データのクリアなど、いくつかの対処法が存在します。特にGaming Servicesを再起動すると、一時的にサインインできるようになる事例が多いようです。しかし、問題が完全に解決しない場合は、Microsoftが今後リリースすると予告している修正パッチを待つしかない面もあります。
以下のポイントを押さえておくと対処がスムーズです。
- Windows 10は常に最新の状態に保つ
- Gaming Servicesの状況を随時チェックし、必要に応じて再起動や再インストール
- Microsoft StoreとXboxアプリのキャッシュやトークンをクリアしてみる
- 競合の可能性がある他社製アプリのアンインストールや更新
- どうしても解決しないときはシステムリセットや再インストールを検討
Xboxゲームを思う存分楽しむためにも、まずは各種の暫定対処を試してみましょう。問題が改善しなくても、焦らずMicrosoftからの正式な修正があるまで定期的にWindows UpdateとXboxアプリのアップデートをチェックするのがおすすめです。
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