Windows 11でエラーコード0xc0e90001発生時にBIOSへ入れない問題を解決する方法

一度エラーコードが表示されてしまうと、なかなか原因がわからず不安になるものです。特にBIOSやUEFIといったシステム深部にアクセスする際に問題が発生すると、スムーズな作業が阻まれるだけでなく、余計にストレスを感じがちです。ここではエラーコード「0xc0e90001」によってBIOS(UEFI)に入れないケースについて、具体的な解決策をわかりやすく解説していきます。

エラーコード「0xc0e90001」とは何か

Windowsを利用していると、ときどき聞き慣れないエラーコードが表示されることがあります。今回注目する「0xc0e90001」は、UEFIファームウェア設定へアクセスする手順で障害が発生した際に表示されるエラーコードとして報告されています。特にWindows 11の「設定」→「システム」→「回復」→「詳細オプション」からBIOS(UEFI)へ進もうとしても、修復画面に移行してしまい、結果的にBIOS設定画面にたどり着けない現象が確認されています。

エラーが起きる原因の概略

「0xc0e90001」というエラーコードが出る根本的な原因は一概には断言できませんが、下記のような要素が複合的に影響している可能性があります。

  • Windowsのシステムファイルの破損
  • インストールされていない重要な更新プログラム
  • デバイスのファームウェア(UEFI)の不具合
  • Windowsの起動管理領域の異常

エラー自体がOSの不具合だけとは限らず、ハードウェアとの連携不具合や設定ファイルの破損などが重なっているケースも考えられます。

「0xc0e90001」表示時のよくある挙動

実際にこのエラーコードが表示されると、次のような状況になりがちです。

  • UEFIファームウェア設定を選んでも再起動後に「自動修復」や「PCを診断しています」の画面になる
  • Windowsが立ち上がるものの、BIOS(UEFI)設定画面には入れない
  • Surfaceなどのデバイスの場合、画面が一瞬消えてまたWindowsのロゴが表示されるだけ

このように、特定の手順からUEFIに入ろうとしても意図した画面が表示されず、エラーメッセージだけが表示されるのが特徴的です。

解決策1:Windows UpdateでKB5053117を適用する

「0xc0e90001」エラーコードの対処法としてまず試してほしいのが、Windows Updateの適用です。実は「KB5053117: Safe OS Dynamic Update for Windows 11, version 24H2 and Windows Server 2025」に、この問題を修正するアップデートが含まれています。

KB5053117の内容を確認する

Microsoftから公式にリリースされている「KB5053117」は、安全なOSブート関連の更新が施されるアップデートです。UEFIまわりでエラーが起こりやすい環境を整備する役割を担っており、これが導入されることで「設定」→「システム」→「回復」→「詳細オプション」からのUEFIアクセスが正常化する可能性があります。

アップデートの有無をチェックする

Windows 11上でPowerShellを管理者権限で開き、以下のコマンドを実行することで、KB5053117がインストールされているか確認できます。

Get-HotFix -Id KB5053117

何も表示されない場合は、未適用である可能性が高いです。未適用であれば、Windows Updateを実行し、最新の状態にしましょう。更新プログラムの適用後、再度UEFIファームウェア設定へのアクセスを試してみてください。

解決策2:デバイス起動時のボタン操作で直接BIOS(UEFI)に入る

Windowsの詳細オプションからのアクセスがうまくいかない場合、従来からある「起動時のボタン操作」でBIOS(UEFI)メニューを呼び出す方法が推奨されます。これはメーカーや機種によって操作が異なりますが、Surfaceをはじめ多くのデバイスで用意されている一般的な方法です。

Surfaceデバイスの場合のUEFIアクセス

Surfaceシリーズを例にとって説明すると、以下の手順でUEFIに直接アクセスが可能です。

  1. まずSurfaceの電源を完全にオフにする。
  2. 「音量アップ」ボタンを押し続けながら、「電源ボタン」を押してすぐに離す。
  3. Surfaceのロゴが表示される間も「音量アップ」ボタンは押し続ける。
  4. 数秒後、UEFI画面が表示される。

この方法を使えば、Windows自体に不具合があってもUEFI画面に直接アクセスできるため、セキュアブート設定やブート順序の変更などをスムーズに行えます。

各メーカーPCでの代表的キー操作

以下は、一般的にBIOS(UEFI)に入る際に使用される代表的なキー操作です。機種によっては異なる場合もあるので、メーカーの公式サイトで確認するのが確実です。

メーカー起動時の代表的キー備考
LenovoF1 または F2機種によって異なる場合あり
DellF2ロゴ表示中に連打する
HPF10旧機種では F2 の可能性も
ASUSF2 または Del機種によって異なる
AcerF2ロゴ表示後すぐに押す
Toshiba/DynabookF2UEFIの場合、連打するのが無難
MSIDel自作PC向けマザーボードなど
Surface音量アップ + 電源本文で詳述

こうした従来手法は、Windowsの「詳細オプション」からBIOS(UEFI)に入る方法よりも確実性が高いことが多いです。特に今回のように、OSの設定メニュー経由でのUEFIアクセスが正常に機能しない場合には非常に有効です。

解決策3:USB回復ドライブの作成と復元の実行

Windows 11など、OS自体のシステムに深刻な問題が生じている場合には、USB回復ドライブを使って復元を行う方法が一つの手段になります。特にUEFIの設定画面に入る段階でエラーが起きる場合、システム領域に何らかの異常があることも考えられるため、回復ドライブからのブートで問題を解決できる可能性があります。

USB回復ドライブの作成手順

USB回復ドライブは、Windows 11が提供する「回復ドライブの作成」機能を使って簡単に作成できます。手順は以下の通りです。

  1. 「スタート」ボタンを押し、検索ボックスに「回復ドライブ」と入力して「回復ドライブの作成」を選択。
  2. ユーザーアカウント制御(UAC)の確認画面が表示されたら「はい」を選択。
  3. 必要に応じて「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れる。
  4. 作成に使用するUSBドライブを挿入し、画面の指示に従う。

USB回復ドライブを作成したら、PCをシャットダウンしてこのUSBから起動させ、トラブルシューティングやシステム復元を実行できます。

Surface Recovery Imageの活用

Surfaceデバイスの場合は、Microsoft公式サイトから「Surface Recovery Image」をダウンロードしてUSB回復メディアを作成する方法も用意されています。モデルごとに適切なイメージを取得し、Surface専用のドライバー類が一式揃った状態で回復を行えるのがメリットです。これにより、Windowsが正常動作しない状態でも、デバイス固有の修復処理をスムーズに進められます。

エラー発生時の追加ポイント

ここまでの解決策を試してもうまくいかない場合や、複数回にわたり同じ問題が生じる場合には、より根本的なチェックが必要になります。次のポイントを総合的に検証することで、トラブルの再発防止に繋げましょう。

ブート構成とセキュアブートの状態を確認する

近年のPCではセキュアブートが標準的に有効になっており、BIOS(UEFI)設定画面でのセキュアブートの有効/無効に関連する設定が原因でトラブルが起きるケースもあります。もしカスタマイズでセキュアブートを無効化したり、ブートモードを変更している場合は、その点を見直してみてください。また、ブート順序の設定が誤っていると、Windowsへのアクセスが正常に行われず、詳細オプションからのUEFI呼び出しも不調になる可能性があります。

システムファイルやドライバーの整合性チェック

Windowsで提供されている「sfc /scannow」や「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」コマンドを用いて、システムファイルの破損を修復するのも一案です。とくに重要ドライバーが破損している場合、UEFIとWindowsの連携に影響が出ることが考えられます。簡単な手順でチェックできるので、一度試してみるとよいでしょう。

# 管理者権限のPowerShell、またはコマンドプロンプトで実行
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

この処理により、システム上の破損部分が自動的に置き換えられ、OSの安定性が向上する可能性があります。

Windowsの高速スタートアップを無効化する

Windows 11では高速スタートアップという機能が標準で有効になっており、シャットダウン時に完全には電源が切れず、一部のシステム情報を保存してスリープ状態に近い形で休止することがあります。高速スタートアップの状況次第では、UEFIやBIOSへのアクセスが妨げられることも稀にあるため、問題解決の糸口として高速スタートアップを無効化してみるのも手です。無効化手順は以下の通りです。

  1. 「コントロール パネル」→「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」→「電源ボタンの動作を選択する」を開く。
  2. 「現在利用できない設定を変更します」をクリックしてから、「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す。
  3. 「変更の保存」をクリックし、再起動後にBIOS(UEFI)へのアクセスを再試行する。

なぜBIOS(UEFI)へのアクセスが重要なのか

「BIOS(UEFI)なんてめったに触らないし、入れなくても大丈夫では?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、次のような状況においてBIOS(UEFI)設定画面へのアクセスは非常に重要です。

  • USBメモリや外付けSSDなど別のブートデバイスから起動したい
  • セキュアブートやTPMなどのセキュリティ設定を変更したい
  • メモリやCPUクロック、ファン制御などハードウェア関連の詳細設定を行いたい
  • UEFIレベルのパスワード設定や初期化を行いたい

こういったシステム深部の設定やトラブルシューティングのために、BIOS(UEFI)へのアクセスができない状態は非常に不便です。特に、最近のデバイスではBIOS(UEFI)がOSと密接に連携して動いているため、OSの更新プログラムやドライバーと併せてこまめに整備することが求められています。

まとめ:まずはアップデート、その後に直接アクセスや回復ドライブを

エラーコード「0xc0e90001」によってBIOS(UEFI)に入れない問題は、Windows Update(特にKB5053117)の適用で解決する可能性が高いです。もしそれでも解決しなかった場合は、Surfaceなどのデバイスでは起動時のボタン操作で直接UEFIを呼び出しましょう。それでもアクセスできない場合は、システムファイルの修復やUSB回復ドライブを活用してWindowsを再構築し、UEFIへのアクセスを可能にする方法を検討してみてください。

トラブル発生時のストレスは大きいですが、焦って作業を進めるとさらなるエラーを引き起こすこともあります。落ち着いて手順を確認し、Windows Updateとボタン操作を優先的に試しつつ、必要に応じて回復ドライブを利用する流れを覚えておきましょう。問題が解決すると、BIOS(UEFI)へのアクセスがスムーズになり、デバイスの安定性も向上します。

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