大切な作業でフォルダーを移動しようとしたら、突然エラーが出て思わず焦れてしまった…という経験はありませんか。私も初めて遭遇したときは、一体どのアプリケーションが使っているのかさっぱり分からず戸惑ってしまいました。そこで本記事では、フォルダー移動ができない原因から、簡単にロック中のプロセスを特定できる「リソースモニター」の使い方、そして実際に移動を成功させるポイントをご紹介します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
フォルダー移動エラーの概要
Windowsを使っていると、フォルダーを移動または削除しようとした際に「Action can’t be completed because the folder or a file in it is open in another program(この操作を完了できません。フォルダーまたはその中のファイルが別のプログラムで開かれています。)」というエラーメッセージが出ることがあります。
「もう全部のアプリケーションを閉じたのに、なぜ移動できないの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。実は、ウィンドウを閉じただけではフォルダーが解放されず、バックグラウンドで動作しているプロセスや常駐プログラムによってファイルやフォルダーがロックされていることがあるのです。ここでは、エラーが起こる原因と、具体的な対策について解説していきます。
どんなときに起こるのか
たとえば、Wordでファイルを開いていたり、動画編集ソフトがプロジェクトファイルを読み込んでいたりする場合は想像しやすいと思います。しかし、目に見えない常駐アプリが動いているケースも少なくありません。特に、クラウド同期ソフト(OneDrive、Dropbox、Google Driveなど)はフォルダー内部を常に監視・同期しているため、ファイルが開いていると見なされることがよくあります。またセキュリティソフトがリアルタイムスキャンを行っている最中もフォルダーがロックされることがあり、意外な落とし穴として存在します。
体験談:私が初めて遭遇したとき
私が最初にこのエラーに遭遇したのは、同僚と作業を分担していたドキュメントフォルダーを整理しようとしたときでした。すべてのファイルを閉じたはずなのに移動できず、「何が開いているのか分からない」とチーム全員で頭を抱えたのを覚えています。結局、同期ソフトであるDropboxのプロセスが動作していたのが原因でした。目に見えないところでロックされると、本当に戸惑うものですよね。

使っているアプリをすべて閉じたはずなのにエラーが出る場合は、バックグラウンドで思わぬプロセスがフォルダーをロックしている可能性が高いです。特にクラウド同期アプリやセキュリティソフトは要チェックですよ。
エラーが出る原因と仕組み
エラーの原因を突き詰めると、「Windowsがフォルダーをほかのプロセスによって使用中と判断しているから」というシンプルなものです。では、その「ほかのプロセス」とはどのようなものがあるのでしょうか。
アプリケーションによるロック
最も代表的なのは、WordやExcelなど、オフィス系ソフトでファイルを開いたままになっている場合です。ソフトによっては、ファイルを閉じていてもバックアップ機能や自動保存機能が動作し続けるケースがあります。また、画像編集ソフトや動画編集ソフトなどもバックグラウンドでメディアファイルをキャッシュしている可能性があります。
クラウド同期アプリの存在
OneDrive、Dropbox、Google Drive、iCloudなどのクラウド同期サービスは、フォルダーやファイルをリアルタイムで監視し、変更があればサーバーと同期します。この同期プロセスがフォルダーをロックする原因となることが多いです。
小小見出し:クラウドソフトでのトラブル例
同僚との共同作業で、同期アプリを介してファイルをやり取りしているとき、移動先や移動元のフォルダーがまだ同期中の場合、わずかなラグでロックが継続されることがあります。私も急いで作業しているときに、同期が完了していないままフォルダーを移動しようとしてエラーが出た経験があります。
セキュリティソフトやバックグラウンドプロセス
リアルタイムスキャンを行うセキュリティソフトも、フォルダーを一時的にロックしてしまう要因のひとつです。また、バックグラウンドで動作しているプログラム(例:ファイルインデックス作成ツール、データベースアクセスツールなど)によってフォルダーが使用中になっている場合があります。
リソースモニター(Resource Monitor)で原因を特定する
エラーが出た際に「どのプログラムが使っているの?」と一瞬で調べられるのがWindows標準のリソースモニターです。resmon.exeと入力するだけで起動できるので、ぜひ覚えておきましょう。
リソースモニターの起動方法
Windowsのスタートメニューの検索バー、または「ファイル名を指定して実行(Win+R)」でresmon.exeと入力すると、リソースモニターが立ち上がります。起動後は下記の手順でフォルダーを使用中のプロセスを探してください。
小小見出し:CPUタブからハンドルを検索
リソースモニターが立ち上がったら、上部にある「CPU」タブをクリックし、画面下部にある「Associated Handles(関連ハンドル)」というセクションを展開します。ここで該当フォルダーのフルパス(例:C:\Users\Username\Documents\MyFolder など)を検索ボックスに入力すると、そのフォルダーを使用しているプロセスがリストに表示されます。



私がDropboxでロックされていたときも、このリソースモニターのハンドル検索で「Dropbox.exe」がヒットしました。見つかると「やっぱりか!」とスッキリしますよ。
タスクマネージャーによるプロセス終了
リソースモニターで特定したプロセスが分かったら、タスクマネージャーを使って停止させるのも一つの方法です。ただし、作業中のデータがある場合はきちんと保存してから行うようにしてください。タスクマネージャーの「詳細表示」モードで「プロセス」タブを選択し、リソースモニターで見つかったプロセスを終了するとフォルダーが解放されるはずです。
タスクマネージャーで強制終了する際の注意点
強制終了はあくまで最終手段として考えるのが無難です。保存していない作業データが失われる可能性や、システムが不安定になるリスクもゼロではありません。ソフトの正常終了が可能なら、まずはアプリケーション側でファイルを閉じてから終了するのが望ましいです。
クラウド同期ソフトの設定を見直す
OneDriveやDropboxなどの同期アプリが原因である場合は、設定の見直しや一時的な同期停止で対応できます。同期を停止してフォルダーを移動した後、再度同期を有効にすればトラブルを回避できることがあります。
同期の一時停止方法
一般的に、同期アプリのタスクトレイアイコンを右クリックすると、「同期の一時停止」や「終了」といったオプションが表示されます。一旦同期を停止してフォルダーの移動を行い、完了後に同期を再開する手順です。ただし、他のメンバーと共有しているフォルダーを動かす場合は、共有先に混乱を与えないよう事前に連絡を入れておきましょう。
小小見出し:同期の一時停止が役立つシーン
大容量の写真や動画ファイルを扱うときは、同期に時間がかかってしまい移動時にロックがかかりやすくなります。こういった場合に同期を一時停止しておくと、作業効率がぐんと上がることがあります。私も旅行写真を大量に整理するときには、この方法でフォルダーを分割して移動しています。
セキュリティソフトのリアルタイムスキャンに注意
セキュリティソフトのリアルタイムスキャンが原因でフォルダーがロックされるケースもあるため、一時的にリアルタイムスキャンをオフにしてみるのも手です。ただし、セキュリティレベルが下がるため、他の作業を極力控えながら短時間で操作を完了させるのが望ましいでしょう。
セキュリティソフトの設定画面の確認
多くのセキュリティソフトには「リアルタイム保護の設定」があり、特定のフォルダーをスキャンから除外したり、一定時間だけ保護を停止したりするオプションがあります。フォルダーの移動だけを行うのであれば、この方法で作業中のみ監視をオフにしておくのも有効です。ただし、ネット接続を行わないか、あるいは安全なサイト以外にアクセスしないよう注意しましょう。



データ移動が終わったら、必ずリアルタイム保護をオンに戻すのをお忘れなく。私もよく作業後に戻し忘れてヒヤッとすることがあるので、操作手順を決めておくのがおすすめです。
クリーンブートで不要なプログラムを停止
どうしても原因が分からない場合や、常駐アプリが複雑に絡み合っている場合は、クリーンブート(必要最低限のサービスやスタートアップのみでWindowsを起動する方法)を試してみるのも一案です。システムがシンプルな状態になるため、フォルダーをロックしている余計なプロセスが起動しにくくなります。
クリーンブートの方法
ステップ1:システム構成から起動サービスを無効化
「ファイル名を指定して実行」などでmsconfigと入力し、システム構成を開きます。「サービス」タブでMicrosoftのサービス以外をすべて無効にし、「スタートアップ」タブから不要なプログラムを無効にします。設定を保存したら再起動しましょう。
ステップ2:必要最小限の環境で移動を試す
クリーンブートで起動したら、不要なプロセスが最小限になっている状態なので、フォルダーを移動してみます。もしこれでエラーが出なければ、通常起動時に読み込まれている常駐アプリやサービスのいずれかが原因と考えられます。
ネットワークドライブや外付けストレージの場合
ネットワーク上のフォルダーや外付けHDD、USBメモリなどの外部ストレージを移動する際にもロックが起こることがあります。ネットワークドライブの場合は、接続が不安定だったり、別のユーザーが同時にファイルを開いているケースもあり得ます。外付けストレージでは、ドライブのアクセスランプが点灯しっぱなしの場合、システムがまだ読み書き中の可能性があります。
対処法
ネットワークドライブなら、一度マッピングを解除して再度接続し直すことでロックを解消できることがあります。外付けストレージなら、安全な取り外し(USBのマークを右クリックして「取り外し」)を試みたときに「使用中なので取り外せない」と表示されたら、やはりどこかでアクセスが続いている証拠です。プロセスを特定して停止するか、あるいはOSを再起動して状況をクリアにしてみると良いでしょう。
具体的な対処法まとめ:表で一目で分かる確認手順
フォルダー移動エラーに直面したときに、どこから手を付ければよいか迷う方もいるでしょう。以下の表を参考にすれば、上から順にチェックするだけで効率的に原因を特定できます。
優先度 | 確認項目 | 対処方法 |
---|---|---|
1 | 単純にファイルが開きっぱなしでは? | オフィス系や編集ソフトなど、見えているウィンドウをすべて閉じる |
2 | クラウド同期ソフトがロックしていないか | 同期の一時停止・設定の見直しを行う |
3 | セキュリティソフトがスキャン中では? | リアルタイムスキャンを一時停止、または対象外フォルダーに設定 |
4 | リソースモニターで使用中プロセスを特定 | resmon.exeでフォルダーのハンドルを検索し、プロセスを終了 |
5 | ネットワークドライブや外付けストレージ | 接続を一度切断する、または安全に取り外す |
6 | 常駐アプリが多い場合 | クリーンブートで不要なサービスを停止してから試す |
表の見方
優先度の高いものから順番にチェックしていくと、フォルダー移動エラーの原因を効率よく探れるようになっています。私自身も現場でトラブルシュートをする際には、この順序を目安にしており、たいていは2番または4番あたりで解決できています。
再起動で解決することもある
「なんだか面倒そう…」と感じたときは、まずシステムを再起動してみるのも意外と効果的です。特に大量のソフトウェアを起動したまま長時間PCを使っていたりすると、メモリに不要なプロセスやキャッシュが残ってしまうこともあります。再起動によってバックグラウンドプロセスが整理され、フォルダーが解放されることがあるのです。
再起動前の一工夫
再起動前に、開いているすべてのソフトをきちんと閉じておくと、OSが起動するときに最低限のプログラムだけが立ち上がる形になります。これだけでも問題が解決しなかった場合は、上記のリソースモニターやタスクマネージャーなどを試してみると良いでしょう。
エラー解決のメリットとデメリット
執筆者のコメント



初めてこのエラーに出会ったとき、私はすべてのウィンドウを閉じたのに原因が分からず大混乱しました。調べてみたらDropboxの同期やセキュリティソフトのリアルタイムスキャンなど、予想外のプロセスがフォルダーをロックしていてビックリ。慣れると「またあれか」と対処しやすくなるので、ぜひリソースモニターなどを活用してみてくださいね。
まとめ
フォルダー移動時に発生する「Action can’t be completed because the folder or a file in it is open in another program」というエラーは、何かしらのプロセスがフォルダーをロックしているのが主な原因です。バックグラウンドで動いているクラウド同期ソフトやセキュリティソフト、あるいは使用中のアプリケーションが気付かないうちにファイルを開いている場合も多々あります。そんなときこそ、Windows標準のリソースモニターで原因プロセスを特定し、タスクマネージャーやアプリケーションの設定から安全に終了する、または同期を停止するなどの手順を踏んでみてください。
もしそれでも解決しなければ、クリーンブートで余計なサービスや常駐プログラムを停止して再起動してみるのも有効です。また、ネットワークドライブや外付けストレージとの兼ね合いも確認しておくと、よりスムーズにフォルダーの移動が行えるでしょう。
最終的には、再起動だけで解決するケースもあるので「何が何でもすぐに解決したい!」というときほど、まずはシンプルな対策から試してみるのがおすすめです。
フォルダー移動のエラーに悩まされると、手戻りが増えてモチベーションが下がりがちですが、一つひとつ原因を探っていけば必ず解決できます。スッキリ解消して、快適なPCライフを送りましょう。
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