日常的に動画をフルスクリーンで観つつ、同時に重要なメモを取りたいと感じた経験はありませんか。私自身も学習動画を視聴しながらメモを残しておきたいことが多く、もっと手軽な方法はないのだろうかと悩んだ末に行き着いたのが、Windows標準のメモ帳を「常に手前に表示」させるテクニックでした。ここでは、その方法や実践の工夫、ツールの特徴を具体的にお伝えします。
フルスクリーン再生とメモ帳を同時進行したい背景
フルスクリーン動画で学習を進めたいとき、動画に集中できるメリットがあります。しかし、いざ何かをメモしたいと思っても、フルスクリーンモードの背面にメモ帳が隠れてしまっては、メモを取るたびに画面の切り替えが必要でとても不便です。特にオンライン講座やプレゼン動画などを視聴していると、思いついたアイデアを素早く書き留めたいタイミングが何度も訪れます。そこで注目したいのが「常にウィンドウを前面に表示できるツール」を活用する手法です。
標準メモ帳には「常に手前に表示」機能がない
最初に気づくのは、Windowsのメモ帳アプリにはそのような便利機能が初期搭載されていない点です。シンプルなテキスト編集には向いている一方で、ウィンドウ位置の保持機能までは備わっていません。そこで追加ツールの利用が視野に入ってきます。
どうしてもメモ帳にこだわる理由
たとえばWordや他のエディタでもメモは可能ですが、メモ帳はソフトの起動が軽く、起動速度が速いので使い勝手が非常に良いのです。ちょっとした内容を素早く書き残すにはうってつけのアプリケーションです。これを常に最前面に固定できるようになれば、フルスクリーン動画と同時進行での作業効率が格段にアップします。
Microsoft PowerToysを使った解決策
Microsoft公式が無料で提供している「Microsoft PowerToys」には、ウィンドウを任意で常に手前に表示できる機能(Always on Top)が含まれています。これは私が実際に使ってみて、「こんなにシンプルで使いやすいのか」と驚いたツールです。以下に導入や設定の流れを示します。
導入の準備とダウンロード先
Microsoft StoreやGitHubの公式ページなどからダウンロードできます。Microsoft Storeで「PowerToys」と検索するとすぐに見つかり、インストールも数ステップで完了します。時間もそれほどかからないので、ちょっとした空き時間に導入しやすいです。

私の場合は、オンライン講義を聴いている最中に考えたことをすぐにメモに残せる環境を求めて、PowerToysを導入しました。はじめは「面倒そうだな」と感じていたのですが、実際に使ってみたら設定が簡単で、思った以上に快適でした。
PowerToysの設定画面とショートカット
1. PowerToysを起動すると、ウィンドウ左側に機能一覧が表示されます。
2. Always on Top(常に手前に表示)を選択すると、機能のオンオフや枠線表示の有無を設定可能です。
3. ショートカットキーは、デフォルト設定で「Win + Ctrl + T」などが割り当てられています。
4. メモ帳を開き、前述のショートカットキーを押すと、その時点で選択しているメモ帳のウィンドウが前面固定されます。
青い枠線の解除方法
Always on Topを有効にすると、対象ウィンドウの周囲に青い枠線が表示されるバージョンもあります。これが少し目障りだと感じる場合は、PowerToysの設定から枠線をオフにするだけで非表示に変更できます。設定箇所はバージョンによって表記が若干異なりますが、メニューを見渡せばすぐに発見できるはずです。
他の常に手前に固定するためのツールもある?
Microsoft PowerToys以外にも、常にウィンドウを最前面にすることを得意とするツールは少なからず存在します。私がいくつか試した中で、比較的有名なものを紹介します。
競合ツールの例
WindowTop
インターフェイスが直感的で使いやすいツールです。無料版でもある程度使えますが、一部機能は有料版でのみ提供されるケースがあります。PowerToysほどWindows公式との親和性はないものの、表示のカスタマイズなど豊富な機能が魅力です。
DeskPins
こちらは小さなピンのようなアイコンで、特定のウィンドウを最前面に固定する仕組みです。見た目にわかりやすいのですが、少し手動での操作が多くなる印象です。それでも軽量なので、高スペックでないPCでも導入しやすいというメリットがあります。
ツール比較表
以下に主な「常に手前に表示」系ツールの特徴をまとめた表を用意しました。ダウンロード元や機能性の違いなど、ざっくり把握するのに役立ちます。
ツール名 | 特徴 | 入手方法 |
---|---|---|
Microsoft PowerToys | Windows公式の拡張機能ツール集。Always on Top機能が簡単に使える。 | Microsoft StoreやGitHub公式 |
WindowTop | ウィンドウの透明化機能など、より多彩なカスタマイズも可能。 | 公式サイトからダウンロード |
DeskPins | 軽量で動作が安定しているが、操作はやや手動感がある。 | フリーソフト紹介サイトなど |



私の場合、最終的にはMicrosoft PowerToysのAlways on Top機能が一番しっくりきました。無料で追加インストールできるうえ、設定もシンプル。もし思うような挙動にならなければ、他のツールと比較して検討してみるとよいでしょう。
フルスクリーン動画閲覧時のちょっとした工夫
メモ帳を常に手前に表示しておくと、どうしても表示領域を多少なりとも圧迫してしまいます。そのため、快適に作業するための工夫として、以下のような点に配慮してみるとストレスが減ります。
メモ帳のサイズ調整
大きすぎると動画画面の内容を把握しにくくなります。必要な記入スペースを確保しながらも、動画の邪魔にならない大きさにウィンドウを調整しましょう。
フルスクリーン再生を維持しつつ、あえてメモ帳を画面の端に小さく配置すると、動画の大部分を邪魔せずに内容を観察できます。
ウィンドウ配置のコツ
– 画面サイズの大きいモニターの場合:画面の四隅など余白を活用すると、動画の邪魔になりにくいです。
– ノートPCなど小さめの画面の場合:一時的にウィンドウを半透明化できるツール(WindowTopなど)を使うと、背後の動画も見やすくなることがあります。
ヘッドホンやスピーカーの位置にも注意
動画を聴きながらメモを取るときは、音声を聞き逃さないようにするためヘッドホンの装着がおすすめです。外部の雑音が入ってしまうと、集中力も削がれがちです。
特に講義や学習動画を観るときは、音質がクリアな環境にした方が理解度もアップし、結果としてメモも取りやすくなります。
フルスクリーンが使いづらい場合の代替策
フルスクリーンがどうしても使いにくい場合には、ウィンドウモードで再生して画面サイズを最大化するという手段もあります。ショートカットで常に手前に固定したメモ帳を別のディスプレイに配置できる環境なら、一段と作業効率が上がるでしょう。複数モニター環境を用意できるなら検討する価値があります。
実際に使ってみた感想とトラブルシューティング
私が最初に導入したとき、PowerToysのAlways on Topは想像以上に簡単に導入できましたが、環境によってはいくつかの問題に遭遇するケースもあるようです。
ショートカットが効かない場合
PowerToysのショートカットキー設定が、別のアプリのショートカットと競合している可能性があります。設定画面でショートカットキーを変更してみたり、別の機能との競合を解消したりすると良いでしょう。
ショートカットキーの再割り当て例
– Win + Ctrl + A
– Ctrl + Alt + T
– など、他のアプリが使っていない組み合わせを選択する
動画プレイヤーやブラウザとの相性
フルスクリーンモードの動画プレイヤーは、ソフトによって表示の仕組みが微妙に異なります。例えば、一部のプレイヤーではフルスクリーンモード時にシステム全体が覆われるような動きをするため、他のウィンドウをいくら最前面にしようとしても、全面表示になってしまうことがあります。この場合は、動画プレイヤー側の設定を見直して、フルスクリーンではなく「擬似フルスクリーン」や「最大化」モードで再生するのがおすすめです。



私の友人は一部のDVD再生ソフトをフルスクリーンにして使おうとした際、PowerToysが効かなくて戸惑っていました。プレイヤー側の全画面表示を解除し、最大化モードで表示したところ、常にメモ帳が前に出せるようになったとのことです。
実務や学習環境での応用例
この「常にウィンドウを前面に表示」する機能は、フルスクリーン動画の視聴だけにとどまりません。たとえば、以下のような場面でも重宝します。
オンライン会議での議事録作成
ZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールの画面共有をフルスクリーンにして視聴しながら、会議の内容をすぐにメモ帳に取ることが可能です。
会議の記録をスピーディーにとれるため、後から議事録の作成をスムーズに行えます。
PCゲームをプレイしながら攻略メモを取る
ゲームによってはフルスクリーンモード中に他のウィンドウが隠れてしまうものも多いです。攻略サイトや攻略メモをリアルタイムで参照しながらプレイしたい場合、Always on Topの活用は大いに役立ちます。
ただし、ゲームによっては最前面固定の処理をブロックするものがあるため、必ずしもすべてのゲームで有効とは限りません。
まとめ
フルスクリーン動画を観ながらメモを取りたいという要望は、一見シンプルなようで意外に対策が難しいテーマです。しかし、Microsoft PowerToysのAlways on Top機能などを利用すれば、フルスクリーンモードであっても任意のウィンドウを前面に固定できます。
実際に使用して感じたのは、作業効率が思った以上に向上するということです。動画の学習内容や思いついたアイデアをすぐに書き残せるため、集中力も途切れにくくなりました。もし、動画を観ながらのメモ作業にストレスを感じているなら、一度試してみる価値は大いにあるでしょう。
また、今回ご紹介したPowerToys以外にも、ウィンドウ固定系のツールは多数存在します。それぞれに特徴がありますから、自分のPC環境や使い方に合わせて、使いやすいものを選んでみてください。



私自身、はじめは導入するのが少し面倒に思えましたが、実際に使ってみるとこんなに簡単にできるのかと感激しました。特に動画学習を日々のルーティンにしている方にとっては、強い味方になってくれると思います。
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