大容量RAMでも使えない?ハードウェア予約メモリの正体と削減方法を徹底解説

ちょっと前にパソコンのメモリを24GBに増設したはずなのに、実際のシステムで使えるのが20GB程度しかなくて「え、残りはどこへ…?」と驚いたことはありませんか。そんなときに表示されているのが「ハードウェア予約」という項目です。この記事では、ハードウェア予約が増えてしまう原因や解消方法を、私自身のちょっとした失敗談をまじえながら分かりやすくご紹介します。

ハードウェア予約メモリとは何か

メインメモリから一部が実質的に隔離される現象

ハードウェア予約メモリとは、Windowsが管理するメインメモリ(RAM)のうち、一部のハードウェアやシステム関連のために確保されていて、一般的なアプリケーションでは使えない領域を指します。パソコンを購入または組み立てて間もない頃は、そんなに大きな値になっていないことが多いのですが、統合GPU(APU)を使ったり、BIOS設定を変更したり、あるいはメモリの不具合が発生したりすると、思わぬ容量が予約に取られてしまうのです。

友人に教わった“ハードウェア予約”トラブル

私の知人がRyzen系のAPUを搭載したパソコンを組み立てたとき、「せっかく24GBも積んだのに、タスクマネージャーのメモリ欄に“ハードウェア予約 4.1GB”と表示されていてショック!」と話していました。これが原因でメモリ不足を感じるようになり、アプリケーションの動作が重くなったと嘆いていたのです。実際に負荷をかけてみると、システムが思うようにメモリを使えずに動作が遅延しがちでした。

私も昔、増設したばかりのメモリがちゃんと認識されていないときがあって、タスクマネージャーを見たら半分近くがハードウェア予約に取られているのを見て「何が起きているんだ…?」と焦った記憶があります。

ハードウェア予約が増える主な原因

BIOSでの統合GPU用VRAM割り当て

APUによるグラフィックメモリ確保

AMDのRyzenシリーズやIntelの一部CPUにはグラフィック機能が内蔵されていて、これをAPU(Accelerated Processing Unit)と呼ぶ場合があります。このAPUはディスクリートGPU(単体のグラフィックカード)と違って、システムのメインメモリをVRAMとして一部借りる形で表示を行います。
APUの設定によっては、2GBや4GBといった大容量を確保する場合もあり、その分が丸々ハードウェア予約メモリに分類されることになります。

ディスクリートGPUを使わずにグラフィックスを処理できるので、省スペースかつ省電力に優れやすい点が魅力です。

メモリ不良や接触不良

正常に認識できずハードウェア予約扱いになる

メモリ自体が故障していたり、マザーボードのスロットとの接触が悪かったりする場合も、Windowsはその領域を正常に利用できないと判断してハードウェア予約に回すことがあります。特に自作PCでメモリを後から追加した際には、差し込み不足や相性問題で、パソコンは起動こそするもののハードウェア予約が増大するケースがあるのです。

メモリ不良は突然発生しやすく、気づかないまま使っているとブルースクリーンなどのトラブルにつながるリスクもあります。

BIOSやマザーボード設定の影響

ベンダー独自の最適化や制限

マザーボードのメーカーや型番によっては、標準設定の段階でメモリの大部分をハードウェア予約に回すような構成になる場合があります。MSI、ASUS、Gigabyteなど有名メーカーでも、使っているチップセットやBIOSのバージョンによって挙動が異なることがあります。
BIOSアップデートや設定変更によって解決することもあるため、マザーボードの取扱説明書や公式サポート情報を参照するのがおすすめです。

ハードウェア予約を削減する方法

BIOSでのVRAM割り当て変更

統合GPU(APU)のメモリ割り当てをチェック

もし統合GPU機能を使っているなら、BIOSに「Shared Memory」「UMA Frame Buffer Size」「iGPU Memory Size」などの名称でVRAM割り当て量を設定できる項目があるかもしれません。ここを小さめの値に変更すれば、ハードウェア予約が減少する可能性があります。
ただし、あまりに少ない値に設定するとグラフィック性能が低下するため、用途に応じてバランスを取りましょう。

普段はブラウジングや文書作成が中心であれば、1GB程度の割り当てで十分なケースもあります。

逆にゲームや動画編集などグラフィック処理を多用するなら、2GBや3GBと多めに確保しないと動作がカクつく可能性があります。

メモリの抜き差しや診断

不良や差し込みミスを疑う

メモリがちゃんとスロットに刺さっているか、端子部分がホコリや汚れで汚れていないかを確認するのは大切です。特に自作PCや追加増設時、思いのほか差し込みが浅かったり、左右が均等にロックされていなかったりすることがあります。
Windowsに標準搭載されているメモリ診断ツールやmemtest86などを活用して、物理的にメモリ不良がないかチェックしてみるのも一つの手段です。

私もメモリの片側がうまくはまっておらず、起動はできるけどハードウェア予約が大量に発生していたことがありました。思い切りカチッと音がするまで押し込んだら、あっさり解決したことがあります。

BIOSの初期化やアップデート

設定トラブルの解消や新バージョンへの期待

オーバークロックや電圧調整を行っていると、予期せぬ部分でメモリが正しく認識されないことがあります。BIOSを初期状態に戻す「CMOSクリア」を試すのは、ちょっと面倒ですが効果的です。
また、BIOSアップデートでメモリ関連の互換性が向上して、ハードウェア予約問題が解決する事例もあります。メーカーのサイトで最新BIOSのリリースノートをチェックしてみるとよいでしょう。

設定変更時のリスクと注意点

動作不安定や起動トラブル

BIOSの設定を変更するときは、最悪の場合パソコンが起動しなくなるリスクもあります。特に初めて設定をいじる方は、事前にマニュアルを読んだり、ネットで同じ型番の情報を調べたりして慎重に進めましょう。
変更前には大事なデータのバックアップを取ることも忘れないようにしましょう。セーフティーネットとしても、この一手間が非常に大事です。

VRAM割り当てによるパフォーマンス変化

APUが使うVRAM領域を減らしすぎると、描画処理がもたつき、映像にカクツキが生じたり、ゲームが動作しなかったりする可能性があります。一方、割り当てすぎるとシステムのメモリが圧迫され、ブラウザや複数ソフトを立ち上げたときのパフォーマンスが落ちることもあるので、バランスが重要です。

どのくらい割り当てればよいのか

用途別の目安

ここでは、一般的なAPU環境でのVRAM割り当ての参考例を示します。あくまで目安なので、実際の用途やパソコンのスペックに合わせて調整してください。

用途 推奨VRAM割り当て 主な効果
ブラウジング・動画視聴 512MB~1GB 軽作業であれば快適。システムに余剰メモリを残す
軽いゲーム・画像編集 1GB~2GB 多少のグラフィック負荷には耐えられる
3Dゲームや動画編集 2GB~4GB グラフィック性能を重視。システムRAMが減る点に注意

メモリ不良を疑ったら

もしメモリの一部がハードウェア予約に回されていて、それがVRAM設定と関係なさそうだと感じたら、物理的な不具合をチェックするのも大切です。以下の手順で様子を確認するのが一般的です。

手順 内容 ポイント
1.スロットを確認 メモリの挿し直し、異なるスロットに挿す 接触不良を排除する
2.メモリ診断 Windowsメモリ診断やmemtest86を実行 エラーが出れば交換検討
3.相性問題 同型番を揃える、メーカー推奨を確認 混在時は不安定になりやすい

ハードウェア予約メモリの理想値

システム環境によりまちまち

結論からいえば、「最適なハードウェア予約メモリ容量」はユーザーの環境や用途、搭載パーツによって変わります。グラフィックを多用せず、ブラウザやオフィスソフト程度にしか使わないなら、なるべくVRAM割り当てを減らしてシステムRAMを確保する方がいいでしょう。
一方、ゲームや3Dアプリケーション、動画編集などを頻繁に行う人は、ある程度しっかり確保する必要があります。

私がAPU環境でゲームを遊んでいた頃は、2GBをVRAMに割り当てていました。ある程度のゲームは動作しつつも、ブラウザなど他のソフトが重くならないちょうどいい設定だった記憶があります。

まとめと対策の優先度

1. まずはBIOSでVRAM設定を確認

ハードウェア予約を大きく圧迫している要因の多くが統合GPUのVRAM割り当てです。まずはBIOS画面を開いて、自分のマザーボードに該当する設定項目をチェックしてみましょう。

2. メモリ不良や接触不良を疑う

増設後、突然ハードウェア予約が増えた、あるいは正常にブートはするがメモリ容量が足りないといった現象があるなら、物理的な問題を排除する必要があります。メモリの抜き差しやテストは意外と効果的です。

3. BIOSの初期化とアップデート

メモリ設定の競合やマザーボード特有の相性問題を解決するために、BIOSを初期化したり、最新バージョンにアップデートする手段が残されています。リスクもありますが、メモリ問題の一発解消につながることもしばしばあります。

4. パーツメーカーや専門家に相談

どうしても原因が分からない場合は、マザーボードメーカーやメモリの製造元に問い合わせるのも選択肢です。専門家のアドバイスを得ることで、最短でトラブルを解決できることもあります。

私の友人は最終的にメモリ相性がどうしても解決せず、メーカーサポートから交換対応してもらい、ようやく問題が解決しました。ちょっと手間も時間もかかりましたが、解決できたときの安心感は大きいですよ。

結論:ハードウェア予約は理解して付き合おう

ハードウェア予約メモリは不可避な側面もありますが、必要以上に大きくなっているなら、何かしら原因があるものです。APUならVRAM設定を見直し、不良の疑いがあればメモリをチェックするなど、ポイントを押さえて対策してみてください。PCの性能を最大限引き出すためにも、余分にメモリを取られている状態を放置しないで、定期的にタスクマネージャーなどで確認してみることをおすすめします。

実際に設定を見直してみると「こんなに使えるメモリが増えるの?」と驚くこともあります。ぜひ、一度ご自身のPC環境を見直して、快適なPCライフを送ってくださいね。

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