最近、iPadの性能が高まり、ノートパソコン並みの作業環境に近づいてきたと感じる方も多いのではないでしょうか。私自身も、iPadをビジネスや趣味に使っているうちに、ふとWindowsのアプリが必要になったことがあります。そんなとき、iPad Air(第5世代)でWindows 11を使えるのか気になりますよね。今回は、実際に直接インストールできるのかどうか、もし難しいならどんな代替策があるのかを、具体例や体験談を交えながら徹底解説していきます。
Windows 11をiPadにインストールできるの?
iPadはAppleの独自OSであるiPadOSを搭載しているため、残念ながらiPadに直接Windows 11をインストールすることは公式には想定されていません。私も以前、iPad ProでWindowsを動かそうと挑戦したことがあるのですが、OSの構造やドライバ、セキュリティの観点で難しく、結局断念せざるを得ませんでした。
iPad Air 第5世代の特徴
iPad Air 第5世代はM1チップを搭載し、処理能力の高さと省電力性能が魅力的です。大きめの画面サイズも相まって、Web閲覧や動画視聴はもちろん、クリエイティブなアプリケーションもある程度快適に動かせます。とはいえ、ベースにあるのはiPadOSです。パソコン向けのWindowsをそのまま使うには根本的に設計が異なるため、簡単には動かせません。
iPadとWindowsの互換性
Windows用に作られたソフトウェアやデバイスドライバは、iPadOS環境では動かないものがほとんどです。たとえM1チップが高性能であっても、Windows向けのサービスやファイルシステムとの互換性に問題が生じます。よく耳にするBoot Campの仕組みも、MacとWindowsのデュアルブートをサポートするものですが、iPadシリーズとは別物なので利用できません。
どうして直接インストールできないのか
iPad OSとWindowsは異なるアーキテクチャを採用しています。Windows 11はARM版もありますが、それはSurface Pro XなどのARMベースのWindows PC向けに最適化されており、iPadのハードウェアに合わせて動作するようには作られていません。また、ドライバの問題も大きいです。Windowsは動作に必要なドライバを多数用意しますが、iPadの各種機能(タッチ操作やカメラ制御など)に対応した公式のWindowsドライバは存在しません。こうした制約があるため、現時点でiPadに直接Windows 11をインストールすることは難しいです。
非公式な手段はあるのか
世の中には、非公式ツールや改造したファームウェアを使ってiPadでWindowsを部分的に動かそうとする試みも報告されています。ただし、こうした方法はライセンス的にもサポート的にも自己責任になり、最悪の場合はデバイスの故障リスクが伴います。また、一時的に起動しても安定して使える保証はなく、最新のWindows 11の機能をフルに享受できるわけではありません。実用レベルを求めるなら、おすすめはできない手段といえます。
安定性とセキュリティ面
非公式な環境だと、OSやアプリのアップデートが正常に行えなかったり、セキュリティホールが塞がれないままになる恐れがあります。スマートフォンやタブレットは、日常的に通信を行うためセキュリティは非常に大切です。万が一、ウイルスに感染したり重要情報が漏れたりしては元も子もありません。こうした観点からも、非公式なWindowsインストールはあまり現実的ではないといえます。
リモートデスクトップやクラウドPCを使う方法
直接インストールできないとなると、代替手段として注目されるのがリモートデスクトップやクラウドPCの利用です。私自身、持っているWindows PCを外出先で操作したいときに、iPadを用いてリモートデスクトップで接続し、仕事をしたことがあります。これならiPadの画面越しにWindowsを操作できるので、ほぼWindows 11を動かしている感覚が得られるのです。
クラウドPCサービスの活用
Microsoftが提供するWindows 365などのクラウドPCサービスを利用すれば、常時オンライン環境でWindowsを動かすことができます。リモートデスクトップクライアントをiPadにインストールしてログインすれば、ネット環境さえあればほとんどのWindowsアプリが利用可能です。私は実際にWeb開発のソフトを起動したり、動画編集ソフトを試したりしてみましたが、クラウド上でしっかり動作し、iPad側では表示と入力を担うだけなので、比較的安定して作業できました。
通信環境が命
クラウドPCやリモートデスクトップの場合、描画や通信が常時インターネット経由となるため、通信環境が安定していないと作業がスムーズにできません。カフェや公共Wi-Fiスポットを利用するときはセキュリティ対策にも気を配る必要があります。
iPadでWindowsライクな環境を作る実例
ここでは、実際に私が試したり、友人が活用したりしている事例を紹介します。直接Windowsは入れられないものの、iPadをWindowsっぽく使いこなすことで、仕事や趣味がはかどるケースはあります。
Microsoft 365アプリをフル活用
iPadにはWordやExcelなどのMicrosoft 365アプリが用意されており、簡単な文書作成や表計算には十分使えます。クラウド上にデータを保存していれば、後でWindows PCからも編集を続けることができます。OfficeのショートカットキーなどはWindowsそのものとは異なる点もありますが、慣れてしまえばiPad上で作業を完結させることもできます。
クラウドストレージとの連携
DropboxやOneDriveなど、クラウドストレージを活用すると、Windows環境で作ったファイルをiPadでも閲覧・編集できます。私の場合、写真や動画など大容量のファイルはクラウドストレージに保存し、iPadからは必要なときだけアクセスすることで容量を節約していました。Windows PCからiPadへファイルを移す手間が減るため、ファイルのやりとりがスムーズになり作業効率もアップします。

以前、出先で急にExcelの表を修正しなければならないときに、iPadからOneDrive上のファイルにアクセスしてそのまま編集しました。思った以上に軽快に動き、ほぼノートPCがなくても作業できると実感しました。
アプリ単体でのWindows関連機能
EdgeブラウザーやOutlookなど、Microsoft純正アプリがiPad向けにも提供されています。これらを組み合わせると、Windowsを使っているときのようなアプリ体験がある程度再現できます。プログラミングやデザインなど重めの作業になるとiPad単体では限界がありますが、文章作成やメール管理、Web閲覧などは十分こなせると感じました。
実際に試した導入手順例
ここからは、私がiPadでWindowsアプリを使いたいときにとった方法を紹介します。あくまで一例ですが、参考になれば幸いです。
パソコンのリモートデスクトップ設定
自宅のWindows PCや会社のPCがある場合、そのPC側でリモートデスクトップを有効にしておきます。会社のセキュリティ規定によってはVPN接続なども必要になるため、システム管理者の方に問い合わせるとスムーズです。
iPad側にMicrosoft Remote Desktopアプリを導入
App StoreからMicrosoft Remote Desktopなど、リモート接続用のアプリをインストールします。起動後に接続先のPC名やIPアドレスを設定し、認証情報を入力すると、iPad上でWindowsデスクトップが表示されます。
操作性と画面サイズの微調整
リモート操作をしていると、画面解像度が合わずに文字が小さくて見づらいケースもあります。アプリ側やWindows側の設定で解像度を調整し、なるべく見やすいようにカスタマイズしてください。私はデスクトップ側で解像度を1600×900程度にすると、iPadでの操作がちょうど見やすくなりました。
iPadとWindowsの比較表
下記に、iPad Air 第5世代と一般的なWindows PCタブレットを並べて、いくつかの観点を比較してみました。あくまで代表的な例なので、製品によっては細部が異なります。
項目 | iPad Air(第5世代) | Windows タブレット |
---|---|---|
OS | iPadOS | Windows 11 (Home/Pro) |
チップ/CPU | Apple M1 | Intel Core シリーズ / AMD Ryzen / ARMなど |
アプリの入手先 | App Store | Microsoft Store / EXEファイル / Steamなど |
操作方法 | タッチ操作 / Apple Pencil / キーボード等 | タッチ操作 / マウス / キーボード等 |
Windows専用アプリ | 基本的に不可(リモートやクラウド経由) | 直接インストール・起動可能 |
携帯性 | 非常に軽量でコンパクト | 製品によって異なるが重量はやや増 |
周辺機器の接続 | 主にUSB-C、Bluetooth | USB-A、USB-C、HDMIなど多岐にわたる |
この表からわかるように、iPadは軽量かつApple Pencilなどの独自入力デバイスに強みがある一方、Windowsタブレットは伝統的なPCソフトとの互換性に優れています。どちらがいいかは用途や好みによりますが、Windowsソフトを完全に動かしたいなら、やはりWindows搭載端末を用意したほうが無難です。
クラウドPC導入のメリット
ここで、改めてクラウドPCを活用する利点を整理します。私は実際にWindows 365を利用してみて、iPadでWindows 11を使う新しい感覚を楽しむことができました。
常に最新の環境を利用できる
クラウドPCではOSやソフトウェアの更新が自動的に管理され、常に最新バージョンのWindows 11やセキュリティパッチが適用された状態を保てます。これにより、自身でアップデートを行う手間が軽減されます。私は複数台の端末を使っていますが、それぞれの端末に手動でアップデートをかける手間が省けるのは快適でした。
端末の負荷が少ない
クラウドPCの処理はリモートサーバー側で行われるため、iPad本体のCPUやメモリへの負荷は比較的低く抑えられます。動画編集ソフトや3Dモデルソフトなど、高負荷のWindowsアプリを動かすときでも、iPadで行うのは画面の描画と操作だけになるので、大量のファンが回って熱くなるということがありません。ただし、ネットワーク回線の安定性は必要です。
Windows搭載のPCやタブレットを購入する選択肢
iPadを愛用している方でも、どうしてもWindows環境が必要になるケースは少なくないと思います。私も以前、オンラインで開催された研修でWindows向けソフトをダウンロードして使う場面があり、iPadでは対応できずに難儀したことがあります。
iPadとWindows PCの併用
どうしてもWindows専用のアプリを動かさなければならないなら、Windows搭載のPCをサブで持つという選択肢は現実的です。ネットショップを見ても、コンパクトなミニPCや軽量なWindowsタブレットなど、意外と手頃な価格で手に入る製品が増えてきました。私はサブ用のミニPCを導入し、必要に応じてリモートデスクトップでiPadから操作しています。これでソフトのインストールも自由にできるので、作業の幅が広がりました。
結局どうする?iPadとWindowsの付き合い方
iPadだけで完結できるならそれが一番身軽ですが、専門的なソフトやWindows固有のアプリを使う場合にはリモートデスクトップやクラウドPC、またはWindowsデバイスとの併用が必要になります。人によっては、MacやWindowsのノートPCをメインにして、iPadはサブやお絵かき用と割り切るパターンもあります。私も最初はiPadをパソコンの代わりにしようとしましたが、最終的には用途によって使い分けるのが賢いと感じました。
おすすめの使い分け方
まずは仕事や学業で使うソフトがどの程度Windows専用なのかを確認しましょう。もし絶対にWindows環境でないとダメな場面が多いのであれば、Windowsマシンをメインにするのが無難です。iPadをメインにしたい場合は、普段使うアプリやサービスがiPadで問題なく動作するか試してみて、どうしても必要なときはリモートやクラウドを活用するスタイルがおすすめです。



私の場合、外出時はiPadのみを持ち歩き、オフィスや自宅ではWindowsデスクトップにリモート接続しています。持ち運びが楽になり、かさばらないのは大きな利点でした。
まとめ
iPadにWindows 11を直接インストールする公式手段は用意されていません。独自の改造を試みる道もありますが、安定性やセキュリティ面からおすすめできません。代わりに、リモートデスクトップやクラウドPCを活用すれば、iPadの画面上でWindows環境を動かすことができ、私自身もこの方法でかなり快適に作業できています。もしWindowsのアプリをたっぷり使いたいなら、Windows搭載デバイスを導入するのも選択肢の一つです。iPadはあくまでiPadOSという独自の世界観をもつタブレットなので、その持ち味を活かしつつ、必要に応じてWindowsの機能をうまく組み合わせてみてください。
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