パソコンを立ち上げたときに、見覚えのないファイル名がスタートアップに並んでいると少し不安になりますよね。私も昔、スタートアップに謎の数字や長い英数字が表示されて焦った経験があります。今回の記事では、その正体や安全性、削除するための具体的な方法を分かりやすくまとめました。
謎のファイルが表示される原因
パソコンのスタートアップに「2」や「a37efada-8eac-4b9b-8ddc-20cf291789ef」というような謎の名前のファイルがあると、不審なプログラムやウイルスを疑ってしまう方も多いのではないでしょうか。実際、私もこれを初めて見たときはマルウェアを疑って必死に調べ回り、怖くなってウイルス対策ソフトでフルスキャンを実行したことがありました。
「Once Human」というゲームに由来するケース
最近の事例として多く報告されているのは、オンラインゲームの「Once Human」をプレイしている方が、このゲームに関連するテレメトリ収集ツール(例えばAppsFlyer Native PC C++ SDKなど)によって作成された可能性です。ゲームを起動すると、その分析や動作情報を取得するためにスタートアップへ登録されることがあるようです。
GUID形式や数字ファイルの正体
長い英数字の組み合わせになっているものは、多くの場合「GUID」と呼ばれる形式のIDです。これはグローバルにユニークなIDを生成する仕組みで、複数の環境で重複が起こりにくい特徴があります。ゲームやアプリケーション側がユーザーごとに異なるIDを割り振り、データ取得や管理を行っているのです。一方で、単に「2」などの数字がポツンと存在するケースもあり、こちらは実行ファイルではなく起動スクリプトが何らかの理由で生成した不要ファイルと推測される場合もあります。
安全性とウイルスの可能性はあるのか
ファイルが不審に見えると「パスワードや個人情報を抜き取る悪質なプログラムではないか」と考えてしまう方も多いでしょう。結論から言うと、こうした謎のファイルが即座に危険なマルウェアと判断できるわけではありません。しかし、まったくの安全と言い切れる根拠がないのも事実です。
テレメトリツールとしての側面
多くのゲームやソフトウェアでは、ユーザー体験を向上させるためにテレメトリデータを収集し、エラー情報や動作状況を開発者へ送信しています。今回問題となっているファイルが関連するものも、このテレメトリの一種と考えられます。例えば、「Once Human」や同種のオンラインゲームで、プレイ時間や接続状況などを分析するために作成されているようです。
スパイウェアとの違い
スパイウェアは、ユーザーの意図しない形で個人情報や閲覧履歴などを違法に収集するソフトウェアです。一方で、ゲームやアプリの開発者が公式に組み込んだテレメトリは、多くの場合ユーザー体験の向上や不具合解析といった「正当な目的」で使用されます。公式情報やユーザーコミュニティの事例を見る限り、明確に悪意ある動きを指摘されたケースは少ないようです。ただし、「勝手にスタートアップへ入ってくるのは気分が良くない」「通信内容が気になる」という声もあり、判断は人それぞれといえます。
実際に消すべきかどうかの判断
スタートアップに見慣れないファイルがあるとき、「いますぐ削除しないと危険なのでは?」と気持ちが急いてしまいます。私自身も、最初は慌てて削除してしまい、「これが原因でゲームが起動しなくなったらどうしよう」と後から不安になったこともあります。では、実際はどう対処すべきでしょうか。
すぐに削除しても大丈夫か
スタートアップ登録されたファイルの多くは、ゲームの補助的な機能やデータ収集のためのものです。削除してもOS全体に影響が出る可能性は低いとされていますが、ゲーム自体が正しく動作しなくなったり、エラーを引き起こす可能性がまったくないとは言えません。もしゲームを継続してプレイする予定がある場合は、慎重に検討するのが良いでしょう。
ゲームをやめたなら削除もアリ
すでにゲームをやめていて、今後プレイする予定がない方は、思い切ってファイルを削除してしまう方法もあります。ゲーム本体をアンインストールしてから、スタートアップフォルダやレジストリ、タスクマネージャーのスタートアップ項目を確認し、不要なものを消してしまえば再発しにくいと考えられます。

私は一時期オンラインゲームにハマっていましたが、飽きてアンインストールした際に、このような謎ファイルが残っているのを発見したことがあります。ゲームを削除しただけでは勝手に消えないファイルもあるので要注意です。
削除・無効化・場所の特定方法
スタートアップから謎のファイルを除去したい、あるいは無効化して起動をブロックしたい場合の具体的な手順をご紹介します。Windowsの環境を想定しているため、MacやLinuxをお使いの方は別途対応方法を調べる必要があります。
タスクマネージャーによるスタートアップ無効化
Windows10以降なら、「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを起動し、「スタートアップ」タブを開くことで簡単に起動時に読み込まれるアプリを確認できます。もし「2」「88」や長い英数字ファイル名のものがあれば、右クリックから「無効化」を選択すれば次回起動時には起動しなくなります。
タスクマネージャーで表示されない場合
一部のファイルはタスクマネージャーのスタートアップ一覧に表示されないケースもあります。その場合は、後述するスタートアップフォルダやレジストリ、あるいは専用ツールを確認しましょう。
スタートアップフォルダのチェック
Windowsには以下のスタートアップフォルダがあります。ここにファイルやショートカットが置かれていると、パソコン起動時に自動で実行されます。
対象 | パス |
---|---|
全ユーザー共通 | C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\StartUp |
現在のユーザーのみ | C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup |
ここに「2」や「GUID形式」のファイルがあれば、削除または別の場所に移して様子を見る方法があります。ただし、作業前にはシステムの復元ポイント作成や必要に応じてバックアップをとっておきましょう。
スタートアップフォルダから削除しても復活する場合
ゲーム側がアップデートや起動のたびに再生成するケースがあります。これが気になる場合は、ゲームのアンインストールやコミュニティ情報を調べて対策する必要があるでしょう。
msconfig(システム構成)での確認
Windowsでは「Win + R」で「ファイル名を指定して実行」を開き、msconfigと入力して「OK」をクリックするとシステム構成のウィンドウが表示されます。ここでもスタートアップ項目の管理が可能です。バージョンによっては「スタートアップ」タブから直接管理できず、タスクマネージャーへのリンクしかない場合がありますが、msconfigであれば全体的な起動設定を確認できます。
レジストリの編集
レジストリを使った方法は上級者向けの対処となります。誤って重要なキーを削除するとシステムがおかしくなる危険があるため、バックアップを取得した上で行いましょう。スタートアップに関連するレジストリキーは以下のような場所に存在します。
主なレジストリキー
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
これらのキーの中に謎のファイルを呼び出す項目があれば、削除または値を無効化することでスタートアップを阻止できます。とはいえ、実行内容がわからないまま削除するのはリスクがあるため、調べながら慎重に進めるのが良いでしょう。
Autorunsツールを使う方法
Microsoft公式の「Autoruns」という強力なツールを使うと、システムのあらゆる自動起動項目を包括的にチェックできます。ファイル名やパスを検索ボックスに入力すれば、どこから起動しているのかも簡単に特定できます。無効化したい項目を右クリックしてチェックを外すだけなので、手動でレジストリを操作するより安全で便利です。
ウイルススキャンや通信ブロックの必要性
一度はウイルス対策ソフトでフルスキャンを行い、万が一の脅威が潜んでいないか確認するのがおすすめです。私の知り合いで、明らかに怪しいソフトをインストールしたつもりはなかったのに、スタートアップにマルウェアが隠れていたという例もありました。最新の定義ファイルを適用しておけば、比較的安心してスキャン結果を信頼できるでしょう。
通信ブロックの選択肢
どうしても通信内容が気になる場合は、ホストファイルやファイアウォール設定などで送信先のドメインやIPをブロックする方法も一部で紹介されています。ただし、それによってゲームやソフトの動作が著しく制限される可能性がありますので、やり過ぎには注意が必要です。
個人情報の流出リスクを下げる工夫
特にオンラインゲームでは、ゲーム内の行動履歴やアクセスログが開発側に渡るのはごく一般的です。もしそれが気になる場合、匿名のアカウントでログインしたり、個人情報と結びつくサービス利用を控えるといった対策も検討してみましょう。



私は以前、特定のオンラインゲームがパソコン内のプライベート情報まで収集しているのではないかと疑い、ファイアウォールで通信を制限したことがあります。しかし、その後アップデートが適用できずゲーム自体がまともにプレイできなくなり、結局解除した経験があります。情報の収集と快適なプレイとのバランスが大切ですね。
再発防止と根本的な解決策
スタートアップから謎ファイルを削除して安心していても、しばらくすると再び現れる場合があります。この問題を根本的に解決するには、以下のような方法が考えられます。
ゲームや関連ソフトウェアをアンインストールする
もし「Once Human」など該当のゲームをもうプレイしないのであれば、アンインストールしてしまうのが最も確実です。不要なソフトウェアを残しておくと、アップデートやエラー修復の際に再登録が行われる可能性があります。
アンインストール後のクリーンアップ
アンインストールしても、レジストリやスタートアップフォルダ、ユーザーデータフォルダなどに関連ファイルが残る場合があります。特にオンラインゲームはインストール時の容量が大きいものが多いため、不要なフォルダや設定ファイルを手動で削除することでディスクスペースも節約できます。
定期的なメンテナンスでチェックする
普段から定期的にスタートアップの項目や常駐アプリをチェックし、不要なものは無効化または削除する習慣をつけると、こうしたトラブルを予防できます。私も仕事柄ソフトを色々インストールしがちですが、月に一度程度は見直して整理するようにしています。
まとめ
パソコンのスタートアップに突然現れる「2」や「a37efada-…」といった謎のファイルは、必ずしも危険なウイルスとは限りません。特にオンラインゲーム「Once Human」などのテレメトリツールが原因となっている可能性が高く、多くの場合はマルウェアとは無関係です。ただし、通信内容やプライバシーが気になる方には無視できない問題でもあります。
削除や無効化は、タスクマネージャー、スタートアップフォルダ、レジストリ、またはAutorunsツールを利用することでほぼ確実に行えます。しかし、再度登録される場合もあるため、本質的な解決策としてはゲームや関連プログラムをアンインストールするのが手っ取り早いと言えます。ご自身の用途やゲームプレイの状況を考慮しながら、最も適した方法で対処すると良いでしょう。私自身も、必要のないプログラムやファイルを放置してパソコンが重くなるのが嫌なので、定期的にチェックする癖をつけています。
万が一、削除後にゲームが起動しなくなったり不具合が起きた場合は、再インストールや再設定が必要となりますので、重要なファイルを消す前には必ずバックアップの作成をおすすめします。レジストリやシステム関連フォルダをいじるときも慎重に作業してみてください。



私自身、PCトラブルは早めに対処しないと何が原因で不調になっているか見極めが難しくなると感じています。定期的なメンテナンスや不要ファイルのクリーンアップは手間がかかりますが、結果的にストレスから解放されるのでおすすめですよ。
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