NVMe SSDがUEFIで認識されない原因と対処法|MSIマザーボードで行うWindows 11インストール術

パソコンを自作するときに、最新規格のNVMe SSDを用意してわくわくしながらWindows 11を導入しようとしたのに、なぜかUEFIのブートオプションに表示されず起動できない…という状況に直面したことはありませんか。この記事では主にMSIマザーボードを例に、NVMe SSDがUEFIブートに認識されない原因や対処法、そして上手なトラブルシューティングの進め方を紹介します。

NVMe SSDがUEFIブートオプションに表示されないときに確認すること

NVMe SSDを使った自作パソコンでWindows 11をクリーンインストールしようとする際、マザーボードのBIOS画面でブートドライブとしてSSDが表示されないケースがあります。特にMSI製のマザーボードで報告例が多く、私自身もMSI pro b650-p wifiに新しいWD_Black SN770を装着したところ、まったくブートドライブにならなかった経験があります。

1. BIOSとUEFIモードの設定

BIOS画面に入ったら、まずはBIOSのバージョンが最新か確認し、必要があればMSI公式サイトから更新を行いましょう。そのうえでUEFIモードのみで起動する設定になっているかをチェックします。Windows 11はUEFIブートを前提としているため、CSM(Compatibility Support Module)が不要であることも多いですが、CSMを有効にしないと認識しないケースがあるという事例も存在します。逆にCSMを無効化することで問題が解決することもあるため、何度か切り替えて試す価値があります。

2. パーティション形式がGPTであるか

Windows 11をUEFIモードでブートするには、システムパーティションがGPT形式である必要があります。もしNVMe SSDをMBR形式のまま使っていると、UEFI起動が行えません。新規インストール時にDiskPartでクリーンを実行し、パーティションを作り直す方法でGPTに正しく初期化してください。
また、インストール時にはEFIシステムパーティションという、FAT32形式の領域が必須になる点に注意します。このパーティションが自動で作られずにWindows本体のパーティションだけになっていると、ブート関連のファイルが正しく配置されず起動できなくなります。

3. 他社SSDに換装すると認識する事例

私が試行錯誤した際、どうしてもWD_Black SN770を認識できなかったため、ダメ元でCrucial製のNVMe SSDに交換して再度Windows 11をインストールしてみたところ、あっさりとUEFIブートのオプションに表示されました。別の事例でもLexar NM790から別ブランドへ置き換えたら解決したという報告があるように、SSDメーカーによってはマザーボードとの相性問題が起こり得ます。

私も昔、Z690チップセット搭載のMSI ProシリーズでNVMeを使おうとしたときに、どうしてもブートとして認識させられず頭を抱えたことがありました。各種設定を試しても埒が明かないことがあるので、SSDメーカーの変更は最終手段として意外と効果的です。

M.2 SSDがUEFIブートで認識されない主な原因

UEFIの仕組みやWindows 11のインストール要件を踏まえると、いくつかのパターンが考えられます。以下では主だった原因を段階的に見ていきます。

原因1: セキュアブートとCSMの兼ね合い

セキュアブート(Secure Boot)は、ブート時にOSやドライバの署名を検証する仕組みで、Windows 11の要件にも含まれます。ところが、一部のSSDやマザーボードのファームウェアによっては、セキュアブートが有効だとブート不可になる事例もあるのです。
同時に、CSMを有効にしているとUEFIモードが正しく動作せず、逆にCSMをオフにしたら今度はSSDが認識されなくなるという矛盾が起こるパターンもあります。そこで試してみたいのが、セキュアブートを有効にしてCSMをオフにするパターンと、セキュアブートを無効にしてCSMをオンにするパターン、そしてすべてオフにするパターンの3通りです。

原因2: SSD側ファームウェアや互換性

WDやLexar、CrucialなどメーカーによってSSDのコントローラやファームウェアの挙動が異なるため、どうしても相性問題が発生する可能性があります。特に最新のPCIe Gen4対応SSDの場合、速度が速い分だけファームウェアのバグやマザーボード側の対応が不十分であるケースが考えられます。
各メーカーのSSD管理ツールを使って、ファームウェアが最新化されているかを必ず確認しましょう。また、旧世代のSSDに変えてみるとすんなり認識したという話もよく聞きます。

原因3: インストールメディアやパーティション構成不備

Windows 11のインストール用USBメディアを作成するとき、Rufusを使うかメディア作成ツールを使うかで微妙な違いがある場合があります。UEFI専用ブートモードで作成しているはずなのに、何らかの理由でBIOS互換モードが混在しているメディアだと、うまくブートローダーがSSDに書き込まれないことがあります。
このようなトラブルを回避するため、USBメモリを別のものに変えて再作成したり、BIOSでBoot Priorityを一度リセットしてから改めてUSBメディアを選択したりする手順が大切です。

手動でEFIファイルを指定して起動する方法

MSIのBIOSには、[Boot From EFI File]という項目があるものがあります。そこから手動で\EFI\BOOT\bootx64.efiを選択するとブートできる可能性がありますが、毎回手動選択しなければならない場合は実用的ではありません。しかし、うまくいけばシステムのブートローダーが再設定され、自動でブートオプションに追加されることもあります。

実際の対処法を具体的に解説

私が経験したトラブルシューティングの流れと、他の事例を総合して得られた解決策を順に紹介します。

BIOSのバージョンアップ

MSI公式サイトから該当モデルの最新BIOSをダウンロードし、USBメモリに入れてBIOS上でフラッシュします。これによって、SSDとの互換性が改善されたり、不具合が解消されるケースがあります。

BIOSアップデート手順の例

1. MSI公式サイトでマザーボード型番を検索
2. BIOSの最新版ファイルをダウンロード
3. USBメモリをFAT32形式でフォーマット
4. ダウンロードしたファイルをUSBメモリへコピー
5. PCを再起動し、BIOS画面のM-FLASHまたはBIOSフラッシュ機能から更新

ここで問題が解決しない場合は、次のステップへ進みます。

セキュアブートとCSMの切り替え

Windows 11にはセキュアブートが推奨されていますが、オフにしてもインストールや起動が可能なパターンも多いです。OSインストール時点ではセキュアブートをオフにし、ブートローダーの書き込みが終わったらオンにする、という手順を試してみる価値があります。また、CSMを有効にしたままインストールした後、OSが起動した状態でドライバをインストールしてから再度CSMをオフにするといった方法を取る人もいます。

相性問題が深刻な場合、どんな設定をいじっても全く効果がないことがあります。私は最初の3日間ほど、これを何度も繰り返して疲弊しました。

SSDのファームウェア更新

Western DigitalやLexar、Crucialなど、それぞれのSSDメーカーが配布している管理ツールを用いると、SSD内部のファームウェアアップデートが行える場合があります。古いバージョンのファームウェアだと一部の環境でブート不可になるバグがあるケースも確認されています。

他メーカーのSSDを試してみる

もし他社製SSDを入手できるなら、手元のSSDと同じM.2スロットに差し替えて同様の手順でWindows 11をインストールし、ブートオプションに表示されるか確認してみましょう。驚くほどあっさり認識される場合があり、相性問題を強く疑う根拠になるはずです。

私が試したCrucial P5 Plusは、同じGen4 SSDでも一度でUEFIブートを認識してくれました。困ったときの選択肢として、ブランドを変更するのも有力な手です。

相性問題が起きやすい状況を整理する表

以下は、UEFIブートがうまくいかない主な条件や要因をまとめたものです。

要因 具体例 考えられる対策
BIOSバージョン 初期BIOSのままだと不具合が多い 最新のBIOSに更新
CSMとセキュアブート設定 CSM有効時はUEFI非対応・セキュアブート有効時は署名検証など 両方の組み合わせを試す
SSDメーカー WD, Lexar, Crucialなど
ファームウェアの違い
他社製を試す or ファームウェア更新
インストールメディアの作成 Rufusの設定ミス
メディア作成ツールの不具合
別のUSBメモリや他ツールで作成
パーティション形式 MBRのままインストールしている GPT形式でEFIパーティションを作成

対処に行き詰まったらどうするか

以上の方法を試しても解決しない場合、早めに新品交換や修理保証の検討をしてもよいかもしれません。しかし、実際にSSDを買い換えるのは大きな出費になるので、まずは下記のポイントを整理しておきましょう。

1. ブートローダーの存在を確認する

WindowsのインストールUSBから起動した状態で、コマンドプロンプトを開き、DiskPartでEFIパーティションができているか確認します。もし存在しなければ、再インストールしてEFIパーティションを生成します。

2. Boot From EFI Fileによる直接指定

BIOSのブートオプションにBoot From EFI FileやUEFI HDDなどの項目があれば、そこから手動でbootx64.efiを選択できます。一時的にせよ、これで起動できるかどうかを調べれば、SSD自体は問題なくデータを保持しているかを判断できます。

3. SATAポートやM.2スロットの競合を避ける

マザーボードの設計によっては、あるM.2スロットを使用するときに特定のSATAポートが無効になるなど、レーンの競合が起きるケースがあります。私が使ったMSI b650-p wifiではあまり問題になりませんでしたが、Z690などの世代で拡張カードが多い場合には要注意です。

まとめと私が感じたこと

NVMe SSDがUEFIブートオプションとして認識されないのは、非常に困惑させられるトラブルですが、最大のポイントはマザーボードとSSDの相性が関わる可能性が高いことです。多くの場合、BIOS更新やUEFI設定の見直し、パーティションの再作成で解決しますが、それでもダメなときは躊躇せずにメーカーの異なるSSDに交換してみるのが近道になるかもしれません。私自身、WD製のSSDを諦めてCrucialに切り替えたときのあっさり解決ぶりには拍子抜けしました。

自作PCは自由度が高い反面、このように相性問題という壁が時々立ちはだかります。しかしその壁を乗り越えるたびに、パソコンの仕組みをより深く知ることができるので、私は意外とこの試行錯誤を楽しんでいます。

最終的な対処の優先度

1. マザーボードBIOSの更新

まずはMSI公式サイトから最新BIOSにアップデートし、初期不具合が修正されているか確認します。

2. GPT・UEFI専用でクリーンインストール

DiskPartのcleanコマンドでSSDを初期化し、Windows 11インストール時にGPT形式が選択されていること、EFIパーティションが正しく作成されていることをチェックします。

3. セキュアブートとCSMの切り替え

Windows 11の推奨設定はセキュアブートをオン、CSMをオフですが、相性確認のために複数パターンをテストします。

4. ファームウェア更新やSSDメーカーの変更

SSDメーカー提供の管理ツールでファームウェア更新を試してみた上で、どうしても認識されない場合は、他メーカーのSSDへの切り替えを検討するのが手っ取り早い解決策になり得ます。

SSDを頻繁に変更できる環境がなければ、どうしても検証コストがかかります。パーツを買い直す前に他の方のレビューや相性報告を調べてみるのも有効です。

おわりに

MSIマザーボードでNVMe SSDがUEFIブートオプションに出現しない問題は、一見すると深刻なハード不良に思えるかもしれません。しかし、実際には設定一つや相性によって解決することも多いです。私の場合は、試行錯誤の末に別ブランドのSSDを使ったら一瞬で起動できるようになり、拍子抜けするほどでした。もし同じ問題に直面しているのであれば、この記事で紹介した手順や知識を参考に、ぜひ自作PCライフをスムーズに進めていただければと思います。

自作PCは設定をいじればいじるほど発見があり、ハマったときには多くの学びを得られます。たまに大変ですが、その先には大きな達成感が待っていますよ。

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