はじめまして。パソコンを新調するたびにOfficeのインストールやライセンス問題で悩む方は多いのではないでしょうか。私も昔、初めてWindows 10のPCを買ったときに「そもそもプリインストール版は別のPCで使えるの?」と疑問を持ち、試行錯誤した経験があります。ここではそうした体験を交えながら、複数PCでのOfficeの扱い方やライセンスのチェック方法など、役立つ情報をお伝えしていきます。
プリインストール版Officeのライセンスは他PCに移行できる?
Windows PCを新しく購入すると、あらかじめOfficeが入っている場合があります。これはいわゆるOEM版(プリインストール版)と呼ばれるもので、そのPC専用のライセンスが付与されています。たとえばWindows 11のPCを買って最初から「Office Home & Business 2021」がインストールされているケースでは、原則としてこのOfficeを別のPCに移すことはできません。
プリインストール版(OEM版)の仕組み
OEM版のOfficeは、PCメーカーとMicrosoftが提携して搭載されており、そのPCだけで利用する前提になっています。一般的には、OSやPCの交換、ライセンス移行を想定していないため、他のマシンへの移動ができないというわけです。
もし「使っているPCが壊れてしまったから、OSごと別の端末に入れ直そう」と考えても、OEMライセンスが付与されたOfficeは移行対象外ですので注意が必要です。
旧PC付属のOffice Premiumも同様
Windows 10のPCなどで見かける「Office Home & Business Premium」や「Office Premium」と呼ばれるものも、同様にそのマシン固有のライセンスが付与されます。新しいPCにインストールしようとしても利用不可となるケースがほとんどです。旧PCにだけ有効なものだという点を理解しておきましょう。
私自身も以前、新しいノートPCを買ったときに「旧PCのOffice Premiumが使い慣れているから、新PCに移行できないかな?」と考えたことがあります。ライセンス規約を調べてみると、やはりOEM版はそのPC限定だという結論に至りました。少し残念でしたが、ルールに従って利用するしかないですね。
複数PCでOfficeを使うならサブスクリプションがおすすめ
もし旧PCでも新PCでもOfficeを使いたいという場合、OEM版やパッケージ版のライセンスでは台数を増やすことが難しい場合があります。とくにプリインストール版は1台にしか適用できません。そんなときに検討したいのがMicrosoft 365(旧Office 365)などのサブスクリプション型です。
サブスクリプション型Microsoft 365の特徴
1ユーザーあたり5台までインストール可能
サブスクリプション版では、1人のユーザーが複数のデバイスにOfficeをインストールできます。たとえば「Microsoft 365 Personal」プランなら、PCやタブレット、スマートフォンなど合計5台まで使えます。ファミリープランにすれば家族も含めて複数人で利用可能になるので、家族全員がExcelやWordを共有して使えるようになります。
常に最新の機能が使える
購入型のOffice 2021やOffice 2019は買い切りタイプで、ソフトウェアは発売当初から基本的に大きなバージョンアップはありません。一方でMicrosoft 365なら常に最新の機能やセキュリティ更新が行われるので、最新状態で安心して使えます。
パッケージ版(買い切り型)を複数台で使えるケース
市販のパッケージ版Office(買い切り型)には、稀に「2台分までライセンスOK」という商品も存在します。ただし多くのパッケージ製品やダウンロード版は1台のみの使用に限られることが多いので、購入時にライセンス条項をよく確認してください。
複数台での利用を考えるなら、やはりMicrosoft 365を選ぶほうが確実で、長期的に見るとコストパフォーマンスが良い場合が多いです。
Office Premiumを旧PCで復元する方法
「Office Premium(Office Home & Business Premium)」は旧PCだけでもう一度使えないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。もし、旧PCを再セットアップしてOfficeを使いたい場合には、そもそもライセンスが残っているかを確認する必要があります。
しかし、旧PC付属のOEM版であれば、他のPCで利用できないのは前述のとおりです。旧PCを再利用し続ける場合のみ、ライセンスが残っていれば復元が可能です。
Microsoftアカウント「サービスとサブスクリプション」を確認
Office Premiumが有効になっているかどうかは、普段使っていたMicrosoftアカウントでMicrosoft公式サイトにアクセスし、「サービスとサブスクリプション」ページでチェックします。そこにOffice Premiumが表示されていれば、ライセンスがアカウントに紐付いている証拠です。
ただし、Microsoftアカウントを複数持っていると、登録したアカウントを間違えていたりするケースもあるので注意が必要です。
復元しても利用できるのは旧PCのみ
仮にライセンスが見つかったとしても、それは旧PCの限定ライセンスです。新PCで使うことはできない点をおさえておきましょう。旧PCがまだ動作する場合や、サブPCとして活用したい場合であれば、再セットアップをしてOffice Premiumを再度使うという選択肢もありです。
知人の例ですが、古いノートPCを長年使い続けていて、そろそろ買い替えを検討しているにもかかわらず、付属のOffice Premiumを生かすために修理をしながら使っている方もいます。新PCを買うとOfficeまで買い直しになる、と考えると躊躇してしまう気持ちもわかりますね。
Office 2021のサポート期限と今後の検討
Office 2021を買い切りで導入する場合、サポート期限にも注意したいところです。Office 2021はリリースから5年間がメインサポート期間とされており、2026年10月13日を目安にメインサポートが終了する見込みです。
サポートが終了すると、セキュリティ更新が提供されなくなる可能性も出てくるため、長期的な利用を検討しているなら、サブスクリプション型への移行も考えに入れましょう。
サポート切れ後のリスク
サポート終了したOfficeを使い続けると、脆弱性が修正されないままの状態になるため、セキュリティリスクが高まります。ネットワーク経由でウイルス感染リスクが広がるおそれもあるので、企業利用だけでなく個人利用でも避けたい状況です。今のうちからサブスクリプションへ移行を検討するメリットは大きいでしょう。
複数台利用・長期利用の視点で選択しよう
仕事でもプライベートでもOfficeを使うシーンが多い方は、長期的にアップデートを受けながら同時に複数台で使えるサブスクリプション版が圧倒的に便利です。1ライセンスを家族でシェアできるプランがあるのも魅力の一つです。
私も普段はメインPCとノートPCでOfficeを行き来しながら利用しており、片方で作成したExcelをもう片方で編集して、そのままOneDriveに保存。外出先でもスマホからチェックできるのでとても重宝しています。
ライセンス形態の比較表
下記は、OEM版(プリインストール版)・パッケージ版(買い切り型)・サブスクリプション型(Microsoft 365)の主な違いをまとめた表です。参考にしてみてください。
ライセンス形態 | 導入例 | インストール可能台数 | 移行可否 | サポート | 費用形態 |
---|---|---|---|---|---|
OEM版(プリインストール版) | PC購入時に付属 | 1台(付属PCのみ) | 不可 | PC販売元のルールに準拠 | 初期費用に含む |
パッケージ版(買い切り型) | Office 2021など | 1台(まれに2台も) | 基本的に可(制限あり) | 製品発売から5年程度 | 一括購入 |
サブスクリプション型 | Microsoft 365 | 1ユーザー5台まで | 別PCへのインストールOK | 常に最新 | 月額・年額課金 |
おすすめの導入パターン
1. 新しいPCを買って、今後も複数台で使いたい
このケースではサブスクリプション型が便利です。Microsoft 365なら最新バージョンのWordやExcel、PowerPointを全デバイスで使えます。買い切りと比べて費用がかかる印象がありますが、常に最新版を使えることや複数台に対応する点を考えると長期的に得られるメリットが大きいです。
2. 旧PCをそのまま使い続けたい
旧PCのOffice Premiumやプリインストール版がまだ有効であれば、そのまま利用する手もあります。ただし、動作が不安定になってきたり、OSのサポート期間が終了してしまうとリスクが高まります。安全面を考えると、ある時期を見計らってサブスクリプションや新しい買い切り型に移行することをおすすめします。
3. 今後の買い替えやアップデートを頻繁に行わない場合
長期的に1台のPCを使い続ける方は、パッケージ版を買い切りで導入する選択肢もあるでしょう。ただしサポートが数年で終わる点や、OSごとの互換性に注意が必要です。今後5年〜6年単位で大きなアップデートを行う予定がない方にとっては、パッケージ版の安定性やシンプルさも魅力です。
私の周りでも一人暮らしの学生さんや、パソコンを毎日使うわけではない方は、買い切り型を好むケースが見られます。一方で会社員やフリーランスの方はMicrosoft 365の利便性を評価している印象がありますね。
Office利用で気をつけたいセキュリティ面
Officeはビジネスシーンを中心に世界中で使われているため、セキュリティリスクも大きいです。サポートが終了しているOfficeを使うと脆弱性を突かれる可能性が高まるので、こまめなアップデートが必要になります。サブスクリプション版なら自動的に更新されるため、手動でのメンテナンスがいらず安心です。
OSや他のソフトウェアとの相性
Windows OSとの互換性も意識する必要があります。たとえばWindows 11に新しく買い切り型Officeを入れても、OSのバージョンアップや新機能に対応できない可能性があるかもしれません。自分が使う周辺ソフトやクラウドサービスとの相性も調べておくとよいでしょう。
データ移行やバックアップも大切
新旧PCを併用する場合、ExcelやWordのデータを共有する機会が増えます。USBメモリに入れて手動で移すのも手ですが、クラウドストレージを使うほうが紛失や破損のリスクが少なく安心です。Microsoft 365を導入するとOneDriveが1TB利用できるプランもあり、大容量データでも余裕を持って保管できます。
私の場合はOneDriveでExcelファイルを同期させておき、出先で急に編集が必要になったときはスマホからアクセスしています。クラウドを使いこなすと作業効率が一気にアップするのでおすすめです。
まとめ
Windows 11の新PCにプリインストールされたOfficeを、旧PCでも併用しようと考えても、OEM版ライセンスのルールで移行はできません。旧PCに付属していたOffice Premium(Office Home & Business Premium)も同様に、原則として別のPCでは使えません。複数台での利用やサポート期間の長さを考慮するなら、Microsoft 365(サブスクリプション型)がもっとも柔軟で、コストパフォーマンスも高いです。
旧PCのOffice Premiumを復元する場合は、まず正しいMicrosoftアカウントでライセンスが残っているかどうかを確認しましょう。もしライセンスが有効であれば、旧PCを再セットアップして再度使うことは可能ですが、新PCに移行はできないので注意が必要です。
Office 2021などの買い切り版を新規導入する際には、サポート期限にも気をつけながら、自身の利用スタイルに合ったライセンス形態を選びましょう。複数台利用や頻繁なアップデートを考えているなら、サブスクリプション型を検討してみる価値は十分にあります。今後もWindowsやOfficeはバージョンアップが予想されますので、長い目で見て「常に最新のOffice環境」を保持できるメリットは大きいといえます。
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