Windows 11でのPython「見つからない」エラーを解消する方法と環境変数のポイント

Windows 11にアップグレードしたあと、なぜかPythonが見つからないというメッセージが出てしまい、思うようにプログラミングや開発が進まないと焦ることはありませんか。私も以前、Microsoft StoreからPythonをインストールしたにもかかわらずPowerShellで認識されず、何度もインストールをやり直す羽目になったことがあります。ここではそうした混乱を解消するための具体的な手順や注意点をまとめてご紹介します。少しでも不安を減らしながらスムーズにPythonを扱えるよう、これまでの経験談や実際の事例を交えて解説していきます。

Windows 11アップグレード後にPythonが見つからない理由

原因は複数のPythonか環境変数の設定不備

Windows 11にアップグレードすると、以前のバージョンで設定していたシステム環境やアプリケーション構成が変化する場合があります。特にPythonはバージョンが複数混在したり、インストール手段が複数存在することで環境変数(PATH)が正しく設定されなくなるケースが多いようです。

Microsoft Store版Pythonの特徴

Microsoft Store経由でインストールしたPythonは、手軽である反面、アプリの実行パスがWindows内部で標準的なインストールパスと異なる場合があります。その結果、PowerShellやコマンドプロンプトなどで実行しようとしてもシステムに正しく認識されない可能性があります。私も最初は手軽さを求めてMicrosoft Store版を使いましたが、PATHに反映されなかったためにpythonコマンドが使えず、苦労したことがあります。

Python環境トラブルの実例

アップグレード直後に動作しなくなったケース

以前、私はWindows 10でPythonを使って機械学習の勉強をしていました。ところがWindows 11へのアップグレード直後、PowerShellでpython –versionを打っても「pythonが見つかりません」とエラーが出ました。何度か再インストールしても状況は変わらず、試行錯誤するうちに無駄な時間を費やしてしまいました。

アップグレードで問題が起きるのは意外と多く、私の友人も似たような体験をしました。もともとWindows 10でpythonをがっつり使っていた方こそ、環境変数などの絡みでトラブルに見舞われるようです。

Microsoft Store版の再インストールで解決しないケース

Microsoft StoreからPythonを再度インストールしても、状況が改善しない場合があります。これは、WindowsがApp Execution Aliasesという仕組みを使い、python.exeを本来とは別の場所から呼び出そうとするために発生することがあるからです。また、別バージョンが同居していても混乱のもとになります。

Pythonを正しくインストールする手順

既存のPythonをすべてアンインストール

まずはシステムに複数のPythonが入り乱れていないかを確認します。以下の手順で不要なPythonをアンインストールすることが重要です。

アンインストールのポイント

1. Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」からPythonに関連する項目をすべて削除します。
2. 32ビット版と64ビット版が共存している場合もあるので、その場合は両方アンインストールします。
3. Microsoft Store版だけでなく、公式サイト版、Anacondaなどが混在しているかもしれないので、ひとつずつ確認します。

アンインストール作業を適当に済ませると、不要なファイルが残り続けたり環境変数が中途半端に残ってしまい、結局エラーが解決しないリスクがあります。

Python公式サイトからの再インストール

アンインストール後は、Python公式サイトから最新版のインストーラーをダウンロードして再インストールするのがおすすめです。公式サイトのインストーラーには「Add Python to PATH」というチェック項目があり、これにより自動的にPATHが設定されるため、初心者でもスムーズに利用できるようになります。

インストールのポイント

1. Python公式サイトにアクセスし、Windows向けのインストーラーをダウンロード
2. インストーラーを起動して「Add Python to PATH」にチェックを入れる
3. インストール完了後、PowerShellやコマンドプロンプトでpython –versionを試してみる

公式サイトからインストールすると、バージョン管理がしやすくなり、PATHの設定がスムーズに進むメリットがあります。

環境変数(PATH)の手動確認

インストールが完了したら、環境変数を手動で確認してみましょう。Windows 11では、設定画面から「システムの詳細設定」→「環境変数」を開き、ユーザーのPATHやシステムのPATHにpython.exeが存在するディレクトリが含まれているかを確認します。

PATH確認手順

1. Windowsのスタートメニューか検索バーで「環境変数」と入力し、「システムの環境変数の編集」を選択
2. 「環境変数」ボタンをクリック
3. ユーザー環境変数とシステム環境変数のPATHに、Pythonのインストールディレクトリが追加されているか確認
4. 必要に応じて「編集」をクリックし、Pythonのパスを追加

私の場合はC:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python39\が正しいパスでしたが、なぜかPATHには古い別のPythonのパスが残っていました。それを削除して再起動すると、すんなりpythonコマンドが動作するようになりました。

App Execution Aliasesの解除

Windows 11には「App Execution Aliases」という仕組みがあり、python.exeやpython3.exeをStoreアプリとして呼び出す設定が入っている場合があります。これを無効化することで、公式サイト版を優先的に使用できるようになることがあります。

設定手順

1. Windowsの設定で「アプリ」→「アプリと機能」を選択
2. 「アプリ実行エイリアス(あるいはApp Execution Aliases)」という項目を探す
3. Pythonに関するエイリアスがオンになっている場合はオフに切り替える

Python実行環境のバリエーション比較

同じWindows 11上でも、Pythonの導入方法はいくつかあります。公式サイト版以外にも、Microsoft Store版やAnacondaなどを利用している方も多いでしょう。以下の表に主な特徴をまとめてみました。

項目 Microsoft Store版 公式サイト版 Anaconda
インストールの手軽さ Windows Storeからワンクリック ダウンロード後にインストーラーを実行 大容量だが包括的な環境を整備
PATHの設定 自動設定されない場合あり Add Python to PATHで自動設定 condaコマンドで仮想環境を切り替え
パッケージ管理 pip利用可能だが混乱も多い pipが標準添付 condaとpipを併用
特徴 アプリ実行エイリアスの影響を受けやすい 公式サポートが充実 データ分析環境が一式揃う

Anacondaを使う場合の注意点

Anacondaはデータ分析や機械学習に便利なライブラリがまとまっていますが、インストールフォルダが大きく、複数のバージョンや仮想環境を扱うためPATHがさらに複雑になることがあります。必要に応じて仮想環境を使い分けるスキルが身につけば快適ですが、初心者にはややハードルが高いかもしれません。

AnacondaをインストールしたあとにMicrosoft Store版や公式サイト版を追加インストールすると、どのpythonコマンドが呼び出されるかが分からなくなるリスクが高まります。

エラー解消に向けた具体的なステップ

Pythonアンインストールとレジストリ・残存ファイルのチェック

Windows 11でPythonが認識されないときは、まずアンインストールの徹底から始めると良いです。再インストール前に不要なレジストリキーやフォルダを削除しないと、同じ症状が何度も出ることがあります。

残存ファイルを探す方法

1. C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\ などをチェック
2. C:\Program Files\Python や C:\Program Files (x86)\Python\ があれば削除対象を確認
3. PowerShellやコマンドプロンプトでwhere pythonまたはwhere python3を実行し、どのフォルダが参照されているかを確かめる

レジストリの編集は上級者向けなので、良く分からない場合はレジストリエディタを触らずに、まずはファイルシステム上での残存ファイルを整理してみるだけでもOKです。要はシステムがどのPythonを参照しているかをはっきりさせることが重要です。

公式サイト版Pythonのインストール後の動作確認

アンインストールとパス整理が完了したら、公式サイト版を改めてインストールします。インストール完了後に必ずPowerShellかコマンドプロンプトを開き、python –versionを入力してバージョンが表示されるか確認します。同時にpip –versionも動作確認してみましょう。pipが動作すれば、パッケージのインストール状況もスムーズに管理できます。

表示例

PS C:\Users\ユーザー名> python –version
Python 3.9.7

PS C:\Users\ユーザー名> pip –version
pip 21.2.4 from C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python39\lib\site-packages\pip (python 3.9)

トラブルを未然に防ぐためのポイント

バージョンの共存は極力避ける

Pythonのバージョンを複数同居させると、PATHがさらに複雑になり、どのバージョンが動いているのか自分でも把握しづらくなります。どうしても複数バージョンを使う必要がある場合は、Windowsの「pyランチャー」を活用するか、Anacondaで仮想環境を切り替えるようにしましょう。

仮想環境の活用

Windows 11でPythonプロジェクトを運用するときは、venvやcondaなどで仮想環境を作成すると依存関係が整頓されて便利です。仮想環境を使うとシステム全体のPATHをあまり汚染しないため、Pythonが「見つからない」といったトラブルも最小限に抑えられます。

仮想環境が整備されていると、開発チーム内でのバージョン差異が減り、本番サーバでも同じ環境を容易に再現できるメリットがあります。

PowerShellの実行ポリシーに注意

PowerShellではスクリプトの実行ポリシーが制限されている場合があります。Pythonに直接関係するものではありませんが、開発の流れでPowerShellを多用する方は、実行ポリシーの確認や管理者権限の利用も考慮しましょう。

まとめ

Windows 11へアップグレード後にPythonが「見つからない」というエラーに直面すると、時間と労力を浪費してしまいがちです。問題の多くは環境変数(PATH)やApp Execution Aliasesなど、Windows特有の設定が原因となっています。Microsoft Store版が便利に見える一方で公式サイト版とのバージョン混在が起きやすいため、まずはすべてのPythonをアンインストールしてから公式サイトのインストーラーを利用し、正しいパス設定を確認するのが近道です。

また、Pythonで開発を本格的に行うなら、仮想環境を使ってプロジェクトごとに依存関係を切り分ける工夫も重要です。さらにAnacondaを導入する際は、複数の環境が共存しないように注意しながらPATHを整理するようにしましょう。最初に手間をかけて環境を整えておけば、後々の開発が格段にスムーズになります。

私自身、Windows 11とPythonの組み合わせでハマったときは、丸一日かけてアンインストールと再インストールを繰り返しました。しかし、結局は環境変数を丁寧に確認し、公式サイト版を再インストールしたらあっさり解決しました。同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。

さらなる一歩: Pythonを使いこなすために

Visual Studio CodeやPyCharmでの開発

Pythonをインストールしたら、統合開発環境(IDE)やエディタを導入するとさらに効率的に開発が行えます。Visual Studio CodeやPyCharmはWindows 11上でも安定して動き、デバッグ機能や補完機能などが充実しています。環境設定の段階でPythonインタープリタのパスを指定する画面が現れる場合があるので、正しいパスを選択することを忘れずに。

pipやcondaで追加ライブラリを管理

Pythonの魅力は豊富なライブラリにあります。ウェブ開発ならFlaskやDjango、データ分析ならNumPyやPandas、機械学習ならTensorFlowやPyTorchといったライブラリを自由に追加できます。ただし、ライブラリのバージョンが増えるほど衝突リスクも高まるため、仮想環境の利用がますます大切になります。

複数バージョンのPythonを管理するpyランチャー

Windowsでは、複数バージョンのPythonがインストールされている場合にpyコマンドを使うと、指定したバージョンで起動できます。たとえばpy -3.9やpy -3.10のようにバージョンを明示すると、該当バージョンのPythonを起動できます。こうした機能を知っておくと、いざというときに助かります。

Windows 11でのPythonエラーを乗り越えて快適な開発を

一度しっかり環境を整えれば、Windows 11上でPythonを使うのは決して難しくありません。むしろ、Windows独自の利便性や豊富なソフトウェアとの連携によって、さまざまな開発が快適に行えるようになります。今回ご紹介したアンインストールから環境変数の見直し、公式サイト版の再インストール、さらに仮想環境の活用までの流れを踏まえれば、同じようなエラーに悩まされる可能性をぐっと減らせることでしょう。

Windows 11でPythonが動くようになると、ウェブ開発や機械学習だけでなく、ちょっとした自動化スクリプトを作成するのにも役立つので、作業効率が一気に高まります。

最後までお読みいただきありがとうございました。ひとつひとつの手順を慎重にこなしていただければ、Pythonを見失わずに済むはずです。ぜひ快適なPythonライフを満喫してください。

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