Windows 11でのCoPilotとEdgeの自動起動を徹底的に止める方法

パソコンを起動すると、意図せずMicrosoft EdgeとCoPilotのウィンドウが立ち上がると少し煩わしく感じるものです。特にWindows 11の最新アップデートではCoPilotが深く統合されているため、使わない方にとっては「余計な機能が増えた」と思われるかもしれません。ここでは、EdgeやCoPilotが不要に自動起動しないようにする設定や対処法を丁寧にご紹介します。

Windows 11でCoPilot/Edgeが自動起動する主な原因

Windows 11(特に24H2以降のプレビュー版など)では、Microsoft EdgeとCoPilotが強く連携するようになりました。起動時に勝手にEdgeが開く、もしくはタスクバーやサイドバーにCoPilotのウィンドウが表示される場合、以下のような要因が考えられます。

1. Edgeの「スタートアップ ブースト」機能

Edgeには、パフォーマンス向上や素早い起動を目的とした「スタートアップ ブースト」機能があります。これが有効になっていると、Windowsの起動直後からバックグラウンドでEdgeが起動し、結果的にCoPilotも起動するトリガーになる場合があります。

2. バックグラウンド実行許可の設定

Edgeが閉じた後でもバックグラウンドで動作するように設定されている場合、CoPilotなどの機能が自動的に呼び出される可能性があります。この場合、Edgeを手動で終了しても裏で一部のプロセスが動き続けることがあります。

3. レジストリやタスク スケジューラへの自動起動登録

アプリやサービスが勝手にスタートアップへ登録されるケースは珍しくありません。特にWindows 11のプレビュー機能やInsider Preview環境ではアップデートのたびに挙動が変わることもあるため、通常のスタートアップフォルダや「設定」のスタートアップ項目だけでなく、レジストリやタスク スケジューラなどを総合的に確認する必要があります。

4. Officeとの連携によるCoPilotの起動

Microsoft 365(従来のOffice 365)や各種Officeアプリ(Word・Excel・PowerPoint・Outlookなど)にCoPilotが統合されていると、文書編集中やメール作成中に自動でCoPilotのパネルが立ち上がることもあります。これはEdgeとは別のルートで起動が発生する場合があるため注意が必要です。

不要な自動起動を止める基本設定

ここでは、EdgeやCoPilotが起動してしまう背景を踏まえながら、その自動起動を抑制・停止するための具体的な方法を解説します。

Edgeの起動関連の設定を見直す

まずはEdge本体の設定を確認しましょう。以下の手順でEdgeの自動起動関連の項目をオフにできます。

  1. Microsoft Edgeを開き、アドレスバーにedge://settings/systemと入力して設定画面へアクセスします。
  2. 「スタートアップ ブースト」をオフにします。
  3. 「Microsoft Edgeが閉じられているときでもバックグラウンドで拡張機能やアプリを実行する」をオフにします。

上記の設定を変更すると、Windows起動時やEdgeを閉じたあとに勝手にプロセスが動き続ける可能性が低くなります。

参考:Edgeの主な設定項目

以下に、Edgeの自動起動やバックグラウンド動作に関わる主な設定を表にまとめました。

設定項目概要推奨設定
スタートアップ ブーストWindows起動時にEdgeを事前に読み込み、高速起動を可能にする不要なら「オフ」
バックグラウンドでの実行Edgeを閉じても拡張機能やアプリを維持する不要なら「オフ」
拡張機能CoPilot連携や独自機能を提供するものが含まれる場合も不明な拡張は「オフ」か削除

Autorunsツールでスタートアップ項目を徹底チェック

公式のSysinternalsツールである「Autoruns」を使うと、Windows起動時に読み込まれるあらゆる自動起動項目を一覧で確認できます。単純に「スタートアップ」フォルダや「アプリのスタートアップ」設定に表示される項目だけではなく、レジストリの様々な箇所やタスク スケジューラなどの情報も確認できるため非常に便利です。

  1. Autorunsの公式ダウンロードページ からツールを入手し、管理者権限で起動します。
  2. 「Logon」タブを開き、EdgeやCoPilotに関連しそうな項目を探します。
  3. 不要と思われる項目があればチェックを外すか削除し、再起動後に挙動を確認します。

Autorunsを使うことで、一度手動でレジストリを編集しても残っていた隠れた登録や、タスク スケジューラに入り込んでいる起動項目を見つけることができます。

OfficeアプリやOWAのCoPilot統合を無効化・オフにする

最近のMicrosoft 365環境では、WordやExcel、Outlook、さらにはOWA(Outlook Web Access)にもCoPilotが統合され始めています。CoPilotが自動的に起動することを避けたい場合は、以下のような対処法を検討してください。

  1. Wordの「オプション」設定を確認
    Wordを開き、「ファイル」→「オプション」→「アドイン」や「実験的機能(プレビュー機能)」の項目を調べ、CoPilot関連の機能があれば無効化します。将来的には「CoPilotを無効にする」チェックボックスが設けられる可能性もあります。
  2. Officeポータルの管理者設定をチェック
    職場や学校アカウントでMicrosoft 365を利用している場合、管理者がテナント全体のプレビュー機能や新機能のロールアウトを制御していることがあります。Office管理ポータルの「設定」または「新機能プレビュー」の項目を確認して、CoPilot関連機能のオン/オフを制御できるか調べてください。
  3. OWAのバナーやパネル表示を隠す
    ブラウザ版Outlook(OWA)でCoPilotのパネルが自動表示される場合は、Edgeの拡張機能や試験的機能が影響しているケースもあります。Edge側の拡張機能を無効にするか、OWA側の設定を見直して「プレビュー機能」を解除できないか試してください。

Windowsの設定からCoPilotを非表示にする(バージョン依存)

Windows 11の一部のビルドやInsider Previewでは、タスクバー設定からCoPilotアイコンをオフにできる場合があります。設定項目の場所はビルドによって異なることがありますが、以下のように操作してみてください。

  1. 「設定」→「個人用設定」→「タスクバー」を開く
  2. 「Copilotアイコン」のオン/オフ切り替えスイッチがある場合は「オフ」にする

これによりタスクバーに表示されるCoPilotのアイコン自体を消せることがあります。ただし、完全にCoPilot機能が無効化されるわけではなく、アイコンが隠れるだけの場合もあるため注意してください。

その他の確認ポイント:タスク スケジューラやサービスの設定

EdgeやCoPilotがスタートアップ以外の方法で起動している可能性もあります。たとえば、一部の更新プログラムやシステムタスクが実行されるタイミングで起動するケースもあるため、次の箇所をチェックしてみてください。

タスク スケジューラ

  1. 「スタート」メニューで「タスク スケジューラ」と検索し、起動します。
  2. タスク ライブラリの中から、Microsoft EdgeやCoPilot、Microsoft関連タスクが登録されていないか確認します。
  3. 不要と思われるタスクは右クリックで「無効」や「削除」を選択できますが、システムに必要なタスクまで削除しないよう注意が必要です。

サービス

  1. 「スタート」ボタンを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し、「services.msc」と入力してサービス管理画面を開きます。
  2. Microsoft関連のサービスを一覧でチェックし、明らかに不要なサービスが「自動」で起動する設定になっていないか確認します。
  3. CoPilot専用のサービスが存在する可能性は現時点では低いですが、今後のビルドやアップデートで追加される場合もあるため、定期的な見直しが重要です。

問題が解決しない場合の考え方

複数の設定を見直しても、EdgeやCoPilotがどうしても起動してしまうケースがあります。これはWindows 11やMicrosoft 365のアップデートで強制的に組み込まれる機能が背景にあることが多いため、次の点を押さえておきましょう。

マイクロソフトのアップデート方針への対応

Windows 11やOfficeへのCoPilot統合は、Microsoftが今後も積極的に推進すると考えられています。そのため、システムやOfficeのアップデートによって再度設定がリセットされる、または新しい機能が追加される可能性があります。定期的に以下を確認しましょう。

  • Windows Update後の設定チェック
  • Officeのバージョン情報や管理ポータルの更新履歴の確認
  • Insider Previewを利用している場合は、リリースノートをこまめに追う

完全な無効化が難しい場合の対処

CoPilot自体を完全にアンインストールする公式手段は現在のところありません。今後、Microsoftが「オフにするオプション」を正式に用意する可能性もありますが、現時点では以下のような割り切りが必要です。

  • アイコンの表示をオフにして存在感を減らす
  • Autorunsやレジストリで起動を徹底的にブロックする
  • Officeアプリやブラウザの拡張機能を都度オフにする

よくある質問と具体例

最後に、実際によく寄せられる質問とその回答例をご紹介します。

Q1. CoPilotを完全にアンインストールできますか?

A1. 現在のところ、Windows 11に統合されたCoPilotを簡単にアンインストールする公式な方法はありません。将来的に提供される可能性は否定できませんが、現段階ではスタートアップやアイコン表示をオフにするなどの対処で対応してください。

Q2. Officeのアドイン一覧にCoPilotが見当たりません

A2. CoPilotはプレビュー機能や実験的機能として統合されている場合があり、従来のアドイン一覧に表示されないケースがあります。Officeのバージョンと更新チャネルを確認し、Officeアプリの「プレビュー機能」項目があればそこをチェックすると見つかるかもしれません。

Q3. Edgeを使わないブラウザに変えてもCoPilotは起動しますか?

A3. Windows 11のシステムレベルでCoPilotが呼び出される場合、既定のブラウザを変更してもCoPilotの自動起動が続く可能性があります。Edge固有の機能が原因の場合は別ですが、Windows本体に組み込まれているCoPilot機能が原因の場合はブラウザ変更だけでは解決しません。

Q4. 企業や学校でCoPilotを無効化したい場合は?

A4. Microsoft 365の管理ポータルで、組織単位でプレビュー機能をオフにできる場合があります。IT管理者やOffice 365管理者権限を持つ人に依頼し、テナント全体の設定を見直してもらいましょう。個別PCでの設定変更が困難な場合も、ドメイングループポリシーやMDM(Microsoft Intuneなど)を利用して集中管理する方法があります。

まとめ

Windows 11でCoPilotやMicrosoft Edgeが勝手に起動してしまう原因は多岐にわたります。Edgeのスタートアップ ブーストやバックグラウンド実行の設定をオフにし、Autorunsでレジストリやタスク スケジューラを徹底的にチェックすることが最初のステップです。加えて、OfficeアプリやOWAでのCoPilot連携をオフにする設定や、Windows設定からのCoPilotアイコンの非表示などを組み合わせることで、不要な自動起動をかなり抑えることができます。
しかし、CoPilotは今後さらにWindowsやOffice全体に統合されていく流れがあるため、完全に排除するのは難しくなるかもしれません。定期的にアップデートを確認し、必要に応じて再度設定の見直しを行うことをおすすめします。大幅なUIの変更や新機能の追加があるたびに設定がリセットされる可能性もあるため、今後のリリース情報には注意を払いましょう。

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