中古Surface Book 3を個人用にセットアップする方法|ワークアカウント不要

中古で手に入れたSurface Book 3を初期設定しようとした際、職場や学校のアカウントがないと先に進めずに困った経験はありませんか?本記事では、そうしたワークアカウント必須のように見える状況でも、実は個人用アカウントやローカルアカウントを活用してWindowsをセットアップする方法があることを徹底解説します。さまざまな手順を網羅しながら、よりスムーズにセットアップを行うためのコツや注意点を詳しくご紹介します。

Surface Book 3を個人用にセットアップする際に直面する問題

Surface Book 3は本来、ユーザーのMicrosoftアカウントを用いてサインインする設計が行われています。しかし中古品など、企業や教育機関向けに一括導入されたデバイスでは、初期状態から「職場または学校アカウント(Work or School Account)」の入力が求められるケースがあります。このような状態だと個人用のMicrosoftアカウントが入力できない、もしくはローカルアカウントを作成できない画面から先に進めなくなってしまうのです。

想定される症状

  • 初回セットアップ時、職場や学校のメールアドレス入力が強制される
  • ネットワークをオフにしようとしても、オフラインで続行するオプションが表示されない
  • 既存のパスワードがわからず、再セットアップもままならない

こうした症状は、Windows 10/11のビルドや初期ファームウェアの状態によっても異なります。特に最近のWindows 11では、ローカルアカウントの作成画面が表に出にくくなっており、一度ネットに接続するとオンライン専用のアカウント作成画面へ強制移行する仕様が確認されています。

解決策の全体像

中古で購入したSurface Book 3をワークアカウントなしでセットアップするためには、大きく次の二つのアプローチが考えられます。

  1. ダミーのMicrosoftアカウントを入力して突破を図る方法
  2. USBリカバリドライブを使用して完全に初期化する方法

どちらがより効果的かは、デバイスにプリインストールされているWindowsのバージョンや、すでに何らかの認証が設定されているかどうかによります。基本的には「USBリカバリドライブを使った初期化」がより確実で、トラブルを最小限に抑えられます。ただし、セットアップ時のバージョンやアップデート状況によっては、まずダミーアカウントの入力が功を奏するケースもありますので、順番に試してみるのがおすすめです。

ダミーのMicrosoftアカウントを利用する方法

この方法は、Windowsが求めてくる「Microsoftアカウントのメールアドレス」を架空のものにしてしまい、ログインできないエラーをわざと引き起こすことでローカルアカウント作成画面を呼び出すテクニックです。比較的手軽なので、まずはチャレンジしてみる価値があります。

具体的な手順

  1. 初期設定画面でMicrosoftアカウントの入力を促される
    通常であれば、自身の有効なMicrosoftアカウントを入力する場面です。しかし、ここでは「no@thankyou.com」や「sample@dummy.com」など存在しないメールアドレスを入力してください。
  2. パスワード入力欄に適当な文字列を入力する
    たとえば「123456」など、もちろん本来は無効なパスワードで構いません。
  3. エラーが表示されるのを待つ
    入力されたアカウント情報が正しくない旨のエラーが表示されたら、そこからローカルアカウントを作成する画面へと移行できる場合があります。
  4. ローカルアカウント情報を設定する
    表示された画面で新しいアカウント名やパスワードを設定すれば、オンラインアカウントを使用せずにWindowsを利用する環境が構築されます。

注意点

  • Windows 10の初期ビルドではうまくいくことが多いですが、Windows 11の最新ビルドだとこの方法が機能しない場合があります。
  • 一度ネットワークに接続してしまうと、強制的にオンラインアカウント入力画面に固定されることがあるため、可能な限りネットワークをオフにした状態で操作を進めるのが望ましいです。
  • ダミーアカウントが通らず、先に進めない場合は後述のUSBリカバリドライブによる再セットアップへ移行してください。

USBリカバリドライブによる初期化方法

Surface Book 3を含むSurfaceシリーズでは、Microsoft公式サイトで専用のリカバリイメージをダウンロードできるようになっています。これを利用すれば、完全に初期化された状態のWindowsをインストールし直すことが可能です。職場や学校アカウントの残骸や不要なグループポリシー設定も一掃されるため、最も確実な解決策といえるでしょう。

準備するもの

  • 容量の十分なUSBメモリ(最低16GB以上が望ましい)
  • 安定したインターネット接続環境(リカバリイメージのダウンロード時のみ)
  • 別のWindows PC(リカバリイメージをダウンロードし、USBに書き込むため)

リカバリイメージの入手方法

  1. Microsoft公式サイトへアクセス
    「Surface リカバリイメージ ダウンロード」などのキーワードで検索すると、Surface用の公式ダウンロードページへアクセスできます。
  2. Surface Book 3の型番・シリアル番号を入力
    ページ内で自身のSurface Book 3のシリアル番号を求められることがあります。本体裏面などに記載されているシリアル番号を入力し、適切なモデルのリカバリイメージを取得してください。
  3. リカバリイメージをダウンロード
    数GBの容量になるため、回線速度によっては時間がかかります。確実にダウンロードできるようにPCの省電力設定にも注意しましょう。

USBへの書き込みとブート設定

手順説明
1Windowsの検索バーから「リカバリドライブの作成」と入力してツールを起動
2「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」のチェックボックスをオンにする(必要に応じて)
3USBメモリを挿し、指定のドライブとして選択
4リカバリドライブの作成が完了するまで待機
5作成完了後、ダウンロードしたSurface Book 3用のリカバリイメージを同USBへ上書きまたはコピーする

上記は一般的なWindowsのリカバリドライブ作成手順の一例です。Surface専用イメージの場合、ダウンロードしたファイルを解凍し、その中に含まれるツールを用いてUSBに書き込む形式となる場合もあります。手順が異なる可能性もあるので、公式ガイドに合わせて操作してください。

SurfaceをUSBから起動する

  1. Surface Book 3の電源をオフにする
  2. USBメモリを挿入したまま、音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押す
  3. Surfaceロゴが表示されたらボタンを離す
  4. USBリカバリドライブからブートされる

すると、初期化や修復などのメニューが表示されるので、「トラブルシューティング」「PCを初期状態に戻す」などのオプションを選択します。手順通りに進めることで、Windowsの再インストールが開始されます。

完全初期化後のセットアップ手順

初期化が完了し、Windowsの初回セットアップ画面が表示されたら、以下のように操作することでローカルアカウント、または個人用のMicrosoftアカウントを利用できるようになります。

オフラインでのセットアップ

  1. ネットワークに接続しない
    Wi-Fiのセットアップ画面が表示されたら、「接続しない」または「スキップ」などのオプションを選び、オフラインのままセットアップを続行します。
  2. Microsoftアカウントの入力を促される場合
    可能であれば「オフラインアカウントで続行」や「制限付きエクスペリエンス」といった選択肢を探して進みます。
  3. ローカルアカウントの作成
    オフラインアカウントで続行する流れになると、ローカルアカウントの作成画面が表示されるので、好みのユーザー名とパスワードを入力してください。

個人用のMicrosoftアカウントでセットアップ

オフラインでセットアップを完了した後、デスクトップが表示されてからネットワークに接続し、「設定」→「アカウント」→「アカウント情報」から自身のMicrosoftアカウントを追加することも可能です。こうすることで、最初の段階で職場や学校のアカウントを求められる状況を回避し、不要な組織用ポリシーが介入しない状態で個人のMicrosoftアカウントを利用できます。

セットアップ後に行っておきたい設定と注意点

Surface Book 3の利用を始めるにあたって、セットアップ後に下記の設定を行うと、より快適に使い始められます。

Windows Updateの実行

再セットアップ直後のWindowsは、重要なドライバーやセキュリティ更新プログラムがインストールされていない場合があります。まずは「設定」→「Windows Update」から、利用可能なアップデートをすべて適用しましょう。Surface Book 3固有のドライバーやファームウェア更新も含まれているため、動作安定性を確保するうえで重要です。

Microsoftストアアプリの更新

Windowsのアプリやサービスだけでなく、Microsoftストアからインストールされているアプリもバージョンが古いままになっている可能性があります。ストアを起動し、アプリの更新があればすべて実行しておくのがおすすめです。

デバイスドライバーの確認

USBリカバリやクリーンインストールを行うと、一部のドライバーが不完全な場合があります。デバイスマネージャーで確認し、感嘆符(!)マークが出ているドライバーがあれば、最新のものを導入しましょう。Surfaceシリーズの場合、Microsoft公式サイトの「Surfaceのドライバーとファームウェアのダウンロード」からもまとめて入手できます。

セキュリティソフトの導入

Windowsには標準で「Windows セキュリティ」が備わっていますが、必要に応じて他社製のセキュリティソフトを利用しても構いません。オフラインでセットアップを行った場合、ネットワークに接続してからすぐにセキュリティ面を補強しておくと安心です。

ネットワークアダプターを無効化して強制的にオフラインセットアップを行う方法

USBリカバリドライブを使うほどでもないというケースや、ダミーアカウントの入力がうまくいかない状況で役立つ場合があるのが「ネットワークアダプターを無効化する」方法です。ただしWindows 11の最新ビルドではコマンドプロンプトやタスクマネージャーへのアクセスが制限されている場合があるため、必ずしも成功するとは限りません。

コマンドプロンプトによるネットワーク無効化例

セットアップ画面でキーボードの「Shift + F10」を押すと、コマンドプロンプトが開く場合があります。そこで以下のようなコマンドを実行することでネットワークアダプターを無効化できます。

ncpa.cpl

上記コマンドを入力すると「ネットワーク接続」ウィンドウが開き、Wi-Fiやイーサネットアダプターのアイコンが表示されます。アダプター名を右クリックし、「無効にする」を選択するとオフラインの状態になります。

その後、コマンドプロンプトを閉じ、セットアップ画面に戻った状態で再度アカウント作成を進めると、オフラインアカウントを選択できる場合があります。ただし、最近の環境ではこの手法も封じられがちなので、成功しないときはUSBリカバリドライブでの再セットアップに切り替えるのが賢明です。

Windowsのバージョンによる挙動の違い

Surface Book 3はWindows 10時代のモデルですが、アップデートを通じてWindows 11を実行可能な場合も少なくありません。また、初期状態がWindows 10でも、再セットアップ後にWindows UpdateでWindows 11へアップデートする利用者も増えています。以下に主な違いを示します。

Windows 10の場合

  • ローカルアカウント作成の選択肢が比較的わかりやすい位置にある
  • ダミーアカウントによるエラーメッセージからローカルアカウント作成画面へ移行しやすい
  • 企業・教育機関向けの設定が深く組み込まれていると、そのままでは利用しにくい可能性あり

Windows 11の場合

  • セットアップ時に「オフラインアカウントを使用する」オプションが隠れていることがある
  • ネットワークに一度接続すると強制的にオンラインアカウントが必須になる
  • ビルドによってはShift + F10が無効化されているなど、コマンドプロンプトへのアクセスが制限されているケースもある

こうした違いを踏まえ、最初のセットアップを行う時点からどのようにネットワークを扱うかがポイントになります。確実性を求める場合はUSBリカバリドライブの利用が無難と言えるでしょう。

トラブルシューティングとよくある質問

Q1. ダミーアカウント入力でも先に進めない場合は?

A. その場合はUSBリカバリドライブによるクリーンインストールがおすすめです。企業アカウントのポリシーやグループポリシー設定などが強固に残っている可能性があり、通常の手法では迂回が難しいことがあります。

Q2. 「OOBE\BYPASSNRO」のコマンドが効かない

A. 一部のWindows 11バージョンでは、OOBE画面で「Shift + F10」を押してコマンドプロンプトを開き、OOBE\BYPASSNROを実行することで「オフラインアカウントでセットアップ」が選択しやすくなる裏技が知られています。しかし最新ビルドでは無効化されている可能性が高く、期待どおりに動作しない場合は他の方法(USBリカバリなど)を検討してください。

Q3. リカバリドライブの作成が失敗する

A. USBメモリに問題があるか、容量が足りない可能性があります。別のUSBメモリを用意して再度試すか、公式のSurfaceリカバリツールを使ってみてください。また、セキュリティソフトやディスク管理ツールによって書き込みがブロックされるケースもあるため、一時的に保護機能を無効にしてから作成を行うと成功する場合もあります。

Q4. 個人のMicrosoftアカウントでログインしても問題ない?

A. もちろん問題ありません。ただし、企業や学校での利用実績があるSurfaceの場合、組織用ライセンスの設定や端末管理ツールが残存していると、何らかの制限が発生する可能性はゼロではありません。USBリカバリドライブで完全に初期化してから個人アカウントを設定すれば、そうしたリスクは大幅に軽減されるでしょう。

まとめ:最終的にはUSBリカバリドライブでの再セットアップが最も確実

Surface Book 3をワークアカウントなしで初期設定する方法として、ダミーアカウントを入力してローカルアカウント画面へ誘導するテクニックも存在しますが、Windows 11の最新版では通用しないケースが増えています。確実に個人用として使用したい場合や、再セットアップをやり直してクリーンな状態から始めたい場合は、USBリカバリドライブによる工場出荷時リセットがベストです。

リカバリ手順は少々時間がかかりますが、その後の安定動作や余計な制限がかからないことを考えれば、大変意義のあるプロセスといえるでしょう。ぜひ本記事の方法を参考に、Surface Book 3を思いどおりの環境で快適に活用してください。

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