VMWare FusionでWindows 11 ARMをインストールできない時の対処方法

Appleシリコン搭載のMacでWindowsを動かせると便利そうだけれど、実際に試してみるとインストール手順が複雑だったり、ダウンロードがうまくいかなかったりして戸惑った経験はありませんか。私もM1チップのMacで挑戦し、何度か躓いたことがあります。そんな悩ましい状況を解決するヒントを、この記事でまとめてお伝えします。

目次
  1. Windows 11 ARMがダウンロード・インストールできない背景
    1. AppleシリコンMacの特性
    2. Microsoftのダウンロードブロック
    3. ARM版ISOの一般公開状況
  2. エラーが起きやすい主な原因
    1. VMWare Fusionのバージョンが古い
    2. Microsoft公式サイトからのIPブロック
    3. Media Creation Tool(.exe)をMacで直接実行できない
    4. UUP Dumpの利用にWindows環境が必要
  3. 解決策の全体像
    1. 1. VMWare Fusionを最新版(13.6.1以降)にアップデートする
    2. 2. VPNを使ってダウンロードを試す
    3. 3. Windows環境でUUP Dumpを使ってARM版ISOを自作する
    4. 4. 時間をおいてブロック解除を待つ
  4. よくあるエラー別の対処方法
    1. 「Error: something wrong happened while downloading esd file.」というメッセージが出る
    2. 「Some users, entities and locations are banned…」と表示される
    3. ISOダウンロード自体が見当たらない、Media Creation Toolしかない
  5. 具体的手順例:VPNでMicrosoft公式ISOを取得する
    1. 1. 信頼できるVPNサービスを契約・導入する
    2. 2. VMWare Fusionの自動ダウンロードを試す
    3. 3. Microsoft公式サイトからダウンロードする場合
  6. ARM版Windows 11インストールの流れ
    1. 1. ダウンロードしたISOをVMWare Fusionに取り込む
    2. 2. Windowsのセットアップを進める
    3. 3. VMWare Toolsをインストールする
  7. 実際に使ってみた感想
  8. まとめ
    1. 確実にインストールするためのポイント
    2. これからの展望
  9. 最後に

Windows 11 ARMがダウンロード・インストールできない背景

AppleシリコンMacの特性

Appleシリコン、いわゆるM1やM2チップを搭載したMacでは、従来のIntel版Macとは異なるアーキテクチャを採用しています。これによって処理能力や省電力性能が飛躍的に向上し、日常使いでは非常に快適な反面、従来のx64版Windowsをそのままインストールしようとしてもうまく動作しません。必要になるのはARM版のWindows 11です。

私も初めてM1 MacにVMWare Fusionを入れたとき、x64版Windows 10のISOをダウンロードしてインストールしようとしたら「このCPUアーキテクチャは対応していません」というエラーに直面しました。その後、ARM版が必要だと知り、ちょっと驚いた覚えがあります。

Microsoftのダウンロードブロック

Windows 11 ARMのISOをダウンロードしようとしても、「Some users, entities and locations are banned…」といったメッセージが表示されて、ダウンロードサイトにアクセスできないケースがあります。これはMicrosoft側が特定のIPアドレスや地域をブロックしていることが原因とされています。アクセスを何度も試みたり、同じネットワーク上で繰り返しダウンロードを試しているとブロックされやすい、という事例も報告されています。

ARM版ISOの一般公開状況

Windows 11のARM版については、以前はInsider Previewプログラム限定で提供されていた経緯があり、通常のユーザーが簡単に公式ISOを入手するのは難しい時期が長く続いていました。最近では一般公開の動きも見え始めましたが、まだタイミングや手順が流動的です。VMWare Fusionのダウンロード機能を使おうとしても、バージョンによってはエラーやクラッシュが発生する可能性があります。

エラーが起きやすい主な原因

VMWare Fusionのバージョンが古い

比較的新しい機能としてWindows 11 ARMへの対応が本格化しているため、使用中のVMWare Fusionのバージョンが古いとインストーラの自動ダウンロードやセットアップが途中で止まったり、アプリ自体がクラッシュしてしまったりする場合があります。特に13.0台の初期リリースでは不具合報告も多く、アップデートが必須になりやすいです。

最新のFusionでは修正された不具合が多く、エラー頻度がぐっと下がります

Microsoft公式サイトからのIPブロック

何度もダウンロードページをリロードしたり、同じ環境で多数のWindowsイメージを取得したりすると、一時的にIPがブロックされる可能性があります。また、場所によっては規制がかかりやすい国や地域もあるようです。こうなると公式サイトでのダウンロードそのものができません。

IPがブロックされると、そのままでは全くダウンロードできなくなってしまい、時間を浪費しがちです

Media Creation Tool(.exe)をMacで直接実行できない

Microsoft公式のWindowsダウンロード方法では、Media Creation Toolという.exeファイルを使ってISOイメージを生成する手順が基本になっています。ところがMac、特にAppleシリコンMacでは.exeをそのまま実行できないため、Windows環境が必要という壁に当たってしまいます。

UUP Dumpの利用にWindows環境が必要

UUP Dumpという非公式ツールを使えば、Windows UpdateのパッケージをダウンロードしてISOを生成できます。しかし、これも基本的にはWindows環境を想定して作られているため、Macのみで行うのはハードルが高いです。ターミナルコマンドや追加のユーティリティを導入する手間が発生するので、初心者には敷居が高く感じられます。

私も過去にUUP DumpをMac上で動かそうとしましたが、シェルスクリプトを何度も書き換えたり、追加のライブラリをインストールしたりで思った以上に時間がかかりました。結局、友人宅のWindowsマシンを借りてサクッとISOを作るほうが早かったです。

解決策の全体像

1. VMWare Fusionを最新版(13.6.1以降)にアップデートする

現在のところ、VMWare Fusion側でWindows 11 ARM向けの不具合修正がいくつか行われています。特にバージョン13.6.1以降では、Windows 11 ARMのダウンロード機能が改善されたとの報告もあります。まずはFusionを最新状態にして、再度ダウンロードを試してみましょう。バージョンアップだけで解決するケースも少なくありません。

2. VPNを使ってダウンロードを試す

もしMicrosoft公式サイトからISOのダウンロードがブロックされてしまう場合には、VPNを活用するのも手段の一つです。アメリカやヨーロッパなど別の地域経由でアクセスすることで、ブロックを回避できる可能性があります。ただし、利用するVPNサービスの規約や通信速度には注意が必要です。

VPNを適切に使えば、簡単にIPブロックを回避できる場合があります

3. Windows環境でUUP Dumpを使ってARM版ISOを自作する

周囲にWindows PCがあれば、そこでUUP Dumpを使ってWindows 11 ARMのISOを生成し、そのファイルをMacに持ち込みましょう。これが最も確実です。UUP Dump公式サイトからダウンロードスクリプトを入手し、実行するとWindowsの構成ファイルが一括でダウンロードされてISO化してくれます。自力で手順を踏む必要はありますが、MacではなくWindowsで作業するので比較的スムーズです。

UUP Dump活用の手順

1. UUP Dump公式サイトにアクセスする
2. Windows 11 ARM (ビルド番号などを指定)を選択
3. スクリプトをダウンロードしてWindows上で実行
4. 完成したISOファイルをMacに転送

このような流れでISOを用意できます。

Windows環境が全く身近にない場合は少し面倒かもしれません

Media Creation Toolの実行が必要な場合

Media Creation Toolを使うパターンでも、実行するのはWindowsマシンが必要です。Mac単体では.exeの直接実行は難しいため、仮にIntel Macや仮想環境など他の手段でWindowsを持っている場合のみ有効となります。AppleシリコンMacだけしか持っていない人にはややハードルが高い方法です。

4. 時間をおいてブロック解除を待つ

MicrosoftからIPアドレスがブロックされている場合でも、一定期間が経過すれば自動解除される可能性があります。数日から数週間のスパンでアクセスを控えてみるのも一つの手ですが、確実性は保証されません。すぐにWindowsを使いたい方には向かないかもしれません。

私の場合、待っても待ってもブロック解除されず、結局VPNで回避しました。ブロック解除を期待するよりは、別の手段を使ったほうが精神衛生上も良いと思います。

よくあるエラー別の対処方法

「Error: something wrong happened while downloading esd file.」というメッセージが出る

このエラーは、VMWare Fusionの自動ダウンロード機能が失敗している際によく見られます。主な対策は以下の通りです。

VMWare Fusionをアップデートする

特に13.6.1以降で改善が報告されています。古いバージョンを使っている場合、まずはアップデートを行いましょう。

VPNや別回線を試す

ネットワーク環境の問題でダウンロードが中断される可能性があります。VPNを使って接続先を変えたり、別のインターネット回線に切り替えてみると成功する場合があります。

「Some users, entities and locations are banned…」と表示される

これはMicrosoft側がIPアドレスをブロックしている可能性が高いです。解決策としては、VPNで他の国からアクセスするか、時間をおいてブロック解除を待つ方法があります。急いでいるならVPNやプロキシを活用しましょう。

ISOダウンロード自体が見当たらない、Media Creation Toolしかない

Windows公式サイトではメディア作成ツール(Media Creation Tool)の利用が主流ですが、Macでは.exeを直接動かせません。以下の表に、代表的な解決策をまとめました。

状況 解決策 ポイント
Media Creation Toolしかダウンロード方法がない Windows PCを借りる、または仮想環境(Intelチップ)で実行 Windows環境があるとスムーズ
ARM版ISOそのものが見当たらない Insider Previewからダウンロード/UUP Dumpを活用 非公式ツールなので自己責任
ダウンロードページにアクセスできない VPNや別のネットワークを使用 IPブロック回避が目的

具体的手順例:VPNでMicrosoft公式ISOを取得する

1. 信頼できるVPNサービスを契約・導入する

フリーのVPNでも使える場合はありますが、通信品質が悪いこともあります。有料VPNのトライアルを活用すると比較的安定してダウンロードできるでしょう。

2. VMWare Fusionの自動ダウンロードを試す

Fusionを起動し、新規仮想マシンの作成画面からWindows 11 ARMのダウンロードを試してみましょう。もしエラーが出ても、VPN経由ならうまくいくことがあります。

3. Microsoft公式サイトからダウンロードする場合

ARM版ISOが一般公開されているタイミングであれば、Microsoft公式ページにアクセスして直接ISOファイルを取得できます。VPNをオンにした状態でアクセスして、ブロックメッセージが出ないことを確認します。ダウンロードが完了したら、VMWare Fusionで新規仮想マシンを立ち上げてISOを割り当てればセットアップを始められます。

VPN経由でダウンロードできるようになると、ブロックに悩む時間が一気に減ります

ARM版Windows 11インストールの流れ

1. ダウンロードしたISOをVMWare Fusionに取り込む

新規仮想マシン作成のウィザードで「インストールメディアを使用」を選択し、ダウンロードしたARM版Windows 11のISOを指定します。M1/M2チップを搭載したMacでは、アーキテクチャがARMに対応したイメージでないと先に進めません。

2. Windowsのセットアップを進める

一般的なWindowsインストールと同じように、ライセンス条項の同意やパーティションの選択などの手順をこなしていきます。ARM版特有のドライバ不足などを感じる場面は少ないですが、最新のデバイスドライバやWindows Updateを適宜行い、環境を整備しましょう。

私がインストールしたときは、音声関連のドライバがうまく当たらない時期もありましたが、Windows Updateを数回適用したら自然に直りました。焦らずアップデートを繰り返すのがコツです。

3. VMWare Toolsをインストールする

VMWare FusionでWindowsを使う場合、仮想環境用のドライバや補助ツールが必要です。Windowsのセットアップが終わったら、Fusionのメニューから「仮想マシン」→「VMWare Toolsのインストール」を実行し、解像度やクリップボード共有などの機能を最適化します。

実際に使ってみた感想

VMWare Fusion上のWindows 11 ARMは、Officeアプリの利用やウェブブラウジングなどの軽い作業は非常に快適です。Visual Studioや.NET系開発など、Arm対応が進んでいるソフトウェアであればストレスなく動かせます。ゲームはタイトルによって動作可否が分かれますが、互換性層が用意されているものもあり、一部は意外と動きます。

AppleシリコンMacでもWindows環境を併用できるメリットは大きいです。業務でどうしてもWindows専用ソフトが必要な場合にも便利です

対応していないソフトやデバイスドライバがまだある点は注意が必要です

まとめ

確実にインストールするためのポイント

VMWare Fusionは最新版を使う

特に13.6.1以降で修正された不具合が報告されています。古いバージョンだとインストール途中でクラッシュやエラーが多発しやすいです。

ダウンロードブロックはVPNで回避

MicrosoftのサイトからISOを落とそうとしても「Some users, entities and locations…」と出る場合、IPブロックがかかっていると考えられます。待つよりもVPNを使ったほうが早いです。

ISOファイルはWindowsマシンで作るのが最速

Mac単独でARM版WindowsのISOを入手するのはハードルがやや高いです。UUP DumpやMedia Creation ToolをWindows環境で実行し、ISOを作ってMacに転送するとスムーズに進みます。

これからの展望

MicrosoftがARM版Windowsを正式に一般公開し、ダウンロードページが整備されれば、AppleシリコンMacでの導入もさらに簡単になるでしょう。現時点でもVMWare FusionでWindows 11 ARMを動かすメリットは大きく、特にビジネスユースや開発用途で幅広く使えるようになっています。

私自身も、以前はIntel MacにBoot CampでWindowsを入れていましたが、Appleシリコンに移行してからはVMWare Fusionを使うスタイルに変えました。思った以上に快適に動作してくれるので、むしろBoot Camp時代より気軽にWindowsを立ち上げられて助かっています。

最後に

Appleシリコン搭載のMacでWindows 11 ARMを使うには多少の手間がかかりますが、一度セットアップを成功させると非常にスムーズに利用できます。VMWare Fusionのバージョンさえ適切に保っていれば、エラーやブロックで悩む時間もぐんと減るでしょう。必要に応じてVPNを使い、場合によってはWindows環境を借りてISOを作ることを検討してください。快適なMac×Windows 11 ARMライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

私自身の経験では、最初の一歩を超えるまでは試行錯誤の連続でしたが、いざ動き始めるとその環境の便利さに魅了されました。これを機に、ぜひ新しい可能性を試してみてください。

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