Windows 11 24H2アップグレードエラーを解決する方法

はじめまして。最近、Windows 11の24H2へアップグレードしようとしたものの、途中でエラーコードが表示されてロールバックしてしまい、なかなか完了までたどり着けないというお声をよく耳にします。そこで、実際に試行錯誤してみた体験や事例を交えつつ、その原因や具体的な対処法をご紹介します。

Windows 11 24H2アップグレードエラーの概要

Windows 11の23H2から24H2へアップデートしようとすると、0xC1900101-0x30017や0x80070005といったエラーコードが表示され、途中でインストールが中断されたり、自動的にアップデートが取り消されることがあります。特に進行度が40%を超えたあたりで一度マシンが停止した後、再び起動してアップデートが取り消されるという声が多い印象です。手動での再起動を促されることもなく、何が原因なのか分からないままロールバックしてしまうと、どうしても対処に時間がかかりやすいものです。

なぜエラーが発生するのか

エラーの根本原因は様々ですが、大きく分けると以下のような要因が考えられます。

UEFIやSecure Boot設定の問題

レガシーCSMモードになっていたりSecure Bootが無効になっていると、アップグレード時にドライバ認証などで不具合が起き、エラーが発生しやすくなります。BIOSの設定を見直すだけで解決する場合もあるため、最初に注目したいポイントです。

セキュリティソフトや残留ドライバの影響

Kasperskyなどのサードパーティ製ウイルス対策ソフトをアンインストールした後でも、専用の除去ツールで残留ドライバや仮想ネットワークアダプタを消去しないとエラーの原因になることがあります。特にKaspersky Security Data Escort Adapterのようなドライバが残っていると要注意です。

Hyper-VやSandboxなどの仮想化コンポーネント

Hyper-VやWindows Sandbox、Virtual Machine Platformなどの仮想化機能を有効にしていると、アップデート時に想定外の不整合が起きる事例が知られています。アップグレード前に一時的に無効化したところ、すんなり成功するパターンもあります。

古いドライバやBIOS設定

チップセットドライバやストレージ系ドライバが古い場合、アップグレード途中でドライバ認証に失敗してロールバックする可能性があります。また、CSMをオンにしたままだとやはりSecure Bootが無効扱いになるケースもあり、エラーの直接原因になってしまうこともあります。

複数ドライブやパーティション構成

アップデート時に余計なディスクや外付けHDDなどを取り外すと成功した、という報告が意外と多く見られます。アップグレードプロセスが一時ファイルを別ドライブに書き込もうとしてアクセス権エラー(0x80070005)を起こす場合があるとも言われています。

その他環境依存の設定

ソフトウェアの競合やWindowsの設定が複雑になっていると、アップグレード処理が失敗しやすくなることがあります。クリーンブートやディスククリーンアップをすることで、簡単に解決するパターンもあります。

対処法のポイントと手順

それでは、どうすればエラーを回避できるのか、具体的な解決策を見ていきましょう。ここでは、比較的多くのユーザーが成功を報告している手順を中心にご紹介します。

まずはBIOSのSecure Bootをオンにすることでエラーが解消する事例が非常に多いです。

1. Secure BootとUEFIの設定確認

BIOSでのSecure BootやUEFI設定は、Windows 11のアップデート時に必須とも言える要素です。CSM(レガシーブート)を有効にしているとドライバ検証が正しく行われず、アップグレードに失敗しやすくなります。

BIOS画面への入り方

マザーボードやPCメーカーによって操作は異なりますが、多くは起動時にDelキー、F2キー、F12キーなどを押すとBIOS画面を呼び出せます。BIOSでSecure Bootを探し、もしDisabledやLegacy CSMと表示されていたら、EnabledやUEFIモードに切り替えましょう。

設定変更後の注意点

一部の環境では、UEFIブートに切り替えるとOSが起動しなくなる可能性があります。この場合は、先にシステムパーティションをGPT形式に変換する必要があるなど、多少面倒な作業が伴うこともあります。現状がMBRになっていないかどうか、事前にディスクの管理ツールなどで確認すると安心です。

私が使っている自作PCでは、BIOSの起動画面に入る前に何度か再起動を繰り返す必要がありました。初めはSecure Bootをオフにしていて、エラーコード0xC1900101で止まっていましたが、再度オンにしたらスムーズにアップデートできた経験があります。

2. セキュリティソフトと残留ドライバの除去

ウイルス対策ソフトを一時的に停止するだけでは不十分な場合があります。特にKasperskyなどはアンインストール後も関連ドライバが残りやすく、KAVRemoverという専用ツールで完全除去が推奨されています。

除去ツールの使用例

公式サイトからKAVRemoverをダウンロードし、実行することでレジストリや仮想ネットワークアダプタを含むKaspersky関連の要素を根こそぎ削除できます。これによりアップグレードエラーが解消したという声が多いです。

デバイスマネージャでの確認

アンインストール後にもデバイスマネージャのネットワークアダプタに「Kaspersky Security Data Escort Adapter」といった名称のデバイスが残っていることがあります。もし発見したら手動で削除し、再起動してからアップデートを試してみてください。

3. Hyper-Vなど仮想化機能のオフ

Hyper-VやWindows Sandbox、Virtual Machine Platformを普段使っていないなら、一時的に無効化しておくとアップデート成功率が大幅に上がる可能性があります。

機能の無効化方法

Windowsの「アプリと機能」や「Windowsの機能の有効化または無効化」画面でHyper-VやSandbox関連にチェックが入っていれば外し、PCを再起動してください。その後、改めてアップデートを実施してみましょう。アップデート後に再度有効に戻すことは特に問題ありません。

仮想化機能をオフにするだけでインストールが途切れなくなった、という報告も多いです。

4. 外付けドライブやサブストレージの取り外し

アップグレード時に別のドライブやパーティションへアクセスが集中してしまい、アクティブなディスク以外でエラーが起こる例が知られています。余計なUSB接続のドライブやSDカード、さらにGoogle Driveなどの仮想ドライブがあるなら、一時的に取り外すかアンインストールしてみてください。

ストレージが原因になるケース

複数ディスク環境では、アップデートファイルの一部が間違って別ドライブへ保存されたり、アクセス権限がおかしくなったりする場合があるようです。物理的に取り外すだけで不具合が解消されることもあるので、簡単な対処として試してみる価値があります。

5. ドライバやBIOSの更新

マザーボードメーカー公式サイトに最新のBIOSやチップセットドライバが用意されていることがあります。特に自作PCでは、古いBIOSバージョンが原因でセキュリティ関連の設定に不具合が残っている場合もあるので、意識してチェックしましょう。

更新時の注意点

BIOSアップデートは手順を誤ると最悪PCが起動しなくなるリスクがあります。メーカーの指示に従い、安定した電源供給がある状態(ノートPCならACアダプタ接続)で行うと安全です。更新後はデフォルト設定になっている場合があるので、Secure BootとUEFIの状態を再確認します。

BIOS書き換えに失敗するとマザーボードの復旧が大変になります。慣れていない方は、メーカーサポートや詳しい方に相談するのも手です。

6. クリーンブートとディスククリーンアップ

MSConfigツールでスタートアップ項目を最小限にし、さらにディスククリーンアップで不要ファイルや以前のWindowsアップデートの残骸を削除すると、アップグレードに成功しやすくなります。

クリーンブート手順

1. Windowsキー+Rで「msconfig」を起動
2. サービスタブで「Microsoftのサービスを隠す」にチェックを入れる
3. 残りのサービスのチェックをすべて外して適用、再起動
4. スタートアップアプリも不要なものは無効にする
これだけで、干渉する可能性があるプロセスを大幅に減らせます。

ディスククリーンアップのやり方

スタートメニューで「ディスククリーンアップ」と検索し、システムファイルのクリーンアップも含めて行います。古いドライバパッケージやWindowsアップデートファイルなどを削除しておくと、無駄なエラーが減る印象です。

7. リセットやクリーンインストール

上記の対策をしてもどうしてもアップデートが通らない場合、Windowsの「このPCをリセットする」を利用して、個人用ファイルを残したまま設定を初期化し、その後に24H2へアップデートする方法もあります。また、クリーンインストールで一気に24H2を導入するのも確実です。

リセットとクリーンインストールの違い

リセットはユーザーデータを保持しつつWindowsの設定を初期状態に戻します。一方、クリーンインストールはすべてのデータを消去して1からインストールし直すため、より確実ですが再セットアップの手間が大きいです。

私も以前、どうしてもアップデートできず、最終的にクリーンインストールで24H2を導入しました。面倒でしたが、その後はOSの動作が安定し、結果的に快適になりました。

8. 公式配信を待つ選択肢

まだプレビュー版での不具合が多い時期なら、正式リリース後のWindows Updateでエラーなくインストールできる可能性があります。特に時間に余裕がある場合は、慌てずに公式アップデートを待つのもひとつの方法です。

よくあるエラーコードと対処表

以下は代表的なエラーコードと対応策をまとめた表です。

エラーコード 主な原因 対応策
0xC1900101-0x30017 ドライバ不整合 / UEFI設定 Secure Boot有効化、チップセットドライバ更新
0x80070005 アクセス拒否 / ストレージ関連 余計なドライブを外す / Hyper-V無効
0xC1900101-0x40017 OS/Bootローダの不具合 BIOS/UEFI再設定 / アンチウイルスソフト除去
0x800F0922 システム予約パーティション不足 パーティション拡張 / 不要ファイル削除

まとめ

Windows 11の24H2アップグレードで起こるエラーは、Secure Bootが無効やレガシーCSMモードになっていること、あるいはサードパーティのセキュリティソフトや仮想化機能が競合を引き起こしているなど、複数の要因が絡んでいる場合が多いと感じます。まずはBIOS設定の見直し、セキュリティソフトや仮想ドライブの完全除去、Hyper-Vの無効化など、手間のかからない部分から試してみると意外とすんなりエラーが解消されることがあります。

それでもエラーが続く場合は、必要に応じてドライバやBIOSを更新し、クリーンブートやディスククリーンアップを行ったうえで再度チャレンジしてみるとよいでしょう。最終的にどうしてもだめな場合は、PCリセットやクリーンインストールも選択肢に入れてみてください。少し面倒ではありますが、全体の安定性も向上し、Windows 11の新機能を存分に楽しめるようになります。

アップグレード作業は心配ごとも多いですが、成功すると新機能やセキュリティ面での恩恵をしっかり受けられるのが嬉しいところです。焦らずに一つひとつ確認しながら作業を進めてみてください。

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