うっかりウイルス付きファイルをダウンロードしてしまったり、Windowsのアップデート後に「システムが不安定かも…」と感じることはありませんか。ここでは、Windows 10標準のDefenderが消えてしまった場合の復旧方法や、Windows.old・inetpub・ESDフォルダなどの扱い方を体験談も交えながらわかりやすくご紹介します。
Windows Defenderが強制的に削除されたときの対処法
自宅で作業をしていたときに、不注意でウイルス付きのファイルをダウンロードしてしまった経験があります。あわててウイルス対策を始めたのですが、そのとき突然Defender(正式名称はWindows Security)が見当たらなくなり、いくら探しても起動できませんでした。最初は「アイコンが消えただけ?」と軽く考えていましたが、実際にはファイル自体が削除されていたのです。ここでは同じ状況に陥った方のために、Defenderが強制的に削除された場合の復旧手順をご紹介します。
ウイルス駆除とシステムチェックの重要性
まず最優先なのは、ウイルスやマルウェアがまだ残っていないかを徹底的に確認することです。以前、私が感染したマルウェアは、複数の不審ファイルをあちこちにばらまいていたうえに、レジストリを改変してDefenderを無理やり削除していたことがありました。ウイルス駆除ソフトだけで完全に除去しきれない場合もあるため、Farbar Recovery Scan Tool(FRST)などを使って詳しく検査する方法が有効です。
FRSTでのチェック方法
FRSTを用いると、「FRST.txt」や「Addition.txt」といったログを出力できます。これらのログを確認することで、どのファイルが怪しいか、レジストリに残っている不要なエントリは何かといった情報が得られます。そして、必要に応じて「fixlist.txt」という修復用のテキストファイルを作成し、FRSTのFix機能を使って問題個所を修正します。私の場合も、「fixlist.txt」を使って細かい部分まで修復を行った結果、ウイルスの残骸が見つかり完全に削除できました。

マルウェアがレジストリを弄ってDefenderを無効化してしまうケースは意外と多いです。見た目は大丈夫でも、裏ではいろいろ書き換えられているかもしれません。
Defender本体の再インストール方法
いざウイルスが駆除できたあとも、Defenderが物理的に削除されていて「そもそも起動ファイルがない!」という状態でした。そこで有効なのが、Windows 10の「修復インストール(リペアインストール)」です。これはシステムファイルを再構築する方法で、通常の初期化とは異なり、アプリや個人データをできるだけ保持したままWindows自体を上書きすることができます。
修復インストールの手順
まず、Microsoft公式の「Windows 10ダウンロードページ」からMedia Creation Toolをダウンロードし、ISOファイルを用意します。そのISOファイルをマウント(仮想DVDとして認識させる)し、setup.exeを実行するとインストールウィザードが始まります。このとき、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」というオプションが選択できるかどうかが重要です。選択肢がグレーアウトしていた場合は、いったん作業を中断して手順やISOのエディションが合っているかを確認してください。誤って初期化のような状態にならないように十分注意して進めます。
修復インストールが完了したら再起動し、Defenderがきちんと復活しているかをチェックします。多くの場合、これでシステムファイルが正常化され、消えていたDefenderも戻ってきます。
Defenderの警告履歴が繰り返し表示される場合
私が以前経験したケースでは、実際にはウイルスを駆除し終わったのに、Defenderの通知や警告履歴が繰り返し表示されることがありました。これには、古い検知情報がシステムに残っていることが原因の一つとして考えられます。
検知履歴フォルダの削除
セーフモードで起動し、以下のフォルダを手動で削除してみると症状が改善することがあります。
C:\ProgramData\Microsoft\Windows Defender\Scans\History\Service\DetectionHistory
この作業はセーフモードでしかフォルダを消せない場合もあるので注意が必要です。また、自分で手作業をするのが難しい場合は、Defenderの検出履歴をクリアしてくれる専用ツールやスクリプトも存在します。不要な履歴をきれいにしたあと、再起動すると「同じウイルスが検知された」という誤警告が消えることがあります。
Windows.oldフォルダの扱いについて
Windowsの修復やアップグレードのあと、Cドライブに「Windows.old」というフォルダができて「これは消していいの?」と不安になる方もいらっしゃると思います。実は私も以前、修復直後に見つけて「これを削除したら元の環境に戻れなくなるのでは…」と二の足を踏んだことがありました。
Windows.oldの役割
Windows.oldフォルダには、以前のWindowsインストール情報や設定がまとめて保存されています。システムを以前のバージョンに戻したいときに活用されるフォルダなので、通常は一定期間が過ぎると自動的に削除されることもあります。もし必要がなければ、自分で手動削除してしまって構いません。
削除方法と注意点
安全に削除するには、「ストレージセンス」や「ディスク クリーンアップ」を使う公式手順がおすすめです。操作に慣れていないときに直接フォルダを消してしまうと、ファイルのロックがかかっているなどで消せなかったり、他のファイルに影響が及んだりする恐れもあります。やり方自体は簡単ですが、一度消すと以前のバージョンに戻す機能が使えなくなる点だけ注意してください。



私の場合、Windows.oldから一部のユーザデータだけを救出したあと、ディスク クリーンアップを使ってフォルダごと削除しました。少しでも心配なら、まずは必要なデータがないかをしっかり確認すると安心ですよ。
inetpubフォルダの扱いについて
システムドライブ(C:)直下に見慣れない「inetpub」というフォルダがあると、「なんだこれは?」と疑問に思うかもしれません。じつはこれはWindowsのIIS(Internet Information Services)を有効にすると自動生成されるWebサーバ用のフォルダです。
IISを使っていないなら削除して問題なし
もしWebサーバを立ち上げる必要がない場合、Windowsの「機能の有効化または無効化」画面でIISを無効にすれば、このフォルダも不要になります。その後、フォルダ自体を削除してもシステムに大きな影響はないことが多いです。ただしIISを利用しているケースでは削除するとサイトやアプリケーションが動かなくなるので、注意が必要です。
削除時に意識したい点
IISを無効にしてもinetpubフォルダがそのまま残る場合があります。そのときは手動で削除することになるのですが、万が一IISを再び使う予定がある場合は先にバックアップをとると安心です。特にインストールしたWebアプリなどがフォルダ内部に格納されている可能性がある場合は要確認です。
ESDフォルダの扱いについて
また、Windows 10に関連して「ESDフォルダ」と呼ばれるものを見かけることがあります。特にMedia Creation Toolを使ってアップグレードやインストール用USBを作成したあとに残っていることが多いフォルダです。
ESDフォルダの中身
ESDフォルダの中には、Windowsインストールファイルのイメージデータなどが含まれています。私も初めてMedia Creation Toolでアップグレードしたときに、数GB単位でこのフォルダがCドライブを圧迫していて驚きました。「こんなに大きいファイル、本当に必要なの?」と不安になるかもしれませんが、再インストールの予定がなければ削除しても差し支えありません。
大容量なのでストレージ節約に役立つ
不要なまま放置しているとストレージを圧迫する一因となります。特にSSD容量が限られている環境だと、数GBの空き容量を確保するだけでも大きなメリットにつながります。逆に、今後別のPCにインストール用USBを作りたいなど、再ダウンロードしたくない場合は残しておくのもありです。
Windows関連フォルダの比較表
ここで、Windows.old・inetpub・ESDフォルダについての特徴をまとめた表を作成しました。各フォルダの主な役割や削除可否を整理しておくと、誤って大事なフォルダを消してしまうリスクも減らせます。
フォルダ名 | 主な役割 | 削除可否 |
---|---|---|
Windows.old | アップグレードや修復時の前Windowsのバックアップ | 不要なら削除可。以前のバージョン復元は不可になる |
inetpub | IIS(Internet Information Services)のWebサーバ用フォルダ | IISを使用しない場合は削除可。使用中は削除不可 |
ESD | Windowsインストールファイル(Media Creation Toolなどの残り) | 再インストールに使わないなら削除可 |
修復インストール時の注意点
Defenderを復旧するために修復インストールを行う場合、途中で「個人用ファイルを保持する」オプションが選択できるのかをしっかりチェックしましょう。ここがグレーアウトしていると、データやアプリを保持できない初期化に近い形になってしまう可能性があります。作業を始める前に大切なデータのバックアップを取ることもお忘れなく。私も念のため外付けHDDに主要データをコピーしてから実行しましたが、そのおかげで万が一のときも安心でした。
レジストリ改変のリスク
Defenderが消えてしまうほどのマルウェアは、レジストリを大幅に書き換えていることがあります。駆除用のソフトだけで取り除けない残骸が残っている場合もあり、そのままだとWindowsが正常に動作しないことも考えられます。そんなとき、修復インストールが根本的な解決策になるわけです。ただし、修復インストールしてもDefenderが表示されない場合は、FRSTなどを使った追加調査が必須になるかもしれません。



私の友人は、あまりにシステムが壊れていたため結局クリーンインストールを選択しました。重要データはオンラインストレージに残っていたおかげで、大きな被害にはならずに済んだそうです。
まとめと今後の予防策
Windows Defenderの消失というトラブルは、ウイルスに感染している可能性があるときこそ注意すべき事態ですが、実際には修復インストールやFRSTなどを駆使することで比較的スムーズに復旧できます。また、Windows.old・inetpub・ESDといったフォルダは、それぞれの役割を把握し不要であれば削除することで、ディスクの空き容量を増やしたりシステムのクリーンアップを進めたりできるのがメリットです。
ただし、何を削除するにも「本当に必要ないのか」を見極めることが大切です。特にWindows.oldのように、過去バージョンへの回復手段を失うフォルダを消すときは慎重になったほうがよいでしょう。普段から定期的にバックアップを行い、ウイルス対策ソフトを最新の状態に保つことで、Defenderの消失やシステム崩壊のリスクを最小限に抑えることができます。



私は念のため、月に1回はシステムイメージのバックアップを取るようにしています。いざというときの安心感が全然違いますよ。
以上が、Windows 10のDefenderを再インストールする流れと、Windows.old・inetpub・ESDなどのフォルダをどう扱えばいいかのまとめです。環境や症状によって細かな手順は異なることがありますので、公式ドキュメントや最新情報も併せて参照しつつ、慎重に実行してください。
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