ここ最近、私自身がメインPCでWindows 11 24H2へのアップグレードを試みたところ、なぜかアップデートがブロックされてしまい苦労しました。サブ機では難なく成功しただけに、思わぬ壁に直面し戸惑う日々が続きました。同じようにお困りの方が参考にできるよう、ここでは実際の経験談や対処法を交えて詳しくお伝えします。
Windows 11 24H2アップデートをめぐる背景
Windows 11 24H2は、セキュリティや新機能の面で魅力的なアップデートですが、特定のドライバーやファームウェアとの相性問題によって、更新がブロックされるケースが報告されています。特にメインPCだけアップデートできず、サブ機はスムーズにアップデートできるといった事例も少なくないようです。実際、私の環境でもメインPCではWindows Update経由で24H2がまったく降りてこず、手動インストールを試みても「非互換ドライバーが検出されました」とエラーが出続けました。
アップグレードがブロックされる主な要因
WD製M.2 SSDのファームウェアによる影響
WD製のM.2 SSD、例えばSN850シリーズを使っている場合、ファームウェアが古いと24H2アップデートがブロックされる可能性があります。Microsoft側もこの問題を把握しており、該当ハードウェアにはセーフガードホールドがかかることがあるようです。最悪の場合、アップデート中にブルースクリーンが発生してしまうリスクも報告されています。
セーフガードホールド(Safeguard Hold)の存在
セーフガードホールドとは、Microsoftが問題発生のリスクを未然に防ぐため、一時的に特定のPCでアップデートをブロックする仕組みです。レジストリをのぞくと「Safeguard Hold」が有効になっている形跡があり、どうにかそれを解除できないか試行錯誤することになります。実は、このホールドが実装されていれば、WD製SSDの件に限らず、他のドライバー問題でもアップデートが降りてこない場合があります。
非互換のドライバーやサービス
最新版のWindowsには、セキュリティ機能としてコア分離(カーネルモード ハードウェア強制スタック保護)やメモリ整合性といった仕組みがあります。これらをオン・オフすることで、互換性のないドライバーをリストアップしてくれることがあります。私の場合、「EpicGamesのEasyAntiCheat(easyanticheat_eos.exe)」や「Kinectドライバ」が原因のひとつとして浮上しました。普段使わないゲーム関連のソフトをアンインストールするか、一時的にサービスをオフにするなどで解決するケースがあります。
実際、私の友人はKinectで遊ぶことが多かったため、ドライバをアンインストールするのをためらっていましたが、アップデートを優先して一旦削除してみたところ、あっさり24H2が降りてきたそうです。もし重要なハードウェアでなければ、一時的に外してアップグレードするのも手ですね。
アップグレードができないときの困りごと
古いソフトウェアや周辺機器が邪魔をしている可能性
私自身も気づかないうちに、古いUSB機器を挿しっぱなしにしていたり、ずいぶん前にインストールした謎のユーティリティソフトを放置していたりしました。これらが不意にアップデートを妨害することがあります。試しにすべてのUSB機器を外し、不必要なソフトをアンインストールすると、意外とすんなりアップデートが進むかもしれません。
インストールアシスタントやISOファイルも失敗するケース
Windows Updateから24H2が降りてこない場合、インストールアシスタントやISOファイルを用いたアップグレード方法がよく紹介されます。ただし、これらの手段をとっても、同じ不具合によってブロックされることがあるため厄介です。エラー画面で非互換ドライバーの詳細が表示されればまだ対処しやすいのですが、具体的な原因が示されないこともあります。
具体的な対処法と取り組み方
ここからは、私の実体験と周囲から集めた情報をもとに、いくつかの解決策を紹介します。環境によって最適解は変わるので、自分のPCに合いそうな方法を試してみてください。
WD製SSDのファームウェア更新
WD製M.2 SSDを使っている方は、メーカーの公式サイトや専用ユーティリティをチェックしてみましょう。ファームウェアの更新が配布されている場合、最新バージョンにアップデートしてから再度Windows 11 24H2のインストールを試すと、ブロックが解除される可能性があります。アプリケーションによっては自動でファームウェア更新を検出しないこともあるので、手動確認をおすすめします。
セーフガードホールドの解除を待つ
Microsoftが問題を把握しており、対応中であれば、解決後に自動的にホールドが解除される見込みがあります。時間はかかるかもしれませんが、数週間から数か月待ってみると自然にWindows Updateが成功することもあります。すぐにアップデートが必要ない場合は、こまめにWindows Updateを確認しながら気長に待ってみるというのも十分な選択肢です。
非互換ドライバーの特定
コア分離やメモリ整合性機能をオン・オフしながら再起動すると、非互換ドライバーのリストが表示されることがあります。その一覧をヒントにドライバーを削除・更新していくと、セーフガードホールドが解除されるケースも報告されています。対象ソフトがどうしても必要な場合は、しばらく機能を停止してアップデート後に再インストールするのも手です。
私が遭遇したEasyAntiCheatの問題は、某ゲームのオンライン機能をプレイするためのもの。しかしアップデート最優先でいったん削除したら、無事エラーが消えてくれました。ゲームができなくなるのは悩ましいですが、アップデート完了後に再度セットアップする手間のほうが断然少なかったです。
アップグレード手順の工夫
アップデートを成功させるためには、事前準備をしっかり行うことが重要です。以下に挙げるステップを踏むことで、トラブルを回避する確率が高まります。
下準備の例
1. 不要な周辺機器を取り外す
使っていないUSBハブや外付け機器を外しておくと、ドライバーの干渉を減らすことができます。思わぬ相性問題を引き起こすデバイスが隠れている可能性があるので、特に古い機器は注意が必要です。
2. 古いソフトウェアを整理・アンインストール
「もう使っていないかもしれないけど、一応PCに入れてある」というソフト、ありませんか。私も長年使い続けていたディスクユーティリティや、名前も思い出せない古いツールをいくつか残したままにしていました。アップデート時に競合を起こす原因になりかねないので、思い切ってアンインストールしてみましょう。
3. セキュリティソフトの一時停止
一部のウイルス対策ソフトやファイアウォールが、Windowsのアップデートをブロックしてしまう場合があります。アップデート作業の間だけリアルタイムスキャンをオフにするなど、適度に調整してみると良いかもしれません。ただしネットワークに接続している状態ならウイルス感染のリスクもゼロではないので、その点には注意が必要です。
4. BIOSやチップセットドライバーの更新
マザーボードメーカーが提供する新しいBIOSやチップセットドライバーが、Windows 11との互換性を高めている場合もあります。特に最新OSへのアップグレード前には、基本的なファームウェアやドライバーを見直すことが大切です。マザーボードの型番やメーカーサイトを確認して、最新バージョンがあるかどうかを調べてみてください。
ISOファイルによるアップグレード手順と注意点
Windows Updateがブロックされていても、ISOファイルを使えばアップグレードできることがあります。しかし、ブロックの原因がドライバーなどにある場合、ISO経由でも同じように失敗する可能性は高いです。それでも試してみる理由としては、インストール途中で具体的なエラー情報が出ることがあるからです。
ISOからのインストール時に確認すべきポイント
セットアップ画面をじっくりチェック
ISOから起動したセットアップ画面で、何かしらの警告やドライバー名が表示されることがあります。それをヒントにドライバーを入れ替えれば、次のトライでうまくいくかもしれません。表示される情報は限定的ですが、Windows Updateの短いエラーメッセージよりは有用な場合が多いです。
インストール方法の選択
ISOからアップグレードを選択するか、クリーンインストールを選ぶかは、状況次第です。クリーンインストールすると確実にまっさらな環境になりますが、再設定やアプリの再インストールが大変です。「どうしてもアップグレードが無理そうだ」という状況下なら、腹をくくってクリーンインストールを検討してみましょう。
私が遭遇したトラブルと解決事例
実際のところ、私がメインPCでアップデートできなかった原因として一番大きかったのは、WD製SSDのファームウェアでした。調べてみると、SN850を含む一部のモデルで更新が必要との情報を見つけ、ファームウェアユーティリティをインストールしてチェックしたら「更新可能」という案内が出ました。さらに、古くから使い続けていた周辺機器を一通り外し、EasyAntiCheatをアンインストール。これらを行った後にWindows Updateを試したところ、突如として24H2が降りてきました。
私の場合、結局アップデート成功までは数週間の格闘でした。焦りもありましたが、周辺機器や古いドライバーの整理を続けるうちにPCがすっきりし、結果オーライだったと感じています。
表で見るWindows 11 24H2アップデートの主なつまずきポイント
つまずきポイント | 詳細 |
---|---|
WD製SSDの古いファームウェア | セーフガードホールドがかかり、アップデートがブロックされる |
非互換ドライバー | EasyAntiCheatやKinectドライバなどが引っかかりやすい |
古い周辺機器 | レガシーUSB機器や古いソフトのドライバーが競合 |
BIOS未更新 | マザーボードの最新ファームウェアで問題解決する例あり |
セキュリティソフトの干渉 | アップデート中にリアルタイム保護が妨げになるケース |
Microsoftへのフィードバックも有効
Windows 11インストールアシスタントを使ってもドライバー名が表示されない場合、原因を特定しにくいという難点があります。Microsoftに対して「ドライバー名を明示してほしい」といった要望をフィードバック Hub経由で送信しておくと、将来的な改善に役立つかもしれません。今後のアップデートで、より詳しいエラーメッセージが表示されるようになることを期待したいですね。
最終手段はクリーンインストール
どうしてもアップグレードできず、時間や手間が許すのであれば、クリーンインストールを選ぶのも手です。OSのリフレッシュ効果は意外と大きく、レジストリの肥大化や不要ファイルの山を一掃できる利点があります。ただし、その分だけバックアップや再設定の作業量が増えることは覚悟しなければなりません。私もアップデートに失敗し続けたとき、一度はクリーンインストールを検討しましたが、最終的にWD製SSDのファームウェア更新やドライバー整理で乗り切った形です。
まとめ
Windows 11 24H2へのアップデートがうまくいかない場合、主な原因としてWD製SSDの古いファームウェア、非互換ドライバー、セーフガードホールドが考えられます。初めからあれこれ試すのではなく、まずは自分の環境をしっかり確認し、周辺機器や古いソフトを整理してみると意外と早く解決することもあるでしょう。もしどうしてもアップデートができない状況が続くなら、焦らずセーフガードホールドの解除を待つのも選択肢の一つです。さらには、ISOファイルを使ってブロック原因を探ったり、最終的にはクリーンインストールを検討するなど、状況に応じて柔軟に対応してみてください。
私自身、アップデートの失敗をきっかけにPCを見直すことができ、最終的にはパフォーマンス向上にまでつながりました。紆余曲折はありましたが、日頃からドライバーやファームウェアの最新状態を保つことの大切さを痛感しました。
「なぜ自分のPCだけアップデートが来ないのか?」と不安になったら、一度落ち着いてセーフガードホールドやドライバーの問題を洗い出してみてください。最終的には解決に至る道が見つかるはずです。
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