Windows 11アップデートエラー「0x80073712」を解決するには?インプレースアップグレードで一発解決

いつも通りにWindows 11のアップデートを試みたところ、なぜかエラー「0x80073712」が表示されて先に進めない……そんな状況に陥ると焦ってしまいますよね。実は私も同じエラーに遭遇し、DISMやSFCを色々試したのですが一筋縄ではいきませんでした。そこで行き着いた最終的な解決策が“インプレースアップグレード”でした。本記事では実体験を踏まえて、どのような手順で問題を解消できるのか、じっくりご紹介していきます。

「0x80073712」エラーとは何か

Windows 11の更新プログラムを適用しようとすると、ごくまれに「0x80073712」というエラーコードに遭遇することがあります。私自身も2024年1月度のアップデートを実行しようとした際、まさにこのエラーに出くわしました。

エラーの概要

このエラーが示している主な内容は、Windows内部のコンポーネント ストアに不整合が発生しているという点です。OSのアップデートやシステムファイルの更新時に必要なファイルが壊れているか、あるいは整合性が取れなくなっている場合に発生することが多いとされています。

なぜ生じるのか

コンポーネント ストアの破損

Windows 11は複数のモジュールから成り立っており、それぞれが正しく動作して初めてOSとして機能します。コンポーネント ストアと呼ばれる保管場所にモジュールが格納されているのですが、アップデートの途中で何らかの原因によってデータが破損することがあります。たとえばアップデート中の電源断や強制終了、あるいはウイルス対策ソフトとの干渉などが引き金になることがあります。

外部プログラムとの衝突

セキュリティソフトや常駐アプリケーションがアップデートプロセスに介入してしまい、必要なファイルの展開や置き換えが途中でブロックされるケースがあります。この場合、システム的にはアップデートを続行しようとするものの、ファイルの読み書きが予想外の形で制限されてしまい、結果として不整合が生じてしまうことがあります。

ストレージの空き容量不足

システムドライブの空き容量が極端に少ないと、アップデートで必要なファイルを展開しきれずに整合性のエラーが起きることがあります。Windowsはアップデート時に一定の作業領域が必要となるため、ストレージの空きスペースが不足していると、アップデート中の一時ファイル作成や展開作業が中断され、最終的にエラーが生じやすくなります。

私の場合、外付けHDDにバックアップを取っている最中にアップデートを実行してしまったことが原因だったようで、ファイルのやり取りが重なってコンポーネント ストアが破損してしまった可能性が高いです。

主な対処方法の全体像

このエラーを解消するためには、システムファイルの整合性を回復し、破損したファイルを正常な状態に戻す必要があります。定番の対処としては、DISMコマンドやSFC(システム ファイル チェッカー)が真っ先に挙げられますが、それだけではうまくいかない場合があります。私自身も以下のような流れで対処を試みました。

定番のコマンド活用

DISMでイメージ修復

DISMでは、オンラインモードとオフラインモードの両方があります。オンラインモードでは以下のように実行し、Windows Updateを介して欠損ファイルを取得することができます。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
ただし、Windows Updateのコンポーネント自体が破損していると、この方法は失敗することがあります。また、オフラインモードを利用して、インストールメディアからイメージを参照して修復する方法も試しましたが、うまくいきませんでした。

SFC(システムファイルチェッカー)

SFCはDISMより軽度な不整合や破損を修復するのに有効ですが、大きく損傷している場合は修復できないケースがありました。SFC /scannowを何度か繰り返し実行しても治らなかったという人も多いのではないでしょうか。

チェックディスク

chkdskコマンドを活用することでファイルシステムのエラーを検知・修復する方法もあります。私もセーフモードでchkdsk /fを実行してみましたが、ハードディスク自体には問題が見つからず、原因の根本解消にはつながりませんでした。

最終手段:インプレース アップグレード

こうしたコマンドでの修復がうまくいかなかった場合、実は“インプレース アップグレード(上書きインストール)”を行うのが手っ取り早い方法です。システム全体を一度アップグレードする形で修復を試みることで、壊れてしまったコンポーネント ストアを含むWindowsのコア部分をまるごと健全な状態に置き換えてくれます。

インプレース アップグレードは、ユーザーのファイルやアプリを保持したままシステムを修復できることが多いので、最短で元の環境に戻りやすいという利点があります。

インプレース アップグレードのやり方

私が実際に行った方法を、できるだけ詳しくまとめてみました。方法自体は難しくはありませんが、いくつかの準備事項を意識する必要があります。

手順の前に行うべき準備

バックアップの重要性

大きな修復作業を行う前には、念のため重要なファイルやフォルダをバックアップしておくことをおすすめします。通常はユーザーのファイルやアプリは保持されますが、万が一のトラブルに備えるためにも、バックアップは欠かせません。

セキュリティソフトの一時無効化

ウイルス対策ソフトがインストールされている場合は、アップグレード作業中に干渉してくる可能性があります。そのため、一時的にリアルタイム保護をオフにする、あるいはセキュリティソフトを停止させる方法をとっておくと、トラブル回避の助けになります。

ストレージの空き容量確認

Windows 11のインプレース アップグレードには、一定以上の空き容量が必要です。目安としては20GB以上確保しておくと比較的安心だと言われています。私の環境では、Cドライブに十分な余裕がなかったので、使わないアプリをアンインストールしたり、大きいファイルを外付けストレージに移動したりして容量を確保しました。

空き容量がギリギリだと、インプレース アップグレードの途中でエラーが再発したり、途中で止まってしまうリスクがあります。

実際のアップグレード手順

ステップ1:インストールメディアの入手

Microsoft公式サイトからWindows 11のディスクイメージ(ISOファイル)をダウンロードするか、メディア作成ツール(Media Creation Tool)を使ってUSBメディアを作成します。ネットワーク環境が安定している状態で行うのがおすすめです。

ステップ2:セットアップファイルの実行

ダウンロードしたISOファイルをマウントし、中にあるsetup.exeをダブルクリックで起動します。USBメディアから起動する場合も同様にセットアップファイルを実行してください。

ステップ3:修復オプションの選択

セットアップウィザードが立ち上がったら、Windows 11のインストール画面が表示されます。「このPCを今すぐアップグレードする」や「インストールの種類」などの画面で、アップグレードを選択するようにしてください。

ステップ4:個人用ファイルとアプリを保持

画面の指示に従って進めると、「何を引き継ぐか」を選ぶ項目が出てきます。そこでは「個人用ファイルとアプリを保持」などのオプションを選択することで、ユーザーデータや既存アプリケーションがそのまま残るようにインストールが進められます。

ステップ5:アップグレード実行

あとはウィザードが示す流れの通りに進めていくと、自動的に再起動が何度か行われ、インストールが終了します。最終的にアップデスクトップ画面が立ち上がったときには、システムの破損箇所が修復された健全なWindows 11環境になっているはずです。

私のPCでは、インプレース アップグレード終了後に「今までのエラーが嘘だったかのように」快適に動作するようになりました。SFCを実行してもエラーが検出されなくなり、アップデートも問題なく適用できました。

各対策方法の比較表

以下のように代表的な対処方法をまとめてみました。どの手段を選ぶかは状況にもよりますが、大きく壊れてしまった場合はインプレース アップグレードが有力な選択肢となります。

対策方法 適用難易度 修復可能性 メリット デメリット
DISM(オンライン/オフライン) 中級 中〜高 コマンドで簡単に実行できる コンポーネントストア自体が破損していると失敗することがある
SFC 初級 低〜中 Windows標準の機能で手軽 大きな破損には対応しきれない場合がある
チェックディスク(chkdsk) 初級 ファイルシステムに限られる ディスクの物理的・論理的な問題を確認できる コンポーネントストアの破損には直接効果がない
インプレース アップグレード 中〜上級 非常に高い システム全体を修復でき、ユーザーのファイルを保持できる インストールメディアの作成・大きな空き容量が必要

上書きインストールを行う際の注意点

インプレース アップグレードは確かに便利ですが、いくつか押さえておくべき注意点があります。

作業中の電源確保

ハードウェア的なトラブルを避けるためにも、PCの電源が突然切れるリスクは極力排除しましょう。ノートPCであればACアダプターを接続し、デスクトップPCならUPS(無停電電源装置)があると安心です。

途中再起動に驚かない

インストール中に画面が消えたり、何度か自動的に再起動したりするのは正常な挙動です。焦って強制的に電源を切ったりしないようにしましょう。

ネットワークへの接続

オンラインでアップグレードを行う場合、常に安定したネットワーク環境が求められます。特にWi-Fi接続が不安定な場合は、有線接続に切り替えるなどの工夫をするとスムーズに進みます。

アップグレードの途中でネットが切断されるとファイルの取得に失敗し、再開がうまくいかない場合があります。回線状態には十分注意してください。

「0x80073712」を根本的に回避する工夫

エラーを解消した後は、同じ問題が再発しないように普段からメンテナンスを行うことが大切です。

Windows Updateの定期的チェック

頻繁にアップデートを行っていれば、小さな修正パッチが順次適用されるため、コンポーネントの破損が蓄積するリスクは低減します。特に重要度の高いセキュリティパッチは見逃さないようにしましょう。

システムのバックアップ

万全を期すならば、定期的にシステムのイメージバックアップを取っておくことをおすすめします。万一アップデートに失敗しても、以前の正常な状態に戻すことが可能です。

不要ファイルやアプリの整理

ストレージの空き容量が逼迫すると、アップデートに影響が出やすくなります。普段から使わないファイルやアプリをこまめに整理することで、アップデート作業がスムーズに進むようになります。

まとめと私の体験談

私自身、この「0x80073712」エラーに悩まされ、最初はDISMやSFCでなんとかしようと試行錯誤しました。しかし、何度やってもうまくいかず、最終的にインプレース アップグレードを行ったところ、予想以上にあっさりと問題が解決しました。アップデートのたびにエラーが出ていたのが嘘のように、今ではWindows 11を快適に使い続けています。

エラーが発生すると、どうしても「ファイルが消えてしまわないか」「アプリが使えなくなるのでは」といった不安が頭をよぎるかもしれません。ただ、インプレース アップグレードなら、ほぼ元通りの環境を維持したまま修復が期待できます。

さいごに

「0x80073712」エラーは、裏を返せばWindowsコンポーネントの破損や不整合が起きた結果とも言えます。原因によってはDISMやSFCといったコマンドで修復できることもありますが、もし行き詰まったら、インプレース アップグレードに踏み切ってみるのも賢い手です。時間や手間を最小限に抑えて、再び安定したWindows 11ライフを手に入れられるはずです。

もしエラーが深刻化して何度も繰り返すようなら、ハードウェアの健全性やウイルス感染、さらにはドライバとの相性も見直してみると良いでしょう。特に古いドライバや異なるバージョンのドライバが混在している場合は、意外なところでアップデートエラーにつながる可能性があります。定期的にデバイスマネージャーをチェックしたり、メーカー公式サイトから最新のドライバを入手したりすることで、エラーの再発リスクを下げられます。

また、PCを長く使い続けていると、システムファイル自体が時間とともに断片化したり、残存したエントリが混在したりして、本来の整合性を失いがちです。そうしたときに大きなアップデートがかかると、一気に問題が噴出してしまうことも珍しくありません。だからこそ、こまめなアップデートとクリーンアップが大切なのです。

不具合が起きるとどうしても焦ってしまい、症状を悪化させるような操作をしてしまうこともあるかもしれません。しかし、Windowsは長い歴史の中で多くの修復オプションが備わってきました。DISMにしてもSFCにしても、そしてインプレース アップグレードにしても、元をたどればMicrosoftが公式に用意している手段ですので、まずは落ち着いて公式ドキュメントやサポート情報を確認しながら試してみると良いでしょう。

もし今回のような「0x80073712」だけでなく、ほかのアップデートエラーに悩まされることがあれば、同様にコンポーネント ストアの修復やインプレース アップグレードを検討してみてください。Windows 11に限らず、Windows 10でもよく使われる定石の修復方法です。実際に試してみると、驚くほどすんなりとエラーが消えてしまう場合もあります。

とはいえ、インプレース アップグレードにはそれなりに時間がかかるので、「忙しくてそんなに待っていられない」というときもあるでしょう。そんなときはDISMやSFC、チェックディスクなどの基本的な修復手段を先に実行し、軽度の不具合であればサクッと直せる可能性があります。効率的にトラブルシューティングを進めるためにも、まずは軽い修復手段から試してみる方が良いかもしれません。

また、インプレース アップグレードを行う前には、必ずバックアップを取るなどのリスク回避策は怠らないようにしましょう。万が一の際でもバックアップさえあれば重要なデータは守られます。特に仕事で使うPCであれば、クラウドストレージや外付けHDD、NASなどを活用して定期的にバックアップを行うクセをつけておくと安心です。

さらに、ドライブ自体に物理的な障害がないかも念のため確認しておくと良いでしょう。ハードディスクであれば劣化が進むとセクタ不良が発生したり、SSDでも寿命が近づくと書き込みにエラーが発生しやすくなったりします。日常的にSMART情報をチェックしておけば、ドライブの健康状態を把握しやすいはずです。

このように、Windows 11で発生しがちなアップデートエラーは多岐にわたりますが、「0x80073712」のようにコンポーネント ストアの破損が原因である場合は、早めに気づいて修復してしまうことがポイントです。後回しにしてしまうと他の更新プログラムとの整合性も崩れてしまい、より深刻なトラブルにつながりかねません。積極的に対処して、いつでも最新で快適なWindows 11環境を保ちましょう。

最後に、Microsoft公式のフォーラムやサポートページなどでは、ユーザー同士の解決事例も多数紹介されています。英語が多いのが難点ではありますが、翻訳ツールを使えば何とか理解できる内容も多いです。もし日本語の情報だけではなかなかうまくいかないと感じたら、ぜひ英語の情報にも目を向けてみてください。意外なところでヒントが見つかるかもしれません。

以上のように、Windows 11アップデートエラー「0x80073712」を解消するには、まずはDISMやSFCなどの基本的な修復手段を試し、それでもダメならインプレース アップグレードを行う手段が非常に有効です。私自身も遠回りした挙げ句、インプレース アップグレードであっさりトラブルから解放されました。やや時間はかかるかもしれませんが、結果的にストレスフリーな環境を取り戻せるなら試す価値は大いにあるでしょう。

おわりに

Windows 11を使っている以上、アップデートは常につきもの。エラーが起きるたびに頭を抱えていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいます。早期に原因を突き止め、最適な修復策を選ぶことで、快適なPCライフを続けていきたいものです。今回ご紹介したインプレース アップグレードは、多少の下準備と時間は必要ですが、その分効果は抜群。もし「0x80073712」でお困りなら、ぜひ試してみてください。再び「エラーのない」Windows 11の世界へ戻る手助けになれば幸いです。

一度インプレース アップグレードを経験しておくと、今後他のエラーが出ても「あ、あの方法で直せるかも」と精神的に余裕が持てるようになります。備えあれば憂いなし、ですね。

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