Windowsの自動更新は便利な反面、ときには不要なアップデートまでインストールしようとして悩まされることがあります。私自身も、仕事で使っているソフトと相性の悪い更新プログラムが何度も表示されてうんざりした経験があります。そこで、煩わしい更新を手動で非表示にする方法や、非表示にする際の注意点をご紹介します。これらの知識を身につければ、更新による不具合リスクを減らし、安心してWindowsを使い続けられるはずです。
Windows Updateとは何か
Windows Updateは、マイクロソフトが提供するOSやソフトウェアの更新サービスです。日々発見されるセキュリティ上の脆弱性を修正したり、機能の向上を図ったりする目的でリリースされる更新プログラムを自動または手動でインストールできます。とくにWindows 10以降は、基本的に自動インストールを推奨する設計になっており、ユーザーが意識せずともPCを保護できるようになっています。
Windows Updateがもたらすメリット
Windows Updateで配信される更新プログラムには、システムの安定性や安全性を高めるための重要な修正が含まれています。セキュリティホールが見つかれば、攻撃を受けるリスクを軽減するためのパッチも提供されるので、常に最新の状態を保つのは基本的には望ましい行為です。
更新プログラムが不要に感じる理由
一方で、すべての更新プログラムが自分に必要とは限りません。特にドライバ系の更新や、一部ハードウェアにのみ対応したアップデートなど、自分の環境では不必要な更新が紛れ込むことがあります。また、Windows Updateで配信された最新の更新プログラムが、古めのソフトウェアと相性が悪いケースもあり、作業に支障をきたすリスクがあると敬遠する人もいます。
特定の更新を非表示にする理由と注意点
Windowsは、本来すべての更新プログラムを適用することで最適な状態を保つよう設計されています。しかし、どうしても適用したくない更新がある場合、非表示にして自動インストールの対象から外す方法があります。ここでは、その具体的な理由とあわせて注意点を深掘りしてみます。
セキュリティリスクを理解する
セキュリティ関連のアップデートを誤って非表示にしてしまうと、パソコンが脆弱性を抱えたままになり、ウイルスやマルウェアの攻撃を受けやすくなります。もし非表示にしようとしているアップデートがセキュリティに大きく関わる場合は、慎重に判断しなければいけません。
非表示機能による利便性
一方、非表示機能を上手に活用すれば、明らかに不要なドライバや機能追加プログラムを避け、PCの安定性を維持することができます。とくに、業務で使用している特定アプリケーションや機材が古いバージョンにしか対応していない場合、むやみにアップデートをかけるより非表示にしておいたほうがトラブルが少ないという面もあります。
特定の更新プログラムを非表示にする方法
ここからは、実際にWindows 10を例に、特定の更新プログラムを一覧から取り除く手順を解説します。私自身、この方法で一度不安定化の原因になっていた特定のドライバ更新をブロックし、PCの安定性を取り戻したことがあります。
「更新プログラムの表示または非表示」ツールの使い方
非表示にしたい更新プログラムがある場合には、マイクロソフトが提供している「更新プログラムの表示または非表示 (Show or hide updates)」という専用ツールを使う方法が一般的です。
ダウンロードと実行
マイクロソフトの公式サイトから「wushowhide.diagcab」をダウンロードし、実行します。起動すると、「Show or hide updates」という画面が表示されるので、画面の指示に従いながら操作してください。
対象の更新を非表示にする
ツールが更新プログラムのリストをスキャンして表示するので、その中から非表示にしたいアップデートをチェックするだけです。完了後にWindows Updateを再度確認すると、先ほどチェックした更新がリストから除外され、以後自動インストールの対象から外れます。

私が実際に試したときは、特定のグラフィックドライバ更新が原因で画面が乱れるトラブルを防ぐことができました。ツールの操作自体は画面の指示通りなので、それほど難しくありませんでしたよ。
Windows Updateコンポーネントのリセット手順
非表示の設定を行っても何らかの不具合によりリストが更新されない場合や、Windows Updateが正常に動作していないと感じるときには、Windows Updateコンポーネントのリセットを行うのがおすすめです。このリセットによって、更新キャッシュや構成ファイルが再生成され、問題が解決することがあります。
管理者権限のコマンドプロンプトまたはWindows ターミナルを起動
Windowsのスタートボタンを右クリックし、「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選びます。このステップを踏むことで、システムの主要なサービスを停止・変更するために必要な権限を得ることができます。
サービスの停止
以下のコマンドを順番に入力してEnterキーを押すことで、Windows Updateに関連する主要なサービスを停止させます。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
更新データフォルダのリネーム
Windows Updateでダウンロードされたファイルやキャッシュが格納されるフォルダを別の名前に変更します。これによって不要なキャッシュ情報を実質的にリセットできます。
Ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
Ren C:\Windows\System32\catroot2 Catroot2.old
サービスの再開と再起動
停止したサービスを以下のコマンドで再起動し、最後にパソコンを再起動します。これでリセット作業は完了です。
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
再起動が完了したら、再度Windows Updateの画面を確認し、非表示にした更新がきちんとリストから除外されているかを確かめましょう。
具体的な手順の確認に便利な表
非表示にする際の流れや、コンポーネントリセットの手順をざっくりまとめると、以下のようになります。
作業内容 | 詳細 |
---|---|
手順1 | 「更新プログラムの表示または非表示」ツールをダウンロードし起動 |
手順2 | スキャン結果から非表示にしたい更新を選ぶ |
手順3 | Windows Updateコンポーネントリセット(必要に応じて) |
手順4 | 管理者権限のターミナル(コマンドプロンプト)で関連サービスを停止 |
手順5 | SoftwareDistributionフォルダ等をリネームしキャッシュをクリア |
手順6 | サービスを再度起動し、PCを再起動 |
よくある質問と対策
非表示にしていたはずの更新が再度出てくる
非表示に設定した更新が再度出てきてしまうのは、Windows側の挙動やアップデート内容が変更されたために再度検出されるケースが多いです。そのようなときは、再度「更新プログラムの表示または非表示」ツールを使うか、Windows Updateコンポーネントのリセットを試してみてください。
セキュリティ更新だけは絶対に非表示にしないほうが良い?
絶対というわけではありませんが、セキュリティ更新プログラムを無視してしまうと未知のリスクにさらされる可能性が高まります。業務環境や他のソフトとの相性でどうしても止むを得ず保留したい場合には、そのリスクを十分に理解したうえで、早めのタイミングで導入するよう心掛けましょう。
更新プログラムをアンインストールしたい場合
非表示ではなく、すでにインストールされてしまった更新プログラムを削除したいときは、「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新履歴を表示する」→「更新プログラムをアンインストールする」の順番で操作できます。そこから該当する更新プログラムを右クリックし、アンインストールを実行すると削除が可能です。



私がトラブルに遭遇したときは、「Graphics Driver Update」をアンインストールして非表示に設定したら、問題なく作業を続行できるようになりました。
非表示にする前に準備しておきたいこと
更新プログラムを非表示にして不具合から身を守ることは有用ですが、それでも大切なデータや設定を守るために、いくつか事前準備をしておきましょう。
システムの復元ポイントを作成
Windows Updateの変更や更新プログラムのアンインストールが原因でシステムに何らかのトラブルが起きた場合でも、復元ポイントを作成しておけば比較的容易に以前の状態に戻せます。更新作業や非表示設定を行う前にはこまめに復元ポイントを作る習慣をつけましょう。
重要データのバックアップ
万が一に備えて、重要なファイルや写真、動画、ドキュメントなどはバックアップを取りましょう。外付けHDDやクラウドストレージなど、自分にあった方法でデータ保護をしておくと安心です。
非表示設定後のアップデート戦略
Windows Updateで特定の更新を非表示にしたとしても、完全に放置するのではなく、後々改めて必要性をチェックすることが望ましいです。たとえば、アップデート内容が改良されて不具合が解消された場合、再度インストールすることでシステムを最新の状態に保てます。
定期的な見直し
非表示にした更新が本当に不要であるかどうかは時間が経つと状況が変わることがあります。PC環境や使っているアプリケーションがアップデートされて、不具合の原因がなくなるかもしれません。半年に一度、あるいは四半期に一度くらいのペースで確認すると良いでしょう。
非表示プログラムの確認方法
非表示になっているアップデートを再度確認したい場合は、「更新プログラムの表示または非表示」ツールを再度起動してみてください。非表示にしたアップデート一覧もチェックできるので、必要に応じて表示に戻して更新を適用できます。



以前は非表示にしたドライバも、開発元が不具合修正版を出してくれたおかげで今では問題なく使えるようになりました。定期的な再確認、大事ですよね。
非表示からの復旧
もし非表示にした更新が必要になった場合、ツールから再度表示させるオプションを選ぶことで、通常のWindows Updateプロセスでインストールが可能になります。操作自体は簡単ですが、再度不具合が発生するリスクもあるため、復元ポイントやバックアップを用意してから試すと安全です。
非表示に関するトラブルシューティング
非表示設定自体がうまく反映されなかったり、想定外の動きをするケースもゼロではありません。以下のポイントを押さえておくと、問題解決までの時間を短縮できる可能性があります。
「更新プログラムの表示または非表示」ツールが反応しない
OSのバージョンやアップデート状況によっては、ツールを起動しても更新プログラム一覧が正しく読み込まれない場合があります。そのときは、Windows Updateコンポーネントのリセットを先に実施し、PCを再起動後にツールを試してみると改善する場合が多いです。
大規模アップデート後に再度リストアップされる
Windows 10や11の大型アップデートを適用した後に、以前非表示にしていた更新プログラムがまたリストに上がることがあります。これは内部的にアップデートの管理情報がリセットされるためであり、再度非表示にするか、必要であればインストールするかの判断が必要です。
トラブルが収まらない場合
何度非表示にしても更新プログラムが強制的にインストールされてしまうなど、対処できないトラブルが続くときは、さらに専門的なレジストリ変更やグループポリシーの設定が必要になる場合もあります。ただし、これらの設定変更は手順を誤るとシステムを不安定化させる恐れがあるため、PCに詳しい方や専門業者に相談したほうが良いかもしれません。
まとめ: 不要な更新を非表示にして快適なPCライフを
Windows Updateは基本的には自動化しておくことでPCの安全性を保てる仕組みですが、ときには不要や不具合の原因となる更新プログラムが紛れ込むこともあります。そんなときは、マイクロソフトが用意している「更新プログラムの表示または非表示」ツールを活用し、問題となる更新を手動でブロックすると安定性を確保しやすくなります。
非表示にするとセキュリティリスクが残る可能性もあるため、定期的に状況を見直して、必要であれば再度表示に戻してインストールする作業も検討しましょう。また、万が一のトラブルに備えて復元ポイント作成やバックアップを欠かさないようにしておくと安心です。
皆さんも、PCが急に不安定になったり愛用のソフトが動作しなくなったりしたら、今回ご紹介した方法を試してみてください。必要な更新だけを適用して、快適なWindowsライフを送るお手伝いになれれば幸いです。



私自身、業務上どうしても避けたいドライバがあった時期には本当に助かりました。とはいえ、セキュリティアップデートだけはなるべく最新の状態を保つように心掛けてくださいね。
コメント