起動するたびに「Windows Script Hostエラー」が何度もポップアップで表示されると、作業に集中できず気分まで落ち込んでしまいますよね。私も以前、セキュリティソフトを新しく導入した直後から同じようなエラーに悩まされたことがあり、そのときは原因を見つけるのに苦労しました。今回は、そんな困りごとを解決するための具体的な対処法をご紹介します。
Windows Script Hostエラーとは
Windows Script Hostエラーは、Windows上でスクリプトを実行する際に問題が発生すると表示されるエラーメッセージです。多くは「.vbs」や「.js」などの拡張子を持つスクリプトが原因で起こります。ウイルス対策ソフトや何らかのプログラムのインストール・アンインストールがきっかけで、スタートアップやレジストリに不要なスクリプトの呼び出しが残るケースが多いとされています。
よくある原因
不要なスクリプトを呼び出しているスタートアップ項目が存在する場合や、タスクスケジューラに謎のスクリプトが登録されている場合、さらにはウイルスやマルウェアが残っている場合などが代表的な原因です。私の知り合いも、セキュリティソフトが何かのタイミングで誤検出したファイルを隔離した結果、呼び出し先のスクリプトだけが残り、起動時にエラーを出していたということがありました。
Autorunsの活用
AutorunsはMicrosoft公式の「Sysinternals」ツールに含まれるプログラムで、Windows起動時に実行されるすべてのプロセスやスクリプトを網羅的にチェックできます。これを使えば、どこから不要なスクリプトが呼び出されているかを詳しく特定できるのです。簡単に流れをまとめると、次の手順になります。
Autorunsのダウンロードと起動
1.MicrosoftのSysinternalsサイトからAutorunsをダウンロードします。
2.ZIPファイルを解凍し、「Autorun64.exe」を起動します。
3.上部のFilter欄に「vbs」などのキーワードを入力し、怪しそうなスクリプトを探します。
4.見つかったスクリプトを右クリックし、「Delete」もしくは「Disable」で無効化します。
5.作業後にPCを再起動し、エラーが消えているか確認します。
Autorunsで何も見つからない場合
検索キーワードを変えてみるのも一つの手です。「.vbs」や「.js」など拡張子を変えてみたり、エラーメッセージに含まれる単語を試したりすると、思わぬところに原因が潜んでいるかもしれません。また、Autorunsは「Logon」や「Services」、「Scheduled Tasks」など複数のタブにわかれているので、一通り目を通して確認するのがポイントです。
ウイルスやマルウェアの確認
セキュリティソフトが原因でエラーが出始めたとしても、実際には別のマルウェアが紛れ込んでいるケースも考えられます。複数のウイルス対策ツールを導入するのは推奨されませんが、Windowsに標準搭載されているWindowsセキュリティなどで全体スキャンをかけてみるといいでしょう。
スキャン時のポイント
スキャンを実施する際は、なるべく他の作業を中断してパソコンに余力を与えてあげるのがおすすめです。私が以前フルスキャンをかけたときは、動画編集などの重たい作業を同時進行で行ってしまい、スキャンだけで数時間かかってしまいました。時間に余裕を持って行うのがベストです。
スキャン結果で削除対象が見つかったら
削除したファイルを呼び出すスタートアップ項目やタスクが残っていると、結局はエラーが出続けることがあります。ウイルス対策ソフトがファイルを駆除した後、Autorunsやタスクスケジューラでその呼び出しが残っていないかどうかを改めて確認しましょう。
システムファイルの修復
Windowsのシステムファイルが破損していると、スクリプトエラーとは直接関係なさそうに見えても、結果的に不具合が起こることがあります。WindowsのコマンドプロンプトやPowerShellを管理者として起動し、システムファイルを修復するコマンドを活用するのも一案です。
具体的なコマンド例
sfc /scannow
これはシステムファイルチェッカーを実行するコマンドで、Windowsシステムファイルの整合性をチェックし、破損しているファイルを修復してくれます。
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
こちらは、Windowsイメージに問題がある場合に修復するためのコマンドです。私も実際、予期せぬエラーが頻繁に出ていたときにこのコマンドを試したところ、エラーが消えた経験があります。
私の友人がまさにWindows Script Hostエラーで困っていたときに、Autorunsでそれらしい項目が見つからなかったんですよ。最後の手段としてシステムファイルの修復を試したら、あっさりエラーが治ったということもありました。意外なところに突破口があるものですね。
スタートアップとタスクスケジューラの手動チェック
Autorunsで見つからなかった場合や、不審なプログラムがわからない場合は、手動でスタートアップフォルダやタスクスケジューラをチェックしてみましょう。
スタートアップフォルダの確認
場所
「C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」に、見慣れないショートカットやスクリプトがないか確認してみます。私の場合、一度だけですが、古いアプリのアンインストール後に残ってしまったショートカットを削除したらエラーが消えたことがあります。
タスクスケジューラの確認
Windowsのタスクスケジューラを開いて、「タスク スケジューラ ライブラリ」以下のフォルダに謎のタスクが登録されていないかを見てみましょう。見たことのない名称や作成者が不明なタスクがあれば、念のため内容をチェックし、不要そうなら削除または無効化して様子を見てください。
Autorunsでの確認ポイント一覧
以下の表に、Autorunsで特に重点的にチェックすべきタブや機能をまとめました。検索キーワードだけでは見逃しがちな項目もあるため、参考にしてみてください。
タブ/機能 | 内容 |
---|---|
Logon | ユーザーがログオンした際に自動起動するプログラムやスクリプトを一覧表示 |
Services | Windowsサービスとして登録されているプログラムやスクリプトを確認 |
Scheduled Tasks | Windowsタスクスケジューラに登録されているタスクを一覧化 |
Drivers | ドライバ関連の起動項目をチェック。怪しいドライバがあるときは注意 |
Explorer | エクスプローラー(シェル拡張)などの追加項目が潜んでいる場合もあり |
Autorunsで頻繁に見落とされる点
Autorunsを使っても見落としがちなポイントのひとつに「Filterの設定」があります。「vbs」や「js」などの拡張子を入れても見つからない場合、「script」「host」などの単語を試すとヒットするケースもありました。エラーメッセージに出てきたファイルパスやファイル名をコピーして検索するのが最も確実です。
余分なアドオンやプラグインにも注意
特定のブラウザ関連のスクリプトや、Office系ソフトのアドオンが原因でエラーが出ることもゼロではありません。Autorunsの「Office」タブも念のため確認すると安心です。
以前、Excelのマクロ関連のアドオンが原因でWindows起動時にエラーが起こるという、珍しいパターンに遭遇したことがあります。普通はOfficeを開いたときに影響が出るものなので、まさか起動時とは思いませんでした。
トラブルシュートにおける心構え
パソコンのトラブルを解消する際は、一度に大量の変更を加えず、ひとつずつ試しながら様子を見るのが鉄則です。とりわけAutorunsのようにシステムの深い部分を操作するツールを使う場合、無闇に「Delete」を連発すると後から何が原因だったのかわからなくなる危険もあります。
手順をメモしながら作業する
作業手順や設定変更をメモしておくと、トラブルシュートの途中で行き詰まったときに原因を振り返りやすくなります。修正を加えた部分のスクリーンショットを撮っておくのも有効です。
最終手段:初期化や再インストール
どうしても状況が改善しない場合、Windowsのリセットや再インストールを検討するという選択肢もあります。ただし、初期化する前にバックアップをしっかりと取って、必要なデータを守ることを忘れないようにしてください。
まとめ
Windows 11の起動時に表示される「Windows Script Hostエラー」は、スタートアップやタスクスケジューラに残された不要なスクリプトが原因であることが多いです。解決するためには、まずAutorunsで不要な項目を探し、削除または無効化するのが効果的でしょう。それでも解決しないときは、ウイルス対策やシステムファイルの修復を行うことで根本原因を取り除けるかもしれません。焦らず一つひとつの手順を試しながら、快適なWindowsライフを取り戻してみてください。
私自身、初めてAutorunsを使ったときは「本当にこんなに色々動いているんだ」と驚きました。知らないものやもう使っていないソフトがたくさん残っていて、整理するだけでもパソコンが軽くなったように感じましたよ。ぜひこまめにチェックしてみてくださいね。
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