アップデートが何度挑戦しても途中でエラーを起こしてしまうと、気持ちが落ち込みがちになりますよね。私もある日、深夜に仕事を終えてからパソコンを更新しようとしたところ、再起動の繰り返しに振り回されて一苦労した経験があります。
Windows Updateが失敗する背景
Windows 11(Version 23H2)のアップデート、特にKB5034765やKB5034848などの累積更新プログラムが適用できずにエラーとなり、元に戻ってしまうケースが報告されています。実際、アンチウイルスをオフにしたり、DISMやSFCを試したりしても改善しない場合があるため、状況によっては根気強い原因の切り分けが必要です。私自身、Windows 10からWindows 11へアップグレードした経緯のあるPCで同じ症状を体験し、原因不明のロールバックに何度も頭を悩ませたことがありました。
そもそもなぜ更新プログラムが失敗するのか
アップデートが失敗する原因は多岐にわたります。ネットワークが不安定な場合やアンチウイルスソフトが悪さをしている場合もあれば、Windows本体のコンポーネントが破損している可能性もあります。中には、Windows 10の頃の設定やシステムファイルが残存していることで更新がスムーズに進まないケースもあるため、手当たり次第に対策するよりも、一つひとつの原因を検証しながら対処していくほうが効率的です。
私が遭遇した事例
あるノートPCでKB5034765を適用しようとした際、更新プログラム自体はダウンロードできるのに、再起動すると「何かがうまくいきませんでした」というメッセージの後、元に戻ってしまう状況が続きました。もう一度Windows Updateを実行すると、また同じメッセージが表示されるため、夜中に作業していた私もさすがに疲れ果ててしまった記憶があります。

トラブルに直面すると、つい焦ってしまいますよね。実際、私も最初はアンチウイルスソフトを疑い、その後ネットワーク設定を見直し…と手当たり次第に試しました。しかし本質的な原因にたどり着けず、無駄な時間を費やしてしまいました。
解決策1: App Readinessサービスを有効にする
Windows Updateの失敗に直面した際、意外と多いのがApp Readinessサービスが無効になっているケースです。サービス(services.msc)を開いて、App Readinessが「無効(Disabled)」に設定されていたら「手動(Manual)」か「自動(Automatic)」に切り替えて再度アップデートを実行してみてください。
App Readinessが鍵になる理由
App Readinessは、新規アプリケーションや更新プログラムのインストール時に必要となる準備プロセスを担うサービスです。これが無効だと、アップデートの適用が途中で引っかかる可能性が高まります。
App Readinessを有効化する手順
1. Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
2. services.mscと入力してエンター
3. サービスの一覧からApp Readinessを探す
4. ステータスが「無効」になっていたら右クリックから「プロパティ」を選択
5. スタートアップの種類を手動または自動に変更
6. 適用後、Windows Updateを再試行
解決策2: C:\$WinREAgentフォルダーのリネームまたは削除
Windows 10からWindows 11へアップグレードした際に残っていることが多いこのフォルダーは、アップデートトラブルの原因となることが報告されています。フォルダーのリネームや削除をするだけで、更新が成功したとの声も少なくありません。
問題のフォルダーC:\$WinREAgent
このフォルダーは隠し属性になっていることが多いため、エクスプローラーの設定で「隠しファイルを表示する」を有効にしないと見つけられません。もしアップグレード後に一度もクリーンインストールしていないPCで更新トラブルが起きている場合は、特にチェックしてみるとよいでしょう。
リネームまたは削除の具体的な手順
1. エクスプローラーで「表示」タブから「表示オプション」を選択
2. 「表示」タブで「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」にチェックを入れる
3. Cドライブ直下にある$WinREAgentフォルダーを探す
4. 右クリックで名前変更を選び、「$WinREAgent_rename」などに変更
5. または完全に削除する(自己責任)
6. Windows Updateを再試行
解決策3: コンポーネントストアの修復とIn-place Upgrade
どうしてもアップデートが進まないときは、Windowsのコンポーネントストアを修復する方法を試す価値があります。また、Windows 11のISOファイルを使用した「上書きインストール(In-place Upgrade)」も有効な手段の一つです。
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth と SFC /scannow
破損したシステムファイルを修復するには、次のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellで実行します。
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth SFC /scannow
これにより、ストアの破損やシステムファイルの欠損を自動的に修復します。完了後、再度アップデートを試してみてください。
In-place Upgradeの手順
1. Microsoftの公式サイトからWindows 11のISOをダウンロード
2. ISOファイルをマウントし、セットアップを起動
3. 「個人用ファイルを引き継ぐ」オプションを選択
4. 画面の指示に従い上書きインストールを進める
5. インストール完了後にWindows Updateを実行
解決策4: それでも直らない場合の最終手段
App Readinessの有効化や$WinREAgentフォルダーのリネーム、コンポーネントストアの修復などを試しても状況が改善しない場合は、最終手段としてクリーンインストールや修復インストールを実施する方法が考えられます。
クリーンインストールのポイント
クリーンインストールを行うと、システムを初期化する形になるため、アップデート障害の原因を大幅に取り除くことが期待できます。ただし、ユーザーデータやアプリケーションは再インストールになるため、時間と手間がかかります。
バックアップの重要性
クリーンインストール前には、必ず大切なデータを外付けドライブやクラウドストレージにコピーしておきましょう。初期化後は復旧できない場合もあります。
アップデート成功のために押さえておきたい追加ポイント
アップデートトラブルに対処する際、以下のような周辺対策や確認事項を意識しておくと、不具合の早期解決につながります。
アンチウイルスや常駐ソフトのチェック
実行中のアンチウイルスや常駐アプリケーションがアップデートプロセスを妨害しているケースがあります。一時的に無効化した状態でインストールを試みると、成功率が上がることも珍しくありません。
ネットワーク環境の安定化
インターネットが不安定な状態だと、更新ファイルのダウンロードに失敗することがあります。LANケーブルで有線接続を行うか、ルーターや回線を見直すだけでうまくいくこともあるため、一度確認するのがおすすめです。



私の場合、自宅のWi-Fiが不安定だったせいでダウンロードが壊れていたようでした。有線に変えたら驚くほどすんなりアップデートが完了しました。
アプリやドライバの互換性に注意
古いアプリやドライバの互換性が原因でアップデートが拒否される場合も考えられます。特に一部のVPNソフトや仮想化ソフトなどは、Windows Updateと相性が悪いことがあるため、最新バージョンへのアップデートやアンインストールを検討してみてください。
アップデート手順の比較表
以下にWindows Updateに挑戦する際の手順や重要度をまとめました。どの方法を試すべきか優先度を考えるときの参考にしてみてください。
手順 | 難易度 | 効果 | 備考 |
---|---|---|---|
App Readinessの有効化 | 低 | 中 | サービスを有効にするだけ |
C:\$WinREAgentのリネーム/削除 | 中 | 高 | 隠しファイル表示が必要 |
DISM/SFCによる修復 | 中 | 高 | コマンド操作があるが効果は大 |
In-place Upgrade | 中~高 | 高 | ISOマウントで上書きインストール |
クリーンインストール | 高 | 最高 | 最終手段。事前のバックアップ必須 |
アップデートに成功した後の注意点
無事アップデートが完了しても、しばらくは動作に問題がないか様子を見ましょう。ドライバやアプリが最新版で動作しているかを確認し、次回以降のWindows Updateで再び同じトラブルが起こらないよう、こまめなシステムメンテナンスを心掛けることが大切です。
定期的なバックアップとメンテナンス
思わぬトラブルが起きたときに備えて、定期的にシステムやデータをバックアップする習慣をつけると安心です。特に仕事や学業で使う重要書類は、外付けHDDやクラウドなど複数の場所に保管しておくとトラブル発生時のダメージを最小限に抑えられます。
ドライバやファームウェアの更新
デバイスメーカーが提供する公式サイトなどで最新のドライバやBIOSをチェックし、常に最新に保つようにしましょう。これにより、システム全体の安定性が高まります。
よくあるトラブルQ&A
Q. 更新プログラムが途中で止まってしまい、進捗が0%のままです
A. ネットワークが不安定だったり、ダウンロードの一時ファイルが破損している可能性があります。ネット接続を安定した回線に切り替えるか、DISMコマンドでストアを修復してみてください。
Q. インストールが成功したように見えたのに、再起動後に元に戻されます
A. まさに今回のトラブルの代表的な症状です。App Readinessサービスの有効化や$WinREAgentフォルダーのリネームを試すと解決する場合が多いので、ぜひご確認ください。
Q. アンチウイルスソフトをオフにしてもダメです
A. 一部のアンチウイルスソフトは、単に「オフ」にするだけでは内部的なドライバが残っていることがあります。その場合、完全アンインストールを検討するか、Windowsのクリーンブート(最小限のサービスだけで起動)を行ってからアップデートを再実行してみましょう。



私は以前、サードパーティのセキュリティ対策ソフトが影響してUpdateが通らないというケースに直面しました。オフにしてもプロセスが残っていたのが原因で、最終的には完全アンインストールで解決できました。
まとめ
Windows 11での更新プログラム(KB5034765やKB5034848など)がインストールできない問題は、一見すると原因が分かりづらく非常に厄介ですが、App Readinessサービスの見直しや$WinREAgentフォルダーの扱い、あるいはDISMによる修復を行うことで解決するケースがほとんどです。それでもうまくいかない場合には、In-place Upgradeやクリーンインストールなど、より大きな手段を検討せざるを得ないかもしれません。
トラブルの根本原因を理解しながら対処することで、大切な時間を無駄にせずに済むだけでなく、システムへのダメージも最小限に抑えることができます。ぜひ、この記事を参考に皆さんの環境で一日でも早く円滑にアップデートが完了することを願っています。



私自身、長い間ロールバック地獄に苦しんだ末に$WinREAgentフォルダーをリネームし、App Readinessサービスを有効にしたところ、嘘のようにスムーズに更新が完了しました。地味な作業でしたが、振り返ればこの経験が新たな知識を得るきっかけにもなりました。
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