Windows 11(バージョン23H2)でXbox Game Barがバックグラウンド実行できない問題と対処法

Windows 11(23H2)で「Xbox Game Bar」を使おうとしたら、パーティチャットの音声が途切れてしまったり、バックグラウンドでの実行が無効になっていて困った経験はありませんか?こんなときの対処法を、体験談を交えながら丁寧に解説します。

問題の概要

Windows 11のバージョン23H2を使用していると、Xbox Game Barのパーティチャット機能をバックグラウンドで継続して実行できず、エラーが出てしまうケースが報告されています。具体的には、パーティチャットを開始あるいは参加しようとすると、「バックグラウンドでの実行が無効」というメッセージが表示され、音声が途切れてしまうのです。

この現象は「バックグラウンドアプリの許可」に相当する設定項目が見つからない、または一時的に設定しても再起動すると元に戻ってしまうなどの問題として表面化します。筆者が実際に体験した事例では、ゲーム画面に戻った瞬間にパーティチャットの音がまったく聞こえなくなり、再度Xbox Game Bar画面を開かないと会話に復帰できない状態が続きました。

発生の主な原因

Windows 11のUI変更と設定項目の移行

以前のWindows 10や初期のWindows 11では「バックグラウンドアプリの許可」として分かりやすい項目が存在していました。しかし、Windows 11の更新にともないUIや内部設定項目が変更されており、従来の設定メニューでは同等のオプションを見つけにくくなったのが一因と考えられます。

レジストリやポリシー設定の反映不具合

Windows 11 Home版ではグループポリシーエディタ(gpedit.msc)が使えません。そのため、レジストリによる設定変更が必要なケースがあります。また、Pro以上のエディションでも、意図しないグループポリシーやレジストリの値が設定されているとバックグラウンド実行がブロックされる場合があります。

バックグラウンド実行が無効のままだと、せっかくのパーティチャット機能が台無しになってしまいます。ゲーム仲間とのコミュニケーションに支障が出るため、モチベーションが下がる大きな要因になります。

一時的な対処法

パーティチャット画面をピン留めする

ゲーム画面上にパーティチャットをピン留めすることで、バックグラウンドに回らないようにする方法があります。筆者も最初はこの方法で乗り切っていましたが、画面の一部が常にチャットウィンドウに占有されるため、プレイ中の視認性がやや下がります。

Xbox Game Barの設定リセット

システム設定からアプリの詳細オプションを開き、Xbox Game Barをリセットすると、一時的にパーティチャットが正常に動作する場合があります。ただし、再起動や時間経過などで再び設定が消えてしまうことも多いです。筆者も何度か試しましたが、根本解決には至りませんでした。

根本的な修正方法

ここからは、問題の原因を取り除いて「再発を防ぐ」ための修正策を解説します。少し手間はかかりますが、長期的にみれば安定してバックグラウンド実行ができるようになる可能性が高いです。

システムファイルのチェックと修復

Windowsのシステムファイルが破損していると、予期せぬ設定ミスや不具合が起こる場合があります。そこで、以下のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプト(またはWindows PowerShell)で順番に実行してみてください。

Dism /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
Dism /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
SFC /SCANNOW

コマンドの実行後にPCを再起動し、問題が改善されているか確認します。もし破損ファイルが修復され、Xbox Game Barの設定が復旧していればラッキーです。

筆者自身もDismコマンドとSFCスキャンを頻繁に使っています。ある時、ゲーム用のPCが突然クラッシュして起動するたびに設定がリセットされてしまったことがありましたが、これらのコマンドを実行することで不具合が解消された経験があります。

Windowsのエディション確認

Windows 11にはHome版、Pro版、Enterprise版などいくつかエディションがあります。バックグラウンドアプリの許可設定をいじるうえで、Pro以上ではグループポリシーエディタが標準で使えますが、Home版では利用できません。

Homeエディションの場合

レジストリを用いた修正

Home版で最も一般的な方法は、レジストリを直接編集することです。誤った編集を行うとシステムに重大な影響が出る場合があるため、必ずバックアップを取ってから行ってください。大まかな手順は以下のとおりです。

1. Windowsキー + Rを押して「regedit」と入力し、レジストリエディタを起動する
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\BackgroundAccessApplications に移動する
3. GlobalUserDisabledというDWORD値があれば、値のデータを0に変更する
4. LetAppsRunInBackgroundやForceAllowなどのキーを追加・変更し、必要に応じて値を0や2に設定する
5. PCを再起動した後、Xbox Game Barのバックグラウンド実行が有効になっているか確認する

実際に試してみると、パーティチャットがバックグラウンドでも途切れなく動作するようになったという報告がいくつか見られます。

外部ツール「WinToys」を使った方法

Microsoft Storeで配布されている「WinToys」というアプリを使うと、バックグラウンドアプリのオン/オフを簡単に切り替えられます。インターフェースも分かりやすく、筆者が実験的に使ったときにはXbox Game Barが安定してバックグラウンド実行できるようになりました。

Pro以上のエディションの場合

グループポリシーエディタを活用

Windows 11 Pro以上であれば、グループポリシーエディタ(gpedit.msc)を使って同様の設定がより安全に行えます。以下が手順の例です。

1. Windowsキー + Rを押し、「gpedit.msc」と入力してEnter
2. コンピューターの構成 → 管理用テンプレート → Windowsコンポーネント → アプリのプライバシー に進む
3. Windowsアプリをバックグラウンドで実行できるようにする をダブルクリック
4. 「有効」に設定したうえで、オプションに応じて「常に許可(ForceAllow)」や「ユーザーがコントロールできる」などを選択
5. 必要に応じてXbox関連のPackage Family Nameを指定してバックグラウンド実行を強制許可する設定を加える
6. PCを再起動して反映させる

この手順で設定項目が見当たらない場合やポリシーが反映されない場合は、上記のシステムファイルチェックを再度試みるか、レジストリの状態を確認してみるとよいでしょう。

グループポリシーエディタを使えば、わざわざレジストリを直接編集する必要がないので、安全かつ簡単に設定変更できるのが大きなメリットです。

エディション別の主な対策一覧

以下の表に、Windows 11のエディション別の対策例をまとめてみました。参考にしてみてください。

エディションバックグラウンド実行の許可方法メリットデメリット
Homeレジストリ編集 / WinToysなどの外部ツール実行すれば細かい設定も可能レジストリの扱いにリスクがある
Pro / Enterpriseグループポリシーエディタ(gpedit.msc)UIから安全に設定できる設定項目を見つけるのにやや慣れが必要

筆者の体験談と追加のアドバイス

筆者はWindows 11 HomeとProの2種類の環境を使い分けています。Home環境ではレジストリ編集を行い、一時的にはうまくいっていましたが、やはり更新プログラムの適用後に設定が初期化されてしまい、そのたびに再編集した時期があります。

Pro版ではグループポリシーエディタから直接設定を変えたところ、安定してバックグラウンド実行が継続するようになりました。もし長期的な運用を考えるのであれば、Pro版やEnterprise版にアップグレードするのも一つの選択肢かもしれません。

エディションのアップグレードには追加費用がかかることがあります。また、環境によってはデバイス全体をリカバリしてからアップグレードするケースもあるため、注意が必要です。

まとめと今後の展望

現時点での有効な対策

パーティチャットのピン留めやアプリリセット

急ぎでゲーム仲間とボイスチャットしたい場合は、最も手軽なのがピン留めです。画面の隅で多少邪魔にはなりますが、バックグラウンド実行が無効でも会話が途切れなくなります。また、アプリの詳細オプションからリセットを行う方法も簡単なワークアラウンドとして有効です。

レジストリ編集 / グループポリシーでの恒久対策

恒久的に問題を解消したいなら、Windows Homeエディションの場合はレジストリ編集、Pro以上の場合はグループポリシーエディタの設定が安定した解決策です。ただし、Homeエディションでレジストリ編集を行う場合は、予期せぬリスクを伴うため注意を要します。

今後のアップデートでの修正に期待

Windowsは定期的に機能更新が行われています。以前は存在していたバックグラウンドアプリの許可設定が、今後のアップデートで再び分かりやすい形に復活する可能性もあるかもしれません。公式フォーラムや最新のリリースノートをチェックしておくと、修正パッチの情報を早めに得ることができるでしょう。

筆者はゲーマー仲間の多いコミュニティで情報交換をしていますが、ここ数年でWindowsのUIや設定項目が大きく変わることも珍しくありません。アップデートのタイミングでまた対処法が変わる可能性もあるので、定期的にチェックしてみてください。

総合的なおすすめと注意点

この記事では、Xbox Game Barをバックグラウンドで実行できず、パーティチャットに支障をきたしている問題について詳しく解説しました。Home版かPro版かによって対処法が異なりますが、どちらも確実な解決には多少の手間がかかるのが現状です。

しかしながら、パーティチャットをスムーズに行うためには対策が必要不可欠です。余裕があれば、Pro版へのアップグレードやレジストリ編集、あるいは外部ツールを導入して設定を整えると、オンラインゲームの楽しさが格段に向上します。

友人との協力プレイやオンラインイベントなど、ボイスチャットが前提のゲームがますます増えています。バックグラウンドでも安定して会話ができる環境は非常に大切です。

トラブルが解決せずどうしても上手くいかない場合は、XboxサポートやMicrosoftコミュニティフォーラムに問い合わせて、最新の情報や修正プログラムの提供を待つことも一案です。自分の環境に合った最適な手段を見つけて、快適なゲームライフを満喫しましょう。

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