ここ最近、Windows 11を24H2へアップデートした多くのパソコンで、起動時の遅さやアプリの反応が悪くなるといった困りごとが相次いでいるようです。軽快に動いていたはずのPCが、まるで別物のように重たくなってしまい、作業や趣味に支障が出てしまうとショックを受ける方もいるでしょう。本記事では、具体的にどのようなトラブルが起きやすいのか、そして原因と対処方法をわかりやすくまとめました。実際に私自身がトラブルに直面して試行錯誤した経験を交えながら、できるかぎり丁寧に解説いたします。どうか最後までお読みいただき、トラブル解決の一助になれば幸いです。
Windows 11 24H2アップデート後に起こる主な症状
起動や再起動に時間がかかる
PCを立ち上げてからデスクトップが表示され、すべての機能が使えるまでに数分かかってしまうケースが報告されています。特に、再起動をすると通常よりも待ち時間が長く、起動してもしばらくは応答がなかったり、タスクバーが固まったままになったりする場合もあるようです。
アプリの動作が全体的に重い
ブラウザやメールソフト、オフィス系のアプリなど、普段は軽快に使えていたソフトまでが重たく感じられるとの声があります。例えばWebページの読み込みが遅くなったり、WordやExcelの動作にカクつきが生じたりといった症状が顕著です。
ディスク使用率が極端に上がる
一部のユーザーでは起動直後にディスク使用率がほぼ100%張り付きの状態になると報告されています。タスクマネージャーを開いても、特別にCPUやメモリ消費が高いプロセスが見当たらないのに、やたらとハードディスクランプが光りっぱなしで動作が遅くなるのは厄介です。
BitLockerやWindows Defenderが勝手に有効化される
OSのアップデートによって、以前は使っていなかったBitLocker(ディスク暗号化)が自動でオンになるケースもあるようです。さらに、Windows Defenderが標準セキュリティとして強制的にオンになり、サードパーティ製のセキュリティソフトやVPNが競合してしまうという現象も起こりやすいとされています。
極端な読み込み遅延が生じる
一部の人々は、アプリを起動しても読み込み完了までに数分かかるという深刻な遅延に悩まされるケースもあるようです。特定のソフトだけが遅いのではなく、システム全体が重たくなった感覚があるため、原因の切り分けが難しいのも問題のひとつでしょう。
原因の考察
アップデート直後の背景タスク
Windows 11 24H2に大型アップデートした直後は、インデックスの再構築やWindows Update関連の作業がバックグラウンドで走り続ける場合がよくあります。特に検索機能のインデックス処理やストアアプリの再インストールが並行して実行されることで、しばらくのあいだPCが高負荷になることもあるようです。
ドライバーの不整合や更新不足
GPUやチップセット、ストレージコントローラなど、PCの動作に深くかかわる重要なドライバーが最新バージョンへうまく追従できないことがあります。私自身も、グラフィックスドライバーが古いまま放置されていたせいで、更新直後は画面が真っ暗のまま立ち上がらなかった経験がありました。アップデート後は念入りに各社の公式サイトを確認するのが賢明かもしれません。
セキュリティソフトとの競合
Windows Defenderが自動的に有効化されることで、既にインストール済みのセキュリティソフトと同時稼働してしまう状態が起きる場合があります。セキュリティソフト同士が競合すると、ウイルススキャンなどが二重で動くなどの不具合が生じ、結果としてパフォーマンス低下を招くわけです。
システムファイルの破損や整合性のトラブル
アップデート中にエラーが起きると、OSの重要ファイルが破損したまま進んでしまうことがあるようです。こうした場合、特定のファイルやレジストリの不具合が全体のパフォーマンスを下げている可能性があります。表向きは正常に見えても、内部ではファイルがうまく読み込まれていないことも考えられます。
BitLockerの自動有効化による負荷
Proエディションなどを使っていると、アップデート後にBitLockerが勝手にオンになり、ディスク暗号化が進行中だというケースがあります。特にHDDを使用している環境では、フルディスク暗号化のプロセスが膨大な負荷をかけ、通常の作業に支障をきたすことがあるようです。
ドメイン環境やユーザープロファイルの問題
ドメインに参加しているPCの場合、アップデートによるプロファイル再構築が発生し、ログイン時にいつも以上の時間がかかることがあるとの報告があります。ローカルアカウントでも、何かしらの設定ファイルがアップデートに対応できず、動作遅延を生む場合があるようです。
OS自体のバグや相性
多くのユーザーが同時期に同様の問題を訴えている事実から見ても、24H2アップデート自体に性能面での最適化不足やバグが含まれていると推測されています。その後の小規模な修正アップデートでいくらか改善したという報告もあり、今後の追加パッチがますます重要と言えるでしょう。
対策・解決策
ドライバーを確実に更新する
最初に必ず行いたいのが、各メーカー公式サイトやWindows Updateの「オプションの更新プログラム」に掲載されているドライバーをすべて最新にすることです。特に、GPUやチップセット、ストレージコントローラといった基幹ドライバーは最新状態であることが望ましいです。私も以前、GPUドライバーを更新しただけで画面のちらつきや無反応が改善された経験がありました。
セキュリティソフトの重複を解消する
Windows Defenderと他のウイルス対策ソフトが同時に動いていないか確認しましょう。両方のリアルタイム保護が有効になっていると、ファイルアクセスのたびに二重スキャンされる可能性が高いです。状況によっては、一時的にどちらかを無効化して動作を比較してみると良いでしょう。
システムファイルの整合性をチェックする
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のように入力します。
“`
sfc /scannow
dism /online /cleanup-image /restorehealth
“`
これでシステムファイルやWindowsイメージの破損が検出・修復される場合があります。特にエラーが表示されなくても、何かしら不具合が直った事例もあるので試して損はないはずです。
検索インデックスの再構築・無効化を検討する
Windowsの検索機能が裏でインデックスを作成している最中はディスクやCPU負荷が高まることがあります。しばらく待って落ち着くなら問題ありませんが、いつまでたっても終わらない場合は以下を試してみてください。
インデックスの再構築
1. コントロールパネルを開く
2. インデックスのオプションを選択
3. 詳細設定をクリックし、再構築を実行
これでインデックスが一度クリアされ、再度作り直されます。長い時間がかかることもありますが、うまく進めば動作が安定するケースもあります。
Windows Searchサービスを無効化
一時的に検索サービスを停止することで、負荷の増大を回避できることがあります。ただし、検索機能が大幅に制限されるので注意しましょう。普段からスタートメニューの検索を多用しているなら、慎重に判断する必要があります。
BitLockerの設定を見直す
BitLockerが勝手に有効になっていた場合は、必要性を考慮してオフにするか、そのまま暗号化を完了させるか検討しましょう。企業や組織のポリシーで暗号化が必須になっている場合もあるため、個人利用とビジネス利用とで判断が分かれるところです。
高速スタートアップのオン・オフを切り替える
1. Windowsキー + Rを押して、control と入力してコントロールパネルを起動
2. 電源オプションを選択し、「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
3. 「現在利用可能ではない設定を変更します」を押してから「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す、あるいは入れ直す
この機能が逆に不具合を引き起こす事例もあるため、一度オン・オフ双方を試してみるといいでしょう。
前のバージョンにロールバックまたはクリーンインストール
アップデート後10日以内なら、システムの回復オプションから前のバージョンに戻すが可能な場合もあります。あまりにも不安定で手がつけられないなら、ロールバックを試すのも手です。しかし10日を過ぎてしまったり、ロールバックに失敗した場合はクリーンインストールが必要かもしれません。時間と手間はかかりますが、最終的にはこれが一番確実という声も少なくありません。
新しいユーザープロファイルの作成
どうしても特定のユーザーアカウントでのみ問題が起きる場合は、新しくローカルアカウントを作成して状況を確認してみてください。意外にも、新規アカウントに切り替えただけで重さが緩和されるケースがあります。ただし、アプリやデータの移行が手間になりがちなので、メリットとの兼ね合いをよく考えて行いましょう。
最新パッチやオプションの更新プログラムを継続的に確認する
マイクロソフトからは、その後の小規模な修正パッチが続々と配信されています。実際に、最新アップデートを適用したら急に動作が軽くなったというユーザーの声もありました。必ずWindows Updateの設定画面をこまめに確認し、オプションの更新も含めて適用するのがおすすめです。
原因と対処法の対応表
以下の表に、主な原因と推奨される対策をまとめてみました。ご参考になさってください。
原因 | 推奨対策 |
---|---|
アップデート後の背景タスク | しばらく時間を置く、インデックス再構築状況を確認、必要なら検索サービスを一時停止 |
ドライバーの不整合 | 各メーカー公式サイトなどから最新ドライバーを導入 |
セキュリティソフトの競合 | Windows Defenderとサードパーティ製の同時稼働を解消 |
システムファイル破損 | SFCやDISMコマンドで修復 |
BitLockerの自動有効化 | 必要なければオフ、企業PCならポリシーを確認 |
ユーザープロファイル問題 | 新規アカウントを作成し、症状を比較 |
OSのバグや相性 | 最新パッチの適用、場合によってはロールバックやクリーンインストール |
実際に試してみた体験談
アップデート後の朝が地獄に…
私のPCもWindows 11の24H2アップデートを適用した直後、起動から作業が始められるまでに5分以上かかってしまいました。メールをチェックしようとしてもマウスカーソルがぐるぐる回りっぱなしで、待っているだけで一日が終わりそうな感覚です。焦ってタスクマネージャーを開いてもディスクが常に100%になっているわけでもなく、原因の特定にかなり苦労しました。
原因はセキュリティソフトの競合だった
結果として、もともと導入していたセキュリティソフトとWindows Defenderが同時にリアルタイムスキャンを行っていたのが大きな原因でした。一度サードパーティソフトをアンインストールし、Windows Defenderだけに絞ったら驚くほど軽くなってホッとした記憶があります。あまりにも挙動が変わったので、その後はドライバーやバックグラウンドサービスにも目を光らせるようになりました。
ポイントをまとめて振り返る
ドライバー更新を後回しにしない
ユーザーの声を聞くかぎり、最新ドライバーを導入していないPCほど不安定になりやすいように思えます。GPUやチップセット関連はとりあえずチェックしておくだけでも、予期せぬ不具合を減らせるでしょう。
Windows Defenderとサードパーティの併用には注意
リアルタイム保護の設定が重複していると、ファイルへのアクセス時に二重・三重のスキャンが走る可能性があります。私も痛感しましたが、最初のトラブルシューティングでは見逃しがちな点です。
BitLockerは勝手にオンになることもある
アップデート時に自動で暗号化がスタートしてしまう例が意外と多く報告されています。暗号化中はディスク全体の読み書きが激増し、パフォーマンスが落ちても不思議ではありません。特に個人用PCでBitLockerを必要としない場合は、状況に応じてオフにすることも視野に入れてみてください。

私が初めてBitLockerの存在を知ったのは、アップデート後のPCが異常に重くなって調べたときでした。勝手に有効になっているなんて想定外でしたね。オフにしたらすぐに負荷が下がって快適さを取り戻せました。
良い点と悪い点を整理
Windows 11 24H2が持つ良い点
Windows 11 24H2アップデート後の悪い点
まとめと今後の見通し
トラブル対策のまとめ
上記でご紹介した対策をざっとまとめると、以下のように考えるのがよさそうです。
1. ドライバーを最新にする
特にグラフィックスやチップセットなど重要度の高いドライバーは早期に更新する。
2. セキュリティソフトの競合をチェック
Windows Defenderと他社製ソフトが同時稼働しないように確認する。
3. システムファイルの破損を修復
SFCやDISMコマンドでエラーの有無をチェックして整合性を保つ。
4. BitLockerや検索インデックス設定を見直す
不要なら無効化、特に暗号化作業やインデックス再構築が長時間走っていないか。
5. ロールバックやクリーンインストールも視野に
トラブルが解消しない場合は旧バージョンに戻すか、時間をかけてクリーンインストールで安定化を図る。
今後のアップデートにも期待
マイクロソフト側でもユーザーからのフィードバックを収集し、24H2の不具合を修正する更新プログラムを段階的に配信しているようです。実際に更新プログラムを適用した途端、劇的にパフォーマンスが改善したという報告があるのは心強い材料でしょう。24H2が安定するまでは、Windows Updateの「オプションの更新プログラム」もこまめにチェックし、一度に大量の変更をかけないようにするのが無難かもしれません。
最終的なアドバイス
特にお仕事でPCを頻繁に使う方は、できるかぎり安定した状態を保ちたいところです。まだアップデート猶予のある方は、周囲の状況や評判を見極めてから24H2を導入するのも一つの手です。また、どうしてもアップデート後の遅延がつらい場合は、ロールバックやクリーンインストールなど思い切った行動も必要になるかもしれません。その際は大切なデータを必ずバックアップしておくよう注意してください。



私自身も、最初はアップデート直後の不具合を恨みたくなるほどでしたが、原因を突き止めて対策を進めるうちに、今では安定した24H2環境で毎日を過ごせています。焦らず、ひとつひとつ原因を潰していくことが大事だなと改めて思いました。
結び
Windows 11の24H2アップデートは、新機能やセキュリティ面の強化など多くの利点がある一方、動作遅延やパフォーマンス低下といった不具合が生じやすい側面もあるようです。本記事で紹介した対策や検証手順を参考にしながら、あなたの環境に合わせた最適な方法を見つけてみてください。今後の修正パッチによる改善にも期待しつつ、もしどうしても解決が難しい場合は以前のバージョンへ戻すことやクリーンインストールを検討してみるのも選択肢の一つです。ひとたび安定するようになれば、新機能の恩恵を大いに受けられるはずですので、どうぞトラブルを乗り越えた先の快適なPC生活を取り戻してください。
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