パソコンを使い始めた頃は、ちょっとした不具合に遭遇すると「どうしたらいいんだろう…」と途方に暮れるものです。私も以前、Windowsのアップデート後にパソコンが起動しなくなり、大事なデータをなくしかけて焦った経験があります。そんな体験があるからこそ、今回のKB5035853に関連する不具合も、なるべく分かりやすくまとめてみたいと思いました。もし同じようなトラブルで頭を抱えている方がいたら、この記事が少しでも助けになればうれしいです。
KB5035853アップデートとは
Windows 11の累積アップデートの1つとして配布されているものがKB5035853です。日常的にパソコンを使っていて、自動的にアップデートがかかった際にインストールされる場合や、手動でWindows Updateからダウンロードする場合もあるかと思います。多くの方はアップデート後も何事もなく正常に利用できるようですが、特定の環境や設定によってはトラブルが起こるケースもあります。
KB5035853で報告されている主な不具合
KB5035853を導入した後、一部のユーザーからは以下のような症状が報告されています。
ディスプレイの電源がオフにならない
本来は設定で、一定時間アイドル状態が続くと画面の電源が切れたりスリープに入ったりするはずですが、KB5035853のインストール後にこれが機能しなくなることがあります。外出して帰ってきたら画面がつきっぱなしだった、というケースですね。
電源LEDとドライブLEDが点灯しない
パソコン本体の起動直後にはチラリと光るのに、その後はLEDがまったく点かないままになることがあるようです。ケースファンは回っているし、モニターも映るのになぜかLED表示だけ機能しない。その原因がアップデートにあるのではないかと疑われています。

私もかつてデスクトップPCのLEDが全く光らなくなって、単なる配線トラブルかと思ったのですが、OSの設定やマザーボードのUEFI設定が影響していたことがあります。そのときは原因が分かるまでけっこう時間がかかりましたね。
KB5035853インストール後に試した対策
先に挙げた不具合が発生した場合、どのように対応すればよいのか。実際に行われた対策を紹介します。
Windows回復環境からアップデートのアンインストール
KB5035853に限らず、Windowsアップデートによる不具合が起こった際によく試されるのが回復環境からのアンインストール操作です。具体的には、回復環境に入り「最新の累積アップデートのアンインストール」もしくは「最新のフィーチャーアップデートのアンインストール」を選んでトラブルの原因となっている更新プログラムを削除しようとします。しかし今回の事例では、KB5035853自体がアンインストールの候補に出てこないなどの理由でうまく削除できず、結果としてアップデートを戻せないままという状況がありました。
Windows 11のリセット
問題を解消するためにWindowsを初期状態に戻してみるという方法も考えられます。ただしリセットを実行すると、個人用ファイルは残すか消すかの選択ができますが、いずれにしてもアプリケーションは再インストールが必要になる場合があります。設定やアプリの再構築が手間になる上、時にはシステムがうまくリセットされず不安定になってしまうこともあります。
クリーンインストール(Windows 11を新規に再インストール)
今回のケースで最も有効だったのが、Windowsをクリーンインストールすることでした。一度すべてを削除してOSをまっさらな状態に戻したあと、同じKB5035853を再度適用しても、以前のような不具合は再現しなかったといいます。クリーンインストールはやや大掛かりな作業ですが、システム内部の設定やドライバの混在といった複雑な問題を解消するには最も確実な方法といえるでしょう。
クリーンインストール時の注意点
クリーンインストールをするには、以下のような注意事項があります。
バックアップの徹底
ドキュメントや写真、音楽などの個人データを外付けHDDやクラウドに保管しましょう。インストールしているソフトのライセンスキーや設定情報なども事前に控えておくとスムーズです。
OSメディアの準備
Windows 11のインストールメディアをMicrosoftの公式サイトからダウンロードするか、USBメモリなどに作成しておきましょう。プロダクトキーが必要な場合は忘れずに用意しておきます。
デバイスドライバの準備
特殊なハードウェアを使っている場合は、事前にドライバを用意しておくとトラブルを減らせます。インターネット経由でドライバを取得するつもりでも、ネットワークアダプタのドライバが先に必要となるケースがあるので要注意です。



私もクリーンインストールをした経験がありますが、データのバックアップとライセンス関係をしっかり整理しておくと意外とスムーズに進みました。OSのインストールそのものは手順に沿えばそれほど難しくありませんが、やはり初めは緊張しますよね。
ハードウェアの設定を確認する
電源LEDやドライブLEDの問題に関しては、OSだけでなくマザーボードのUEFI設定やケース側の配線が影響している可能性もあります。アップデートがきっかけでその症状が発生するということは珍しいですが、まれにWindowsがハードウェア制御と競合してLED点灯を制御できなくなるケースも考えられます。一度UEFI/BIOSを開いてみて、LED関連の項目を確認してみると案外解決するかもしれません。
UEFIでのLED設定項目
マザーボードのメーカーやモデルによって異なりますが、UEFIのAdvanced項目や電源管理関連のメニューの中にLEDのオンオフを設定する項目がある場合があります。特にゲーミングマザーボードなどはLED制御が豊富で、RGBライティングやオンボードLEDの点灯ルールを細かく設定できるため、知らないうちに設定が変わっている可能性もあります。
KB5035853以外にも起こりうるトラブル
実は、KB5035853に限らず、Windows 11やその他のWindows Update後に類似の不具合が起こるケースがあります。必ずしもアップデート自体の不具合ではなく、既存のドライバとの相性やカスタム設定の影響など、複合的な要因が絡んで発生することが多いのです。
よくあるトラブル事例
音声デバイスが認識されなくなる
音が出なくなる、マイクが使えなくなるなどの症状がアップデート後に突然起きることがあります。これはサウンドドライバの互換性問題が多いです。オーディオドライバを公式サイトから再インストールする、または古いバージョンに戻すことで改善する例がしばしば報告されています。
ネットワーク接続が不安定になる
Wi-Fiが頻繁に切れる、LAN経由での通信速度が極端に遅くなるなどの問題です。ネットワークドライバやファイアウォール設定が更新後に初期化されることが原因になる場合があります。
対策のポイント
ドライバアップデートの確認
Windows Update以外でも、各デバイスメーカーが新しいドライバを公開していることがあります。公式サイトやデバイスマネージャーで最新バージョンのドライバを確認しましょう。
システムファイルの修復
Windowsにはシステムファイル修復ツール(sfc /scannowやDISMコマンドなど)が備わっています。アップデートやインストール時にファイルが壊れたり書き換わったりしていないか検証することで、不具合の原因を探る手助けになります。



私の場合、アップデート後に音が急に出なくなったときは、サウンドドライバをアンインストールしてから再度インストールすることで直りました。アップデートを当てた瞬間にドライバが動かなくなると「もうどうしようもないのか」と焦りますが、意外と簡単な対処で解決することがあります。
ディスプレイがオフにならない問題への追加対策
KB5035853以降に限らず、Windows 11でディスプレイが自動オフにならない場合は以下の項目を確認してみましょう。
電源オプションの再設定
スタートメニューから「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」に進むことで、画面オフやスリープに入るまでの時間を設定できます。アップデート後に意図しない形で設定が変わっている可能性があるので、改めて確認してみるのがおすすめです。
電源プランを見直す
Windowsには「省電力」「バランス」「高パフォーマンス」のような電源プランがあります。自分が変更した覚えがなくてもアップデートやドライバのインストールがきっかけでプランが切り替わることがあるため、そこから再調整する必要があるかもしれません。
外部デバイスの影響
マウスやキーボード、あるいはUSBデバイスが常に何らかの入力信号を送っていると、システムはアイドル状態と判断できずに画面がオフにならない場合があります。ドライバの不具合で誤作動しているケースもありますので、一時的にデバイスを外して様子を見るのも良い方法です。
クリーンインストールの実施手順
クリーンインストールが最終手段になりがちですが、実施するとスパッと不具合が消えることが多いのもまた事実です。ここではざっくりとした流れを紹介します。
ステップ1: バックアップとライセンス管理
大切なデータを外部ストレージに移しておくのはもちろん、Officeなどのソフトウェアライセンスやメール設定など、あとから復旧しにくい情報をメモしておきます。
クラウドストレージの活用
OneDriveやGoogleドライブなどを使うことで、ドキュメントや画像、動画ファイルを簡単にバックアップ可能です。ただし大量のデータをアップロードする場合は時間がかかるので余裕をもって行いましょう。
ステップ2: インストールメディアの作成
Microsoft公式サイトからWindows 11のISOファイルをダウンロードし、USBメモリに書き込みます。ツールを利用すると、ほぼ自動でUSBインストーラーを作ってくれるので手間はかかりません。
ステップ3: UEFI/BIOSからUSB起動
パソコンを再起動し、起動デバイスの選択画面からUSBメモリを選んでWindowsセットアップを開始します。UEFI環境の場合はセキュアブート関連の設定も確認しておきましょう。
注意点: TPM 2.0の有効化
Windows 11では、TPM 2.0やSecure Bootが必須要件とされています。もし古いマザーボードを使っている場合は、UEFIの設定画面でTPMが有効か確認し、Secure Bootもオンになっているかチェックします。
ステップ4: パーティションの選択・削除
セットアップ画面の途中でディスクを選択する場面が出てきます。クリーンインストールをする場合は、既存のパーティションを削除して未割り当て状態にしてからインストールを進めます。これにより、以前のWindowsシステム情報や不具合の原因となるファイルも一掃されます。
ステップ5: 初期設定と更新プログラムのインストール
インストールが完了したら、初期設定を済ませたのちにWindows Updateを行い、最新の累積アップデートやドライバを導入します。ここで改めてKB5035853も適用されることがありますが、これまで説明したようにクリーンな環境であれば問題なく動作する可能性が高いです。
まとめ: KB5035853の不具合と向き合うコツ
KB5035853が原因でディスプレイがオフにならなかったり、LEDが点灯しなくなるなどの問題が起きた場合は、まずは回復環境からのアンインストールやドライバ更新、電源オプション再確認などを試してみるとよいでしょう。それでも解決しない場合、クリーンインストールによって正常な状態に戻ることが実例として報告されています。また、LED関連の問題はマザーボードのUEFI設定に左右される部分も多いので、ソフトウェアだけでなくハードウェア側の設定を見直すのも有効なアプローチです。



不具合が原因でパソコン作業に支障が出ると、本当にストレスがたまってしまいますよね。できるだけ早く原因を特定して解決に導けるように、この記事が少しでもお役に立てばうれしいです。
参考表: 不具合と対処のポイント一覧
不具合の内容 | 原因の可能性 | 対処方法 |
---|---|---|
ディスプレイがオフにならない | 電源プランの設定変更、外部デバイスの誤作動 | 電源オプションやスリープ設定を見直す。USBデバイスを一時的に外して確認 |
電源LED・ドライブLEDが点灯しない | UEFI/BIOSのLED設定、ケース側配線 | マザーボードのUEFI設定を調べる。配線が正しく接続されているか確認 |
アップデート後にアンインストールできない | Windows回復環境で削除候補に表示されない | クリーンインストールやシステムの復元ポイントからの回復を検討 |
システムが不安定・エラーが多発 | ドライバの互換性、OSファイルの破損 | ドライバ更新、SFCやDISMコマンドでのシステム修復 |
クリーンインストールでも直らない | ハードウェア故障、構成不良 | メモリテストやストレージの健康状態チェック、物理的な不良部品の交換 |
最後に
Windows 11のKB5035853に限らず、アップデートが原因と思われるトラブルは時々起こります。実際のところ、環境によっては別のアップデートやソフトウェアが影響しているかもしれません。トラブルシューティングは少し根気のいる作業ですが、手順を1つずつ踏んで原因を特定していけば必ず道は開けます。万が一どうしても解消できないときは、クリーンインストールやハードウェアの確認を行い、必要に応じてメーカーや専門業者に相談するのも手です。パソコンは便利ですが、トラブル対策のノウハウを知っておくと、いざという時に大きな助けになります。



私自身も実際に大切なプロジェクトデータが消えてしまったことがあってから、バックアップの重要性を痛感しています。くれぐれも日頃から大事なファイルや情報は定期的に外部ストレージやクラウドサービスにコピーしておくようにしましょう。
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