パソコンの再セットアップや新規インストールを考えるときに欠かせないのが「Windows 11のプロダクトキー」です。いざというときに見つからず焦れないよう、今のうちに確認・管理しておきましょう。本記事ではプロダクトキーの概要から実際の確認方法、ライセンス形態ごとの違いや注意点まで詳しく解説します。
Windows 11のプロダクトキーとは？
Windows 11のプロダクトキーは、OSを正規認証するための25文字の英数字から成るコードです。新規インストールや再インストールの際に必要で、ライセンス認証をクリアしないとWindowsが正しく動作しない場合があります。もしも紛失すると再取得が難しいケースもあるため、先回りして控えておくのが理想的です。
現在使用中のPCからWindows 11のプロダクトキーを確認する方法
すでにWindows 11が動作中のパソコンからキーを読み取るには、コマンドプロンプトやPowerShellなどの標準機能を利用できます。特にメーカー製PCであれば、購入時にマザーボードへ書き込まれたキーを表示できることが多いです。一方、自作PCやデジタルライセンス認証の場合は、後述のフリーソフトが便利です。
コマンドプロンプトで確認する方法
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動
スタートメニューの検索から「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選びます。UAC（ユーザーアカウント制御）の画面が出たら「はい」をクリックしてください。
参考：Windows 10のプロダクトキーを確認する方法 | マイナビニュース - キーを表示するコマンドを入力
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。wmic path SoftwareLicensingService get OA3xOriginalProductKey
実行後、「OA3xOriginalProductKey」の下に25桁のキーが表示されれば成功です。
参考：「徹底解説」Windows 11のプロダクトキーの確認とライセンス認証方法 - 表示されたキーを保管
控えを取るか、安全な場所にコピーして保存してください。いざというときにすぐ参照できるようにしておきましょう。
メーカー製のOEMライセンスが書き込まれている場合はこのコマンドで表示されますが、自作PCのリテール版や無償アップグレードによるデジタルライセンスの場合は表示されないこともあります。その場合、後述のフリーソフトなどを利用して取得を試みてください。
参考：Windows 10のプロダクトキーを確認する方法 | マイナビニュース
購入済みライセンスのプロダクトキーを確認・再取得する方法
別途ライセンスを購入した場合やPC購入時に付属していたライセンスなどは、入手経路ごとにキーの確認手段が異なります。オンライン購入やパッケージ版、メーカー製PCプリインストール版（OEM）など、代表的なケースを見ていきましょう。
オンラインでダウンロード版を購入した場合
Microsoft公式サイトやAmazonなどの正規販売ストアで購入した場合は、購入後に受信した確認メールにキーが記載されています。また、Microsoftアカウントの注文履歴ページにログインすると、そこからもキーを確認できます。
一方、Microsoft Storeアプリ経由でアップグレード（例：Home→Pro）した場合はデジタルライセンスで管理され、そもそもプロダクトキー自体は発行されないケースがある点に注意してください。
パッケージ版（リテール版・DSP版）を購入した場合
パッケージ版（リテール版）やDSP版などの形でWindows 11を入手したなら、箱の中にキーが印字されたカードやラベルが同梱されています。これを「プロダクトキー証書」と呼び、大切に保管してください。再インストール時には、その25桁のキーを入力して認証することになります。
参考：Windows 10のプロダクトキーを確認する方法 | マイナビニュース
PCプリインストール（OEM）版の場合
メーカー製PCに初めからWindows 11が入っている場合、近年のモデルはマザーボード上のBIOS/UEFIにキーが書き込まれ、セットアップ時に自動認証されます。ユーザーがキーを手入力する必要はありません。
ただし、Windows 7世代などの古いPCの場合はCOAラベルにキーが印字されていることもあります。機種によってはPC底面や裏面に貼ってあるので、再セットアップ前に確認しておくと安心です。
参考：Windows 11およびWindows 10のWindowsプロダクト キーの場所 | Dell 日本
メーカー製PCにプリインストールされていたWindows 11の場合は、基本的に同じエディションを入れ直せば自動認証されるので、キーを意識することはほとんどありません。
コマンドプロンプト・PowerShell・フリーソフトを使ってプロダクトキーを確認する方法
現在インストール済みのWindowsからキーを読み取るには、コマンドプロンプトやPowerShellのコマンド実行、あるいは専用ツールの利用がポピュラーです。それぞれの詳細を見ていきましょう。
PowerShellで取得する
コマンドプロンプトと同様に、管理者権限でPowerShellを立ち上げ、wmic path SoftwareLicensingService get OA3xOriginalProductKey
を実行しても構いません。また、以下のようなPowerShell特有の書き方でも同じ結果が得られます。(Get-WmiObject -Query 'Select * from SoftwareLicensingService').OA3xOriginalProductKey
エラーや空欄になる場合は、キーが読み取れないライセンス形態である可能性が高いです。
フリーソフトを使う
コマンドやPowerShellでキーが表示されなかったり、GUIでラクに確認したい場合は、フリーソフトの「Windows Product Key View」や「ProduKey(NirSoft)」などが便利です。実行するだけで現在のキーを瞬時に表示できます。
参考：Windows 10のプロダクトキーを確認する方法 | マイナビニュース
ただし、信頼できる公式サイトからダウンロードしなければマルウェア混入などのリスクもあるため注意してください。また、セキュリティソフトによっては誤検知されることもあるため、一時的にオフラインで実行するなど工夫するとスムーズです。
ライセンス種別による注意点（OEMとリテール版の違いなど）
Windowsにはさまざまなライセンス形態が存在し、プロダクトキーの扱い方や移行の可否が変わってきます。以下の表に主なライセンス種別と特徴をまとめました。
| ライセンス形態 | 主な入手方法 | 他PCへ移行可否 | キーの扱い |
|---|---|---|---|
| OEM版 | メーカー製PCにプリインストール | 不可（基本的に同一マザーボード限定） | マザーボードへ書き込み、またはCOAラベル |
| リテール版 | パッケージ版やダウンロード版を個別購入 | 可（ただし同時使用は不可） | パッケージ内のカードやメールに記載 |
| DSP版 | PCパーツとのセット販売など | 基本的に不可（OEM版に近い扱い） | パッケージ内のカードに記載 |
| ボリュームライセンス | 企業などが複数台分を一括契約 | 契約形態に依存 | KMSキーやMAKキーなどを使用 |
| デジタルライセンス | 無償アップグレードやMicrosoft Store経由など | 状況により可否が異なる | キー入力は不要でアカウントorハードウェア情報を紐づけ |
プロダクトIDとプロダクトキーは違う？
Windowsの「設定 ＞ システム ＞ バージョン情報」などで確認できる「プロダクトID」は、ライセンス認証には使えません。これはインストールごとの管理番号であって、25桁のプロダクトキーとはまったく別物です。間違えて控えないように注意してください。
まとめ：早めにプロダクトキーを確認＆保管しておこう
プロダクトキーは正規のWindowsを使い続けるうえで重要なものです。特にリテール版や自作PCでインストールしたWindowsは、キーを紛失すると再取得が難しい場合もあります。再セットアップや買い替えに備えて、今回紹介した方法で事前に確認・保管をおすすめします。
また、Microsoft Storeアプリ経由のアップグレードなどでデジタルライセンスが付与されている場合は、キー入力が不要な仕組みとなっていることもあるので、設定の「ライセンス認証」画面やMicrosoftアカウントの状態を確認するとよいでしょう。
プロダクトキー管理のトラブルは意外と多いです。引っ越し時や大掃除のタイミングでパッケージを処分してしまったり、メールを消してしまったり……。ぜひ今のうちに控えを作っておいてくださいね。
詳しくはMicrosoft公式の「Windows のプロダクト キーを探す」ページや、今回紹介したマイナビニュース等の記事もあわせて参考にしてみてください。
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