Windows 11で通話相手に動画・ゲーム・通知音まで聞こえるときは、まずスピーカー音をマイクが空気越しに拾う場合と、ステレオミックス・仮想ミキサー・画面共有がPC音を直接送る場合を分けます。ヘッドホンで比較し、Windowsと通話アプリの入力を実際のマイクに合わせ、不要な「サウンドを含める」をオフにするのが出発点です。ドライバの入れ替えや全デバイスの無効化は、その後に検討します。
はじめに知っておきたい基礎知識
複数の録音デバイスが表示されていること自体は異常ではありません。大切なのは、使用中のアプリがどの入力を選び、ほかの音声経路を追加しているかです。また、ヘッドホンから聞こえる自分の声(モニター/サイドトーン)と、相手に届くPC音は別の現象です。設定名や利用できるタブは、Windowsの更新、メーカーのドライバ、機種によって異なります。
Windows 11における主な音声関連デバイス
パソコンのメーカーやモデルによって異なりますが、一般的には以下のようなデバイスが存在します。
スピーカー出力
パソコン内部スピーカーや外付けスピーカー、ヘッドフォンなどが該当します。
録音用デバイス
内蔵マイク、マイクアレイ、外付けマイク、ヘッドセットマイクなどがあります。ステレオミックスは再生音を録音入力として扱うための機能で、物理マイクとは別物です。搭載されないPCもあります。仮想オーディオデバイスやオーディオインターフェースのループバックにも注意します。

「ステレオミックスが有効」だけで、すべての通話にPC音が混ざるとは限りません。アプリがその入力を使用しているかを確認しましょう。反対に、ステレオミックスがなくても、画面共有の音声やWASAPIのループバックでPC音を送れるアプリがあります。
最初の切り分け:音がどの経路から届くか
- 公開配信や本番会議ではなく、アプリのテスト通話・ローカル録音などで確認します。機密の音声を流さず、短いテスト音を小さめに再生します。
- 出力をスピーカーからヘッドホンへ切り替え、入力は同じマイクのまま比較します。混入が大きく減るなら、スピーカーからマイクへの回り込みを疑います。マイクを口に近づけ、スピーカー音量を下げると切り分けやすくなります。
- ヘッドホンでも混ざる場合は、アプリの入力名、音声共有、仮想ミキサー/ループバックを確認します。アナログ接続では端子・ケーブル側の問題も候補なので、別の対応ヘッドセットやUSBマイクで比較します。
- 画面共有中だけなら、Teamsなどの「サウンドを含める」を確認します。これはマイク入力とは別にPC音を共有するため、マイクをミュートしても共有音声が止まるとは限りません。
この比較だけで故障箇所を断定はできません。どの条件で変化したかを記録し、以下の該当する対策へ進んでください。
Windowsとアプリで行う主な対策
対策1:Windowsの設定やトラブルシューティング
まず[スタート]→[設定]→[システム]→[サウンド]で入力と出力を確認します。音声デバイスの認識や基本動作に問題がある場合は、Windowsの「ヘルプを表示(Get Help)」によるオーディオ診断も利用できます。
トラブルシューティングの手順
1. Microsoft公式のサウンドの問題を解決するページを開く
2. Windows 11の案内から「ヘルプを表示」のトラブルシューティングへ進む
3. 対象デバイスと症状を選び、提案される変更を確認しながら診断する
旧Windows 10の「更新とセキュリティ」→「追加のトラブルシューティング」は、現在のWindows 11の共通手順ではありません。また、診断機能がアプリ独自の音声共有や配信ミキサーまで修正するわけではありません。
対策2:サウンド設定の確認と微調整
[設定]→[システム]→[サウンド]の[入力]で使用するマイクを選びます。[マイクのテスト]が表示される場合は開始・停止・再生で確認し、普通に話した声が小さすぎず割れない程度に入力音量を調整します。次に通話・配信アプリの音声設定で、同じマイクを明示的に選択します。Windowsの既定デバイスとアプリ側の指定は一致しないことがあります。
基本的な確認ポイント
1. [Windows]+[R]で mmsys.cpl を開き、[録音]タブで入力名を確認する
2. アプリが「既定」を使う場合は、使用するマイクを既定の録音デバイス/必要に応じて既定の通信デバイスにする
3. ステレオミックスや仮想入力を誤って選んでいたら、実際のマイクへ変更する。使わない入力の無効化は必要なものに限定する
4. [プロパティ]に[聴く]タブがある場合、「このデバイスを聴く」が不要に有効になっていないか確認する。入力をスピーカーへ再生していると回り込みにつながる
5. [レベル]にマイクブーストがあれば過大にしない。変更前の値を記録し、声を含めて比較する
排他モードはPC音の混入を防ぐ設定ではない
排他モードはアプリがデバイスを占有する仕組みで、スピーカー音や画面共有音を除去する機能ではありません。入力デバイスを開けない、アプリ併用時に音が途切れるなど別の症状がある場合に限り、メーカーやアプリの案内に従って比較します。PC音が混ざるという理由だけで一律にオフにする必要はありません。

先に「入力デバイス名」「画面共有の音声」「ヘッドホンでの比較」を確認しましょう。複数の設定を同時に変えず、効果がなかった設定は元へ戻すと原因を見失いにくくなります。
対策3:Realtek関連の設定
Realtekの音声機能を搭載するPCでも、利用できる画面や処理はPCメーカーの構成で異なります。Realtek Audio Console、メーカー独自の音声アプリ、追加のミキサーがある場合は、入力端子の認識と録音経路を確認します。
Realtek Audio Consoleの見直し
1. PCに付属する音声設定アプリを開き、ヘッドセット/マイクとして正しく認識されているか確認する
2. ステレオミックスの選択状態はWindowsの[録音]や通話アプリで確認する。Audio Consoleに同じ設定があるとは限らない
3. ノイズ抑制・エコー除去が用意されていれば、一つずつ切り替えて録音比較する
4. 音声アプリの再起動を試し、ドライバ更新後などに求められた場合はWindowsを再起動する
ドライバはPCメーカーの機種別サポートページまたはWindows Updateから確認します。症状が特定の更新直後に始まった場合だけ、提供元の案内やデバイスマネージャーの[ドライバーを元に戻す]が利用できるかを確認します。無関係な旧版を順に入れたり、非公式のドライバ配布サイトを使ったりしないでください。
対策4:マイクの選択と音声形式を確認する
「マイクアレイ」は複数のマイクを組み合わせる機器の名称で、内蔵マイクと必ず別々に無効化すべき対象ではありません。使う入力をWindowsとアプリで選ぶことを優先し、複数のデバイスが有効なだけで混音されるとは考えないようにします。
マイクの選択
1. 使用中のアプリの入力メーターを見て、選んだマイクに話しかけたとき反応するか確認する
2. 外付けマイクへ切り替えたら、通話アプリにも反映されたか確認する
3. 必要な配信用の仮想入力は消さず、会議用・配信用で入力の選択を分ける
サンプルレートの変更が役立つのは別の不具合の場合
44.1kHzや48kHzはサンプルレートで、ビットレートではありません。これを変えても、別経路で送られるPC音を切り離すことはできません。音割れや録音アプリとの形式不一致があるときだけ、機器・アプリが対応する形式を確認して比較します。
変更する場合は[録音]→対象マイクの[プロパティ]→[詳細]などに表示される「既定の形式」を使い、元の値を控えます。項目がない機器では省略してください。配信・録音プロジェクトへの影響もあるため、PC音の混入対策として優先する操作ではありません。
対策5:AIノイズキャンセリングを活用する
対応機種や通話アプリのノイズ抑制は、マイクに入るキーボード音や環境音を軽減する補助機能です。話し声・音楽を必ず消せるわけではなく、画面共有やループバックから直接送るPC音の停止を代替しません。先に音声経路を正しく設定してください。
有効化の手順
1. 自分の機種の公式仕様で対応機能とアプリを確認する。ASUSでは製品によりMyASUSやArmoury Crateなど画面が異なる
2. 対応する機能で「マイク入力」側を有効にし、処理対象として使用中の物理マイクを選ぶ。「出力」側だけでは相手へ送るマイク音は処理されない
3. 仮想マイクが作られる方式なら、通話アプリの入力もそのデバイスに切り替え、録音やテスト通話で確認する
具体的な操作の流れを表でおさらい
以下に、PC音を拾うトラブル対策の大まかな流れをまとめました。
| ステップ | 作業内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | ヘッドホンでスピーカー音との違いを比較 | 空気越しの回り込みを切り分ける |
| 2 | Windowsとアプリの入力・音声共有を確認 | 実際のマイクと不要なPC音の送信経路を区別する |
| 3 | メーカー音声アプリと接続端子を確認 | ループバック・端子認識・音声処理を切り分ける |
| 4 | Get Helpや公式ドライバ情報を確認 | デバイス認識や更新後の不具合に対処する |
| 5 | AIノイズキャンセリングを有効化 | 正しく選んだマイクに入る環境音を軽減する |
設定変更後の確認例
たとえば「ヘッドホンでは動画音が聞こえなくなり、スピーカーに戻すと再発する」なら、まず音量・マイク位置・エコー除去を見直します。「画面共有を止めたときだけ消える」なら、共有音声の設定が優先です。これは原因を絞る比較例であり、特定メーカーでの実測結果や改善率を示すものではありません。
更新直後に症状が出た場合の確認
ドライバを戻す前に、更新日・バージョン・使用機器と、症状が出始めた時期を記録します。Windows標準のマイクテストと通話アプリの両方で再現するかを比較してください。一つのアプリだけなら、その入力選択や更新履歴から確認するほうが無駄なドライバ変更を避けられます。
知っておくと便利なマイク設定の小技
複数のマイクを環境に合わせて切り替える
会議と配信で機器を使い分ける場合は、アプリごとに入力を明示し、開始前にメーターやテスト録音で確認します。使わないデバイスをすべて無効にする必要はありません。設定を「既定」にしているアプリは、接続・切断で選択が変わる可能性にも注意します。
管理のポイント
1. [設定]→[システム]→[サウンド]で接続中の入力を確認できるようにしておく
2. デバイス名を変更できる場合は「会議用USBマイク」など用途が分かる名前にする
3. 配信・録音アプリではマイクだけでなく「デスクトップ音声」「ループバック」「モニター」の送り先も確認する

名前の整理は誤選択を防ぐための工夫です。機器をつなぎ直したときや更新後は、名前だけで判断せず実際に入力メーターが反応するかを確認しましょう。
「聴く」とサイドトーンを区別する
「このデバイスを聴く」は録音入力を再生デバイスに流す設定です。不要ならオフにして比較しますが、この設定だけでPC内部音をマイク入力へ混ぜるわけではありません。ヘッドセット本体や付属アプリのサイドトーンは別機能で、自分に聞こえていても相手に同じ音が送られているとは限りません。
まとめ
Windows 11でPC音が相手に届く場合、音の回り込みと、PC内部の音声共有・ループバックを分けることが重要です。ヘッドホンで比較し、Windowsと通話アプリで使用するマイクを選び、不要な共有音声を止めます。ノイズ抑制やドライバ確認は、経路を整理した後の補助・追加調査として行いましょう。

短い録音で「無音時」「自分の声だけ」「PCの音だけ」「同時に鳴らしたとき」を比べると、どの変更が効いたか判断しやすくなります。試験中は本番の会議や公開配信へ不要な音を流さないようにしてください。
最終的なおすすめアクション
1. ヘッドホンと入力選択を先に確認
スピーカーからの回り込みなら、出力音量とマイク位置を見直します。Windowsとアプリの入力名を合わせ、声が正常に届くことを確認してください。
2. 不要なPC音の送信経路を止める
ステレオミックス、仮想ミキサー、画面共有の音声を確認し、会議で必要ない経路だけを外します。配信用途で必要な機能まで削除せず、用途別に設定を分けましょう。
3. 更新・故障の切り分けは記録を残す
別の対応マイクや別のアプリでも再現するかを比べ、機種・ドライバのバージョン・発生条件を記録します。更新は公式配布元に限定し、戻す場合も症状との関連を確認してください。
4. 必要な場合だけノイズ抑制を調整
ノイズ抑制を使う場合は、メーカーまたは通話アプリの対応機能を一つずつ比較します。音楽や周囲の声も届けたい配信では、抑制が目的に合わない場合があります。
おわりに
原因が分からないときは、入力デバイス名、接続方式、使っているアプリ、ヘッドホンでの比較結果を整理してPC・音声機器メーカーへ相談してください。「必ず直る設定」を探すより、どの音がどの経路から入っているかを一つずつ確認することが、安全で再現性のある対処につながります。
公式情報と確認日
2026年10月20日確認。機器・アプリのバージョンにより画面名や対応機能が異なります。


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