Windows 11でMicrosoftアカウントを使ってログインしていると、思わぬ形でユーザーフォルダー名が短縮されてしまうことがあります。自分の好みのフォルダー名に変更したいと考えたとき、実はレジストリ編集など注意すべきことが多くあります。私も過去に誤って操作してしまい、ログインできなくなる寸前のヒヤッとした経験があります。この記事では、そんなトラブルを避けつつ安全にユーザーフォルダー名を変更する方法をお伝えします。
ユーザーフォルダー名を変更するメリット
Windows 11でユーザーフォルダー名を変更したいと感じる理由はさまざまです。たとえばMicrosoftアカウントのメールアドレスが複雑で、フォルダー名が「C:\Users\abced」などになってしまい、何のフォルダーなのか分かりにくい場合があります。また、アカウントを作成したときには仮の名前を使っていたのに、後になってきちんとした名前に切り替えたくなることもあります。実際、私も最初に作成したアカウント名が中途半端だったため、後から正しく直したいと思った経験があります。
わかりやすいユーザーフォルダー名のメリット
わかりやすいユーザーフォルダー名には、主に以下のようなメリットが期待できます。
1. ファイル管理がしやすい
エクスプローラー上でフォルダーを探すとき、「これは誰のファイルなのか」が一目瞭然になり、ミス操作を減らすことができます。
2. バックアップや移行作業も簡単
ユーザーフォルダーの名前が単純明快であれば、データのバックアップ先を指定するときなどに戸惑いにくくなります。外付けHDDやクラウドストレージに移行する場合も、整理が行いやすいです。
3. 気持ちの面でもスッキリする
些細なことかもしれませんが、自分の名前やしっくりくるフォルダー名に変わると、ちょっとしたモチベーションアップにつながります。私自身、以前はメールアドレスの先頭部分がフォルダー名になっていて落ち着かず、変更できたときはすごくスッキリしました。
変更前に知っておきたい注意点
ユーザーフォルダー名を変更するのは意外にリスクを伴います。大切なデータが入っているフォルダーである以上、慎重に作業する必要があります。
レジストリを編集する必要がある
Windowsのユーザーフォルダー名は、単にフォルダーを右クリックして変更するだけでは完結しません。レジストリエディタで、ProfileImagePathなどの値を修正する必要があるため、誤った操作をするとログインできなくなる可能性があります。
アプリによっては独自にパスを参照している
一部のアプリケーションはユーザーフォルダー名のパスを独自に記録している場合があります。そのため、フォルダー名を変更したことで、アプリが正常に動作しなくなるケースもゼロではありません。私も以前、写真管理ソフトがユーザーフォルダー内に独自データを保存しており、変更後にサムネイルが表示されなくなった経験があります。
サインインのトラブルリスク
別の管理者アカウントを用意せずに作業すると、名前を変更しようとしているアカウントでログインできなくなるリスクがあります。操作途中で何かがうまくいかなかった場合、PCにまったくサインインできなくなってしまうことも考えられます。

私が初めてユーザーフォルダー名を変更したときは、別アカウントを用意していませんでした。結果的には成功しましたが、あとで「もし失敗していたらどうなっていたか…」と考えると冷や汗が止まりませんでした。
事前準備のチェックリスト
本格的に作業を始める前に、いくつか確認すべきポイントがあります。下記の表を参考にして、準備が整っているかをチェックしてください。
手順 | 内容 |
---|---|
1. データのバックアップ | 外付けHDDやクラウドストレージなどに重要データを保存しておきましょう |
2. 復元ポイントの作成 | システムの復元ポイントを作っておくと安心です |
3. 別の管理者アカウントの用意 | ローカルアカウントで管理者権限を持つユーザーを作成しておきます |
4. アプリの事前調査 | 頻繁に使うアプリがユーザーフォルダーを固定参照していないか確認しましょう |
5. 必要なパス情報のメモ | 後で変更する「C:\Users\旧フォルダ名」や新しいフォルダー名をはっきり決めておきます |
ユーザーフォルダー名を変更する具体的な流れ
ここからは、実際にユーザーフォルダー名を変更する手順について詳しく解説します。
1. データのバックアップと復元ポイント作成
ユーザーフォルダーの内容が失われてしまうと取り返しのつかないことになるため、バックアップは必ず行ってください。特にデスクトップやドキュメント、ピクチャ、ダウンロードなどの主要フォルダーに保存しているデータはすべて外部にコピーしておくのが望ましいです。
併せてシステムの復元ポイントも作成し、万が一の場合に元の状態へ戻せるようにしておきましょう。
2. 別の管理者アカウント(ローカルアカウント)を準備
現在ログインしているMicrosoftアカウントではなく、ローカルアカウントで管理者権限を持つユーザーを作成します。ここでローカルアカウントを選ぶ理由は、操作中にMicrosoftアカウントのフォルダー名を変更しても支障が出ず、トラブルが起きても救済措置が取りやすいためです。
2.1 ローカルアカウントの作成
Windowsの設定画面から「アカウント」→「家族とその他ユーザー」→「その他のユーザーを追加」で新規アカウントを作成します。途中で「このユーザーのサインイン情報がありません」を選び、ローカルアカウントを作りましょう。
作成後はアカウントの種類を管理者に変更しておくとスムーズです。
2.2 テストログイン
作成した新しいローカルアカウントでいったんログインして、特に問題なくデスクトップが立ち上がるか確認します。ここで問題があれば解決してから先に進んでください。
3. ユーザーフォルダーのリネーム
別の管理者アカウントでログインしたら、エクスプローラーを開いて「C:\Users\旧フォルダ名」を探し、名前を変更します。例えば、旧フォルダー名が「C:\Users\abcde」だった場合には、「C:\Users\MyNewName」のように変更します。
4. レジストリの修正
ユーザーフォルダー名をエクスプローラー上で変更しただけでは、Windows自体はまだ旧フォルダー名を参照している部分が残ります。そのため、レジストリエディタを使ってProfileImagePathを修正します。
4.1 レジストリエディタの起動
WindowsキーとRキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力してレジストリエディタを起動します。管理者権限を求められたら許可してください。
4.2 ProfileListを探す
レジストリエディタ画面左のツリーで、次の場所まで移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE
┗ SOFTWARE
┗ Microsoft
┗ Windows NT
┗ CurrentVersion
┗ ProfileList
このProfileListの下には、複数のサブキー(S-1-5-…で始まるSID)が存在します。その中から、変更したいユーザーアカウントのSIDを見つけます。
4.3 ProfileImagePathの修正
SIDのサブキーを開き、右側の一覧にあるProfileImagePathという文字列値を探します。ダブルクリックすると値を編集できるので、先ほどリネームした新しいフォルダーへのパスを入力します。
例えば「C:\Users\MyNewName」といった形に修正し、「OK」を押してレジストリエディタを閉じます。



私の場合、ProfileListのサブキーがかなり多かったです。画面右側のProfileImagePathをよく見て、自分のアカウントに合ったものだけを慎重に変更すると安心です。
5. 確認と再ログイン
レジストリを修正したら、一度サインアウトして元のMicrosoftアカウントにログインし直します。正常にログインでき、エクスプローラーでユーザーフォルダー名が正しく新しいものになっているかを確認しましょう。アプリケーションが問題なく動作しているかも合わせてチェックしてください。
大量のレジストリ記述を一括で変えたい場合
一部のソフトウェアや設定ファイルでは、ユーザーフォルダーの絶対パスを独自に記録していることがあります。それらをまとめて変更したい気持ちはあるかもしれませんが、レジストリエディタのエクスポート機能を使ってテキスト置換後にインポートする手法はリスクが高いです。
もし個別に動作しなくなったアプリがある場合は、以下の対処法を考えてみてください。
特定のアプリの再インストール
特定のソフトウェアがエラーを起こす場合には、設定ファイルごとアンインストールしてから再度インストールすると、正しいパスが再設定されることがあります。
設定ファイルの手動書き換え
ユーザーフォルダーに依存した設定ファイルがある場合、それをメモ帳などで開いて手動でパスを書き換えてもかまいません。ただし、そのファイルの編集方法がメーカー非推奨である場合は自己責任となります。
netplwizコマンドで表示名を変更する方法
ユーザーフォルダー名を変えるほどではないが、アプリケーション上の表示だけ変えたいと考える場合は、netplwizコマンドが役立ちます。
WindowsキーとRキーを同時に押し、「netplwiz」を入力してエンターを押すとユーザーアカウントの設定画面が出ます。そこで対象ユーザーのプロパティを開き、名前や表示名を修正することで、サインイン画面などに反映されることがあります。ただし、ユーザーフォルダー自体の名前は変わりません。
新規ユーザー作成で回避する手段
ユーザーフォルダー名の変更は、レジストリ編集をともなうためどうしてもリスクが高くなります。もし操作に自信がない場合は、新規にローカルアカウントを作成し、そこにMicrosoftアカウントを紐づけて使う方法を検討してみてください。
必要なデータを旧フォルダーから新フォルダーへコピーすれば、結果的に新しいフォルダー名を持つアカウント環境を手に入れることができます。手間はかかるものの、設定やアプリも一からきれいに整えられるため、思わぬ不具合を減らせる利点もあります。
まとめ
Windows 11でユーザーフォルダー名を変更する方法は一見簡単そうに見えますが、レジストリ編集や別アカウントへのログインなど、多数のステップと注意が必要です。
もしフォルダー名の変更を行う場合は、事前のデータバックアップとシステム復元ポイントの作成を徹底し、別の管理者アカウント経由で作業すると失敗しにくくなります。また、大量のレジストリ編集は高リスクなので、必要最小限に抑えつつ、問題が出たアプリは個別に対策するのが安心です。
どうしても難しそうな場合は、新規にユーザーアカウントを作成してデータを移す方法も選択肢に入れてみてください。



私も何度かフォルダー名変更に挑戦しましたが、その都度バックアップと別アカウントの用意を怠らないようにしています。これだけは本当に大切です。
コメント