最近、自宅のパソコンを最新のWindows 11にアップデートしようとしたところ、途中でエラーコードが表示されてなかなか先に進めず、思いのほか時間がかかってしまいました。友人も同じ状況だったらしく、一緒に調べながら解決に向けていろいろ試行錯誤した経験があります。今回はそのときに得た知識をもとに、アップデートエラーを解消するための対処法をまとめました。少しでもお役に立てれば幸いです。
Windows 11 Version 23H2 アップデートエラー (0xc1900201) の概要
Windows 11のVersion 23H2アップデートを適用しようとした際に表示されるエラーコード「0xc1900201」は、更新に必要な環境やファイルの状態などに問題があるときに発生しやすいといわれています。場合によっては、パソコンのプロセッサ自体が対応しているはずなのに「現在このプロセッサはWindows 11をサポートしていません」と通知されることもあります。また、アップデート時に利用されるフォルダの名前変更を行おうとすると「アクセスが拒否されました」と出て先に進めないこともあるようです。
主なトラブル事例
1. アップデート途中でエラーコードが出てインストールに失敗する
2. 対応しているはずのCPUで「サポート外」の表示が出る
3. コマンドプロンプトでSoftwareDistributionをリネームしようとすると「アクセス拒否」が表示される
4. 再度アップデートを試しても失敗を繰り返す
トラブルの原因は複合的
Windows Update時のエラーは、一つの要素だけではなく複数の問題が絡み合っていることが多いです。たとえば、セキュリティソフトの干渉やシステムファイルの破損、またはディスク空き容量の不足などが同時に起こっている場合もあります。根本原因を突き止めるのは一苦労ですが、一つひとつの対策を試すことで解消されるケースが大半です。

私自身はアップデート失敗の原因がウイルス対策ソフトの設定にあるとは思わず、原因追及に手間取ってしまいました。単純に邪魔をしていただけだったのですが、気づかないと難しいものだなと痛感しました。
主な解決策と手順
Windows 11 Version 23H2 アップデートエラー(0xc1900201)が発生したときの主な対処法を順番にまとめます。これから紹介するステップを上から順番に試してみることで、多くのケースで問題をクリアできるはずです。
サードパーティ製ウイルス対策ソフトの一時的なアンインストール
普段使い慣れたウイルス対策ソフトがあると安心ですが、Windows Updateとの相性問題でアップデートを妨げることがあります。特に実行ファイルの検閲や重要なシステムファイルの変更を厳しくチェックする設定になっていると、アップデートが正常に動作しない場合があるようです。
アンインストール手順と再インストール
1. Windowsの「設定」からアプリの一覧を表示し、ウイルス対策ソフトを見つけます。
2. アンインストールを実行し、システムを再起動します。
3. 再起動後、改めてWindows Updateを行います。
4. アップデートが完了したら、必要に応じてウイルス対策ソフトを再度インストールしてください。
Windows Update トラブルシューティングツールの実行
Windowsには自動で問題を検知・修正してくれるトラブルシューティングツールが用意されています。初心者の方でも比較的操作が簡単で、複雑な手順を踏まずに修復できる可能性があります。
トラブルシューティングの進め方
1. スタートメニューから「設定」を開く
2. 「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング」と進む
3. 「Windows Update」欄にある「実行」をクリックし、画面の指示に従って作業を進める
4. 問題が検知された場合、自動で修正が行われる



知人の話では、トラブルシューティングツールがあっさり問題を解決してくれたケースも多いようです。手動で複雑な作業をする前に、一度試してみるのがおすすめです。
Windows Update関連サービスのリセット
アップデート関連のサービスが正常に動作していない場合、フォルダやキャッシュをリセットすることで状況が好転する可能性があります。中にはエラーやアクセス拒否が出る場合もありますが、その際は管理者権限のコマンドプロンプトを使って慎重に進めましょう。
コマンドプロンプトを使った具体的な手順
1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。
2. 以下のコマンドを順番に入力し、Enterキーを押していきます。
net stop bits net stop wuauserv net stop appidsvc net stop cryptsvc Ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old Ren C:\Windows\System32\catroot2 Catroot2.old net start bits net start wuauserv net start appidsvc net start cryptsvc
3. 終了後、一度PCを再起動し、改めてWindows Updateを実行します。
4. 正しくフォルダのリネームが行われていないと効果がありません。コマンドは一字一句間違えないように入力しましょう。
Windows InstallerサービスおよびWindows Updateサービスの起動・再起動
サービスの設定が自動起動になっていなかったり、一時的な不具合で停止している場合もあります。これを修正するだけで更新が進むこともあるため、以下を確認してみてください。
サービスの確認方法
1. Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開く
2. services.msc と入力してEnterキーを押す
3. サービス一覧から「Windows Installer」や「Windows Update」を探す
4. それぞれを右クリックし、「開始」や「再起動」が選択できる場合は実行する



「停止」になっているサービスを見つけたら、それだけでアップデートが成功するパターンもあります。意外と見落としがちなので、一度チェックしてみると良いですよ。
SFC・DISMコマンドでシステムファイルを修復
Windowsシステムの重要ファイルに破損や欠損があると、アップデート時に不具合を引き起こしやすくなります。SFC(システムファイルチェッカー)やDISMコマンドを使うことで、これらのファイルを修復できます。
SFCとDISMの実行例
1. 管理者権限のコマンドプロンプトを開く
2. sfc /scannow を入力してEnterキーを押す
3. 検証と修復が終わったら、DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth を実行する
4. PCを再起動して、再度アップデートを試みる
以下のようにコマンドを順番に打ち込むとスムーズに完了しやすいです。
sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
インプレースアップグレードの実施
どうしてもエラーが解消しない場合、Windows 11のインストールメディア(またはWindows公式ツール)を使ってインプレースアップグレードを行う方法があります。これは現在のOSを上書きする形ですが、データやアプリは保持したまま修復とアップデートを同時に進められる方法です。
インプレースアップグレードの流れ
1. Microsoftの公式サイトからWindows 11のインストールメディア作成ツールをダウンロードする
2. ツールを起動し、USBまたはISOイメージを準備する
3. 作成したメディアまたはISOを使い、Windowsセットアップを実行する
4. 個人ファイルとアプリを保持するオプションを選びながらインストールを進める
EFIシステムパーティションの容量不足に対処
あまり目立たない原因として、EFIシステムパーティションの容量不足があります。特に自作PCやディスク構成をカスタマイズしている場合に陥りがちです。アップデート中にシステムの予約領域が足りないとエラーが発生することがあります。
EFIパーティションの確認と拡張
1. ディスクの管理ツールでEFIシステムパーティションのサイズを確認する
2. パーティション編集ソフト(サードパーティ製など)を使って、EFIパーティションの容量を増やす
3. 十分な空き領域を確保した状態で再びWindows Updateを実行する



私の友人は、昔使っていたドライブ構成を使い回していたためEFIパーティションが極端に小さいままでした。容量を数百MBでも増やすだけで解決する場合があるようです。
よくある質問とその回答
次に、エラーが起こるときにユーザーからよく寄せられる質問をまとめました。特に「やるべき作業が多すぎて混乱してしまう」という方のために、確認すべきポイントを整理しています。
Q. ウイルス対策ソフトをオフにするだけではだめなの?
A. オフにするだけで対応できる場合もありますが、常駐部分が残っているとWindows Updateに干渉する可能性があります。本格的に原因を切り分ける場合は、一度アンインストールしてみる方が確実です。
Q. コマンドの入力ミスでフォルダ名がおかしくなってしまったらどうすればいい?
A. まずは再度リネームを試みてください。Windows Updateフォルダの名称が正しく変更されていないと、キャッシュのリセットが行われません。それでも解決しない場合は前の状態に戻すか、インプレースアップグレードを検討するのも手です。
Q. CPUがWindows 11に対応しているはずなのにサポート外と出るのはなぜ?
A. システムの互換性チェックがうまくいかないケースがあるようです。BIOSの設定やセキュアブート関連の設定が合っているかを再確認し、必要であればEFIパーティションの空き容量やWindows Updateの状態を確認してください。
Q. インストールメディアからのアップデートは面倒じゃない?
A. 面倒に感じるかもしれませんが、正常にWindowsが動作している状態ならば作成ツールを立ち上げて指示に従うだけで比較的スムーズに進みます。必要なデータはそのまま保持できるオプションを選べますので、念のためバックアップを取った上で試してみてください。
トラブルシューティング表
以下に、よくあるトラブルと解決策を表にまとめました。どの対処から試していいか分からない方は、この一覧を参照しながら進めると整理しやすいです。
トラブル内容 | 推定原因 | 主な解決策 |
---|---|---|
エラーコード0xc1900201 | サービス不具合 / システムファイル破損 | Windows Updateサービスのリセット / SFC & DISM |
CPUがサポート外と表示 | 互換性チェックの不具合 / EFI不足 | EFIパーティション拡張 / BIOS設定の見直し |
SoftwareDistributionリネーム失敗 | アクセス権限不足 / 他プロセスの占有 | 管理者権限で実行 / 再起動後に再操作 |
再起動後もエラーが継続 | 根本的なシステム破損 / 更新ファイルの欠損 | インプレースアップグレード / ディスク構成の見直し |
まとめ
Windows 11 Version 23H2 アップデートエラー (0xc1900201) が起きた場合は、一度にあれこれ手を付けるよりも、まずは干渉の可能性があるサードパーティ製ソフトを解除してみるなど、基本的な対処から始めるのがおすすめです。手順を一つずつ着実に進めることで、多くのケースは解決に至るはずです。それでもうまくいかない場合は、EFIシステムパーティションやサービスの状態、システムファイルの破損状況などを改めて確認し、インプレースアップグレードのようなやや上級者向けの方法も視野に入れてみてください。



私自身は、アップデートに失敗する度に焦って時間を無駄にしてしまいました。あのときは知識不足もあり、何度も再試行を繰り返していたんです。今回ご紹介した方法を把握していれば、もっと効率よく問題解決できたと思います。
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