VirtualBoxでWindows 11をインストールできない時の対処方法を徹底解説

仮想環境でWindows 11を試してみたいと思い立ったものの、VirtualBox上でエラーに阻まれて先に進めないケースが多く報告されています。私も初めて挑戦した時には、要件チェックで何度も弾かれて苦労しました。そんな手強い問題に悩んでいる方に向けて、セキュリティ要件をクリアするための設定や注意点をわかりやすくお伝えします。

Windows 11のインストールエラーとは

エラー内容の詳細

VirtualBox上でWindows 11をインストールしようとすると、このPCではWindows 11を実行できません、あるいはTPMに関連するエラーが表示されて先に進めないケースがあります。これはWindows 11の正式要件であるTPM 2.0やSecure Boot、UEFIといったセキュリティ関連の機能が正しく利用できていない可能性が高いです。最近ではVirtualBoxでも仮想TPM機能がサポートされるようになってきましたが、バージョンが古かったり、仮想マシンの設定が不十分だとエラーが発生しがちです。

なぜ要件チェックに引っかかるのか

UEFIとTPMの壁

Windows 11は従来のBIOSモードではインストールが難しく、基本的にUEFI対応であることが望まれています。さらにTPM 2.0が導入されていない仮想ハードウェア環境だと、セットアップの段階で弾かれてしまいます。VirtualBoxの場合は仮想TPMを手動で有効化しないといけないため、そこを見落とすとエラーが発生する要因になります。

Secure Bootの落とし穴

Windows 11のインストールガイドラインには、Secure Bootの有効化も推奨要件として挙げられています。VirtualBoxでは、バージョンやホスト環境によってはSecure Boot相当の機能をエミュレートできない、あるいは初期設定ではオフになっていることがあります。そのため、知らずに従来の設定のままインストールを進めようとして失敗するケースが少なくありません。

私も最初は、古いVirtualBoxのままISOを使ってインストールを試みたところ、何度やってもエラーでストップし、半日ほど頭を抱えました。原因を調べてみるとUEFIもTPMもオフで、まったく要件を満たしていなかったんですね。

VirtualBoxの設定を見直す

VirtualBoxのバージョンアップ

VirtualBoxが古いバージョンの場合、Windows 11用の仮想TPMサポートやUEFIブート関連の機能が不十分なことが多いです。6.1.28以降ではWindows 11のインストールブロックに関する修正が取り込まれているため、まずは最新バージョンへアップデートすることをおすすめします。更新後は必ず再起動し、再度インストールを試みるとエラーを回避できる可能性が高まります。

UEFIブートの有効化

EFIモードの設定手順

Windows 11をインストールする際は、BIOSモードではなくEFIモードで起動する設定を行うことが重要です。VirtualBoxの仮想マシン設定画面でEFIを有効にしないままインストールを進めると、エラーが出てしまう場合があります。
EFI有効化の手順としては、仮想マシンのシステム設定にあるEnable EFI (special OSes only)というオプションをチェックし、BIOSモードをUEFIへ切り替えておくことがポイントです。

仮想TPMの利用

Windows 11が要求するTPM 2.0を満たすために、最新のVirtualBoxでは仮想TPMを有効化できるオプションが追加されています。仮想マシン設定で、TPMに関する項目をオンにするか、別途Oracle VM VirtualBox Extension Packを導入して仮想TPMに対応させましょう。

仮想TPMを有効にすることで、Windows 11のライセンス認証やセキュリティ関連のチェックをクリアしやすくなります。

メモリとCPU割り当てを調整

Windows 11は最低4GB以上のメモリを推奨しています。余裕があれば8GB程度割り当てるとより快適に動作します。またCPUコア数も可能な範囲で増やしておくと、OSの動作がスムーズになります。
ただし、ホストPCのスペックを超えて割り当ててしまうと、かえってホスト側が重くなってしまい、結果としてゲストOSも不安定になることがあるので注意が必要です。

Windows 10からのアップグレードかクリーンインストールか

Windows 10をすでにVirtualBoxで動かしている場合は、そこからアップグレードという選択肢もあるかもしれません。しかし、実際にはアップグレードインストールの要件チェックが通らずに失敗する事例が多く見られます。
インプレッションとしては、最初からクリーンインストール用ISOを用い、UEFIとTPMの設定を済ませておいて、新規にインストールする方がスムーズです。

私自身、最初はWindows 10からのアップグレードを目指しましたが、エラー続出で結局クリーンインストールに落ち着きました。手間は増えますが、結果的にはスムーズで時間の節約にもつながりました。

実際のインストール手順

Windows 11 ISOをダウンロード

Microsoft公式サイトからWindows 11のディスクイメージ(ISO)をダウンロードします。メディア作成ツールを利用する場合、install.wimではなくinstall.esdとして収録されているケースがあります。DISMでのイメージ適用を考えている方は、wim形式が必要なことを頭に入れておきましょう。

クリーンインストールの進め方

インストーラー利用

1. VirtualBoxで新しい仮想マシンを作成する
2. メモリやCPUの設定、EFIモードやTPMの有効化を行う
3. 新規に作成した仮想ディスクを用意する
4. 起動ディスクにWindows 11のISOイメージを設定し、起動する
5. インストーラー画面が表示されたら、画面の指示に従ってインストールを進める

インストール中にドライバ類が不足している場合は、後ほどGuest Additionsを導入し、各種機能を補完しましょう。

DISMによるイメージ適用時の注意点

DISMコマンドを使ってinstall.wimを適用し、強引にWindows 11をインストールする方法もあります。ただし、最新のメディア作成ツールで作成されたISOにはinstall.esdが含まれている場合が多く、その場合は適用時にエラーが出やすいです。
さらに、インストール後にUEFIの設定やTPMの設定が整っていないと、初回起動時にエラーとなることがあるので注意しましょう。

インストール後にやっておきたい設定

Guest Additionsのインストール

Windows 11をインストールしただけでは、まだディスプレイ解像度の自動調整やクリップボードの共有などが制限されている可能性があります。VirtualBoxにはGuest Additionsという追加ツールがあり、これをインストールすることでマウスのシームレス操作やビデオドライバの最適化などが有効になります。
インストール方法は、仮想マシンが起動している状態で、メニューからInsert Guest Additions CD imageを選択し、セットアップを実行するだけです。再起動後にゲストOSがより快適に動作するようになります。

Windows Updateでセキュリティを最新に

インストール直後のWindows 11は、セキュリティ更新プログラムをまだほとんど適用していない状態かもしれません。Windows Updateを実行して、最新の更新プログラムを適用することで、システムの安定性や安全性が高まります。
また、Windows 11特有の機能拡張やドライバの更新も自動的に行われるため、インストール後の初回アップデートは念入りに行っておくとよいでしょう。

よくある質問と対策

古いPCで仮想化は可能か

ホストPCが比較的古い場合、仮想化支援技術(Intel VT-xやAMD-V)がBIOSで無効になっている可能性があります。その場合はUEFI/BIOS設定で仮想化を有効にしない限り、VirtualBox側でUEFIやTPMを有効に設定しても正しく機能しません。
ホストPCのマニュアルを参照し、仮想化支援機能をオンにした後で、VirtualBoxの設定を見直すとスムーズです。

古いPCでは仮想化自体が非対応、あるいは動作が著しく重い場合があるため、期待通りに動かないかもしれません。

インストール途中でフリーズしたとき

仮想マシンの設定とホストPCのリソース割り当てが適切でないと、Windows 11のインストール途中にフリーズやクラッシュが発生することがあります。
メモリやディスクスペースが十分か、CPUが過負荷になっていないかを再度確認しましょう。また、ホストOSで別の重い作業を同時に行っていると、仮想マシン側のパフォーマンスが低下してインストールが進まなくなることがあります。

インストール時に余計なアプリケーションを終了し、ホストPCのリソースを開放しておくと成功率がぐっと上がります。

VirtualBoxの推奨設定一覧

以下はWindows 11をスムーズに動かすための設定例です。あくまで目安であり、ホストPCのスペックに応じて適宜調整してください。

項目 推奨設定
メモリ 4GB以上(できれば8GB推奨)
CPU 2コア以上(できれば4コア推奨)
ストレージ 動作検証用なら64GB以上、余裕を持つなら100GB以上
仮想化方式 UEFI(EFI)ブートを有効
TPM 仮想TPMを有効化
Secure Boot 可能であればシミュレートを有効
バージョン VirtualBox 6.1.28以上を推奨

まとめ

VirtualBoxでWindows 11をインストールするには、UEFIブートやTPM 2.0などのセキュリティ要件をクリアできる最新バージョンのVirtualBoxを利用することが大前提です。仮想マシンの設定においてもEFIやSecure Bootをオンにし、仮想TPMを適切に設定しておくことで、エラーを回避しつつスムーズにインストールできます。
さらに、クリーンインストール用のISOを使う方がアップグレードよりも成功しやすい傾向があり、インストール後はGuest AdditionsやWindows Updateを活用することで快適な仮想環境を整えられます。
ぜひ今回ご紹介したポイントを踏まえて試してみてください。きちんと手順を追えば、VirtualBox上でWindows 11を安心して動かせるようになります。

私も最初はWindows 11の要件を見た時に驚きましたが、いざ設定を正しく行ってみると、思ったよりスムーズにインストールできて感動しました。ぜひ皆さんもあきらめずに挑戦してみてください。

コメント

コメントする