この記事では、Linux環境においてLVM(Logical Volume Manager)を使用してボリュームを作成・管理する方法について詳しく解説します。具体的なコマンドとその解説、さらには応用例を5つ以上も含めています。この記事を通して、ストレージの柔軟な管理が可能になります。
目次
はじめに:LVMとは?
LVMはLinux Logical Volume Managerの略で、物理ディスクを論理的な構造で管理するツールです。通常のパーティショニングとは異なり、LVMを使用すると、複数の物理ディスクを一つの論理ボリュームとして扱えます。
LVMの基本概念
Physical Volume(PV)
物理的なディスクやその一部(パーティションなど)を指します。
Volume Group(VG)
一つまたは複数のPVをまとめたものです。
Logical Volume(LV)
VG内の空き領域を論理的に分割したもの。これが実際にファイルシステムを持つエリアとなります。
LVMボリュームの作成手順
Step 1: PVの作成
sudo pvcreate /dev/sdb # /dev/sdbをPVとして利用
解説
`/dev/sdb`というデバイスをPVとして設定します。この操作には`sudo`(スーパーユーザー権限)が必要です。
Step 2: VGの作成
sudo vgcreate my_vg /dev/sdb # my_vgというVGを作成
解説
作成したPVを用いて、`my_vg`という名前のVGを作成します。
Step 3: LVの作成
sudo lvcreate -L 10G my_vg -n my_lv # 10GBのLVを作成
解説
`my_vg`というVG内に、10GBのサイズの`my_lv`というLVを作成します。
応用例
例1: VGに新しいPVを追加
sudo vgextend my_vg /dev/sdc # my_vgに新しいPVを追加
例2: LVの拡張
sudo lvextend -L +5G my_vg/my_lv # LVを5GB拡張
例3: LVのサイズを縮小
sudo lvreduce -L -5G my_vg/my_lv # LVを5GB縮小
例4: VGからPVを削除
sudo vgreduce my_vg /dev/sdc # VGからPVを削除
例5: LVにファイルシステムを作成
sudo mkfs.ext4 /dev/my_vg/my_lv # LVにext4ファイルシステムを作成
まとめ
LVMを使用することで、柔軟なストレージ管理が可能です。基本的な手順から応用例まで、この記事で紹介したコマンドを用いて、Linux環境下での高度なストレージ管理を行ってみてください。
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