この記事では、データベースのパフォーマンスを最適化するための非正規化の技法について解説します。非正規化は一般には推奨されない場合も多いですが、特定の状況でクエリの効率を向上させるために非常に有用です。本記事では、非正規化が何であるか、いつそれを使うべきか、そして具体的な手法について詳しく説明します。
目次
非正規化とは?
非正規化は、データベース設計において、パフォーマンスを向上させる目的でデータを冗長化する手法です。正規化されたデータベースは、データの整合性を高める一方で、複数のテーブルを結合する必要が生じるためクエリのパフォーマンスが低下する場合があります。
正規化と非正規化の違い
正規化は、データの重複を排除して整合性を高める設計手法ですが、非正規化はその逆です。つまり、データの冗長性を許容して、パフォーマンスを向上させるわけです。
正規化 | 非正規化 |
---|---|
データ整合性重視 | パフォーマンス重視 |
冗長性排除 | 冗長性許容 |
いつ非正規化をするべきか
一般的に、以下のような状況で非正規化を考慮する価値があります。
- 読み取り操作が多く、書き込み操作が少ない場合
- 特定のクエリが非常に遅い場合
- 大量のデータを高速に処理する必要がある場合
非正規化の具体的な手法
デノーマライズ
デノーマライズとは、複数のテーブルに分散しているデータを一つのテーブルに集約することです。
注文テーブル | 顧客テーブル | デノーマライズ後のテーブル |
---|---|---|
注文ID, 顧客ID | 顧客ID, 顧客名 | 注文ID, 顧客ID, 顧客名 |
マテリアライズド・ビューの使用
マテリアライズド・ビューは、あらかじめ計算された結果を保存しておくテーブルの一種です。
CREATE MATERIALIZED VIEW sales_summary AS
SELECT product_id, SUM(sales_amount)
FROM sales
GROUP BY product_id;
インデックスの最適化
非正規化されたテーブルでも、適切なインデックスを設定することでさらに高速化が可能です。
CREATE INDEX idx_sales_summary_product
ON sales_summary (product_id);
まとめ
非正規化はデータベース設計の一つの手法であり、特定の状況下でクエリのパフォーマンスを向上させることができます。ただし、データの整合性を犠牲にする可能性もあるので、慎重に適用する必要があります。
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