この記事では、Linux環境で侵入検知システム(Intrusion Detection System, IDS)をセットアップする方法について詳しく説明します。特に、オープンソースの侵入検知システムであるSnortを用いた具体的な設定方法、コードの解説、さらには応用例まで網羅しています。
目次
侵入検知システム (IDS) とは
侵入検知システム (IDS) は、不正アクセスやサイバー攻撃を検知するためのシステムです。IDSは大きく二つのタイプ、ネットワーク侵入検知システム (NIDS) とホスト侵入検知システム (HIDS) に分かれます。
ネットワーク侵入検知システム (NIDS)
NIDSは、ネットワークトラフィック全体を監視し、異常なパターンや攻撃シグネチャを検出します。
ホスト侵入検知システム (HIDS)
HIDSは、特定のコンピュータ(ホスト)に焦点を当て、システムファイルや設定の変更を監視します。
Snortの導入と設定
今回は、オープンソースのNIDSであるSnortを用いて侵入検知システムを構築します。
Snortのインストール
以下のコマンドでSnortをインストールします。
sudo apt update # パッケージリストを更新
sudo apt install snort # Snortをインストール
基本設定
基本設定は`/etc/snort/snort.conf`ファイルで行います。
sudo nano /etc/snort/snort.conf # 設定ファイルを編集
IPアドレスやログの設定など、必要に応じて編集します。
ルールの設定
Snortの効果を最大限に引き出すためには、適切なルール設定が必要です。
基本ルールの設定
基本的なルールは以下のように設定します。
alert tcp any any -> any any (msg:"TCP packet detected"; sid:1000001;)
このルールは、任意のIPから任意のIPへのTCPパケットを検出するというものです。
応用例
SSHの不正アクセスを検出
alert tcp any any -> $HOME_NET 22 (msg:"SSH brute force attack detected"; flags:S; sid:1000002;)
FTPトラフィックの監視
alert tcp any any -> $HOME_NET 21 (msg:"FTP traffic detected"; flags:A; sid:1000003;)
特定のキーワードを含むHTTPリクエストの検出
alert tcp any any -> $HOME_NET 80 (msg:"Keyword detected in HTTP request"; content:"sensitive"; nocase; sid:1000004;)
不正なSQLクエリの検出
alert tcp any any -> $HOME_NET 3306 (msg:"SQL injection attempt"; content:"DROP TABLE"; nocase; sid:1000005;)
ICMPフラッド攻撃の検出
alert icmp any any -> $HOME_NET any (msg:"ICMP flood detected"; dsize:>800; sid:1000006;)
まとめ
Linuxで侵入検知システムを設定する際は、Snortが非常に有用なツールであることを理解しました。適切なルール設定と応用例によって、よりセキュアなシステムを構築することが可能です。
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