Microsoft Learn「Diagnose and fix Microsoft Edge sync issues」の変更点【2026年6月】

2026年6月15日付の更新情報として「Diagnose and fix Microsoft Edge sync issues」を確認する場合、まず注意したいのは、Microsoft LearnやMicrosoft Edgeに新機能が追加されたという告知ではない点です。2026年6月19日時点で、公式ページに表示される最終更新日は2025年1月28日です。Microsoft Learnでは、この日付を「記事が実質的に編集された日、または情報の鮮度が保証された日」と定義しています。そのため、公開ページからは2026年6月15日に行われた具体的な機能変更を特定できません。軽微な修正や再公開の可能性はありますが、料金改定、移行、強制的な設定変更、対応期限は確認されていません。(Microsoft Learn)

今回確認すべきなのは、Microsoft EntraアカウントでMicrosoft Edgeの同期ができないときに、一般ユーザーと管理者がどの順番で原因を切り分けるかです。特に、edge://sync-internals、ライセンス、RMS、Enterprise State Roaming、SyncDisabledポリシーの確認が重要になります。

目次

Microsoft Learnの「Diagnose and fix Microsoft Edge sync issues」の変更点

現行の公式情報は、Microsoft Edgeの同期障害に対して、次の順番で対応することを示しています。

  1. 一般ユーザーが再同期を行う
  2. 解決しなければ同期データをリセットする
  3. それでも直らない場合は、管理者がアカウント、ライセンス、ポリシー、ネットワークを調査する

つまり、この情報の中心は新しい同期機能ではなく、自己解決できる操作と、管理者へ引き継ぐべき問題の境界を明確にすることです。公式ページはMicrosoft Entra環境で発生する代表的な同期障害と、ログや内部状態を確認する方法をまとめています。(Microsoft Learn)

公開情報から確認できる内容を整理すると、次のようになります。

確認項目確認結果
Microsoft Learnの機能変更確認されていない
Microsoft Edge同期の新機能確認されていない
必須の設定変更全ユーザー共通の変更はない
Edgeの更新最新の安定版への更新を推奨
データ移行移行作業の告知はない
料金料金改定の記載はない。ただし対応ライセンスの確認は必要
対応期限強制適用日や作業期限の記載はない
主な対象者Microsoft Entraアカウントを利用するユーザー、テナント管理者、ヘルプデスク

したがって、同期が正常に動いている組織が、2026年6月15日を理由に設定を変更する必要はありません。

影響を受けるユーザーと管理者

このMicrosoft Learnページは、主に職場または学校のMicrosoft EntraアカウントをMicrosoft Edgeで利用している組織を対象としています。

対象影響と必要な対応
同期できない一般ユーザーサインイン状態、Edgeの更新、再同期を確認する
「同期はこのアカウントでは使用できません」と表示されるユーザー管理者へ連絡し、ライセンスやテナント設定を確認してもらう
Microsoft 365・Entra管理者RMS、ESR、オンボーディングポリシー、Edgeポリシーを確認する
ネットワーク管理者Edge同期サービスへの通信が遮断されていないか確認する
個人用Microsoftアカウントの利用者再同期やリセットは参考になるが、RMSやESRの確認は通常不要
同期が正常な組織原則として対応不要

特に、DISABLED_BY_ADMINが表示される問題は、端末側だけで解決できないケースが多くあります。公式情報でも、Microsoft Entraテナントの構成変更が必要になるため、テナント管理者による対応が必要とされています。(Microsoft Learn)

一般ユーザーが最初に行う確認手順

同期障害が発生したら、いきなりプロファイルを削除したり、クラウドデータをリセットしたりするのではなく、影響の小さい操作から順番に試します。

サインインと同期を切り分ける

Microsoft Edgeにサインインできていても、同期が有効とは限りません。反対に、同期エラーに見えても、実際には認証トークンやアカウントの問題である場合があります。

まず、Edge右上のプロフィールアイコンから、次の点を確認します。

  • 正しい職場または学校アカウントでサインインしている
  • 「サインインを完了する」などのメッセージが出ていない
  • パスワード変更後や多要素認証後に、再認証を求められていない
  • 同じアカウントでMicrosoft 365などへ正常にサインインできる

Last Token ErrorEDGE_AUTH_ERRORが表示されている場合は、同期データより先にサインイン状態を調査します。

Microsoft Edgeを更新する

アドレスバーに次のURLを入力します。

edge://settings/help

更新が見つかった場合はインストールし、Edgeを再起動します。

公式のトラブルシューティングページにはChromium版Microsoft Edge 77以降が対象で、基本手順内には98.0.1108.43以上という記載があります。ただし、これは2026年時点の推奨バージョンを意味するものではありません。古い最低条件を目標にするのではなく、最新の安定版を使用してください。Microsoftも「Microsoft Edgeについて」の画面から更新を確認する手順を案内しています。(Microsoft Learn)

アカウントをサインアウトして再度サインインする

同期データそのものではなく、認証状態が一時的に不整合を起こしている場合は、サインアウトと再サインインで解決することがあります。

ただし、ローカルにしか保存されていないお気に入りやパスワードがある場合は、データの保持を確認してから操作してください。

「このデバイスにデータを再同期する」を実行する

次の順番で開きます。

設定プロファイル同期このデバイスにデータを再同期する

表示される「再同期」を選択し、処理が終わるまでEdgeを開いたままにします。保存されているデータ量によっては、完了まで数分かかることがあります。

解決しない場合のみ「同期のリセット」を行う

再同期で直らない場合は、「同期の問題が解決しない場合は、別のオプションを試す」に進み、「同期のリセット」を実行します。

リセット前には、少なくともお気に入りをバックアップしてください。

  1. Ctrl + Shift + Oを押す
  2. 画面上部のメニューを開く
  3. 「お気に入りのエクスポート」を選択する
  4. HTMLファイルを安全な場所へ保存する

同期のリセット後は、ほかのデバイスで再サインインが必要になる場合があります。また、クラウド上のデータを削除する目的で操作する場合と、同期障害を修復する目的で操作する場合では手順が異なります。処理中にEdgeを閉じないことも重要です。(Microsoft Learn)

管理者が確認する診断ページ

一般ユーザーによる再同期で解決しない場合、管理者やヘルプデスクは次の3ページを確認します。

確認先主に確認する内容
edge://sync-internals同期の有効状態、エラー、対象デバイス、接続先、暗号化状態
edge://signin-internalsアカウント、認証トークン、サインインエラー
edge://policySyncDisabledなど、端末に適用されているポリシー

問い合わせを受けた時点で、これらの画面のスクリーンショットとエラーメッセージを収集しておくと、端末、アカウント、テナント、ネットワークのどこに原因があるかを切り分けやすくなります。

エラーメッセージ別の判断基準

表示や状態主な確認ポイント次の対応
Last Token Errorアカウントや認証トークンedge://signin-internalsを確認する
DISABLED_BY_ADMINライセンス、RMS、ESR、Edgeポリシーテナント管理者が設定を確認する
「同期を設定しています」で止まる通信、暗号化、サービス側データ接続先とType infoを確認する
「同期サーバーに接続できません」プロキシ、ファイアウォール、DNS必要なエンドポイントへの通信を確認する
Cryptographer error暗号鍵またはサービス側データKey Statusを確認し、必要なら同期をリセットする
「管理者によって同期がオフ」SyncDisabledポリシーedge://policyで適用元を調査する

「同期はこのアカウントでは使用できません」の確認方法

このエラーやDISABLED_BY_ADMINが表示された場合は、次の順番で調査します。

  1. 対応するMicrosoft 365またはMicrosoft Entraライセンスがあるか
  2. Rights Management Serviceが有効か
  3. Enterprise State Roamingが必要な契約条件か
  4. RMSのオンボーディングポリシーで対象ユーザーが除外されていないか
  5. IPCv3Serviceが有効か
  6. SyncDisabledポリシーが適用されていないか

対応ライセンスを確認する

関連するMicrosoft Edgeエンタープライズ同期の公式ページでは、Microsoft Entra ID P1またはP2、Microsoft 365 Business Premium・Business Standard・Business Basic、Office 365 E1以上、教育機関向けの一部プランなどが案内されています。

ただし、Microsoft 365 Business BasicまたはBusiness Standardを利用し、テナントが2021年より前に作成されている場合は、Microsoft Purview Rights Management Serviceが既定で有効になっていない可能性があります。ライセンス名だけで判断せず、RMSの実際の状態まで確認することが重要です。(Microsoft Learn)

ESRをむやみに無効化しない

トラブルシューティングページには、ESRを有効にして問題が解決した場合、再び無効にできるという説明があります。一方、現在の構成ページでは、Microsoft Entra ID P1またはP2のみを利用するテナントについて、ESRを有効にする必要があると案内されています。(Microsoft Learn)

したがって、「一度同期できたからESRを無効化してよい」と一律に判断してはいけません。契約しているライセンスとテナント構成に基づいて判断してください。

RMSの有効化はEdgeだけに影響する操作ではない

RMSやAzure Rights Managementサービスを有効にすると、Microsoft Edgeだけでなく、WordやOutlookなどによる文書・メールの保護にも影響する可能性があります。

同期を直す目的だけでテナント全体のRMS設定やオンボーディングポリシーを変更すると、既存の情報保護運用に影響するおそれがあります。変更前に次の点を確認してください。

  • Microsoft Purview Information Protectionを利用しているか
  • 暗号化や秘密度ラベルの運用があるか
  • RMSの対象ユーザーをセキュリティグループで制限しているか
  • 変更後にWord、Excel、PowerPoint、Outlookへ影響しないか
  • 元の設定へ戻す手順を用意しているか

Microsoftの構成ページでも、AIPの有効化やオンボーディング制御は、Edge以外のアプリケーションによるコンテンツ保護に影響すると注意されています。(Microsoft Learn)

SyncDisabledポリシーを確認する

「管理者によって同期がオフになっています」と表示される場合は、アドレスバーに次を入力します。

edge://policy

一覧からSyncDisabledを探してください。

SyncDisabledが必須ポリシーとして有効になっていると、ユーザーは同期をオンにできません。同期の同意画面も表示されなくなります。設定を変更する場合は、ローカルグループポリシーだけでなく、Microsoft Intune、Active DirectoryのGPO、セキュリティベースラインなど、どこから配信されているかを特定する必要があります。(Microsoft Learn)

ForceSyncを有効にしていても、SyncDisabledが有効な場合は強制同期が機能しません。複数の構成プロファイルが競合していないかも確認してください。(Microsoft Learn)

同期サーバーへ接続できない場合の確認先

「同期サーバーに接続できません。再試行中」と表示される場合は、プロキシやファイアウォールで必要な通信が遮断されていないか確認します。

公式ページでは、主に次のエンドポイントが案内されています。

https://edge.microsoft.com
https://api.aadrm.com
https://api.aadrm.de
https://api.aadrm.cn
https://*.cloudmessaging.edge.microsoft.com/
wss://*.cloudmessaging.edge.microsoft.com/

api.aadrm.deapi.aadrm.cnは対象地域が限定されます。日本の一般的なテナントで、すべてを無条件に許可する必要があるとは限りません。テナントの地域、プロキシログ、edge://sync-internalsのEnvironment Infoを確認してから設定します。(Microsoft Learn)

また、pingが失敗しただけで通信不可と判断しないことも重要です。サーバー側がICMPに応答しなくても、HTTPSやWebSocket通信は成功する場合があります。DNS名前解決、TCP 443、TLS検査、WebSocket通信、プロキシ認証を分けてテストしてください。

更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

設定

全ユーザーに対して新しい設定を配布する必要はありません。同期障害が発生している場合のみ、サインイン、再同期、ポリシー、RMS、ESRを確認します。

Microsoft Edgeの更新

特定バージョンへの移行期限は示されていません。ただし、同期機能や認証処理の不具合を避けるため、最新の安定版を使用するのが基本です。

データ移行

別サービスへの移行や、同期データの保存先変更は告知されていません。「同期のリセット」は移行作業ではなく、障害修復またはクラウドデータ削除のための操作です。

料金

このトラブルシューティングページに料金改定の記載はありません。ただし、Microsoft Edgeエンタープライズ同期を利用できるかどうかは、Microsoft 365やMicrosoft Entraの契約内容、RMSの有効状態によって変わります。

同期エラーが出たからといって、すぐに上位プランを購入するのは避けてください。既存ライセンスで利用できるにもかかわらず、RMSやESRの設定が原因で同期できていない可能性があります。

期限

設定変更の締め切り、移行期限、機能廃止日は示されていません。正常に同期できている組織は、緊急対応を行う必要はありません。

対応時に失敗しやすいポイント

同期トラブルでは、次の操作が問題を複雑にしやすいため注意してください。

  • お気に入りをバックアップせずに同期をリセットする
  • サインイン障害を同期データの破損と決めつける
  • DISABLED_BY_ADMINを端末の再インストールだけで直そうとする
  • 適用元を確認せずにレジストリのポリシー値を削除する
  • Edgeだけの問題だと考えてRMSをテナント全体で有効化する
  • Entra ID P1・P2環境で、問題解決後にESRを安易に無効化する
  • 公式ページにある古い最低バージョンを現在の推奨バージョンと誤解する
  • pingの結果だけでファイアウォール障害と判断する

最も安全な進め方は、一般ユーザーが再同期を試し、解決しなければ管理者がedge://sync-internalsedge://signin-internalsedge://policyの情報を収集することです。そのうえで、ライセンス、RMS、ESR、ポリシー、ネットワークの順に原因を切り分けます。

今回の公式情報から、Microsoft Learnの利用方法や料金、Microsoft Edge同期の移行期限が変わることは確認されていません。今すぐ行うべきことは、同期障害が発生している端末で再同期を試し、エラーが続く場合は内部診断ページの結果を管理者へ共有することです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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