新しいMacBook AirにOffice 2021を導入しようとしたのに、思わぬエラーでつまずいてしまうと焦りますよね。特に「NoPkpnFound」エラーは聞き慣れず、ネット検索しても情報が少なくて困ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなトラブルを解消するための具体的な手順やポイントをじっくり解説します。
Office 2021インストール時の「NoPkpnFound」エラーとは
多くのユーザーがスムーズにインストールしているOffice 2021ですが、稀に「NoPkpnFound」というエラーが発生し、セットアップが先に進めなくなるケースがあります。このエラーは、主にOfficeライセンス認証の手続きが正常に完了していない状況や、Microsoftアカウントとライセンス情報の紐づけに問題がある際に起こると考えられています。実際に表示されるエラーコードやメッセージには以下のような例があります。
- 「Sorry, we can’t set up your account right now. Please come back later to redeem your product key.」
- エラーコード: 「NoPkpnFound | 3b32fa11-44fe-4816-8770-e878071ae8e4」
さらに、ブラウザを切り替えても、シークレットモードで試しても、キャッシュとクッキーを削除しても改善しないという共通点が見られます。
エラーが起きる可能性があるタイミング
- Microsoftアカウントにサインイン後、プロダクトキーを入力してOfficeを引き換えようとしたとき
- setup.office.com でキーを入力し、「次へ」をクリックした段階
- account.microsoft.com の「サービスとサブスクリプション」タブにて、Officeのライセンス状態を確認しようとしたとき
エラーが発生すると、ダウンロード手続きが完了せず、Officeを利用できない状態が続いてしまうため、早期解決が求められます。
エラーの原因になりやすいポイント
同じライセンスを他の端末で既に使っているとか、Microsoftアカウントの情報が最新化されていないなど、背景にはさまざまな要因があります。以下に考えられる主な原因をまとめました。
1. ライセンス情報の反映遅延
Office 2021のプロダクトキーを購入し、アカウントに登録した直後は、ライセンス情報がMicrosoftのサーバーに即時反映されず、数時間~数日かかるケースがあります。このタイムラグによって「NoPkpnFound」などのエラーが出ることがあります。
2. Microsoftアカウントの不整合
複数のMicrosoftアカウントを所持している場合、ライセンスを関連付けたのとは違うアカウントでサインインしていることが原因でエラーが出ることがあります。とくに、職場のアカウント(法人向けのMicrosoft 365)と個人のアカウントを混在している場合などは要注意です。
3. 購入時の国・地域の設定エラー
海外のオンラインストアで購入したOfficeを日本のMicrosoftアカウントに紐づける、あるいはその逆の場合など、国・地域の設定が合わず、キーの有効化でエラーになることもあります。
4. ネットワークやブラウザの問題
インターネット接続が不安定だったり、ブラウザのキャッシュやクッキーが影響している可能性も否定できません。ブラウザを変えたり、シークレットモードで試すと改善する場合もあります。ただし今回の「NoPkpnFound」では、キャッシュの削除やブラウザ切り替えで解決しないケースも散見されるため、別の要因を疑う必要があります。
5. Microsoft側のサーバー障害や一時的な不具合
まれにですが、Microsoftのライセンス認証システム自体に一時的な不具合が生じることがあります。サーバー側で修正が入るまで待たなければ解決しないケースもあるため、時間を置いて再度試してみることも重要です。
エラー解決のための初期対処法
それでは、具体的にどのように対処すればよいのでしょうか。まずは自分で試せる方法から順に取り組んでみてください。
1. Office公式サイトでプロダクトキーを再入力
Officeの公式サイト setup.office.com にアクセスし、再度プロダクトキーを入力してみましょう。すでに登録が済んでいる場合でも、何度か試すことで正常なページが表示される可能性があります。
また、account.microsoft.com にサインインして「サービスとサブスクリプション」からOfficeを確認し、インストールオプションが表示されるかどうかもチェックします。もし表示があれば、そこからOfficeをダウンロード・インストールしてください。
2. ブラウザやデバイスを変えてみる
ChromeやSafari、Edge、Firefoxなど、異なるブラウザで操作を行うとエラーが回避される場合もあります。すでにいくつかのブラウザやシークレットモードを試してもダメな場合は、別のPCやスマートフォンなど、異なるデバイスからアクセスしてみるのも手です。ネットワーク環境が大きく変わると認証が通るケースもあります。
3. アカウントの再確認
自分がどのMicrosoftアカウントでOfficeを購入・登録したのかを改めてチェックしましょう。もし異なるアカウントを使っている可能性があれば、候補となるアカウントで順番にサインインし、「サービスとサブスクリプション」画面を確認してみてください。そこに該当のOffice 2021が表示されていれば、そのアカウントがライセンスと紐づいているはずです。
4. リージョン設定や言語設定のチェック
Microsoftアカウントの国・地域が、プロダクトキーを購入したストアの地域と合っているか確認してください。ときには言語設定やタイムゾーンの不一致が引き金になっているケースもあります。
特に海外サイトで購入したキーや、海外のMicrosoftサイト経由で登録したアカウントの場合、リージョンの不一致がエラーを起こすことがあります。
5. 時間を置いて再挑戦
先に述べたように、ライセンス情報の反映が遅れている可能性もあります。焦らずに数時間から数日程度待ってから、再度手順を実行するとスムーズに進む場合もあるため、タイミングを変えて試すこともおすすめです。
サポートに問い合わせる前に試せる追加のテクニック
上記の方法でも進まない場合、次のような対処法を行うことで解決するケースがあります。特にMacの場合、システムのキャッシュやDNS、Keychain Accessの設定などが絡むこともあるので、手間を惜しまず試してみてください。
1. DNSキャッシュのクリア(Macの場合)
ネットワーク関連の不具合を疑う場合は、DNSキャッシュをクリアしてみるのも一案です。Macではターミナルを開き、以下のコマンドを入力するとDNSキャッシュをリフレッシュできます。
sudo killall -HUP mDNSResponder
上記を実行したらパスワードを求められるので入力し、その後再起動あるいは一度Wi-Fiを切って再接続した後に、再度Officeのライセンス認証を試してみてください。
2. Officeを完全アンインストールしてからの再インストール
Office 2021のインストールが部分的に進んでしまい、ファイルが中途半端に残っている場合、新規インストールがうまく進まないことがあります。Macであれば「アプリケーション」フォルダ内のMicrosoft Office関連フォルダを削除し、さらにライブラリ内のMicrosoft関連のサポートファイルも整理する必要があります。
公式のアンインストール手順に従い、完全にOfficeを削除してから再度インストールを試してみてください。
3. Keychain Accessで資格情報の再設定
Macの「Keychain Access」でMicrosoft関連の資格情報が不整合を起こしていると、サインインやライセンス認証時にエラーを吐く場合があります。Keychain Accessを開いて「Microsoft」などで検索し、古い資格情報を削除し、再度サインインを行うことでエラーを回避できるケースがあります。
4. ネットワーク環境を変えてみる
自宅のWi-Fi、職場のVPN環境など、普段使っているネットワーク環境によっては、ファイアウォールの設定やプロキシの影響で認証に支障が出ることもあります。可能であれば、モバイルルーターやスマホのテザリングを使った別のネットワークに切り替え、Officeのライセンス認証を試してみてください。
5. インターネット日付と時刻の同期確認
Officeのライセンス認証では、システムの日時が大きくズレているとエラーとなることがあります。Macの「システム設定」から「日付と時刻」を確認し、インターネット時間と同期されているか、正確に設定されているかを確かめましょう。
Microsoftサポートに連絡する際のポイント
上記の手順を試してもなお「NoPkpnFound」エラーが出続ける場合は、Microsoftサポートに連絡するのが近道です。サポート担当者が内部手続きを行うことで、アカウントとライセンス情報の紐づけを再度設定し直してもらえる場合があります。スムーズに話を進めるために、事前に以下の情報を準備しておきましょう。
1. 購入情報のスクリーンショット
- Microsoftストアあるいは正規代理店から購入した場合の注文番号
- 購入完了メールのスクリーンショット
- Order Historyで「完了」になっている画面のスクリーンショット
これらを用意しておけば、サポート担当者に正確な購入実績を証明できます。
2. エラーコードとメッセージ
- エラー内容「NoPkpnFound」
- 具体的なエラーコード「3b32fa11-44fe-4816-8770-e878071ae8e4」など
サポートに問い合わせるときは、なるべく正確にエラーコードを伝えてください。
3. 試した対処手順のリスト
「どのブラウザで何を試したのか」「キャッシュ削除の手順」など、すでに行った対策をまとめておけば、サポート担当者も二重手間を省けます。また、追加の提案をもらいやすくなります。
4. アカウント情報
実際のパスワードは不要ですが、どのアカウントで購入したか、どのメールアドレスを使っているかを正確に伝えてください。誤ったアカウント情報を伝えると、ライセンスの特定が難しくなり、対応に時間がかかる可能性があります。
実際に問い合わせたユーザーの体験談
あるユーザーの方は、何度試しても「NoPkpnFound」エラーが解消されず困っていたため、Microsoftのオンラインチャットサポートに連絡したところ、「アカウント情報がうまく登録されていない」との回答を得ました。その後、サポート担当者が内部システム上で再設定を行い、改めて発行されたリンクを通じてOfficeをダウンロード・インストールすることができたそうです。
このように、サポート側で操作してもらうことで問題が一気に解決するケースもあるため、「自力で解決が難しい」と感じたら、早めに相談するのが得策です。
エラーを防ぐための事前対策
今後同様のエラーに悩まされないためにも、Officeのライセンス購入・インストールの前後で以下の点に注意してください。
1. アカウントの一元管理
Microsoftアカウントを複数持っていると、どれが本当に有効なOfficeライセンスを紐づけているのか混乱しがちです。購入のたびに使うアカウントを統一する、あるいはメモを残しておくといった工夫をすると、エラー回避につながります。
2. 購入後すぐに登録手続き
プロダクトキーを入手したら、できるだけ早めにsetup.office.comでキーを引き換えておきましょう。時間が経ってから登録すると、何かしらの設定変更やアカウントの切り替えが生じていてトラブルの元になるかもしれません。
3. OSとOfficeのバージョン互換性を確認
Macの場合、最新OSでない場合や、逆に古いOfficeを併用していると不具合が起きることもあります。Office 2021を導入する際は、macOSが推奨要件を満たしているかを必ず確認してください。
4. 定期的なバックアップ
MacであればTime Machineなどを使って定期的にバックアップを取っておくことをおすすめします。万が一インストールトラブルが起きても、システムを巻き戻すことでスムーズに環境を復旧できる場合があります。
トラブル解決の道筋を表にまとめる
最終的にサポートに問い合わせるとしても、まずは自分がどこまで対策を行ったのかを把握しておくことが大切です。以下に簡単な対策フローを表にまとめてみました。
対策ステップ | 内容 | 結果 |
---|---|---|
ブラウザ変更 | Chrome → Safari → Edgeなど | エラーが解消する/継続 |
キャッシュ&クッキー削除 | 各ブラウザの履歴をクリア | エラーが解消する/継続 |
Microsoftアカウント切り替え | 複数アカウントの確認 | 正しいアカウントで ライセンス確認できる/できない |
DNSキャッシュクリア | Macのターミナルで 「sudo killall -HUP mDNSResponder」 | エラーが解消する/継続 |
再インストール | 完全アンインストール後 再度Officeを導入 | エラーが解消する/継続 |
Microsoftサポート | チャット・電話・メールで問い合わせ 内部システムでの再手続き依頼 | 最終的に解消する場合が多い |
上記フローを踏めば、どこまで対策を行ったのかが明確になります。サポートに問い合わせる際にも、この対策表を見せれば状況をスムーズに伝えられるでしょう。
まとめ:自力で解決できない場合はサポートに頼ろう
Office 2021インストール時の「NoPkpnFound」エラーは、その発生原因が複数あるため、原因特定が難しい側面があります。しかしながら、アカウント確認やブラウザ変更、DNSキャッシュのクリアなど、一連の手順を踏んでも解決しない場合は、Microsoftサポートに連絡するのが最短ルートとなることが多いです。サポート側で内部手続きを行ってもらうことで、エラーが解消されるケースも現実に報告されています。
実際にこの問題を経験した方の多くが、サポートを通じて最終的にOfficeをインストール・ライセンス認証できています。面倒に感じるかもしれませんが、エラー解消の近道と捉えて、スムーズなやり取りを意識すると良いでしょう。
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