顧客管理(CRM)でリピーターを増やす!POSレジを活用したデータ活用術

近年、小売店や飲食店、美容サロンなど、どの業種でも「もう一度来たい」と思わせるリピーターづくりが重要視されています。POSレジと顧客管理(CRM)を連携し、購買履歴やポイント管理、DM・クーポン配布などをうまく活用することで、顧客をファン化し売上アップへつなげることができます。今回は、Airレジ・POS+・Square・スマレジの4つのサービスを比較しながら、効果的な顧客データ活用術をご紹介します。

目次

顧客管理(CRM)でリピーターを獲得する重要性

リピーターがもたらすビジネス効果

リピーターを獲得することで安定した売上を確保し、集客コストを大幅に下げることが期待できます。新規顧客を集めるには広告費やキャンペーン費用がかかりますが、一度店舗を気に入ってくれたリピーターには、継続的な来店を促すだけで高い効果を得られます。しかもリピーターは「口コミ」で周囲の人へ店舗を紹介してくれやすいという利点もあります。

POSレジを活用した顧客管理のメリット

POSレジを使う最大のメリットは、購入情報や顧客情報が簡単に集約・分析できる点です。既存の顧客データをもとにクーポンやDMを配布したり、ポイント管理機能を活用したりすれば、来店頻度や客単価アップにつなげやすくなります。

私が小さな洋食店を経営していた頃、まずはメニューの人気度をPOSデータで分析しました。そこから一番売れているメニューを中心にクーポンを発行すると、意外なほどリピーターが増えました。こうしたデータに基づく施策が、経営をぐっと楽にしてくれたんです。

主要4サービス比較:Airレジ・POS+(ポスタス)・Square・スマレジ

それぞれの特徴をひと目で比較

機能面や料金体系の違いは、リピーター獲得を目指す上で大切な視点です。そこで、主な機能比較を下表にまとめました。導入検討の際に、どんな顧客管理機能があるかチェックしてみてください。

サービス名顧客管理(CRM)機能料金特徴
Airレジ顧客データ保存、購買履歴分析、ポイント管理月額無料(周辺機器は別途)初期費用ゼロで始めやすい、必要な機能が一通り揃う
POS+(ポスタス)DM送付、来店頻度分析、追加オプション豊富月額14,000円~充実のサポート体制と幅広い業種対応
Square顧客情報管理、予約機能、オンライン決済連携決済手数料がメイン、POSアプリは無料透明性の高い手数料体系、オンライン販売にも強い
スマレジ顧客管理、分析機能、ポイント/免税対応基本プラン無料~(上位プラン5,000円~)豊富な拡張機能やAPI連携が魅力

各サービスの導入メリットと注意点

ここからは、それぞれのサービスを深堀りして、どのようにリピーターを増やすための顧客データ活用ができるのかを解説します。

POSレジを導入すれば、手作業から解放され、正確な顧客データを蓄積できる点が大きなメリットです。

ただし、導入コストや周辺機器、通信環境などの初期準備が必要になる場合があるので注意が必要です。

Airレジで始める無料顧客管理の魅力

必要最低限の機能を無料で使える手軽さ

Airレジはリクルートが提供するPOSレジアプリで、月額料金がかからないことから、まず試してみたいという店舗にとって導入ハードルが低いのが特徴です。飲食店でも小売店でも扱いやすく、顧客の氏名・連絡先などを登録し、購入履歴と合わせて分析できます。

レジ機能から在庫管理までワンストップ

売上管理、在庫管理、顧客管理をまとめてできるので、エクセルなどで別途管理していた作業を一元化できるのは非常に助かります。特に在庫管理がリアルタイムで更新されるため、品切れ対策や発注のタイミングを逃しにくくなるのが嬉しいポイントです。

知り合いの小売店オーナーがAirレジを導入して「まず無料で試せるのがありがたかった」と言っていました。最初の1年は実店舗とオンラインの両方でクーポンを配布して、徐々にリピーターが定着したそうです。

ポイント管理とDM・クーポン送付で顧客を育成

Airレジでは、店舗オリジナルのポイント制度を作りやすいので、一定のポイント到達で特典を付与するなどのリピート促進策を打ちやすいです。さらに、外部のメールサービスやDMサービスと連携すれば、クーポン送付もスムーズに行えます。

無料で始められるため、小規模店舗や個人事業主でも導入のリスクが少ない点は魅力です。

多機能すぎるわけではないので、「もっと高度な分析がしたい」「専門スタッフに常時サポートを受けたい」という場合には物足りないかもしれません。

POS+(ポスタス)で充実サポートを受けながらCRM施策を展開

月額料金はかかるが手厚いサポートが魅力

POS+(ポスタス)はクラウド型POSとして機能が豊富であり、365日電話サポートが受けられます。顧客管理機能もDM機能と合わせて用意されており、「購入頻度の高いお客様に特別クーポンを送る」「来店が久しぶりのお客様にDMで呼び戻す」といった施策を簡単に実現できます。

業種別特化機能が頼もしい

POS+は、飲食店向けや小売店向け、美容サロン向けなど、業種に応じた最適化が行われているので、導入したその日から使いやすいのが大きな特徴です。特に飲食店では、キッチンプリンター連携やテイクアウト対応など、店舗の運営オペレーションを総合的にサポートする仕組みが整っています。

以前、お寿司屋を経営する知人がPOS+を導入しました。忙しいときには注文管理が大変なのですが、キッチンプリンター連携機能のおかげでミスが激減し、余裕をもって顧客への声かけやおすすめの案内ができるようになったと喜んでいました。

分析データを使った顧客ランク設定

POS+では、売上データや来店頻度などを分析して顧客をランク分けすることもできます。VIP顧客には優待クーポン、来店間隔が長い顧客には再訪を促すキャンペーン情報を送るなど、細かな施策を立てやすい環境が整っています。

手厚い電話サポートと現地訪問サポートで、初めてのIT導入でも安心して始められるのがPOS+の大きな魅力です。

ただし、月額14,000円(税別)からという料金設定は、小規模店舗には少し高く感じるかもしれません。導入時に十分に比較検討が必要です。

Squareの総合力でオンライン×オフラインの顧客管理を一体化

決済手数料のみで始められるPOSレジ

Squareは決済サービスの手数料が明快で、POSレジ自体の月額利用料は無料。キャッシュレス決済やオンラインショップ構築にも強く、リアル店舗とオンラインの両方で顧客情報を一元管理しやすい点が評価されています。

多彩なキャッシュレス決済とスピーディーな入金

クレジットカード、交通系電子マネー、QRコード決済など、多様な支払い方法を受け付けられるのもSquareの特長です。特に翌営業日入金対応(特定銀行の場合)といった資金繰り面でのメリットも、中小事業者にとっては助かる仕組みといえます。

ある雑貨屋オーナーが「コロナ禍で店頭に人が来づらい時期に、オンライン販売を素早く始められたのがSquareのおかげ」と話していました。POSで在庫を一括管理しつつ、オンラインショップの顧客データも同時に活用できるのは大きいですよね。

顧客データを活用したメールマーケティングと予約管理

Squareは、顧客データベースやメール配信、さらには予約管理機能が充実しているので、定期的にメールを配信したり、予約を促したりすることが容易です。飲食店であれば、予約時点で顧客情報を取得し、再訪をアプローチすることも可能。オンラインとオフラインの両方からリピーターを増やす戦略が立てられます。

POSレジが無料で使え、オンライン販売やメール配信などを同じ管理画面で行えるのは使い勝手が良いです。

決済手数料が3.25~3.6%と比較的明快ですが、売上規模が大きい店舗は他社と手数料を比べると割高感が出る場合もあります。

スマレジの拡張性で多角的に顧客データを活用

多機能かつ拡張アプリで自由度が高い

スマレジは、基本プランが月額無料でありながらも、必要に応じて上位プランで在庫管理や顧客管理を強化できる柔軟性が特徴です。また、アプリマーケットを通じて機能を拡張できるため、店舗独自のCRM施策を構築しやすくなっています。免税対応やオフライン対応など、店舗形態を問わず幅広く使われています。

ポイントやクーポンの運用が自由自在

上位プランを利用すると、顧客ランクの設定やポイント機能のカスタマイズが可能です。独自のポイント付与率やクーポン発行のタイミングを細かく設定できるので、店舗の戦略に合わせた顧客ロイヤルティ施策を組み立てやすいです。

スマレジ導入後に、アパレルショップを経営している知人が「セール時にVIP顧客だけ先行告知をしたら、通常より売上が1.5倍近く伸びた」と話していました。詳細な顧客データを活かして特別感を演出できるのが大きいですね。

クラウド型で複数店舗・オンライン連携も可能

スマレジはクラウド連携を前提としているため、複数店舗の売上や顧客情報を一元管理しやすいです。さらに、外部システム連携も豊富で、オンラインショップとの在庫共有や会計ソフトへのデータ自動送信など、煩雑になりがちな管理業務を効率化できる点も魅力です。

必要な機能を自分好みに追加できる柔軟性が高く、大型店舗から小規模店舗まで幅広く対応しやすいです。

機能が豊富ゆえに、使いこなすまでに時間がかかることもあります。セットアップや操作研修をしっかり行いましょう。

顧客データを活用したリピーター獲得のポイント

1. 購買履歴を活かして「個客」にアプローチ

顧客情報と購買履歴のデータを掛け合わせて、「誰が・いつ・何を買ったのか」を細かく把握できるようになると、次に買うタイミングやおすすめの商品などが見えてきます。これによって、画一的なクーポン配布ではなく、個々の顧客に合わせた情報提供が可能になります。

2. DM・クーポン送付を使い分ける

ハガキやメール、SNSなど、送るツールや内容を顧客層によって変えてみると効果が上がります。例えば、SNSをよく利用する若年層にはインスタクーポンを、シニア層にはハガキDMを、という形で使い分けると、購買意欲が高まるケースが多いです。

3. ポイント・会員ランク制度でロイヤルティを高める

ポイントや会員ランクは、お店を好きになってもらう大きなきっかけ。ランク別の特典やポイント付与率を変えれば、顧客の来店頻度が大きく変わることもあります。各POSレジの顧客管理機能をフル活用し、イベントやキャンペーンにあわせてランクをうまく絡めるのがおすすめです。

まとめ:自店舗の規模・業態に合ったCRM施策を

これからPOSレジを導入しようとするなら、顧客データをどのように活かしてリピーターを増やしたいのか、明確なビジョンを持つことが大切です。月額費用の負担を抑えたいならAirレジやSquare、サポート体制を重視するならPOS+、拡張性を求めるならスマレジなど、各サービスには強みがあります。

最終的には、「顧客目線で喜ばれる施策」を展開できるかが勝負の決め手となります。クーポンやポイント、DMなどの手法を複合的に使いながら、あなたの店舗ならではのサービスを作り上げてみてください。そうすることで、リピーターはどんどん増えていくはずです。

私自身も、馴染みのコーヒーショップでスマホに届いたポイントクーポンを活用し、ついつい来店頻度が上がっています。店舗やお客様双方にメリットがある取り組みなので、導入して損はないと思います。

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