Pythonでマルチスレッドとマルチプロセスを活用してCSVファイルを高速処理する方法

この記事では、Pythonを使用してマルチスレッドとマルチプロセスを活用し、CSVファイルを高速に処理する方法について詳しく解説します。具体的なコード例とその詳細、さらには応用例も含めています。

目次

前提条件

この記事を理解するためには、Pythonの基本的な文法とCSVファイルの基礎知識が必要です。

なぜマルチスレッドとマルチプロセスか

大量のCSVファイルを処理する際、一つ一つ逐次処理していると時間がかかりすぎます。マルチスレッドやマルチプロセスを用いることで、効率よく高速に処理ができます。

マルチスレッドとは

マルチスレッドは、1つのプロセス内で複数の処理を並行して行うテクニックです。I/O待ちなどの非効率な時間を削減することができます。

マルチプロセスとは

マルチプロセスは、複数のプロセスを並行して動かすテクニックです。CPUコアをフルに活用することが可能です。

基本的なコード例

マルチスレッドでのCSV処理

以下はマルチスレッドを使ってCSVファイルを読み込む基本的なコードです。


import csv
import threading

def read_csv(filename):
    with open(filename, 'r') as f:
        reader = csv.reader(f)
        for row in reader:
            # 何らかの処理
            pass

if __name__ == '__main__':
    thread1 = threading.Thread(target=read_csv, args=('file1.csv',))
    thread2 = threading.Thread(target=read_csv, args=('file2.csv',))

    thread1.start()
    thread2.start()

    thread1.join()
    thread2.join()

コード解説

この例では、`threading` モジュールを使用して2つのスレッドを作成しています。各スレッドは `read_csv` 関数を呼び出し、指定されたCSVファイルを読み込みます。

マルチプロセスでのCSV処理

以下はマルチプロセスを使ってCSVファイルを読み込む基本的なコードです。


import csv
from multiprocessing import Process

def read_csv(filename):
    with open(filename, 'r') as f:
        reader = csv.reader(f)
        for row in reader:
            # 何らかの処理
            pass

if __name__ == '__main__':
    process1 = Process(target=read_csv, args=('file1.csv',))
    process2 = Process(target=read_csv, args=('file2.csv',))

    process1.start()
    process2.start()

    process1.join()
    process2.join()

コード解説

この例では、`multiprocessing` モジュールを使用して2つのプロセスを作成しています。各プロセスは `read_csv` 関数を呼び出し、指定されたCSVファイルを読み込みます。

応用例

応用例1: CSVファイルのマージ


import csv
import threading

def merge_csv(filename1, filename2, output_filename):
    with open(filename1, 'r') as f1, open(filename2, 'r') as f2, open(output_filename, 'w') as fo:
        reader1 = csv.reader(f1)
        reader2 = csv.reader(f2)
        writer = csv.writer(fo)
        
        for row1, row2 in zip(reader1, reader2):
            merged_row = row1 + row2
            writer.writerow(merged_row)

コード解説

この応用例では、2つのCSVファイルをマージして新しいCSVファイルを作成します。`zip`関数を使用して、2つのCSVファイルの各行を同時に読み込み、マージしています。

応用例2: CSVから特定のデータをフィルタリング


import csv
from multiprocessing import Process

def filter_csv(filename, condition, output_filename):
    with open(filename, 'r') as f, open(output_filename, 'w') as fo:
        reader = csv.reader(f)
        writer = csv.writer(fo)
        
        for row in reader:
            if condition(row):
                writer.writerow(row)

コード解説

この応用例では、CSVファイルから特定の条件に一致するデータのみを抽出して新しいCSVファイルを作成します。`condition`関数を使用して、各行が条件に一致するかを評価しています。

まとめ

Pythonでマルチスレッドやマルチプロセスを用いると、CSVファイルの処理速度を大幅に向上させることが可能です。この記事で紹介したテクニックを活用して、効率的なデータ処理を行ってみてください。

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