Chromium版Edgeで利用者が「IEモードで再読み込み」してローカル登録したサイトを、保持日数ポリシーで無期限にする公式設定はありません。現行のInternetExplorerIntegrationLocalSiteListExpirationDaysは0~90日の範囲で、ローカルリストを有限日数保持するためのものです。期限なしで組織管理したいサイトは、Enterprise Mode Site Listへ登録するのが正しい方法です。
レジストリへ範囲外の巨大値や負数を書き、無期限化を狙わないでください。将来のEdge更新で無視・丸め・エラーとなり、サポート外の状態を作ります。
30日制限の対象を理解する
30日で期限切れになるのは、利用者がEdgeのメニューや設定から「このページを次回もIEモードで開く」と追加したローカルサイトリストです。組織がGPOで配るEnterprise Mode Site Listとは別です。両者を混同すると、端末ごとの登録作業と期限切れが繰り返されます。
ローカルリストは、管理者が企業リストを更新するまで利用者の業務を一時継続させる補助機能としてMicrosoftが説明しています。端末間で同期されず、利用者・端末ごとに状態が異なります。恒久設定の正本には向きません。
保持日数ポリシーでできる範囲
- ポリシー: InternetExplorerIntegrationLocalSiteListExpirationDays
- 対象: 利用者のローカルIEモードサイトリスト
- 既定: 未構成または無効で30日
- 有効時: 0~90日の範囲
- 反映: Edge再起動が必要、動的更新非対応
- ReloadInIEModeAllowedが無効ならこのポリシーは効果なし
公式資料は0~90日と記載しますが、0を「無期限」とは説明していません。無期限目的で0を使わず、ローカル登録自体を一時運用に限定します。最大90日への延長も、Enterprise Site List整備までの期限付き猶予とします。
無期限相当の管理は企業サイトリストで行う
- 対象サイトのURL、所有者、IE依存機能、業務重要度を確認します。
- Edge内のEnterprise Site List ManagerまたはMicrosoft 365のクラウドサイトリストでv.2リストを作ります。
- Open inをIE modeにし、必要なCompat Mode、neutral site、Cookie共有を検証します。
- HTTPS上へ発行するかクラウドリストIDを割り当て、GPOで配布します。
- edge://compat/enterpriseで版と取得結果を確認し、対象業務を試験します。
企業リストのエントリはローカル30日ポリシーで期限切れになりませんが、運用上のレビュー期限は必ず付けます。「無期限=永続利用」ではなく、中央管理で意図的に残す状態です。所有者不明のサイトを放置しません。
既存ローカル登録を棚卸しする
edge://compat/iediagnosticやローカルサイト一覧、Microsoft 365 Admin Centerのサイトフィードバック等、利用可能な管理機能で候補を集めます。利用者報告だけでなく、URL、最終利用、エラー、必要なIE機能、対象人数を確認します。
同じドメインの全パスをIEモードへ入れず、失敗する具体的なパスだけを企業リストにします。認証URLやCDNを別エンジンへ誤切替しないよう、リダイレクトとネットワーク通信をテストします。
Enterprise Site Listを発行する
- 本番とパイロットでリストまたは割り当てを分離
- XML/クラウドリストの版番号を更新
- 編集・発行権限を最小化し、変更履歴を保存
- HTTPSホストの証明書、可用性、認証、キャッシュを監視
- EdgeとWindows更新後に回帰テスト
- 削除・Edgeモード移行の承認とロールバックを準備
XMLをファイル共有に置く場合は、利用端末からの読み取りと管理者だけの書き込みを確認します。クラウド管理ではサインイン、テナント、対象グループ、Site list IDを確認します。どちらも「保存」だけでなく発行・割り当てが必要です。
GPOの基本構成
Configure Internet Explorer integrationをIE modeへ設定し、Configure the Enterprise Mode Site ListへリストURLを指定します。ローカルIEモード再読み込みを許可するかは、未登録サイトの発見プロセスと合わせます。許可し続けると管理外サイトが増えるため、移行後は制限を検討します。
gpupdate /force
# Edgeで edge://policy と edge://compat/enterprise を確認
レジストリ値を直接変更するのではなく、GPOの適用結果、Source、Scope、Statusを確認します。Edgeを完全終了して再起動し、サイトリストのForce updateを使う場合も取得時刻と版を記録します。
企業リストへ移した後の確認
- ローカル登録を削除した端末でも対象サイトがIEモードで開く
- 別ユーザー、別端末、再起動後にも一貫する
- edge://compat/enterpriseに正しい版とURLが出る
- SSO、MFA、ポップアップ、印刷、ファイル操作が動く
- 企業リスト取得失敗時のキャッシュと通知が想定どおり
- Edgeモードへ戻す試験と改修期限が記録されている
なぜ本当に無期限にしないのか
IEモードサイトは古いレンダリング、ActiveX、互換表示、弱いTLS、古い認証へ依存しやすく、Web標準やセキュリティ更新へ追随しにくくなります。端末OSとEdgeがサポート中でも、対象アプリとプラグインがサポート切れならリスクは残ります。
各エントリに半年または年次のレビュー日、所有者、改修計画、最終アクセス、削除条件を付けます。改修済みならOpen in MSEdgeでパイロットし、問題なければIEモード登録を削除します。期限切れをなくすのではなく、利用者の30日作業を中央の責任ある管理へ移すことが正解です。
期限切れを起こさない運用モデル
IEモードを長期利用する場合の正本は、ユーザーが追加するローカルサイト一覧ではなく、管理者が配布するEnterprise Mode Site Listです。サイトのURL、互換モード、open-in属性、所有部署、業務責任者、廃止予定日を台帳化し、XMLの版番号を更新して配布します。ブラウザーが一覧を取得できない障害も想定し、Webサーバーの可用性、キャッシュ、認証、プロキシ、証明書を監視してください。「無期限」は移行を放棄する意味ではなく、ユーザー操作で30日ごとに登録し直す不安定さをなくす設計です。
移行期限は別に管理する
- IEモードが必要なURLと、通常のEdgeで動作するURLを分離する
- ActiveX、VBScript、古いドキュメントモード、認証方式など依存点を記録する
- 四半期ごとにMicrosoft Edgeの通常モードで再試験し、不要な登録を削除する
- サイト所有者へ修正期限と代替手段を割り当て、例外承認を更新する
- Microsoftのライフサイクル告知を定期確認し、少なくとも一年単位で出口計画を見直す
Enterprise Site List Managerで編集した一覧は、公開前に構文と重複URLを確認します。パイロット端末ではedge://compat/enterpriseで取得した一覧の場所、バージョン、更新日時を確認し、対象URLがIEモードで開くか、認証・印刷・ファイル保存・ポップアップまで試します。反映しない場合は、一覧の版番号、HTTP応答、キャッシュ、ポリシーの順に切り分けます。ローカル一覧の保持日数を0にすることを「無期限」と解釈する運用は、公式仕様で保証されないため採用しません。
公式情報・参考資料

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