この記事では、Linux上でグループのリソース制限を設定する方法について詳細に解説します。特に`cgroups`(コントロール・グループ)を用いた方法、`ulimit`コマンドを使った古典的なアプローチ、そしてリソース制限の実用例を4つ以上紹介します。
目次
cgroupsを使った方法
cgroupsは、Linuxカーネルに組み込まれた仕組みで、リソース(CPU、メモリ、ディスクI/Oなど)をタスクに割り当てるために使用されます。このセクションでは、具体的な設定手順とそのコードを示します。
インストールと設定
# cgroupsをインストール(CentOSの場合)
sudo yum install libcgroup libcgroup-tools # 必要なパッケージをインストール
グループの作成
# グループを作成
sudo cgcreate -a user:user -t user:user -g memory:/myGroup # myGroupという名前のメモリグループを作成
リソース制限の設定
# メモリ制限を設定
echo 500M > /sys/fs/cgroup/memory/myGroup/memory.limit_in_bytes # myGroupに500MBのメモリ制限を設定
ulimitを使った方法
`ulimit`コマンドはUnix/Linuxにおいて、ユーザーまたはシェルスクリプトが使用するリソースを制限する古典的な手法です。
一時的な設定
# 一時的なプロセス数制限
ulimit -u 1024 # プロセス数を1024に制限
永続的な設定
一時的な設定はシステムを再起動すると消失します。永続的に設定するには、`/etc/security/limits.conf`ファイルを編集します。
echo "@myGroup soft nproc 1024" | sudo tee -a /etc/security/limits.conf # myGroupのプロセス数を永続的に制限
応用例
メモリのスワップを制限する
echo 0 > /sys/fs/cgroup/memory/myGroup/memory.swappiness # スワップの使用を無効化
CPUシェアの制限
echo 512 > /sys/fs/cgroup/cpu/myGroup/cpu.shares # CPU使用率を制限
ブロックデバイスのI/Oを制限
echo "8:0 1048576" > /sys/fs/cgroup/blkio/myGroup/blkio.throttle.write_bps_device # 書き込み速度を制限
特定のプロセスに対する制限
# 特定のプロセス(PIDが1234)をmyGroupに追加
echo 1234 > /sys/fs/cgroup/cpu/myGroup/tasks
まとめ
Linuxにおいては、`cgroups`や`ulimit`を用いて柔軟にリソース制限を設定することが可能です。適切な設定と管理によって、システムリソースを有効に活用し、性能を最大限に高めることができます。
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