この記事では、Linuxにおいてネットワーク認証サーバ(RADIUS、TACACS+など)を設定する方法を詳しく解説します。具体的なコード例とその解説、さらに応用例までを網羅しています。
ネットワーク認証サーバとは
ネットワーク認証サーバは、ユーザーやデバイスがネットワークにアクセスする際の認証を行うサーバです。主にRADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)とTACACS+(Terminal Access Controller Access-Control System Plus)が使われます。これらのサーバを設定することで、セキュリティを強化し、一元管理が可能になります。
RADIUSとは
RADIUSは、認証、承認、会計(AAA)のサービスを提供するプロトコルです。通常は、VPNやワイヤレスネットワークなどで使用されます。
TACACS+とは
TACACS+もAAAサービスを提供しますが、シスコシステムズが開発したプロトコルで、特にCisco製品との親和性が高いです。
基本的な設定方法
LinuxサーバにRADIUSやTACACS+を設定するには、いくつかの手順を踏む必要があります。
必要なパッケージのインストール
“`shell
sudo apt update
sudo apt install freeradius # RADIUSサーバ用のパッケージ
sudo apt install tacacs+ # TACACS+サーバ用のパッケージ
“`
設定ファイルの編集
# RADIUSの設定
sudo nano /etc/freeradius/3.0/clients.conf
# クライアントのIPと共有キーを設定
# TACACS+の設定
sudo nano /etc/tacacs+/tac_plus.conf
# クライアントの設定と鍵
応用例
ここでは、さまざまな応用例を考察します。
VPNサーバとの統合
RADIUSやTACACS+をOpenVPNと統合することで、ユーザー認証を一元管理できます。
# OpenVPNの設定ファイルにRADIUS情報を追加
plugin /usr/lib/openvpn/radiusplugin.so /etc/openvpn/radius/radius.cnf
多要素認証の導入
Google Authenticatorなどの多要素認証と組み合わせることが可能です。
ユーザーデータのログ記録
会計情報(Accounting)を用いて、ユーザーの接続ログを保存することができます。
ネットワークデバイスの一元管理
複数のネットワークデバイス(ルータ、スイッチなど)の認証をRADIUSやTACACS+で一元管理する例です。
帯域制限の設定
RADIUSを用いて、ユーザーごとやデバイスごとに帯域制限をかける設定も可能です。
まとめ
Linuxでのネットワーク認証サーバの設定は、セキュリティ強化や一元管理に非常に有用です。基本設定から応用例まで、多岐にわたる設定が可能であり、企業環境や大規模なネットワークにおいてはほぼ必須と言えるでしょう。
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