Windows Serverの「共有フォルダーのシャドウコピー」では、対象ボリュームと差分の記憶域ボリュームを分けて設定できます。ただし、別ドライブへ保存しても独立したフルバックアップにはなりません。本記事では、初回有効化前に保存先を選ぶ方法と、既に運用中の場合の注意点を解説します。
掲載画面は旧Windows Server環境の例です。Windows 11の「システムの保護」、バックアップ製品が管理するVSSスナップショット、ストレージ装置独自のスナップショットを同じ手順で変更しないでください。
変更前に現在の関連付けを確認する
管理者として開いたコマンドプロンプトで、次の読み取りコマンドを実行します。C:はシャドウコピーを取得する元のボリュームの例です。
vssadmin list shadowstorage
vssadmin list shadowstorage /for=C:
表示される「対象ボリューム」と「シャドウ コピーの記憶域ボリューム」を区別します。C:の履歴用記憶域がE:なら、元データはC:のままで、差分記憶域がE:にある構成です。使用量・割り当て量・最大値も控えておきます。利用するVSSプロバイダーによっては、このコマンドだけですべてのバックアップ構成を把握できるとは限りません。
初回有効化前に別ボリュームを選ぶ
管理対象と変更の承認を確認し、現在のバックアップ、元ボリュームと保存先の空き容量、保存先が常時利用できる構成であることを確認してください。
シャドウコピーの構成をしたいドライブを右クリックして「シャドウコピーの構成」をクリックします。対象ボリュームを取り違えないよう、ラベルと容量も照合します。

下の画面例では同じボリュームが保存先です。初めて有効化する前に対象を選んで「設定」を開きます。既にシャドウコピーがある場合は、そのまま進めず後述の注意点を確認してください。

記憶域の枠中の、「次のボリューム上に配置」から保存先のドライブを選択します。最大使用量とスケジュールも業務に合わせて確認し、設定を保存してから有効化します。下の例はC:を取得対象、E:を差分記憶域にする構成です。「C:内の全ファイルが独立したコピーとしてE:へ複製される」という意味ではありません。

保存した実体ファイルを確認したい方は、シャドウコピーの実体ファイルの確認方法(表示されないけど何所に保存されてるの?)を参照してください。
運用中の保存先変更は「履歴を残した移動」ではない
既存の履歴をそのまま新ドライブへ移せると考えて、無効化・削除・再有効化を行わないでください。保存先変更が選択できない場合も、現在の履歴を保持する必要があるか、利用中のバックアップ製品が同じ記憶域を使っているかを先に確認します。必要なファイルは別のバックアップ手段で確保し、影響と作業時間を管理者が判断します。
vssadmin resize shadowstorageは容量上限の変更であり、既存シャドウコピーを新しい保存先へ無損失で移行するコマンドではありません。Microsoftは、記憶域のサイズ変更によりシャドウコピーが消える場合があると警告しています。空き容量を増やす目的で、既存の履歴を確認せず縮小しないでください。
別ドライブでもバックアップの代わりにならない理由
WindowsのソフトウェアVSSプロバイダーは、変更されるブロックを差分領域へ保存するcopy-on-write方式を使います。元ボリュームと差分領域を組み合わせて過去の状態を参照するため、保存先だけを別PCへ持っていけば元データを復元できる、と考えるのは誤りです。
- C:とE:が同じ物理ディスク上の別パーティションなら、そのディスク障害から分離されません。
- 別ディスクであっても、元データ側の故障、サーバー全体の障害、管理者による削除などへの備えは別途必要です。
- 記憶域の上限へ達すると古い履歴が削除されるため、必要な保存期間を必ず保証するものではありません。
シャドウコピーは誤削除・上書きからの素早い復旧に使い、別媒体・別保管先への定期バックアップと復元テストを併用してください。
設定後の確認と容量監視
- 再度
vssadmin list shadowstorage /for=C:を実行し、対象と保存先が意図した関連付けになっているか確認する。 - 業務への影響を確認してテスト用ファイルを用意し、スケジュールまたは管理画面で取得した時点が一覧に現れるか確認する。
- 共有フォルダーの[以前のバージョン]から、テストファイルを元の場所へ上書きせず別の場所にコピーして内容を確認する。
- 元ボリュームと保存先の両方の空き容量、取得の失敗、必要な世代が残っているかを継続して確認する。
設定画面で保存先を選べたことと、必要なデータを復旧できたことは別です。本文は設定の説明であり、現在のWindows Server実機で新たに復元テストを行った記録ではありません。
公式資料
vssadmin list shadowstorage / resize shadowstorageの注意事項 / VSSの仕組み / 共有フォルダーのシャドウコピー(旧版の公式資料)


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