Windows 11でUSBデバイスが「安全に取り外せない」時の原因と対処法を徹底解説！

Windows 11でUSBメモリや外付けHDDを使う時、突然「安全に取り外せません」というメッセージを見た経験はありませんか？私も初めて遭遇したときは正直かなり焦りました。ここでは、その原因から対処法、実際の事例までを分かりやすくまとめてご紹介します。

Windows 11で起こりやすいUSBの取り外しトラブルとは

Windows 11を使っていると、USBメモリや外付けHDDなどを「安全に取り外す」操作で外そうとしても、「デバイスは使用中です」「このデバイスは現在使われているため、取り外すことができません」のようなエラーメッセージが表示されることがあります。これが頻繁に起こると、パソコン操作に慣れていない方だけでなく、上級者の方でも厄介に感じる場面があるでしょう。私自身も、まだデータを読み書きしていないはずなのに取り外しができない状態に陥った経験があります。あわててタスクマネージャを開いてみたり、いくつかアプリを終了させてみたりと試行錯誤を繰り返しましたが、何が原因なのか分からず困ってしまいました。

この問題を放置すると、強制的にUSBを引き抜いてしまってデータが壊れるリスクがあります。大切な写真や作業中のファイルがある場合は、取り返しのつかない事態になるかもしれません。そこで、以下では主な原因と具体的な解決策を段階的に解説します。

起こりやすい症状1: 直後のアクセスエラー

USBデバイスを接続してすぐ、まだファイルを開いていないはずなのに「安全に取り外し」ができないケースがあります。まるで何らかのサービスやプロセスが、意図せずUSBデバイスを見に行ってしまっているような印象です。

考えられる背景

Windows 11の起動時、あるいはUSBデバイスを差し込んだ瞬間に、OSや常駐アプリが自動的にメタデータや使用状況を読み込みにいくことが多々あります。特に、フォルダ構成やボリューム情報を取得しようとしたり、ウイルススキャンを走らせたりする場合に、デバイスへのアクセスが発生しがちです。

起こりやすい症状2: ファイル操作後にいつまでもアクセスが切れない

データのコピーや開いたファイルの編集が終了しても、なぜかいつまでもUSBを安全に取り外せず、「使用中」のままになってしまうケースも報告されています。私が知人に聞いた話ですが、音楽ファイルを一時的に再生したあと、再生ソフトを閉じたはずなのに外部ドライブのアクセスが途切れなかったということがあったそうです。

考えられる背景

ファイル再生や編集ソフトの中には、バックグラウンドでキャッシュ情報を継続的に参照し続けるものがあると言われています。また、特定のサービスがドライブ上のメタデータを収集・更新し続けるケースも考えられます。

安全に取り外せない原因を探るポイント

ここからは、実際にどのような原因が考えられるのかを、少し深掘りしていきましょう。Windows 11の構成や常駐アプリの状況によって原因はさまざまです。ただ、大まかには以下のように分類できます。

原因1: 特定のプロセスやサービスがUSBにアクセスし続けている

意外と多いのが、Windowsの標準機能やバックグラウンドで動作しているアプリケーションが、外部ドライブへ断続的にアクセスを行っているという状況です。何も操作していないつもりでも、実は裏側でデータの読み書きをしている可能性があります。

Resource Monitorで調べる方法

Windows 11には「Resource Monitor（リソースモニター）」という便利なツールがあり、どのプロセスがどのファイルハンドルを握っているのかを可視化できます。例えば以下の手順で確認できます。

1. スタートボタンをクリックし、「resmon.exe」と入力してリソースモニターを起動する
2. CPUタブを選択し、「Associated Handles」欄でUSBドライブのドライブレター（例えばD:\）を検索する
3. 結果に表示されたプロセスを確認し、必要に応じて終了またはアンインストールする

代表的なプロセス例

以下のようなプロセスがUSBの取り外しを妨げる報告が多いとされています。

プロセス	主な役割	対処
Explorer.exe	Windowsのファイルエクスプローラー	エクスプローラーウィンドウを閉じる、または別のフォルダに移動
Samsung File Tracker	Samsung製PCにプリインストールされている可能性	利用しない場合はアンインストール
svchost.exe (LocalNetworkRestricted -p)	Windowsサービスのホスト。分散リンクトラッキングなど	サービスの停止・無効化 (要注意)

Resource Monitorは標準機能なので追加インストール不要で使えます。リアルタイムで監視できる点が特に便利です。

原因2: メーカー独自の常駐アプリが干渉している

プリインストールされているソフトウェアや、後から導入したツールが常時ドライブを監視しているケースも考えられます。私自身、Samsung製のノートPCを使っていたときに「Samsung File Tracker」が原因でUSB取り外しがうまくいかず、アンインストールしたらスムーズに取り外せるようになった経験があります。

アンインストールの是非

こういったメーカーアプリは便利な機能を備えている場合もあるため、ただちにアンインストールすべきかどうかは迷うかもしれません。ただ、USBが認識されない状態が頻繁に起きるなら、一度停止・削除を検討する価値はあるでしょう。

メーカー独自アプリにはドライバ更新やサポート関連の機能も含まれる場合があるため、一度は機能内容を確認してから取捨選択すると良いです。

原因3: Windowsサービス「分散リンク トラッキング クライアント（trkwks）」が動作している

Resource Monitorで調べると、svchost.exe (LocalNetworkRestricted -p)がUSBドライブ上のファイルにアクセスし続けていることがあります。特にSystem Volume Informationフォルダや、\$Extend\$ObjID:$O:INDEX_ALLOCATIONなどという聞きなれないパスへのアクセスが見つかるケースです。

trkwksサービスとは

この「分散リンク トラッキング クライアント」サービスは、NTFSボリューム上のリンク情報を管理し、ファイルやフォルダが移動されてもリンクが無効にならないように補正する機能を担っています。無効化すると、その分散リンクの自動管理が機能しなくなる可能性があります。

サービスを無効化すると、Windowsの一部機能に悪影響が生じる可能性があります。自己責任での対応が必須となります。

サービスの停止方法

どうしてもUSB取り外しでエラーが続く場合、以下のようにサービスを停止してみる方法があります。
1. Windows + Rキーで「services.msc」を起動
2. 一覧から「分散リンク トラッキング クライアント」を探し、右クリックで「プロパティ」を選択
3. 「サービスの状態」項目から「停止」を実行
4. 「スタートアップの種類」を「無効」に変更し、OKを押下

トラブルを回避するための具体的な対処手順

ここまで原因を見てきましたが、いざ問題が起こってしまったときにはどう行動すればよいのでしょうか。実際の対策を、できるだけ分かりやすく紹介します。

手順1: リソースモニターで原因プロセスを探す

USBが外せない場合、まずはリソースモニターでどのプロセスがドライブを押さえているか調べましょう。私の友人がこれを行った際、バックグラウンドで動作していた動画編集ソフトが原因だったことが判明し、ソフトを終了したら即座にUSBを安全に取り外せるようになりました。

リソースモニター活用のポイント

– CPUタブの「Associated Handles」でドライブレターを検索すると効率的
– 見つかったプロセスが何か分からない場合は、インターネット検索などで調べてみる
– 終了しても再度立ち上がる場合は、自動起動設定をオフにしてみる

手順2: 常駐ソフトやプリインストールアプリの確認

特定のメーカーアプリが原因の場合は、アンインストールまたは設定の変更で問題が解消することがあります。たとえばSamsung File Trackerであれば、設定画面でUSB監視機能をオフにするだけで取り外しトラブルが激減したという報告もあります。

よくある常駐ソフトの例

– PCメーカー独自のユーティリティソフト
– 自動バックアップソフト
– フリーのセキュリティスキャンツール

手順3: svchost.exe (LocalNetworkRestricted -p)によるアクセスをチェック

リソースモニターでsvchost.exeが怪しい動きをしていれば、分散リンク トラッキング クライアントサービス(trkwks)を止めるのも一つの方法です。ただし、先述の通り自己責任になりますので、作業前にはシステムの復元ポイントやバックアップを取っておくほうが無難です。

停止が難しい場合の妥協策

– PCをシャットダウンしてからUSBを物理的に取り外す
– USBドライブのプロパティで「クイック取り外し」を選択して運用する

手順4: エクスプローラーウィンドウを閉じる

意外な落とし穴として、エクスプローラーがUSBデバイスのルートフォルダを表示しているだけでアクセス状態になっている場合もあります。ドライブを開いたままで「安全に取り外し」を実行すると、うまく処理されないケースがあるのです。単純ではありますが、いったん別のフォルダや別のドライブに移動したり、エクスプローラー自体を終了させてみると状況が改善することがあります。

安全に取り外せない時に役立つその他のヒント

Windows 11に限らず、USBの取り外し時にはさまざまな工夫をすることでトラブルを減らせます。ここでは補足的な情報をまとめます。

取り外しポリシーの設定を見直す

外付けドライブのドライブプロパティの「ポリシー」タブに、「クイック取り外し」と「より高いパフォーマンス」の2つのオプションがあることをご存じでしょうか。クイック取り外しを選択しておくと、書き込みキャッシュ機能の一部を無効にし、取り外しが簡便になります。

パフォーマンスとのトレードオフ

「より高いパフォーマンス」を選んでいる場合は、高速な書き込みができる反面、取り外し前に必ず「安全な取り外し」の操作が必要になります。頻繁に抜き差しを行うならクイック取り外しも検討しましょう。

クイック取り外しを選択していると、急いで取り外さざるを得ない状況になったときもデータ破損のリスクが低減するという安心感があります。

ウイルススキャンのタイミングを調整する

セキュリティソフトによっては、USBデバイスを挿入した直後に全体スキャンが走る場合があります。スキャン中に「安全な取り外し」コマンドを実行しようとしても、「デバイスは使用中です」と表示され、外せないことが多いです。セキュリティ設定でUSBスキャンをオフにするのはあまりおすすめできませんが、スキャンの優先度やスケジュール設定を見直すことで取り外しのしやすさが向上する場合があります。

最終手段としてのPCシャットダウン

どうしても何らかのプロセスがUSBを利用し続ける場合、PCを完全にシャットダウンしてから物理的に取り外す方法もあります。ただし、作業中のファイルがあれば必ず保存を忘れずに行いましょう。

実際に遭遇した事例と対処の成功例

ここまで解説してきた内容を、具体的な事例と合わせて紹介します。私自身が体験した例や、周囲のパソコンユーザーから聞いた話を交えてご説明します。

事例1: バックアップソフトが常時動作していたケース

知人がWindows 11にアップグレードした後、USB HDDを差し込むと自動的にバックアップが始まる設定になっていました。本人はすっかり忘れていたそうで、取り外そうとしても「使用中」という表示が出てしまい、再起動しないと外せない状態だったのです。設定画面から自動バックアップをオフにしたところ、それ以降は問題なく外せるようになりました。

事例2: Samsung製PCのSamsung File Trackerが原因

これは先ほども触れましたが、Samsung製PCでよく報告される事例です。USBを外そうとしても常にエラーが出るため、リソースモニターを確認したらSamsung File Trackerが挙がってきたそうです。結果的にアンインストールすることで解決したとのことです。

事例3: 分散リンク トラッキング クライアントサービスの停止

ある方は、svchost.exeが常時ドライブをいじっている様子に悩まされ、トラブルシューティングの末にtrkwksサービスをオフにしました。多少のリスクはあると理解したうえで実行したようですが、今のところ大きな不都合は起きていないとのことでした。ただ、今後Windowsの機能アップデートで影響が出るかもしれないので注意が必要です。

表で振り返る原因と対処法まとめ

最後に、原因と推奨される対処法を簡単な表にまとめてみます。ご自身の環境と照らし合わせて、必要な対策を取ってみてください。

原因	想定される状況	対処法
Windows標準プロセス	エクスプローラーが開きっぱなし、またはsvchost.exeがアクセス	エクスプローラーウィンドウを閉じる、サービスの停止(要注意)
メーカーアプリ	Samsung File Trackerなどの常駐ソフトがUSBを監視	アンインストール、またはサービスの自動起動を無効化
セキュリティソフト	USB挿入時のウイルススキャンが走っている	スキャンのタイミングや優先度を調整
バックアップツール	挿入時に自動バックアップが開始	自動実行を停止、手動バックアップに切り替え
分散リンク トラッキング	trkwksサービスがSystem Volume Informationなどにアクセス	サービスを停止・無効化(リスク有)

まとめ: 原因の特定が最重要

トラブル解決の近道は、とにかくどのプロセスやサービスがUSBデバイスにアクセスしているかを特定することです。そのうえで、必要性の低いアプリや機能は終了・アンインストール、あるいはサービスの停止・無効化といったアクションを検討してください。

やむを得ない場合の対処も視野に

– シャットダウンしてから取り外す
– クイック取り外しのポリシーを採用する
– バックアップソフトやウイルススキャンの挙動を見直す

こうした工夫によって、USBを引き抜くたびに「使用中です」と警告が出てしまう悩みを大幅に解消できるでしょう。

おわりに: 安全な取り外しでデータを守る

Windows 11におけるUSBデバイスの「安全に取り外し」問題は、どんなパソコンユーザーにとっても煩わしいものです。しかし、少し手間をかけて原因を調べてみると、意外と簡単に対処できる場合もあります。日頃からこまめに不要アプリをチェックしたり、バックアップやスキャンの設定を最適化しておくことで、ストレスフリーにUSBデバイスを扱えるようになります。データの破損リスクを下げるためにも、ぜひ今回紹介した方法を活用してみてください。