魅力的で遊びごたえのあるローグライクシューターとして人気を博している「Brotato」ですが、Xbox Game Pass版でプレイしていると「もっと自由に改造して楽しみたい」と考える方も多いでしょう。ところが、Game Pass経由でダウンロードした場合は暗号化やファイル保護などの問題から簡単にModを導入できません。この記事では、Xbox Game Pass版「Brotato」でMod導入が難しい理由や、どうしてもModを楽しみたい場合の代替手段、さらには今後の展望などを幅広く解説していきます。
「Brotato」の魅力とMod文化
「Brotato」は、主人公となるポテトが多彩な武器や能力を駆使し、襲い来るエイリアンの大群と戦うローグライクシューターです。テンポの良いウェーブ制バトルとキャラクターごとの特徴的なビルド構築が魅力で、プレイヤーはプレイするたびに新鮮な体験を味わえます。さらに、ゲームバランスを調整したり、新しい武器やキャラクタースキンを追加したりするMod文化も盛んで、Steamワークショップをはじめとしたコミュニティが活発に活動しています。
ローグライクシューターとしての中毒性
ゲームプレイは短時間で決着がつくウェーブ形式のため、「あともう一回だけ」と何度もリトライしたくなる中毒性があります。ローグライク要素によってプレイごとに武器やパッシブアイテムのドロップが変化し、最強ビルドを追求する楽しみが尽きません。各キャラクターには特有の特徴が設定されているため、どのキャラクターでプレイするかによって戦術が大きく変わるのも魅力の一つです。
Modがもたらす新たな可能性
Steam版やGOG版ではユーザーが制作したModを導入することで、新ステージや新武器、新たな敵や特殊イベントなど、プレイヤー自身が思い描く「もっとこうだったらいいのに」を形にできます。Modによってはゲームバランスが大きく変化し、まったく新しいゲーム体験を得られる場合もあります。コミュニティ主導で開発されるModは常に更新され、公式では実装されていない機能やアイデアが次々と試されるため、飽きのこない奥深さをもたらします。
Xbox Game Pass版「Brotato」特有の制限
魅力あふれる「Brotato」ですが、Xbox Game Passで配信されるタイトルには独自の制限がかかっています。MicrosoftのDRM(デジタル著作権管理)やファイルの暗号化により、Steam版のようにゲームファイルへ自由にアクセスしたり、改変したりするのが非常に難しくなっているのです。
DRMによるファイル保護
Microsoftは正規の契約に基づき配信しているゲームの無断複製やデータ改ざんを防ぐため、Xbox Game Pass向けに配布されるゲームにDRMを施しています。具体的には、ゲームデータがシステムレベルで暗号化されているケースや、フォルダへのアクセス権限を極力制限しているケースがあります。その結果、ユーザーがゲームの主要データを自由に開いて編集することが事実上できなくなっています。
フォルダ構成の違いと隠しフォルダ
Xbox Game Pass版の「Brotato」をインストールしたフォルダを覗こうとしても、Steam版のように分かりやすくBrotato_Data
やManaged
などのフォルダが見当たらないことがあります。代わりに、Windowsアプリケーション専用の隠しフォルダに格納されたり、ファイルパス自体が複雑に暗号化されたりしていて、ユーザーによる操作が著しく制限されるのです。
隠しフォルダの一例
インストール先のディレクトリを覗いてみると、下記のような名前のフォルダがある場合があります。
C:\Program Files\WindowsApps\xxxxxBrotatoxxxxx\...
しかし、これらのフォルダにアクセスしようとすると、管理者権限を持ってしても簡単には開けず、さらにフォルダ内のファイル名や拡張子が通常のゲームフォルダ構成とは異なるため、通常のMod導入手順が通用しないのです。
Mod導入が困難な理由
「Xbox Game Pass版は暗号化されているからModが使えません」という説明だけでは分かりづらい部分もあります。ここでは、その困難さの具体的な要因とリスクについて見ていきましょう。
ファイル改変が利用規約違反になる可能性
Game Pass版のファイルを無理やり解析し、暗号化を解除してModを適用する行為は、Microsoftや開発元の利用規約違反となる恐れがあります。また、最悪の場合はアカウントのペナルティやバンのリスクを伴う可能性も否定できません。公式でMod導入をサポートしていないタイトルに対して、権限のないユーザーが内部データへ干渉するのは極めて危険です。
システムレベルのロック
Game PassのゲームはWindowsアプリの「UWP(Universal Windows Platform)」形態で提供されることが多く、従来のexe実行形式よりも厳格なセキュリティポリシーが適用されることがあります。具体的には、ゲームがインストールされるフォルダそのものがOSレベルでロックされており、管理者権限を付与したとしても書き込みや削除ができないようになっています。
サードパーティツールの使用困難
Mod管理ツールやModセレクターなど、Steam版を想定したツール群は当然ながらGame Pass版のフォルダ構造や暗号化方式を想定していません。ツール側がGame Pass版に対応してくれない限り、ファイルのパスも含めて導入に失敗するケースが大半です。さらに、DRMが絡むとツール開発者側も技術的に対処しにくいのが実情です。
Steam版とXbox Game Pass版の違い
同じ「Brotato」でも、プラットフォームによってファイル構成やアクセス権、配信形態などは大きく異なります。以下の表は、Mod導入という観点から見た主な違いをまとめたものです。
項目 | Steam版 | Xbox Game Pass版 |
---|---|---|
配信形態 | 従来のexe形式でインストール | UWP形態で暗号化されている場合が多い |
DRM | ValveのDRM機能(任意でオフにできる場合も) | MicrosoftのDRM機能がデフォルトで強固に働く |
フォルダ構成 | `Brotato_Data`などのディレクトリが明確に存在 | 暗号化されたフォルダに格納されるため不明瞭 |
Mod導入の可否 | Steamワークショップや直接導入が可能 | 原則不可(権限&DRMの問題) |
コミュニティサポート | Mod制作者コミュニティが豊富 | Modを想定しておらず情報が少ない |
上記のように、Modを使った遊び方を重視するのであれば、Steam版「Brotato」を選択するのが現実的といえます。
どうしてもModを楽しみたい場合の代替案
Xbox Game Pass版ではMod導入が極めて難しいとはいえ、「Brotato」を改造して遊ぶ方法がまったくないわけではありません。ここでは、リスクを最小限に抑えた代替案をいくつか紹介します。
1. Steam版やGOG版の購入を検討する
最も安全かつ確実な方法は、Mod対応が公式に認められているプラットフォームで改めて「Brotato」を購入することです。Steam版ならワークショップからワンクリックでModを導入できますし、GOG版の場合でもフォルダ構成が明確に存在するため、フォーラムなどで公開されている手動インストール方式のModを導入しやすいでしょう。
2. クラウドゲーミングでプレイし、Steam版をModで遊ぶ
もしGame Passを利用しているのが「クラウドゲームとしての利便性」を重視しているだけであれば、クラウドゲーミングサービスは別にSteam版も存在します。自宅PCが十分なスペックを持たなくても、サービスによってはSteamのライブラリを活用しながらクラウドを介してプレイ可能です。これならSteam版のMod環境をそのまま活用できます。
3. Modなしでプレイの楽しみを広げる
Modを諦めてしまうのは残念ですが、Xbox Game Pass版にはゲーム本編そのものを気軽に楽しめる利点があります。ローグライク要素やキャラクターの多様性、ウェーブごとに変化する装備ビルドなど、「Brotato」本来の魅力は十分体感できます。とくにアップデートで公式に追加される機能やキャラクターは問題なく利用できるため、公式アップデートを楽しみながら遊ぶのも一つの手です。
4. コントローラーで快適プレイを追求する
Xbox Game Pass版のメリットとして、Xboxコントローラーとの相性が良い点が挙げられます。キーボード操作が苦手な方も、直感的に操作できるコントローラーに慣れれば、より快適なプレイを楽しめます。公式設定で感度やボタン配置のカスタマイズを行うだけでも、プレイ感が大きく変わることがあります。これは小さな調整ですが、Modと同様に「自分好みのプレイ体験」を作り上げる一つの方法といえます。
Xbox Game Pass版でModを導入しようとするリスク
実際にはフォーラムなどを探すと、一部のユーザーが独自の方法でGame Pass版へのMod適用を試みているケースも報告されています。ですが、そのほとんどは下記のようなリスクを伴うため、一般ユーザーには推奨できません。
利用規約に反する恐れ
Mod導入のためにDRMを回避したり、ファイルに書き込み権限を無理矢理付与したりする行為は、明確に利用規約違反に該当する可能性が高いです。最悪の場合はアカウントが停止され、他のGame Passタイトルも利用できなくなる事態に陥りかねません。
ウイルス感染のリスク
非公式な方法で暗号化解除ツールやパッチをダウンロードする際、悪意あるプログラムが仕込まれているリスクは否定できません。セキュリティソフトが検知してくれればまだしも、マルウェアやランサムウェアに感染した場合の被害は計り知れません。
ゲームやOSの動作不良
DRMをバイパスするようなツールや処理を施した結果、「Brotato」が起動しなくなったり、OSの一部機能に不具合が出たりする可能性もあります。WindowsアップデートやGame Passアプリのアップデートによって互換性が失われるケースも多く、安定して遊べなくなるリスクは常に存在します。
公式サポートやコミュニティの動向
「Brotato」開発元やMicrosoft側が、Xbox Game Pass版へのModサポートを公式に行う計画が現時点で明言されているわけではありません。あるいは、今後のアップデートやユーザーの要望次第では、何らかの形でファイルアクセスを緩和するアップデートが行われる可能性も皆無ではありません。ただし、現状ではその見通しは不透明といえます。
公式フォーラムやSNSをチェック
開発元がユーザーコミュニティに積極的に情報発信を行うタイトルでは、フォーラムやSNSで「将来的なMod対応の有無」に言及されることがよくあります。「Brotato」もコミュニティ主導のタイトルならではの柔軟さが期待できる面もあるので、興味があれば定期的に公式DiscordやTwitter、Steamコミュニティハブなどを確認してみると良いでしょう。
Game Pass向けのModサポートが期待できるタイトルの例
一部のゲームはGame Pass版であっても特別な仕組みを用意し、Modをサポートしている場合があります。たとえば「Skyrim」や「Fallout 4」はBethesda.netの機能と連携して公式Modを導入できる仕組みがありますが、それらはゲーム開発側が最初から公式にModサポートを想定している稀なケースです。「Brotato」は同様の体制がないため、Mod導入は難しいのが現実です。
Steam版におけるMod導入手順の例
Game Pass版ではなく、Steam版で「Brotato」のModを導入する手順を簡単にまとめておきます。こちらを見比べると、Game Pass版がいかに導入しづらいかが一層分かるでしょう。
1. Steamワークショップをチェック
- Steamクライアントで「Brotato」のページを開く
- 「ワークショップ」タブをクリック
- 好みのModを探す
- 「サブスクライブ」ボタンを押す
この手順だけで、自動的にModファイルがダウンロードされる場合が多く、非常にシンプルです。
2. 手動Modの導入
ワークショップにないModを手動で導入したい場合は、以下のような作業を行います。
- Mod制作者が配布しているサイトからModファイルをダウンロード(例:.zipや.rar形式)
- Steamライブラリで「Brotato」のインストール先を開く
- 例:
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Brotato\
- ダウンロードしたModファイルの中身を所定のフォルダに配置
- 例:
Brotato_Data\Mods\[ModName]
- ゲームを起動して、Modセレクターや設定画面でModを有効化
以下は一般的なフォルダ構成の一例です。
Brotato
├─ Brotato.exe
├─ Brotato_Data
│ ├─ Managed
│ ├─ Mods
│ │ └─ ExampleMod
│ │ ├─ assets
│ │ └─ plugin.dll
│ └─ ...
└─ ...
このようなシンプルで分かりやすい構造であれば、Modの追加や削除も容易に行えるのがSteam版の特徴です。
まとめと今後の展望
Xbox Game Pass版「Brotato」は、暗号化やファイル保護の仕組みによってMod導入がほぼ不可能な状態になっています。仮に強引な手段を取ったとしても、利用規約違反やアカウント停止など大きなリスクが伴うため、安易に行うべきではありません。どうしてもModを楽しみたい場合は、SteamやGOGなど、公式にModが許容されているプラットフォームのバージョンを検討するのが最も安全かつ確実です。
今後、開発元がXbox Game Pass版にも公式Modサポートを提供する可能性がゼロとは言い切れませんが、現状では具体的な見通しは立っていません。ゲームのアップデート状況や公式フォーラム、SNSなどを随時チェックしながら、各種プラットフォームの特性をうまく活用するのが「Brotato」をより深く楽しむための鍵となるでしょう。
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