新しいTeamsを常に最大化で起動するワークアラウンド徹底解説

新しいTeamsを使い始めると、起動時のウィンドウサイズが思い通りにならず不便に感じることがあります。特に、ウィンドウ上部が切れてしまったり、中央に中途半端なサイズで表示されたりすると、業務効率にも影響が出てしまいがちです。今回は、この新しいTeamsをデフォルトで最大化して起動するためのワークアラウンドや応用的なテクニック、さらに作業効率を高めるアイデアをご紹介します。

「新しいTeams」を最大化して起動できない理由と現状

新しいTeamsが登場してからは操作感やUIなどが大幅に進化し、多くのユーザーにとって使いやすいツールへと変化を遂げています。しかし、依然として「起動時のウィンドウサイズや位置が固定されず、常に最大化状態で始められない」といった悩みが残っているのも事実です。ここでは、その背景やMicrosoftが提供している情報などを踏まえて、問題点を整理してみましょう。

Microsoft公式の見解

Microsoftの公式ドキュメントやコミュニティフォーラムなどを参照すると、現時点では「起動時にTeamsをデフォルトで最大化する」機能は提供されていないとアナウンスされています。いわゆる“仕様”として認められており、ユーザーが任意で設定できるオプションやチェックボックスは存在しません。今後のアップデートで改善される可能性はあるものの、確実なリリース時期や実装方針はアナウンスされていません。

既存の対処法:手動で最大化する方法

この問題への対処として、起動後に手動で最大化ボタンをクリックする方法や、キーボードショートカット「Win + ↑(上矢印)」を押すなどの手段が一般的に紹介されています。

  • 起動直後に最大化ボタンをクリック: シンプルですが都度操作が必要
  • キーボード操作「Win + ↑(上矢印)」: マウスを使わずに素早く最大化できるものの、結局は毎回手動です

こうした方法では問題解決までとは言えず、「いつか慣れてしまう」というパターンに陥りがちです。業務で頻繁にTeamsを使う場合、できる限りスタート時点から最大化された状態にしたいというのが本音でしょう。

新しいTeamsを最大化したまま起動する主なワークアラウンド

ここからは公式にサポートされた機能ではなく、Windowsのショートカット機能やバッチファイルの特性を活用したワークアラウンドを詳しくご紹介します。これらは企業環境でも比較的導入しやすく、また自宅のPCでもすぐに試せる方法が多いため、状況に応じてご活用ください。

ワークアラウンド1:ショートカットのプロパティ設定を変更する

Windowsには、アプリケーションをショートカット経由で起動する際に「最大化」「最小化」「通常の大きさ」から選択できる設定が備わっています。これを利用し、新しいTeamsのショートカットを作成して起動時に最大化するよう指示を出す方法です。

ショートカット作成の手順

  1. Teamsの実行ファイルを探す
    新しいTeamsがインストールされているフォルダを確認します。多くの場合はユーザープロファイル配下やC:\Program Files\Microsoft TeamsC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Teamsなどに配置されています。
  2. ショートカットを作成する
  • エクスプローラーでTeamsの実行ファイル(例:ms-teams.exe)を右クリックし、「ショートカットの作成」を選ぶか、ファイルを右ドラッグして「ショートカットをここに作成」を選択します。
  • またはCtrl + Shiftを押しながらドラッグ&ドロップすると、ショートカットが作られる場合もあります。
  1. プロパティを開き起動オプションを最大化に設定
    ショートカットのアイコンを右クリックして「プロパティ」を開き、「ショートカット」タブ内の「実行時の大きさ」を「最大化」に変更します。最後に「OK」をクリックしてください。
  2. ショートカットから起動テストを行う
    作成したショートカットをダブルクリックし、Teamsが最大化されるか確認します。

起動後の挙動と留意点

  • ショートカットを使って起動すると、多くの環境で最大化表示が行われやすくなります。ただし、環境によっては反映されないケースも報告されています。
  • Windowsのタスクバーに既定のTeamsアイコンと、今回作成したショートカットのアイコンが同時に表示される場合があります。アイコンが二重に見えるため、人によっては少し煩わしく感じるかもしれません。

ワークアラウンド2:スタートアップフォルダでの自動起動を利用する

Windowsには、ユーザーがログインした際に自動実行される「スタートアップ」フォルダが存在します。ここにショートカットやバッチファイルを配置すれば、Windows起動と同時にTeamsを最大化表示で立ち上げることができます。

スタートアップへの登録方法

  1. ショートカットを配置するフォルダを開く
  • Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を呼び出し、shell:startup と入力してOKをクリックすると、スタートアップフォルダが開きます。
  1. 先ほど作成したショートカットを配置
  • 上記フォルダにTeamsのショートカットをコピーまたは移動します。
  • ショートカットのプロパティで「実行時の大きさ」が「最大化」になっていることを再確認してください。
  1. 再起動またはログオフ後、ログインで確認
  • Windowsを再起動、またはログオフして再ログインすると、自動でTeamsが最大化されて起動するか試してみましょう。

バッチファイルを利用した応用

スタートアップフォルダにはショートカットだけでなく、バッチファイルを配置することも可能です。Teamsの起動までに遅延をかけたい場合や、複数のプログラムを順番に起動したい場合など、柔軟なカスタマイズをしたいときに便利です。

例えば、以下のようなバッチファイルを作成してスタートアップに配置することで、一定のディレイ後にショートカットを呼び出すことが可能になります。

@echo off
:: 起動前に数秒待機する(10秒待機の例)
timeout /t 10 /nobreak >nul

:: Teamsのショートカットがあるパスに移動
cd "C:\Users\<ユーザー名>\Desktop"

:: ショートカットを実行
start /max "Teams" "Teams.lnk"
  • timeout /t 10 /nobreak >nul は10秒待機の意味です。PCが起動したばかりで他のアプリが動作しているとき、少し待ってから起動すると安定する場合があります。
  • start /max "Teams" "Teams.lnk"/max オプションによって、ウィンドウを最大化して起動するよう指定しています。

よくあるQ&A:想定される疑問点や対処法

ここでは、Teamsを最大化で起動しようとする際に、ユーザーがよく疑問に思う点やトラブルシューティングをまとめました。

Q1. ショートカットで最大化を指定しても、最大化されない場合があるのはなぜ?

A. Windowsがショートカットの設定を読み込む前にTeamsが別のプロセスとして動作し始めると、正しく最大化オプションが反映されないことがあります。また、Teams自身が最新バージョンへのアップデート直後などの場合、一時的に設定が無視されるケースが報告されています。その場合は、Teamsを完全に終了させてから再度ショートカットを起動してみる、あるいはバッチファイルで起動を遅延させるなどの工夫が有効です。

Q2. スタートアップに登録しているのに、起動時に最大化されないことがある

A. 企業や組織でActive Directoryやグループポリシーが設定されている場合、スタートアップの動作やアプリの初期動作が制限されることがあります。特に、すぐにインターネット接続を必要とするアプリケーションなどは、ネットワーク接続の確立前に起動しようとして失敗するケースもあります。
また、Windows起動プロセスの順番によってショートカットの読み込みが遅れる場合もあるため、バッチファイルによる待機処理(timeoutコマンド)を挟むなどで改善される可能性があります。

Q3. Teamsのミーティングウィンドウなど、別ウィンドウは最大化されない?

A. 今回の方法は「メインウィンドウを最大化する」ことが目的であり、Teams内でのミーティングウィンドウやチャットポップアウトなどの新規ウィンドウに対しては適用できません。これらはTeamsが独自に制御するウィンドウなので、別途最大化ボタンをクリックするか、キーボードショートカットを使う形となります。

応用編:より高度な設定を試みるアイデア

ここまで紹介した方法で十分にカバーできるケースが多いのですが、さらに独自の工夫を加えることで安定性を高められる場合があります。企業や組織での運用、あるいは複数台PCを一元管理したい場合には、以下のようなテクニックも検討してみる価値があります。

Windowsタスクスケジューラの利用

Windowsタスクスケジューラを使用すると、指定時刻に自動的にTeamsを起動し、その際に最大化オプションを付与することも可能です。例えば、毎日朝9時にPCを立ち上げたタイミングでTeamsを最大化起動する、といったルールを決められます。

  1. タスクスケジューラを開く
  2. [タスクの作成] で名前を設定
  3. [トリガー] タブで「ログオン時」あるいは指定した時刻を設定
  4. [操作] タブで「プログラムの開始」を選択し、先ほど作成した「最大化起動ショートカット」や「バッチファイル」を指定
  5. 保存してタスクを有効にする

このようにしておけば、Windows全体の起動が落ち着いた後にTeamsを起動させることが可能で、最大化命令がより確実に通る可能性が高まります。

PowerShellスクリプトと組み合わせる

管理者権限がある程度自由に使える環境では、PowerShellスクリプトを活用するのも一つの手です。たとえば、以下のようなフローを考えることができます。

  1. 既存のTeamsプロセスが実行中であれば停止する
  2. 2~3秒待機した後、Start-Process コマンドレットでTeamsの実行ファイルを最大化指定して起動
  3. ウィンドウが存在するかチェックし、存在しなければ繰り返す

自動化が進んだ環境や大量の端末を管理している場合には、スクリプトとして社内共有すれば各端末で同様の設定が行いやすくなります。
ただし、WindowsのUI要素を完全に制御するためには追加でモジュールを組み込むなどが必要になる場合があります。あくまで「Teamsを最大化で起動する」レベルなら、ショートカットや簡易なバッチファイルの方がシンプルでトラブルも少ないでしょう。

最大化起動を成功させるためのチェックリスト

最後に、実際に新しいTeamsを最大化で起動したい方のためにチェックリストを用意しました。トラブル時に振り返ると、問題点をピンポイントで洗い出すことができます。

項目チェック内容補足
ショートカットの作成場所Teams実行ファイルのあるフォルダから正しくショートカットを作成したか違うexeやショートカットを参照していないか
プロパティ設定「実行時の大きさ」が「最大化」になっているか設定変更後「OK」を押し忘れていないか
競合アプリの存在起動時にTeams以外のツールや更新プログラムが走っていないかPC起動後すぐは混雑しがち、待機が有効
スタートアップの設定shell:startup フォルダにショートカットを正しく配置したか管理者権限で配置が必要な場合もあり
バッチやPowerShell追加の待機(タイムアウト)やプロセス停止処理などを組み込んだかネットワーク環境やAD制限がある場合に有効

まとめ:公式アップデートを待ちつつ、ショートカットやバッチで回避

新しいTeamsはまだ成長過程にあり、ユーザーインターフェースや細かな設定が頻繁にアップデートされています。そのため、「起動時にウィンドウを最大化する」という基本的な機能が実装されていないのはやや意外な点ですが、現時点ではショートカットやバッチファイルを用いた回避策が実用的です。
大企業などでTeamsを標準ツールとして採用している場合も多く、少しの手間で業務効率が変わることを考えると、今回ご紹介した方法を試してみる価値は十分にあるでしょう。公式の開発チームにフィードバックを送れば、将来のバージョンで改善される可能性も高まります。今後のアップデートに期待を寄せつつ、現状ではショートカットやスタートアップの工夫で快適なTeams体験を実現してみてください。

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