2026年6月Microsoft Officeセキュリティ更新の設定確認|SharePoint Server対応手順

2026年6月のMicrosoft Office/SharePoint Server向けセキュリティ更新は、Windows Updateを実行するだけでは確認完了になりません。Office 2016のMSI版はKB番号、Microsoft 365 Appsなどのクイック実行版は更新チャネルとビルド番号、SharePoint Serverはファーム全体のパッチ適用状況と構成アップグレードを確認する必要があります。

特に注意したいのが、SharePoint Workflow Managerの前提更新、言語パック用更新、Office Online Serverのファーム再構成です。また、Office 2016はすでにサポートが終了しており、SharePoint Server 2016/2019も2026年7月14日に延長サポートが終了します。2026年6月の更新を適用しても、製品のサポート期限が延長されるわけではありません。

この記事では、「June 2026 updates for Microsoft Office」に掲載されたsecurity patchesを基に、製品ごとの設定場所、管理画面、適用条件、確認手順、ユーザー周知のポイントを実務向けに整理します。

目次

June 2026 updates for Microsoft Office security patchesで最初に確認すること

最初に行うべきことは、対象端末やサーバーを次の4種類に分けることです。同じ「Office」という名称でも、更新方法と完了条件は異なります。

対象環境主な確認場所更新の管理単位完了と判断する条件
Office 2016 MSI版Windows Update、WSUS、Configuration ManagerKB番号対象KBのインストール、Office再起動、動作確認
Microsoft 365 Apps/クイック実行版Microsoft 365 Apps管理センター、Intune、Officeアプリのアカウント画面更新チャネル、バージョン、ビルド割り当てチャネルに対応する2026年6月ビルドへの更新
SharePoint ServerSharePointサーバー、サーバーの全体管理ファーム、サーバー、データベース全サーバーへの更新と構成アップグレードの完了
Office Online ServerOffice Online Serverファーム、ロードバランサーOOSファーム全サーバーの更新、ファーム参加、プレビュー・編集テスト

Microsoftの2026年6月更新一覧に掲載されているOffice 2016向けKBは、Windows Installerを使用するMSI版が対象です。Microsoft 365 Appsやクイック実行版のOfficeには、これらのKBをそのまま当てはめず、Officeのセキュリティリリースノートに掲載された更新チャネル別のビルド番号を確認します。(Microsoft サポート)

2026年6月に公開された主なセキュリティ更新

Microsoft Supportの2026年6月更新一覧には、Office 2016、SharePoint Server、Office Online Server向けの更新が掲載されています。(Microsoft サポート)

Office 2016 MSI版

製品・コンポーネントKB番号主な確認ポイント
Excel 2016KB5002877Excel 2016が導入されている端末
Office 2016共通コンポーネントKB5002578Word関連コンポーネントを含むOffice環境
Office 2016共通コンポーネントKB5002852Office共通ファイルの更新
Office 2016KB5002878Officeスイート全体の対象端末
Word 2016KB5002879Word 2016が導入されている端末

これらは、リモートコード実行、情報漏えい、特権昇格などの脆弱性に対処する更新です。各KBのMicrosoft Download Center向けパッケージはOffice 2016のMSI版を対象としており、Microsoft 365 Appsなどのクイック実行版には適用されません。(Microsoft サポート)

なお、2026年6月の公式一覧にはKB5002578も含まれていますが、個別のサポートページには「2023年6月9日」と表示されています。管理台帳では日付だけで対象を判断せず、KB番号、対象製品、適用方式、端末のインストール状態を照合してください。(Microsoft サポート)

SharePoint Server

製品基本更新言語パック用更新
SharePoint Server Subscription EditionKB5002873基本更新に含まれる案内を確認
SharePoint Server 2019KB5002874KB5002876
SharePoint Server 2016KB5002880KB5002881

日本語などの言語パックを導入しているSharePoint Serverでは、基本更新だけでなく、対応する言語依存更新の適用要否も確認します。言語パックがあるにもかかわらず基本更新だけを適用すると、サーバー間やコンポーネント間で更新状態がそろわない可能性があります。(Microsoft サポート)

Office Online Server

Office Online Serverの2026年6月セキュリティ更新はKB5002875です。Excelに関係するリモートコード実行や情報漏えいの脆弱性に対処し、更新後のビルドは16.0.10417.20137です。(Microsoft サポート)

Office 2016の設定場所と適用確認

MSI版かクイック実行版かを先に確認する

Office 2016向けKBを配布する前に、対象端末がMSI版であることを確認します。

Officeアプリで次の順に開きます。

  1. WordまたはExcelを起動する
  2. 「ファイル」を選択する
  3. 「アカウント」を開く
  4. 「製品情報」や「バージョン情報」を確認する

「更新オプション」、更新チャネル、詳細なビルド番号が表示される端末は、クイック実行方式である可能性があります。端末管理ツールを利用している場合は、Officeのインストール方式をインベントリ項目として収集し、MSI版とクイック実行版を別グループに分けるのが確実です。

Office 2016向けの今回のKBはMSI版専用です。Microsoft 365 Apps、Office LTSC、Office 2021/2024などに対し、Office 2016用KBを一律に配布しないでください。(Microsoft サポート)

個別管理端末のWindows Update設定

Windows 11では、次の設定を確認します。

  1. 「設定」を開く
  2. 「Windows Update」を開く
  3. 「詳細オプション」を選択する
  4. 「Windowsの更新時にその他のMicrosoft製品の更新プログラムを受け取る」をオンにする

この設定がオフの場合、Windowsの累積更新は受信していても、MSI版Officeの更新が自動的に配信されないことがあります。(Microsoft サポート)

適用後は、「設定」から次の順に開いて履歴を確認します。

設定 > Windows Update > 更新の履歴

OfficeのMSI更新は、次の画面にも表示されることがあります。

コントロール パネル > プログラム > プログラムと機能 > インストールされた更新プログラムを表示

確認時は、単に「最新の状態です」と表示されたかではなく、対象となるKB番号がインストール済みかを記録してください。Windows Updateの更新履歴は、更新結果を確認するための公式な確認場所として案内されています。(Microsoft サポート)

WSUSやConfiguration Managerで管理している場合

組織管理端末では、次の項目を確認します。

確認項目確認内容
製品分類Office 2016の更新が同期対象になっているか
承認状態対象KBが未承認、拒否、期限切れになっていないか
配布グループ検証端末と本番端末が適切なコレクションに分かれているか
再起動条件Officeアプリを閉じるタイミングが確保されているか
適用レポート未適用、失敗、再起動待ちの端末が残っていないか
競合ポリシーWSUS、Intune、Cloud Updateなどが重複していないか

WordやExcelを起動したまま更新すると、更新ファイルを置き換えられず、再起動待ちになることがあります。ユーザーには、メンテナンス前にOfficeファイルを保存し、Word、Excel、Outlookなどを終了するよう案内します。

Office 2016の更新提供とサポート期限は別に考える

Office 2016のサポートは2025年10月14日に終了しています。Microsoftは、サポート終了後も裁量により更新を公開する場合があると説明していますが、更新の継続提供や問い合わせ対応が保証されるわけではありません。2026年6月の更新が公開されたことを、Office 2016のサポート延長と解釈しないよう注意が必要です。(Microsoft Learn)

Office 2016を利用している組織では、今回の更新を適用すると同時に、Microsoft 365 Appsまたはサポート対象の永続ライセンス版Officeへの移行計画を進める必要があります。

Microsoft 365 Appsとクイック実行版の設定確認

Microsoft 365 Apps管理センターで確認する項目

Microsoft 365 Appsを組織で管理している場合は、Microsoft 365 Apps管理センターの「Cloud Update」を確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 割り当てられている更新チャネル
  • 更新プロファイルに含まれるデバイス
  • 展開ウェーブと展開期限
  • 一時停止中の更新
  • 除外期間や除外端末
  • 更新の進行状況
  • 更新エラーとデバイス正常性
  • ロールバック設定の有無

MicrosoftはCloud UpdateをMicrosoft 365 Appsの推奨管理方法として案内しており、展開状況の監視、段階的なロールアウト、一時停止、ロールバックなどを管理できます。機能や画面名称はテナントごとに段階的に展開される場合があります。(Microsoft Learn)

Cloud Update、Intune、グループポリシー、Configuration Managerを同じ端末に重ねて設定すると、管理者が想定していない更新チャネルや適用時期になることがあります。組織内で「どの管理方式を正とするか」を決め、例外端末も含めて管理台帳に記録してください。

Intuneで更新チャネルを設定している場合

Microsoft Intune管理センターでは、設定カタログを使用してOfficeの更新チャネルを割り当てられます。

一般的な確認の流れは次のとおりです。

  1. Microsoft Intune管理センターを開く
  2. 「デバイス」から構成ポリシーを開く
  3. 対象となるWindows用の設定カタログを確認する
  4. Update Channelを検索する
  5. 選択した更新チャネルと割り当てグループを確認する
  6. Automatic Updatesが無効になっていないか確認する
  7. デバイスごとの適用状態を確認する

Intuneによる設定には、IntuneとMicrosoft 365の対象サブスクリプション、ポリシーを作成・管理できる権限が必要です。また、更新チャネルだけを設定しても、自動更新が無効なら期待どおりに更新されません。(Microsoft Learn)

2026年6月のビルド番号を確認する

2026年6月9日のセキュリティ更新では、更新チャネルや製品によって次のビルドが公開されています。

製品・更新チャネルバージョン2026年6月のビルド
Current Channel260520026.20168
Monthly Enterprise Channel260520026.20166
Monthly Enterprise Channel260419929.20220
Monthly Enterprise Channel260319822.20288
Semi-Annual Enterprise Channel250819127.20678
Office 2024/2021 Retail260520026.20168
Office LTSC 2024 Volume240817932.20842
Office LTSC 2021 Volume210814334.20756
Office 2019 Volume180810417.20153

Monthly Enterprise Channelでは、同じ公開日に複数バージョンのセキュリティ更新が提供されます。そのため、単純に最も大きいビルド番号と比較するのではなく、端末に割り当てた更新チャネルとバージョンに対応するビルドを確認してください。(Microsoft Learn)

端末側では、WordやExcelから次の順に確認できます。

ファイル > アカウント > バージョン情報

「今すぐ更新」を実行できる環境では検証端末の更新を手動で開始できますが、組織ポリシーで更新操作が制限されている場合は表示されないことがあります。

SharePoint Serverの設定場所と適用前確認

更新前にファームの状態を確認する

SharePoint Serverでは、更新ファイルを実行する前に次の状態を確認します。

  • ファーム内のすべてのサーバーが正常である
  • ロードバランサー配下のフロントエンドサーバーが正常である
  • Search Service Applicationと検索トポロジが正常である
  • コンテンツデータベースと構成データベースがオンラインである
  • タイマージョブやサービスインスタンスに重大なエラーがない
  • ファーム、データベース、カスタマイズ資産のバックアップがある
  • 復旧手順を検証済みである
  • ファーム内の言語パックを把握している
  • SharePoint Workflow ManagerまたはClassic Workflow Managerの利用有無を把握している

Microsoftは、更新前にファームサーバー、検索、データベースなどの正常性を確認し、完全なバックアップを取得するよう案内しています。更新操作に必要な権限として、SharePointサーバーのローカル管理者権限、対象データベースに対する権限、SQL Server側の必要なサーバーロールなども事前に確認します。(Microsoft Learn)

Workflow Managerを利用している場合の前提条件

今回のSharePoint Server Subscription Edition、SharePoint Server 2019、SharePoint Server 2016の基本更新では、SharePoint Workflow Managerを使用しているファームに対し、KB5002799を先に適用するよう案内されています。(Microsoft サポート)

KB5002799の適用では、次の作業が必要です。

  • Workflow Managerファーム内の全サーバーを更新する
  • Workflow Manager Clientを必要なバージョンに更新する
  • SharePointファーム側のWorkflow Manager Clientも確認する
  • Workflow Manager Configuration Wizardでファームをアップグレードする
  • 再起動やサービス状態を確認する

KB5002799は自動配信だけに頼らず、公式の適用手順と対象バージョンを確認する必要があります。(Microsoft サポート)

また、SharePoint 2019/2016の言語パック用更新ページでは、2013形式のワークフローを使用する環境に対して、2025年8月のSharePoint Workflow Manager更新に関する前提条件も案内されています。基本更新と日本語言語パック用更新の両方を読み、片方だけの前提条件で判断しないことが重要です。(Microsoft サポート)

Classic Workflow Managerを使用している場合は、公式KBの指示に従い、SharePointファームのデバッグフラグ53601を有効化してからIISを再起動します。

$farm = Get-SPFarm
$farm.ServerDebugFlags.Add(53601)
$farm.Update()
iisreset

この操作はClassic Workflow Managerを使用している対象ファームでのみ行います。Workflow Managerを利用していない環境や、適用条件が一致しない環境で一律に設定しないでください。(Microsoft サポート)

SharePoint Serverの更新手順

SharePoint Serverの更新は、大きく「バイナリ更新」と「構成アップグレード」の2段階に分かれます。

バイナリ更新

更新ファイルをファーム内の各SharePointサーバーにインストールします。

  1. 対象製品と現在のビルドを確認する
  2. 言語パックの有無を確認する
  3. Workflow Managerの前提更新を完了する
  4. バックアップと復旧手順を確認する
  5. 検証環境へ先行適用する
  6. 保守時間帯に各サーバーへ更新をインストールする
  7. 必要に応じてサーバーを再起動する
  8. 全サーバーのインストール結果を記録する

言語非依存の基本更新と、言語依存の更新について、Microsoftは厳密なインストール順を指定していません。ただし、ファーム内のすべてのサーバーに必要な更新がそろっていることが重要です。(Microsoft Learn)

構成アップグレード

更新ファイルをインストールしただけでは、SharePointファームの更新は完了しません。

全サーバーへのインストール後、次のいずれかで構成アップグレードを実行します。

  • SharePoint製品構成ウィザード
  • 組織で検証済みのpsconfig実行手順

構成アップグレードは、対象となるすべてのSharePointサーバーで完了させます。Windows Updateや更新プログラムのインストーラーが「成功」と表示されても、構成アップグレードが未実施ならファームの更新は未完了です。(Microsoft Learn)

高可用性構成では、Microsoftが案内するゼロダウンタイムパッチの要件を満たしているかを確認し、ロードバランサーからサーバーを順番に切り離して作業します。要件を満たさない環境で無理に無停止更新を行わず、計画停止を選択する方が安全な場合があります。

SharePointサーバーの全体管理で確認する場所

更新後は、「サーバーの全体管理」から次の画面を確認します。

管理画面確認内容
アップグレードと移行 > 製品とパッチのインストール状態の確認ファーム内の各サーバーに必要な更新が入っているか
アップグレードと移行 > アップグレードの状態の確認構成アップグレードの成功・失敗
アップグレードと移行 > データベースの状態の確認構成またはコンテンツデータベースにアップグレード要求がないか
監視 > 問題と解決策の確認Health Analyzerに重大な警告がないか
システム設定 > このファームのサーバーの管理ファーム内のサーバー数、役割、状態

Microsoftは、製品とパッチの状態、データベースの状態、アップグレード状態を確認する中心的な場所として、サーバーの全体管理にある「アップグレードと移行」を案内しています。(Microsoft Learn)

更新後のビルド番号

製品2026年6月更新後のビルド
SharePoint Server Subscription Edition16.0.19725.20384
SharePoint Server 201916.0.10417.20153
SharePoint Server 201616.0.5556.1005
Office Online Server16.0.10417.20137

SharePoint 2019とSharePoint 2016では、基本更新と対応する言語パック用更新が同じビルド系列です。ビルド番号だけでなく、サーバーごとのパッチ状態と構成アップグレード結果も合わせて確認してください。(Microsoft サポート)

セキュリティ更新後に確認すべきSharePoint機能

セキュリティ更新であっても、脆弱性修正だけでなく機能修正や動作変更が含まれる場合があります。

SharePoint Server Subscription Edition

KB5002873には、SharePoint Server Subscription EditionのVersion 26H1機能更新が含まれています。今後の公開更新にも含まれるため、単なるセキュリティ修正として扱わず、検証環境で画面や業務機能を確認してください。(Microsoft サポート)

特に確認したい機能は次のとおりです。

  • 複数値の管理メタデータ
  • ドキュメントWebパーツ
  • コミュニケーションサイト
  • ユーザープロファイル検索
  • 多言語コンテンツ
  • アクセシビリティとフォーカス移動
  • 独自WebパーツやJavaScriptカスタマイズ

SharePoint Server 2016

KB5002880には、安全でないと判定されたユーザーコントロールによりページを読み込めない問題への修正が含まれています。独自開発のコントロールや古いWebパーツを利用している場合は、更新前後でページ表示を比較してください。必要なコントロールを明示的に信頼する仕組みも案内されていますが、セキュリティ上の理由を確認せずに許可対象を広げるべきではありません。(Microsoft サポート)

また、SharePoint Server 2016でOneDrive for Businessのモダンユーザーエクスペリエンスを有効化している場合は、アクティブなSoftware Assuranceに関する利用条件も確認します。契約条件を満たしていない環境では、機能を有効にしたまま運用しないよう注意が必要です。(Microsoft サポート)

Office Online Serverの設定確認

Office Online Serverでは、更新ファイルをインストールするだけでなく、ファーム構成を考慮した作業が必要です。

1台構成の場合

1台構成では、対象サーバーをOffice Online Serverファームから削除し、更新を適用した後、ファームを再作成します。作業中はOffice文書のブラウザープレビューやブラウザー編集が利用できなくなるため、停止時間をユーザーに周知します。(Microsoft Learn)

複数台構成の場合

複数台構成では、一般的に次の流れで更新します。

  1. 1台をロードバランサーの振り分け対象から外す
  2. 対象サーバーを既存ファームから外す
  3. KB5002875をインストールする
  4. 更新済みサーバーでファームを作成する
  5. 残りのサーバーを順番に更新する
  6. 更新済みファームへ参加させる
  7. 十分な処理能力を確保してからロードバランサーへ戻す

正しく構成すれば、利用者への影響を抑えながら更新できます。ただし、1台あたりの処理能力に余裕がない環境では、無理に無停止とせず計画停止を選びます。(Microsoft Learn)

更新後は、サーバーの状態だけでなく、SharePoint側から次の操作を確認します。

  • Word、Excel、PowerPointファイルのプレビュー
  • ブラウザー上での文書編集
  • 保存と自動保存
  • 複数ユーザーによる共同編集
  • 外部共有された文書の表示
  • 大容量ファイルの読み込み
  • ロードバランサー経由の接続

Office Online Serverは2026年12月31日にサポート終了予定です。今回の更新適用と並行して、サポート終了後の文書プレビュー・編集基盤を検討してください。(Microsoft Learn)

サポート期限を更新確認と同時に見る

製品サポート状況管理者が取るべき対応
Office 20162025年10月14日に終了今回の更新を適用しつつ、サポート対象Officeへ移行
SharePoint Server 20162026年7月14日に終了SharePoint Server Subscription Editionまたはクラウドへの移行を優先
SharePoint Server 20192026年7月14日に終了Subscription Editionへのアップグレード計画を確定
Office Online Server2026年12月31日に終了予定後継構成と文書編集方式を検討
SharePoint Server Subscription EditionModern Lifecycleサポート対象ビルドを継続的に維持

SharePoint Server 2016と2019は、2026年7月14日に延長サポートが終了します。2026年6月の更新を適用しても、2026年7月14日以降のセキュリティ更新や技術サポートが通常どおり継続することを意味しません。(Microsoft Learn)

SharePoint Server Subscription Editionへ移行した場合も、初期導入後に放置できるわけではありません。Modern Lifecycleの対象製品として、サポートされるビルドを維持し、定期的に公開更新を適用する運用が必要です。(Microsoft Learn)

更新後の動作確認項目

Officeクライアント

検証端末では、実際の業務ファイルを使って次の操作を確認します。

  • Word、Excel、PowerPointが正常に起動する
  • 既存ファイルを開ける
  • 新規ファイルを保存できる
  • ネットワーク共有やSharePointへ保存できる
  • PDF出力と印刷ができる
  • マクロやVBAが動作する
  • COMアドインが読み込まれる
  • 保護ビューから安全にファイルを開ける
  • Outlookの添付ファイルを開ける
  • 電子署名や文書保護機能が動作する

特に、基幹業務で使用しているExcelマクロ、帳票テンプレート、Wordアドインは、一般的な起動確認だけでは不具合を検出できません。業務担当者による受け入れ確認を行うのが安全です。

SharePoint Server

SharePoint Serverでは、次の機能を確認します。

  • サイトへのサインイン
  • トップページとモダンページの表示
  • リストの表示、登録、編集、削除
  • ファイルのアップロードとダウンロード
  • チェックアウト、チェックイン、バージョン管理
  • 権限継承と固有権限
  • 検索と検索結果
  • ユーザープロファイル
  • 2010/2013形式を含むワークフロー
  • Power Automateなど外部連携
  • 独自Webパーツ
  • タイマージョブ
  • メール通知
  • Office Online Serverによるプレビューと編集

「サイトが開ける」だけで完了とせず、検索、ワークフロー、Office文書、独自開発部分まで確認してください。

ユーザー周知で伝えるべき内容

ユーザー周知では、更新の技術的な説明よりも、利用者が何をすればよいかを明確にします。

周知タイミング伝える内容
事前周知作業日時、対象システム、停止の有無、利用できない機能
作業前日ファイル保存、Officeアプリ終了、長時間処理を避けること
作業開始時メンテナンス開始、問い合わせ先
作業完了時利用再開、再起動の要否、不具合時の連絡方法
障害発生時影響範囲、代替手段、復旧状況

周知文は、次のように作成すると伝わりやすくなります。

件名:Microsoft Office/SharePointセキュリティ更新に伴うメンテナンス

実施日時:
2026年○月○日 ○時から○時まで

対象:
Microsoft Office、SharePoint Server、Office Online Server

影響:
作業中はSharePointへの接続、文書のプレビュー、
ブラウザー編集を一時的に利用できない場合があります。

利用者へのお願い:
作業開始前に編集中のファイルを保存し、
Word、Excel、PowerPoint、Outlookを終了してください。

作業完了後:
端末の再起動を求められた場合は、表示に従って再起動してください。
不具合がある場合は、対象ファイル名、発生時刻、画面の表示内容を
情報システム担当へ連絡してください。

よくある設定ミスと対処方法

ミス起きる問題対処
Office 2016用KBを全Office端末へ配布するクイック実行版では対象外となるMSI版とクイック実行版をインベントリで分ける
Windows Updateの成功だけで完了とするOfficeのKBが未適用の可能性があるKB番号または更新チャネル別ビルドを確認する
SharePointサーバー1台だけ更新するファーム内でバージョンが不一致になるファーム内の全サーバーを対象にする
構成ウィザードを実行しないデータベースや機能のアップグレードが未完了になる全サーバーで構成アップグレードを完了する
日本語言語パック用更新を確認しない言語依存コンポーネントが古いまま残る言語パックの導入状況を台帳化する
Workflow Managerの前提更新を省略するワークフローが失敗する可能性がある基本更新と言語パック更新の前提条件を両方読む
Office 2016の更新公開をサポート延長と考える移行判断が遅れるパッチ適用と製品移行を別プロジェクトとして管理する
更新直後に全台展開する業務アドインやカスタマイズの問題が全社へ広がる検証、先行展開、本番展開の段階を分ける

更新を戻す前提ではなく復旧できる前提で進める

Officeクライアントの更新は、更新方式やKBによってアンインストールできる場合があります。ただし、更新を削除すると修正済みの脆弱性が再び残るため、恒久対策にはなりません。

SharePoint Serverでは、「問題が起きたら更新をアンインストールする」という計画だけに頼らないことが重要です。更新前に次の項目をそろえます。

  • SQL Serverデータベースのバックアップ
  • SharePoint構成情報
  • カスタムソリューションとWebパーツ
  • 証明書
  • 設定ファイル
  • Office Online Serverのファーム設定
  • Workflow Managerの構成情報
  • 復旧作業の担当者と判断基準
  • 復旧後に行う業務確認項目

仮想マシンのスナップショットだけでは、複数サーバーとSQL Server間の整合性を保証できない場合があります。ファーム単位で復旧できる手順を準備してください。

2026年6月更新の最終チェックリスト

  • [ ] OfficeをMSI版とクイック実行版に分類した
  • [ ] Office 2016 MSI版の対象KBを特定した
  • [ ] Microsoft 365 Appsの更新チャネルとビルドを確認した
  • [ ] Cloud Update、Intune、WSUSなどの管理方式を整理した
  • [ ] SharePointファーム内の全サーバーを一覧化した
  • [ ] 日本語を含む言語パックの有無を確認した
  • [ ] Workflow Managerの種類と前提更新を確認した
  • [ ] Office Online Serverの構成台数と更新手順を確認した
  • [ ] バックアップと復旧手順を検証した
  • [ ] 検証環境または先行グループで動作確認した
  • [ ] ユーザーへ作業日時と必要な操作を周知した
  • [ ] SharePointの全サーバーへ更新を適用した
  • [ ] 構成ウィザードまたはpsconfigを完了した
  • [ ] サーバーの全体管理でパッチ、データベース、アップグレード状態を確認した
  • [ ] Office、検索、ワークフロー、独自機能、文書プレビューを確認した
  • [ ] KB番号、ビルド番号、実施日時、担当者を更新台帳へ記録した
  • [ ] サポート終了製品の移行計画を更新した

2026年6月のMicrosoft Officeセキュリティ更新では、まずインストール方式と製品を分類し、それぞれをKB番号またはビルド番号で管理することが重要です。SharePoint Serverでは、更新ファイルのインストール、言語パック、Workflow Manager、構成アップグレードまでを一つの作業として扱います。

最初に実施すべき具体的な行動は、Officeのインストール方式、SharePointファームのサーバー構成、言語パック、Workflow Manager、現在のビルド番号を一覧化することです。その一覧を基に、検証、ユーザー周知、本番適用、結果確認、サポート対象製品への移行を順番に進めてください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次